*トワイライト・ゾーン*
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#81 [スピーディー]
ユ―タはあの黒人のことを考えた。
あの灰色の髪、ふかい皺のきざまれた黒い顔、明るい色のふしぎな目。
:11/02/22 02:22
:SH07B
:☆☆☆
#82 [スピーディー]
このどこか薄気味わるいレストランに母と二人で座っているいま、ユ―タに問いかけているのは、あの黒人ではなくてユ―タ自身の声だった。
(ぼくはどうして学校に行ってないんだ?
ママの言うように、出生の証明書がないからさ。
そんなものをここに持ってこれたと思う? ママは逃げ出してきたんだ。 そのママといっしょに、ぼくも逃げてきたんだ。
だって―
:11/02/22 02:26
:SH07B
:☆☆☆
#83 [スピーディー]
―)
ユ―タの手が震え、コップがテ―ブルから落ちて、砕けた。
:11/02/22 02:27
:SH07B
:☆☆☆
#84 [スピーディー]
(おまえのママは、もうすぐ死ぬんだぞ、ユ―タ)
それはあの夢の中で聞いた声だった。
あれは、ナオト叔父さんの声だ。 それも幻聴なんかじゃなく、まるで現実の声でもあった。
:11/02/22 02:30
:SH07B
:☆☆☆
#85 [スピーディー]
帰りの車の中で、母がユ―タに訊いた。
「さっきはいったいどうしたのよ?」
「なんでもない。よそ見しちゃっててさ」
「ごまかさないで」
「してないよ」
「え?」
「ごまかしてなんかない。ちょっといらいらしただけだよ。ごめんなさい。
:11/02/22 02:34
:SH07B
:☆☆☆
#86 [スピーディー]
「いいのよ。 何か、カズヤ君に関係あることかと思ったから」
「ないよ」 (ただ、彼のお父さんが、夢の中で話しかけてきただけのことだよ。 まるでナレーションのように話しかけてきて、ママがもうすぐ死ぬって言ったんだよ)
:11/02/22 02:37
:SH07B
:☆☆☆
#87 [スピーディー]
「彼に会いたいと思う、ユ―タ?」
「だれに?」
「だれだと思ったの? もちろん、カズヤ君よ」
「ときどきね」
:11/02/22 02:39
:SH07B
:☆☆☆
#88 [スピーディー]
カズヤはユ―タのいとこで、ナオト叔父さんの息子だ。
いまカズヤは大阪の私立学校に行っている。
:11/02/22 02:41
:SH07B
:☆☆☆
#89 [スピーディー]
「そのうち会えるわ」
母はユ―タの髪をくしゃくしゃにした。
「ママ、ぐあいは悪くないの?」
つい言葉がとび出してしまい、自分で自分の腿をぐいっとつねった。
:11/02/22 02:42
:SH07B
:☆☆☆
#90 [スピーディー]
「悪くないわ」
そう言い運転しながら、2本目の煙草に火をつけた。
「こんなに調子がよかったことはないくらいよ」
:11/02/22 02:44
:SH07B
:☆☆☆
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