涙の空と風の憧憬
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#11 [◆H1vWl/awPk]
何故なら僕はフード様から一度も
「いらない」
「出ていけ」
そんな言葉を掛けられた事が無いからだ。
親のいない子供にとって、居場所を作られた子供にとってその言葉はあまりに残酷………。

だけど━━
フード様は当たり前の様に、我が子の様に、僕を育ててくれたし修行も積んでくれた。

風と共に生きる意味、風が示す場所、

だから僕は少しでもフード様に近付きたくて、風の賢者になる為に必死に修行に明け暮れたんだ。

⏰:11/04/01 23:11 📱:F906i 🆔:eTYc8/aQ


#12 [◆H1vWl/awPk]
その中で上手く出来ずに落ち込む事もたくさんあったし、怒られる事もそれ以上にあった。

でもそんな時━━
落ち込んでる時、怒られた時、いつもフード様の笑顔が僕を励ましてくれた。

その笑顔だけで、また元気になれるのだからフード様の言うとおり、確かに僕は大バカ者かもしれない、、、、



━━━しばらくの沈黙の後
俯いたままの僕が恐る恐る顔を上げるとそこには、怒った後に見せる…いつものあの笑顔がそこにあった。

⏰:11/04/01 23:13 📱:F906i 🆔:eTYc8/aQ


#13 [◆H1vWl/awPk]
フード「このバカ者が……」

フード様が呆れた様な笑顔で僕にそう呟いた。

「フード様、その笑顔はずるいですよ」

声に出さず、困った笑顔でそう応える。

フード「ふぅ……もぅよいわ、下がれ。次期にカメジデ様が参られる。それまでに用意してまいれ。」

フィル「はい!!」

僕は勢い良く立ち上がりフード様の部屋を飛び出し、自分の部屋に駆け込んだ。

⏰:11/04/01 23:13 📱:F906i 🆔:eTYc8/aQ


#14 [◆H1vWl/awPk]
第二話『旅立ち』

⏰:11/04/01 23:15 📱:F906i 🆔:eTYc8/aQ


#15 [◆H1vWl/awPk]
窓とベットと机と大きな本棚。それしか無いのが僕の部屋。
フード様のドーム状の大きな家に僕のドーム状の部屋をくっつけた、まるでそれは北の国ではポピュラーな物である雪だるまの様な構造をしている。

そして、床一面に散乱した本。大きな本棚に入りきらない本達があちらこちらに散らばっている……

フィル「…………」

お世辞にも綺麗とは言えないその部屋で、僕は荷物を整理し始めた。

⏰:11/04/01 23:16 📱:F906i 🆔:eTYc8/aQ


#16 [◆H1vWl/awPk]
━━今日
僕は旅に出ます。

しかし、一体何がいるんだろうか?

フード様と幾らか旅に出た事はありますが、それもそんなに遠くない場所で、主に風と触れ合う事を目的としていたので…………
今回の旅は大変大きなものらしく、とても1日やそこらでは済まない様なのです。

何故なら……
かの有名な大魔法使いであるカメジデ様が僕を旅のお供として、選んだからです。

⏰:11/04/01 23:17 📱:F906i 🆔:eTYc8/aQ


#17 [◆H1vWl/awPk]
大魔法使いとして有名でありながらその所在はいつも知れず、根無し草の様に旅をされているそうで、カメジデ様が書かれた冒険記は彼が生きている唯一の証拠みたいな物だそうで。

しかし、そこに描かれる冒険路はこの世の物とは思えない様な話ばかりで、僕はその冒険記を読む度にワクワクしていた。

そんな冒険家のカメジデ様と旅をするのだからこそ何を持って行くべきかを迷う。

ドラゴンが出たりするのだろうか?魔物が出たりするのだろうか?

かの冒険記を思い浮かべながら僕は何が必要かを考え始めた。

⏰:11/04/01 23:19 📱:F906i 🆔:eTYc8/aQ


#18 [◆H1vWl/awPk]
フィル「う〜〜ん……」

頭を捻る僕に一筋の光が差した。

フィル「あっ!!そうだ!」

それは、カメジデ様の冒険記を読み直す事。
そこには今までの魔物達との死闘が描かれているから自ずと何が必要なのか解ると言う事だ。

そうと決まれば、後は……
辺りに散らばる本に視線を移す。

フィル「………どこに置いたっけかなぁ?」

⏰:11/04/01 23:20 📱:F906i 🆔:eTYc8/aQ


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