悪魔と天使の暇潰し
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#117 [匿名]
「そうだね。僕は君を守る資格がある。」

嫌な顔で俺を見た。

「何から?」

守ってもらわなくても、俺は一人で平気だ。と考えているのだろう。興味のない顔だ。

「悪魔から。」

あいつはそう言うと、ターゲットの顔の前に手を出して、その向こう側にいる俺を指差した。

⏰:11/06/01 15:06 📱:F06B 🆔:FrXz0ia2


#118 [匿名]
指差した先を見るターゲットと、目が合う。

「そうそう、俺から。」

ひらひらと手をふってみせるが、ターゲットはすぐに俺から視線を外した。


「あんたら仲間同士じゃないの?」

「まさか!」
「ありえねぇ!」

俺達は同時に否定した。

⏰:11/06/01 15:08 📱:F06B 🆔:FrXz0ia2


#119 [匿名]
「お二人は何者なの?」

「お前と同じようなもん。」

「僕は違うよ?」


ターゲットは俺達の顔を交互に見た。


「まあ、いい。俺の仕事の邪魔だけはするな。」

いつの間にか、ターゲットは殺人を認めたみたいだ。多分、俺達が無害だと感じたのかもしれない。

こんなに怪しいのに。

⏰:11/06/01 15:09 📱:F06B 🆔:FrXz0ia2


#120 [匿名]
「人を殺す仕事?」

「ああ。」


「じゃあ俺も依頼していいか?」

このターゲットは、殺し屋のような感じだろう。

誰かがターゲットに、こいつを殺してくれ!と依頼する。高額の代金と引き換えに、ターゲットはその人物を殺す。

プロの人殺しだ。

⏰:11/06/03 18:43 📱:F06B 🆔:yR80tUxE


#121 [匿名]
「俺は、全ての依頼を受ける訳じゃない。依頼がきてから、ターゲットを徹底的に調べる。」

殺す相手をターゲットと呼んでいるなんて、俺達とそっくりじゃないか。

「それで本当に殺す必要があると思えば殺す。その必要がないと思えば殺さない。依頼は受けない。」


「君と同じだ。」

俺にだけ聞こえる声で、あいつがボソッとつぶやいた。

⏰:11/06/03 18:44 📱:F06B 🆔:yR80tUxE


#122 [匿名]
認めたくないが、俺と同じだと思った。

「でも一応聞いてやるよ。誰を殺して欲しい?あ、金が払えなきゃ、論外だけど。」

俺はあいつの真似をして、ターゲットを指差した。

「お前だ。」

ターゲットは俺を睨んだ。

その目線に答えるべく、俺も睨もうとしたが、笑いが込み上げてきて上手く出来なかった。

人間の余裕が無くなる瞬間が、堪らなく好きだから。

⏰:11/06/03 18:45 📱:F06B 🆔:yR80tUxE


#123 [匿名]
「五日間。ターゲットを徹底的に調べる。答えが出るのは今日を入れて五日後だ。」

面白い。
これは偶然かな?暇潰しと似すぎている。


俺達のターゲットは、自分自身を調べる。調べると言うか、自問自答だ。自分が死ぬべき人間か、自分に問いかける。きっと。


それからすぐターゲットと俺達は別れた。

久しぶりに楽しい五日間が送れそうだ。

⏰:11/06/03 18:47 📱:F06B 🆔:yR80tUxE


#124 [匿名]
二日目



夜の10時。ターゲットがマンションから出てきた。殺し屋らしくない、綺麗で高いマンションだ。

今日のターゲットも、スーツを着ていた。昨日と違うのは黒縁眼鏡をかけていること。


「これから仕事か?」

マンションの入り口の前で待ち伏せしていた俺は、ターゲットの姿が見えるとすぐに声をかけた。


「やっぱ仕事をするのは夜なんだね。」

当たり前のようにあいつもいる。

⏰:11/06/06 17:15 📱:F06B 🆔:jgpAfPWE


#125 [匿名]
俺達の声を聞き、俺達の姿を確認して、ターゲットは深いため息をついた。

「何で家が分かった?」

頭を抱えている。


「俺達を誰だと思ってんだ。何でもわかんだよ!」

悪魔と天使なんだから。上から何でも見えるんだ。


もう一度ターゲットはため息をついた。

「で、何の用?今から大事な仕事が待ってんだ。」

⏰:11/06/06 17:16 📱:F06B 🆔:jgpAfPWE


#126 [匿名]
「ああ、だから来た。」

「はあ?」

「仕事見学かな。」

あからさまにターゲットは嫌な顔をした。

「だからさ、仕事の邪魔はすんなって言ったよな?」

「誰が邪魔してやるっつったよ。ただ見てるだけだ。なんなら手伝ってやってもいいんだぜ?」

俺の親切な言葉を無視してターゲットは歩きだした。

⏰:11/06/06 17:18 📱:F06B 🆔:jgpAfPWE


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