悪魔と天使の暇潰し
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#125 [匿名]
俺達の声を聞き、俺達の姿を確認して、ターゲットは深いため息をついた。
「何で家が分かった?」
頭を抱えている。
「俺達を誰だと思ってんだ。何でもわかんだよ!」
悪魔と天使なんだから。上から何でも見えるんだ。
もう一度ターゲットはため息をついた。
「で、何の用?今から大事な仕事が待ってんだ。」
:11/06/06 17:16 :F06B :jgpAfPWE
#126 [匿名]
「ああ、だから来た。」
「はあ?」
「仕事見学かな。」
あからさまにターゲットは嫌な顔をした。
「だからさ、仕事の邪魔はすんなって言ったよな?」
「誰が邪魔してやるっつったよ。ただ見てるだけだ。なんなら手伝ってやってもいいんだぜ?」
俺の親切な言葉を無視してターゲットは歩きだした。
:11/06/06 17:18 :F06B :jgpAfPWE
#127 [匿名]
「やっぱスーツを着てきて良かったよ。」
少し歩いた所で、あいつが呟いた。
仕事をするならスーツの方がいいだろう。どこに居ても大抵馴染む。
ターゲットに接触する前に、あいつがそう言うので俺はそれに仕方なく従った。
:11/06/09 11:59 :F06B :VrVyQRkE
#128 [匿名]
「俺の仕事に付き合うからか?」
「ああ。まずかったか?」
「いや、俺も、仕事の時は必ずスーツだ。スーツだと、こんな仕事でも正当化されちゃう気がすんだよな。」
ターゲットは自分のしている事が、犯罪だと分かっているみたいだ。
「されるわけないけど。」
自傷ぎみに笑うターゲットは、隠しきれない闇を抱えている様に見えた。
:11/06/09 12:07 :F06B :VrVyQRkE
#129 [匿名]
「で、お前の今日のターゲットはどんな奴なんだ?」
ターゲットは俺の問いに、答えるべきが秘密にするべきか悩んだ。
だけど結局は喋った。
「裏の世界の奴だ。犬や猫を無差別に殺して、マニアに売り飛ばすんだ。」
どんなマニアだよ。考えるだけで気分が悪くなる。
「依頼人はそのターゲットに何をされたの?」
あいつが問いかける。
:11/06/13 17:59 :F06B :VWDbyeCI
#130 [匿名]
「飼っていたペットを殺されたんだ。」
そう言ったターゲットは、怒りに満ちていた。歯を食いしばっている様にも見える。
でもすぐに元に戻る。その怒りを隠す様に、いつもの無表情になった。
「そうか。他にはどんな事してんだ?そのペット殺しは。」
俺は深い意味もなく発した言葉だったが、ターゲットは俺を睨んだ。
:11/06/13 18:02 :F06B :VWDbyeCI
#131 [匿名]
何故怒られなきゃならない?
「他にも沢山だ。"犯罪"と呼べる物はほとんどやっていた。」
「殺されて当然だ。」
ターゲットに同意するようにあいつが言うと、鋭い目付きが和らいだ。
「で、どうやって殺るんだ?」
「突き落とす。」
「どこで?」
:11/06/13 18:04 :F06B :VWDbyeCI
#132 [匿名]
「電車のホームだ。」
「お前刺すだけじゃなくて、突き落とす事も出来んのか!」
「ああ。一通りの殺し方は身に付いているし、バレる心配もない。」
自信に満ちた顔だ。
最寄り駅から電車に乗って、一度だけ乗り換え地下鉄のホームについた。
ここにターゲットは現れるらしい。しっかりと調査済みみたいだ。
:11/06/13 18:06 :F06B :VWDbyeCI
#133 [匿名]
パラパラと人が階段から降り、ホームに溜まってきた。
溜まるといっても、俺達の他に3人いたサラリーマンに、5、6人増えただけだった。
終電よりも早く、帰宅ラッシュを過ぎた時間なので、いつもこの電車のホームはこのくらいの人しかいないらしい。
その中で一人、他のサラリーマンとは雰囲気の違う男が現れた。
:11/06/17 14:40 :F06B :i5j7jaOw
#134 [匿名]
「あれが殺すターゲットだ。」
そいつは小太りで、身長も小さい。チンピラですが?という出で立ちで、ふらふらしながら立っていた。
「あれ酔っぱらってんな?」
「ああ。絶好のチャンスだ。お前らはここで待ってろ。」
そう言うと、ターゲットはすたすたと歩き出した。
「まもなくー3番線にー電車が参ります。」
白線の――とアナウンスが流れ出し、奥の方から、ゴーっという電車の近付く音がした。
:11/06/17 14:43 :F06B :i5j7jaOw
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