悪魔と天使の暇潰し
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#28 [匿名]
「…そんなわけないだろ!」

浮気男が口を開いた。

「俺が一番大切なのは妻と娘だ!二人を手放すつもりはない!」

一安心だ。

「それでいい。あの女とは終わりにするな?嫌とか言うんじゃねーぞ。」

「ああ、もう十分遊んだ。そろそろ飽きてきた所だったからな。」

⏰:11/05/03 14:57 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#29 [匿名]
「悪い男だなー。」

悪魔の俺が感心してしまう。

「それでいいんだろ?それだけでいいんだよな?」

浮気男はもう冷静さを取り戻していた。

「ああ、それだけでいい。しっかりやれよ。期限は明後日までだ。俺はお前達を見ているからな。変なマネしたら家族崩壊すると思え。」

浮気男の顔が少し強ばった。

「ばれないと思ったら大間違いだからな?」

⏰:11/05/03 15:00 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#30 [匿名]
「お前は何者なんだ?何でこんな事をする。誰かに頼まれたのか?」

俺が帰ろうとすると浮気男から質問が飛んできた。疑問に思うのは当たり前だ。

見ず知らずの男に浮気の証拠を握られ、脅される。普通なら金を要求される所だが、それもなく、ただ別れろと言う。

「あの女の男か?」

そう思わせといた方がいいのか悩む。

⏰:11/05/03 15:02 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#31 [匿名]
「違う。この女の事は何も知らない。」

俺は正直者だ。
悪魔には珍しいんだ。

「じゃあ一体誰に?」

「誰でもねーよ。俺はただの悪魔だからな。」

「つまらん比喩だな。」

この浮気男は基本的に物事に動じない奴なのかもしれない。

「こんなに的確な比喩は他にはないと思うけどな。」

⏰:11/05/03 15:04 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#32 [匿名]
三日目



ふわふわとあいつが下から戻って来た。

「おう!どーだ?順調か?」

俺はこれからターゲットに絶望を与えに行く所だ。そう考えると笑顔が止まらなくなる。

「うん。まあ普通かな。」

今日もあいつは余裕だ。
こいつが焦る事はあるのか?

⏰:11/05/04 22:09 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#33 [匿名]
「ターゲットの奴、泣いたりしてなかったか?」

もしかしたらあの浮気男がもう別れ話をしているかもしれない。

「いや、そんな事はなかった。まだ浮気男が話していないんじゃないかな?」

ああそうか。

「…つーかお前、昨日も俺の事見てたのかよ!」

あいつはニコッと笑う。

⏰:11/05/04 22:11 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#34 [匿名]
「見られてたらまずかったか?」

あいつは終始余裕の笑みで俺を見ている。

「まあいずれ分かる事だ。一々そんな事気にしたりしねーよ!」

本当はこいつを驚かせてやりたかった。焦りながら、どうしようと悩む姿を笑いながら見たかった。

だけどいつもこいつの方が一枚上手なんだ。

⏰:11/05/04 22:12 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#35 [匿名]
「まあ今は思う存分笑っとけ!そんな風に笑ってられるのも今だけだからな!」

そうだ、今日はこれからターゲットに絶望を味わってもらうんだ。
浮気男がターゲットに別れを切り出していないのなら、その前にネタばらしをしてしまおう。

そのあとに浮気男の口から別れ話を切り出されたら、そりゃあもう立ち直れないだろう。死ぬかもしれない。

⏰:11/05/04 22:15 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#36 [匿名]
「これから行って来るからお前は上で大人しく見とけよな!」

あいつの目を指差す。

「はいはい。」

そんな風に笑っていればいいんだ。俺は込み上げてくる感情を抑えつつ下に降りた。

⏰:11/05/04 22:16 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#37 [匿名]
夜の8時。空は黒く、街の明かりが賑やかに感じる。

ターゲットは一人家を出て駅に向かって歩いている。相変わらず髪の毛はくるくるしていて、スカートは短めだ。

駅の改札の前、ターゲットが向かってくるのを待つ。若い男にいきなり声をかけられたらきっと警戒するだろうな。もしかしたら俺の事を無視するかもしれない。

⏰:11/05/07 17:49 📱:F06B 🆔:igzhg2pM


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