悪魔と天使の暇潰し
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#41 [匿名]
「その彼氏の事なんだけど、そいつはもう結婚してんだ。子供もいる。どこにでもいる幸せな家庭を築いてんだよ。」

ターゲットは下を向いたまま何も喋らない。そりゃショックだろう。自分が騙されていたんだから。

「君は騙されてたんだ。」

「…知ってます。」

え?知ってる?

⏰:11/05/07 17:58 📱:F06B 🆔:igzhg2pM


#42 [匿名]
「彼に家庭がある事は知ってます。それでも好きになってしまったんです!」

俺が自分に好意を抱いていないと分かったターゲットは上目遣いをやめ、喋り方もハキハキとしだした。

「彼には家庭がある。だから身を引け。そう言いに来られたんですか?」

⏰:11/05/07 18:02 📱:F06B 🆔:igzhg2pM


#43 [匿名]
一瞬、このターゲットも遊びで浮気男と付き合っているのかと思ったが、やはりそうではなさそうだ。

「罪悪感はないのか?」

「何のですか?」

「何のって、向こうには家族がいるんだぞ?それをめちゃくちゃにしようとしてる。」

⏰:11/05/07 18:07 📱:F06B 🆔:igzhg2pM


#44 [匿名]
「彼は奥さんとは上手くいってないんです。離婚の話もしていて、もうすぐ離婚出来るから、そしたら一緒に暮らそう!って二人で話してます。」

だから私は罪悪感なんかないんです。むしろ居心地の悪い場所から彼を救ってあげるんです。とでも言い切りそうだった。

やっぱり騙されている。ほっとした。

⏰:11/05/07 18:12 📱:F06B 🆔:igzhg2pM


#45 [匿名]
「それは全部嘘だ。」

ここからだ。

「嘘?」

ターゲットは笑顔を浮かべる。この男は何をいきなり不思議な事を言っているのかしらー、と俺を哀れむ目だ。

「あんたと一緒になる気は、あの男にはねーよ。多分あんたみたいな若い女とヤりたかっただけだね。」

⏰:11/05/08 18:10 📱:F06B 🆔:ZMQXqiQY


#46 [匿名]
「何が言いたいんですか?」

ターゲットはどうしてあんな男の事を信じれるのだろう。
恋は盲目だと誰かが言っていたのを思い出した。こいつの事だったのか!と今になって納得出来た。

「だから、あんたに言ってる事全部嘘なんだって!」

「本人に聞いたんですか?」

⏰:11/05/08 18:15 📱:F06B 🆔:ZMQXqiQY


#47 [匿名]
「ああ。あの男は、自分の妻と子供が一番大切だって言ってたよ。あんたは所詮浮気相手。」

「そんなの、見ず知らずの人からいきなり聞かされたって信じれるわけないじゃない!」

そりゃそうだ。俺だったら絶対に信じないね。

「信じたくなきゃ信じないで別にいいんだけどよー。こっちにも証拠とかあんだよな〜。」

⏰:11/05/08 18:19 📱:F06B 🆔:ZMQXqiQY


#48 [匿名]
「証拠?」

ターゲットの顔は徐々に強張っていく。

「そうそう。じゃーん!これ携帯なんだけどさ、」

ポケットから携帯電話を取り出す。人間が使っている物と一緒。

「昨日その男と話したんだ。その時にそいつには内緒で音声を録音したってわけ!」

携帯を操作し、すぐに再生出来るようにした。

⏰:11/05/08 18:21 📱:F06B 🆔:ZMQXqiQY


#49 [匿名]
「……え?」

「聞く?」

ターゲットは黙る。

「じゃあさ勝手に流すから聞きたかったら聞いてよ。嫌なら耳塞いでて。」

スタート!そう言って再生を押した。

ターゲットは目をギュッと瞑り、両手で頬を抑えている。頬を抑えていたって目を瞑っていたって音は聞こえるのに。

⏰:11/05/08 18:23 📱:F06B 🆔:ZMQXqiQY


#50 [匿名]
『俺が一番大切なのは妻と娘だ!二人を手放すつもりはない!』

携帯電話から昨日の浮気男の声が聞こえる。

『ああ、もう十分遊んだ。そろそろ飽きてきた所だったからな。』

俺の声はあらかじめ消しておいた。あなたが脅して言わせたんでしょ!なんて言われたら台無しだからな。

それにしても何も頼んでいないのに、よくもここまできつい言葉を言えたなと、浮気男に感心する。

⏰:11/05/08 18:26 📱:F06B 🆔:ZMQXqiQY


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