悪魔と天使の暇潰し
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#63 [匿名]
「本当の事を言ってよ。」
ターゲットはもう諦めているのかもしれない。
もしくはやっぱりお前が好きだ!と抱き締めてくれると期待しているのかもしれない。
確かにこのターゲットは馬鹿だと思う。男に騙されていいように利用されていた。
そんなターゲットよりも俺が呆れた人間は、この浮気男だ。こいつには痛い目に合ってもらわなきゃ気がすまない。
:11/05/17 13:16 :F06B :S1r7CZM.
#64 [匿名]
その為にも、ターゲットには自殺してもらわなきゃいけない。
その為にも、今は浮気男に酷い言葉を言ってもらわなくてはならない。
「どうなるかね?」
隣にいるあいつが話しかけてきた。
「黙って見てろよ!」
俺だってどうしたら上手く行くか考えているんだ。
:11/05/17 13:17 :F06B :S1r7CZM.
#65 [匿名]
ターゲットの言葉にも、浮気男は黙ったままだ。
「何も言わないって事は私の事がまだ好きって事?…だったら奥さんに言いに行く!」
ターゲットは浮気男に背を向け走りだそうとする。だが、浮気男が腕を掴みそれを止めた。
「ちょっ!待てって!」
さあ早く言えよ。
:11/05/17 13:18 :F06B :S1r7CZM.
#66 [匿名]
「迷惑なんだよ。」
よし。
「円満に別れられたらいいと思ったのに、これじゃ無理だな。」
これが本当の浮気男の姿だぞ?ターゲットよ、よく見とけ。そう心の中で言う。
「もう君は必要ない。さっき話しにあったけど、飽きたんだよ。元から遊びで付き合ったんだから、もう遊びも終わりでいいだろ?」
:11/05/17 13:19 :F06B :S1r7CZM.
#67 [匿名]
浮気男はターゲットを見下し、冷たい視線を向けたまま淡々と語る。
「もう俺に迷惑かけるのは、やめてくれ。」
嫌味な程にゆっくりと話す浮気男は、最後に勝ち誇った顔をした。
そんな顔が出来るのも、あと1日くらいだろう。
俺は悪魔だ。悪い事をした奴を放っておいたらいけない義務がある。
:11/05/17 13:21 :F06B :S1r7CZM.
#68 [匿名]
ターゲットは何も言わずに下を向いたままその場を離れた。
唇を噛みしめ涙を堪えているのが分かる。
ゆっくりと歩いていく。
悲しいのか、悔しいのか、俺には判断出来ない。ただ、歩いていく姿に気力は感じられなかった。
「久しぶりにちょっと苛立ったかもしれない。」
「珍しいな、俺もだ。」
あいつと同じ事を考えるなんて滅多にない。
:11/05/17 13:23 :F06B :S1r7CZM.
#69 [匿名]
四日目
ターゲットは高いビルの屋上にいた。
まだ陽が登ったばかりの午前5時。たまに車の通る音がするくらいで、とても静かだ。
きっとターゲットは昨日の出来事があり、眠れなかったのだろう。
化粧はボロボロで、髪の毛もぐしゃぐしゃだった。
:11/05/19 10:30 :F06B :1nNFFqE2
#70 [匿名]
もう俺のやることはないな。何をしてもターゲットは死ぬだろう。
「僕が行って何か変わるかなー?」
ターゲットが自殺をしようとしているのに、隣の天使は悠長なことを言っている。
「余裕だな。おめぇもうすぐ負けんだぞ!?」
:11/05/19 10:35 :F06B :1nNFFqE2
#71 [匿名]
「そしたらそしたで、君が僕を上回ったって事じゃないか。君は、僕に勝ってほしいの?」
ギクリとする。
そんなはずがあるわけないだろう。俺はこいつに勝ちたい。
そう思い込ませた。
「ふざけた事言うな。早く行かねーとターゲット死ぬぞ?」
ふわっと笑ってあいつが下に向かった。
:11/05/19 10:38 :F06B :1nNFFqE2
#72 [匿名]
ターゲットはビルの屋上から、ただ遠くを見ていた。
「何をしてるの?」
そこにあいつが現れた。
さも偶然来て、飛び降りようとする女を前に驚いている演技をしている。
「…あなたは。」
いつの間にか知り合いになっていたのか。
:11/05/19 10:42 :F06B :1nNFFqE2
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