悪魔と天使の暇潰し
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#17 [匿名]
諦めかけたその時、ホテルからターゲットと浮気男が出て来た。
二時間になる五分前。
俺はなんという悪運の強さだろうか。まあ当たり前か、俺は悪魔なんだから。
「今度は朝までいたいなー」
ベッタリと浮気男にくっつきながら甘えるターゲットを見ると、なんだか惨めな気持ちになった。
この男には家庭がある事を早く教えてあげたくなる。
:11/04/29 10:24 :F06B :CkGxWalM
#18 [匿名]
二日目
「昨日は上手く写真撮れたみたいだね。」
余裕の笑みであいつが声をかけて来た。非常にむかつく。今この暇潰しにリードしているのは間違いなく俺だ!
「おう!俺にかかればこんなもんだよ!お前はどーなんだ?昨日何かしたのかよ?」
多分何もしてない。
「昨日は上で見てたよ。今日は下に行って来ようと思う。」
:11/04/29 10:26 :F06B :CkGxWalM
#19 [匿名]
こいつのフワフワした喋り方が俺の苛立ちを落ち着かせていく。
多分俺とあいつは相性が良いに違いない。
「何しに行くんだ?」
「何しにって、ターゲットを救いにだよ。悪魔が付きまとってるらしいからね!」
「ふん、挑むところだ!」
人間だったら良い友人になっていたのだろうか?そんな事を考えながら俺は下に降りた。
:11/04/29 18:55 :F06B :CkGxWalM
#20 [匿名]
あいつはターゲットに会いに行ったのだろうか。そしたら何をするのだろう。
まだ俺はターゲットに何もしていないから、あいつはする事がないかもしれない。
まあ、明日になればあいつも大忙しになるだろうな。そう思いながら俺はあの浮気男の元へと行った。
夜の7時。
浮気男が仕事を終わらせ、家に帰る途中の道。
:11/04/29 18:56 :F06B :CkGxWalM
#21 [匿名]
最寄りの駅で降り、改札を抜けた瞬間を見計らい俺は声をかけた。
「ちょっとー」
浮気男は気付かない。しょうがなく肩をポンポンと叩いた。
振り返った浮気男は俺の顔を見るとすぐに嫌な顔をした。少し悲しい気持ちになるがそんな事はもう慣れた。
:11/04/29 19:01 :F06B :CkGxWalM
#22 [匿名]
人間の世界に行けば俺らも普通の人間と同じ姿になる。だけど悪魔っぽく感じるのかもしれない。
浮気男を間近で見ると意外と男前だった。堂々とした貫禄があり、女にモテてきたんだなと感じる。
ターゲットが騙されて、本気で好きになってしまうのも無理はない気がしてきた。
:11/04/29 19:05 :F06B :CkGxWalM
#23 [匿名]
「話したい事があるんだけど、いいかな?」
俺はあまり演技はしない。前に警察と幽霊を演じて、それはそれは上手くターゲット達を騙したけど、疲れる。
「何でしょうか?」
浮気男の嫌な顔は崩れない。
「ここじゃ話しにくい内容なんだけど、いいの?」
俺の言葉に浮気男の顔はどんどん歪んでいく。
:11/05/02 13:13 :F06B :ITgRPnl6
#24 [匿名]
怪しい者を見る目だ。ただそれは正しい判断だと思う。
「勧誘か何かならお断りします。宗教だとか絵画や壺には興味がありません。」
では、と浮気男は帰ろうとするので、とっさにあの写真を見せてみた。
ターゲットと浮気男が腕を組ながらホテルから出てくる写真だ。
「なっ!」
慌てた男は、写真を取り上げようとするので写真はポケットにしまった。
:11/05/02 13:14 :F06B :ITgRPnl6
#25 [匿名]
「これさ奥さん宛に送りつけられたくないよね?浮気バレたら嫌だよね?」
不気味に笑ってみせる。
「か、金か?いくら欲しいんだ!金なら用意する!」
「…一億。」
人差し指を立てて浮気男の鼻すれすれの位地で見せてあげる。分かりやすいように。
「え、いい、一、一億!?」
驚きすぎだろ。
:11/05/02 13:18 :F06B :ITgRPnl6
#26 [匿名]
笑いが込み上げてくる。
「嘘に決まってんじゃん。金なんかいらねーよ!」
何でもかんでも金で解決しようとしやがって。俺はそういう人間が大嫌いだ。
「じゃあ何なんだ?」
自分がからかわれた事に怒りが込み上げてきたのか、浮気俺の眉間には皺が寄る。
「…ただ」
:11/05/03 14:52 :F06B :KitM6Z2s
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