悪魔と天使の暇潰し
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#31 [匿名]
「違う。この女の事は何も知らない。」

俺は正直者だ。
悪魔には珍しいんだ。

「じゃあ一体誰に?」

「誰でもねーよ。俺はただの悪魔だからな。」

「つまらん比喩だな。」

この浮気男は基本的に物事に動じない奴なのかもしれない。

「こんなに的確な比喩は他にはないと思うけどな。」

⏰:11/05/03 15:04 📱:F06B 🆔:KitM6Z2s


#32 [匿名]
三日目



ふわふわとあいつが下から戻って来た。

「おう!どーだ?順調か?」

俺はこれからターゲットに絶望を与えに行く所だ。そう考えると笑顔が止まらなくなる。

「うん。まあ普通かな。」

今日もあいつは余裕だ。
こいつが焦る事はあるのか?

⏰:11/05/04 22:09 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#33 [匿名]
「ターゲットの奴、泣いたりしてなかったか?」

もしかしたらあの浮気男がもう別れ話をしているかもしれない。

「いや、そんな事はなかった。まだ浮気男が話していないんじゃないかな?」

ああそうか。

「…つーかお前、昨日も俺の事見てたのかよ!」

あいつはニコッと笑う。

⏰:11/05/04 22:11 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#34 [匿名]
「見られてたらまずかったか?」

あいつは終始余裕の笑みで俺を見ている。

「まあいずれ分かる事だ。一々そんな事気にしたりしねーよ!」

本当はこいつを驚かせてやりたかった。焦りながら、どうしようと悩む姿を笑いながら見たかった。

だけどいつもこいつの方が一枚上手なんだ。

⏰:11/05/04 22:12 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#35 [匿名]
「まあ今は思う存分笑っとけ!そんな風に笑ってられるのも今だけだからな!」

そうだ、今日はこれからターゲットに絶望を味わってもらうんだ。
浮気男がターゲットに別れを切り出していないのなら、その前にネタばらしをしてしまおう。

そのあとに浮気男の口から別れ話を切り出されたら、そりゃあもう立ち直れないだろう。死ぬかもしれない。

⏰:11/05/04 22:15 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#36 [匿名]
「これから行って来るからお前は上で大人しく見とけよな!」

あいつの目を指差す。

「はいはい。」

そんな風に笑っていればいいんだ。俺は込み上げてくる感情を抑えつつ下に降りた。

⏰:11/05/04 22:16 📱:F06B 🆔:dCxt.5wQ


#37 [匿名]
夜の8時。空は黒く、街の明かりが賑やかに感じる。

ターゲットは一人家を出て駅に向かって歩いている。相変わらず髪の毛はくるくるしていて、スカートは短めだ。

駅の改札の前、ターゲットが向かってくるのを待つ。若い男にいきなり声をかけられたらきっと警戒するだろうな。もしかしたら俺の事を無視するかもしれない。

⏰:11/05/07 17:49 📱:F06B 🆔:igzhg2pM


#38 [匿名]
どう声をかけようか悩んだが、良いアイディアは浮かばない。しょうがない、行動あるのみだ!


ターゲットが視界に入る。俺がずっとターゲットを見ていると目が合った。

すぐに目を反らされる。想定の範囲内だ。

悩んでいてもしょうがないんだから声をかける事にした。

「ねぇねぇ。」

⏰:11/05/07 17:51 📱:F06B 🆔:igzhg2pM


#39 [匿名]
「はい!」

ターゲットは笑顔で振り返った。目がキラキラと輝いている。

想定外だ。


「ちょっと話したいんだけど、いいかな?」

「10分くらいなら〜」

ターゲットは上目遣いで俺を見てくる。

「あ、ありがとう。」

⏰:11/05/07 17:53 📱:F06B 🆔:igzhg2pM


#40 [匿名]
駅から少し遠ざかり、人通りの少ない公園のベンチに腰掛けた。

「何ですか〜?話しって。」

早くこの場を去りたい。

「君さ、彼氏いるでしょ?」

「え?」

ターゲットは困った顔をした。

⏰:11/05/07 17:55 📱:F06B 🆔:igzhg2pM


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