ぼくらのみかた
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#242 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『先生…心因性ってどういう事ですか…?』
雪乃ちゃんが震えた声で担任に聞く。
『主に精神的なショックやストレスなどが原因という事だ』
『…それってやっぱり、久保くんが謹慎になった事が関係しているんですか?』
『松下…知っていたのか』
そう言って担任は俺に何か言いたげな視線を向けてきた。
:11/08/18 23:27
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:wwhjTjoQ
#243 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『…まあいい。皆にはいずれわかる事だしな』
…危ない。
雪乃ちゃんに言ってしまった事で怒られるかと思った。
『皆へは、来週の期末テストが終わってから言う。それまでこの事はお前達の胸にしまっておいて欲しい』
担任のお願いに、俺達は小さく頷いた。
:11/08/19 08:28
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#244 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『よし、じゃあ先生はテストの問題作りがあるから学校に戻るな。お前達もあまり遅くまでいないようにな』
担任は俺達に手を振って、病室をあとにしていった。
『じゃあウチらもそろそろ帰る?』
『雪乃ちゃん、野村…先に帰っていいよ。俺はもうちょっとだけ残る』
『カナ、私も残るから帰っててもいいよ』
俺と雪乃ちゃんが残ると言った中、野村は申し訳なさそうな顔をして『じゃあ帰るわ』と言って病室を出ていった。
:11/08/19 08:44
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#245 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『高見くん…私、高見くんに謝らなくちゃならない事があるの』
『え…?』
彼女が謝るような事何かしたか?
『昨日の帰り道で高見くんから聞いた事…実は知ってたの』
『どういう事?』
つい疑問系で聞いたが、薄々わかってきた気がする。
:11/08/19 09:06
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#246 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『前に優斗くんから聞いてたの。木下先生の娘さんと久保くんが付き合ってる事とか、謹慎になったのは久保くんだった事とか…』
『そうだったんだ』
…吉田のやつ、この場合だと他の人に言いふらすのも時間の問題だろう。
『昨日は、初めて聞いた事にしちゃってごめんなさい』
『いやいや、別にそんな謝るような事じゃ…』
深々と頭を下げる彼女に、俺は必死に頭を上げるように言った。
:11/08/19 09:21
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#247 [輪廻◆j6ceQ96kak]
その時だった。
『た………か…………み…』
ベッドにいる久保が途切れ途切れの声で俺の名前を呼んだ。
俺と雪乃ちゃんは驚いて、すぐ久保の傍にいった。
『久保くん! 喋れるの!?』
俺が話しかける前に雪乃ちゃんがすかさず話しかける。
:11/08/19 09:30
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#248 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『…き…きて……』
かなり近くに寄らないと聞き取りづらい小さな声ではあったが、俺はとにかく久保が喋れる事に安心した。
『久保、なんだ?』
『きて……く……れ…て……さ…』
雪乃ちゃんは首をかしげていたが、俺は久保が何を言いたいのか理解できた。
:11/08/19 09:36
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#249 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『…ああ、お前の友達なんだから当たり前だろ。それよりあまり無理して喋ろうとするな』
『高見くん…久保くんが何て言ってるのかわかるの?』
『うん、もちろん』
例え喋れなかったとしても、友達だったら心で通じ合えるものだと誰かが言っていた。
『……うう』
久保が少しでも喋れる事に安心したのか、雪乃ちゃんがまた泣き出した。
:11/08/19 09:45
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#250 [輪廻◆j6ceQ96kak]
こういう場合になんと声をかけてあげればいいのかわからない俺は、申し訳ないと思いつつも何も見ていない事にした。
『久保、何か言いたい事があったらここに書いて』
俺は鞄からノートと鉛筆を取り出して久保に渡した。
無理して喋らない方法は、メールのように文章を書いて伝える事だろう。
久保は早速ノートに字を書き始めた。
:11/08/19 09:56
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#251 [輪廻◆j6ceQ96kak]
「松下さん なんで泣いてるの?」
そう書かれた文章を見てから、雪乃ちゃんに無言でノートを手渡した。
雪乃ちゃんは涙で真っ赤になった顔でその文章を見ると、とっさに涙を腕で拭い、久保の方を見てニコリと微笑んだ。
『ふふ…泣いてないよ』
『雪乃ちゃん素直じゃないね〜』
病室に三人の笑い声が飛び交った―
:11/08/19 10:09
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