ぼくらのみかた
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#56 [輪廻◆j6ceQ96kak]
■episode3■
『草食&肉食の化学反応』



『なあ、お前ここで何してんの?』

俺が学校の屋上で仰向けになりながら空を眺めていると、目の前に見た事もない男が現れたではないか。


『…誰ですか?』

見た目はチャラく年上っぽいので先輩だと思って思わず敬語を使った。

⏰:11/08/09 12:19 📱:T004 🆔:2k340WRo


#57 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『はあ〜、なんで敬語なのよ?』

男は残念そうな顔をした。


それは敬語を使ったからではなくて年上だと思われた事が嫌だったのか?


『お前A組の高見っしょ?』

やけに馴れ馴れしい口調だが、それを言うとどんな目に合わされるかもわからないだろう。


『え…それで君は?』

同い年で同じ学年とは思えないほど背が高く、ワックスでガチガチに固められたその髪型からチャラさが醸しでている。

よく見るとミントのガムを噛んでていかにも不良だ。

⏰:11/08/09 12:26 📱:T004 🆔:2k340WRo


#58 [輪廻◆j6ceQ96kak]
平和主義者の俺にとってはあまり関わりたくない人材だ。


『C組の吉田だけど、お前の噂聞いてるよ?』

なんだこの人も興味本位で俺に近づいてきたのか。


ため息をついて仰向けから起き上がって屋上を後にしようとしたが…


『ちょい待ち』

吉田と名乗る男が俺の足を止めた。

⏰:11/08/09 12:33 📱:T004 🆔:2k340WRo


#59 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『…なんですか?』

…しまった。


またつい敬語を使ってしまった。


同い年とはいえこの人にタメ口を使うのはものすごい違和感を覚える。


『俺の事は吉田でいいわ。まあ座れよ』

面倒とは思いつつも言われるがまま彼の隣に腰をおろした。

⏰:11/08/09 12:38 📱:T004 🆔:2k340WRo


#60 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『いきなり聞くけど、彼女できたってホントなの?』

彼だけには否定しても信じてもらえる気がした。


『い、いないけど』

まだ使うのがなかなか慣れないタメ口。


すると男は途端にアハハと笑い出した。


俺、今何か面白い事を言っただろうか?


『な、なに!』

笑い声を無理やり遮るように大声を出して言った。

⏰:11/08/09 12:46 📱:T004 🆔:2k340WRo


#61 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『だよな? だよな? 俺でさえまだいないってのにお前にいるわけないわな!』

…失礼な物言いだ。


だが、信じてくれた事だけには感謝しよう。


『お前面白いわ!』

いや、そう言われても別に面白いキャラをしているつもりはない。


それについては否定する気も起きなかった。

⏰:11/08/09 12:49 📱:T004 🆔:2k340WRo


#62 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『んじゃあもう一つ。お前ってアドレス収集マニアなの?』

そう直接言われると心にグサリとくるだろ。


この件については否定しても信じてもらえない気がしたので…


『ご想像にお任せするよ』

…と適当に言った。


するとまた笑い始めた。


実に感情豊かな人だと思っていたら、なぜか俺もその笑いにつられて気がついたら俺自信も笑っていた。

⏰:11/08/09 12:55 📱:T004 🆔:2k340WRo


#63 [輪廻◆j6ceQ96kak]
こんな青春漫画であるようなシチュエーションが現実にあるとは思ってもみなかったから驚いた。


『とりあえずアドレス交換しようぜ』

この人は俺の事を信じているのか?


それとも久保みたいに何か嫌な事を考えてたりして…。


『サブアドでいい?』


『なんだよ、もしかして悪用されるとか考えてんの?』

ちょっと思っていたなんて言えない。

⏰:11/08/09 13:00 📱:T004 🆔:2k340WRo


#64 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『安心しな、俺そういうのに興味ねえし。俺が興味あんのは可愛い女の子だけ』

なんという自信に満ち溢れた態度だろう。


彼こそは正真正銘、肉食系男子と呼ばれる人材ではないか。


草食系の俺と肉食系の吉田。


一見、気が合わなそうだがこれはこれで面白い化学反応が起こるかもしれない。


どうやら本当の味方を見つけたようだ。


見た目はチャラいが、心は意外としっかりしているように思える。

⏰:11/08/09 13:06 📱:T004 🆔:2k340WRo


#65 [輪廻◆j6ceQ96kak]
彼の存在は久保にとって大きな弱点になるはずだ。


俺でさえ彼を年上だと思ったんだ。


目上の人にはペコペコするタイプの奴だったら彼には服従するしか選択肢はないだろう。


久保 太一


どこからでも来やがれ。


こっちには、一人でも信じてくれる味方がいるんだ。


なにも大勢の人に信じてもらわなくたっていい。


一人でもそういう人がいる事がどれだけ素晴らしい事だとわかった。

⏰:11/08/09 13:12 📱:T004 🆔:2k340WRo


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