ぼくらのみかた
最新 最初 🆕
#68 [輪廻◆j6ceQ96kak]
そんな時だ、まさかの俺にお誘いが入ったのは。


しかもそれはあろうことか俺の隣の席の女子からではないか。


『ねえ高見くんってクリスマス何か予定とかある?』

こんな誘いを受けるのは初めてだったから、何と返せばいいのか戸惑った。


『ないけど?』

そうサラッと言うと、その女子は何やらもじもじと下を向いている。

⏰:11/08/09 13:38 📱:T004 🆔:2k340WRo


#69 [輪廻◆j6ceQ96kak]
それを見た俺はなぜか顔が赤くなってきた。


なんだろう、この感じ。


今まで感じた事もない感覚が俺を襲う。


胸に手を当てる。


心臓がばくばく鳴って動いている。


なぜそんなに鳴る必要がある?


まさか、これが恋という感覚なのか?

⏰:11/08/09 13:42 📱:T004 🆔:2k340WRo


#70 [輪廻◆j6ceQ96kak]
そんな初めての感覚に興奮してきた俺はなるべく心の内を悟られないように真顔を保った。


しばらくしてその女子がこう言った。


『じゃあ、付き合ってくれない?』


『…は?』

今、何と言った?


よく聞こえなかったぞ。


いや、聞こえてたけど聞き間違いっていう可能性もある。

⏰:11/08/09 13:46 📱:T004 🆔:2k340WRo


#71 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『今なんて言ったの?』

改めて聞き返してみる。


『だから、付き合ってくれない?』

やっぱり聞き間違いではなかったようだ。


さて、どうしたもんか。


ここは一度、彼に相談してみるのはどうか?


いや、そんな報告をしたら彼は裏切られたと思うだろう。


厄介な事になるのは目に見えている。


せっかくできた味方だ。


信頼は時間をかけてじっくり築き上げるものだが、無くすのは一瞬だと聞いた事がある。

⏰:11/08/09 13:51 📱:T004 🆔:2k340WRo


#72 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『あのさ、なんで俺なの?』

恐る恐る聞いてみた。


『え? 力ありそうだからいいかな、と思って』

なんだそりゃ。


力あれば誰でもいいんかい、とツッコミたい気分だ。


『力ある奴なら他にもいると思うけど?』


『他の人とはあんま話した事ないから。駄目ならいいよ』

だからなんじゃそりゃ。

答えになってないような気がする。

⏰:11/08/09 13:59 📱:T004 🆔:2k340WRo


#73 [輪廻◆j6ceQ96kak]
前から変わった奴だとは思ってたが、間違いではなかったようだ。


悪いけど前の撤回を更に撤回させてもらおう。


しばらくしてその女子の友達数人がやってきて、俺は信じられない会話を彼女達から聞く事になる。


『荷物係は見つかった?』


『見つかったよ。高見くんが付き合ってくれるって』

…はい?


俺はすかさずその女子の顔を見た。

⏰:11/08/09 14:05 📱:T004 🆔:2k340WRo


#74 [輪廻◆j6ceQ96kak]
女は…満面の笑みを浮かべてやがった。


『高見っちありがとう』


『さっすがー!』

なんだこの展開。


変なあだ名もつけられているし。


そもそもなんだ。

あの黒板事件の時は俺を冷ややかな目で見ていたのに、この変わりようは…。

⏰:11/08/09 14:14 📱:T004 🆔:2k340WRo


#75 [輪廻◆j6ceQ96kak]
今更断る訳にもいかず、なぜか俺は彼女らの買い物の荷物係に選ばれてしまった。


『付き合う』の意味を問い正さなかった自分を恨んだ。


苦の期末試験が終わって、冬休みが始まり12月25日のクリスマス当日を迎えた。


女複数に男一人というなんとも悲しいクリスマス。


しかもよりによって荷物係とは…。

⏰:11/08/09 14:21 📱:T004 🆔:2k340WRo


#76 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『高見っち何してんの、こっちこっち!』

街のど真ん中で大声でその呼び方はやめていただきたい。


次々と店を入っては出て服やら雑貨やらを買いあさっていく女達。


それはある意味、恐ろしい光景であった。


買った袋を次々と俺の腕に引っ掛けていく。


俺は物ではないのだが…。


だが彼女らの楽しそうな顔を見ていると、仕方ないなという気持ちがこみ上げてきた。

⏰:11/08/09 14:31 📱:T004 🆔:2k340WRo


#77 [輪廻◆j6ceQ96kak]
レディーファーストという言葉があるらしい。


俺は嫌な気持ちを忘れて積極的に彼女らをエスコートした。


荷物を言われる前に持ってあげたり、店を出る際にドアを開けてあげたり。


彼女らは楽しめたようだ。


時間はあっという間に過ぎていった。


『高見くん、今日はありがと。助かったよ』

俺は柄にもなく照れ笑いをした。

⏰:11/08/09 14:41 📱:T004 🆔:2k340WRo


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194