ぼくらのみかた
最新 最初 全 
#205 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『昨日の夜、雪乃と電話してたらお前と二人で行ったって聞いたんだよ』
『あれは、俺が病院に行こうとしたら雪乃ちゃんも行きたいって言ってきたから…』
『…さすがは俺の女だな。俺に似て人を心配する心遣いができるイイ子よなぁ』
…そこかよ。
顔真っ赤にしてキレてくると思って身構えてしまったではないか。
:11/08/15 09:56
:T004
:VtncYM9w
#206 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『あれ高見くん…優斗くんと仲いいんだね』
いきなり後ろから雪乃ちゃんの声がした。
俺は一瞬戸惑ったが、それ以上に吉田が戸惑っていた。
…なぜアンタがしどろもどろしている。
『ちょっと邪魔』
雪乃ちゃんの隣に立っていた野村が、俺じゃなく吉田の方を見て言った。
…え?
野村…今、もしかして吉田に言ったのか?
年上の吉田に?
:11/08/15 10:12
:T004
:VtncYM9w
#207 [輪廻◆j6ceQ96kak]
なんという度胸だろう。
いや、気が強い野村だからこそかもしれない。
一方、邪魔だと言われた吉田は…
『あっ悪い悪い…』
…弱ェ!
野村を前にした吉田の表情はさっきまでの笑みが完全に消え、それどころかまるで野村の顔色を伺うような表情に変わった。
普通の人にとってはヒヤヒヤな空気なのだが、吉田の情けなさそうな顔を見ていたら少し面白くなってきた。
:11/08/15 10:20
:T004
:VtncYM9w
#208 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『うぷっ』
…まずい。
吉田のその顔を見る度に、思わず吹き出しそうになる。
必死に笑いをこらえようと、自分で自分の腕を指で痛くなるほどつねった。
『あ、優斗くん。高見くんにあのストラップ返してあげてね。あれは買い物に付き合ってくれたお礼にあげたものだから』
追い討ちをかけるように、雪乃ちゃんが笑みを浮かべて言った。
『あ、ああ…わかってるって』
おい、本当にわかってるならもっと早くに返せよと俺も追い討ちをかけたい所だよ。
:11/08/15 10:47
:T004
:VtncYM9w
#209 [輪廻◆j6ceQ96kak]
吉田はあたふたしながら一度自分の教室に戻り、少ししてすぐ俺達の所に戻ってきた。
吉田のその手には、久しぶりに見る去年のクリスマスに雪乃ちゃんから貰った金色の招き猫ストラップが光っているではないか。
『ほらよ…』
俺はそれを受け取り、ギュッと強く握りしめた。
吉田は最後に俺に一瞬だけ『覚えてろよ』と言わんばかりの睨みをきかせると、教室に帰っていった。
:11/08/15 11:06
:T004
:VtncYM9w
#210 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『高見くん、よかったね』
『あ、ありがとう』
そんなニコニコしながら言われると、つい赤面してしまうではないか。
…もうしているけど。
『雪乃もさ、なんであんなのと付き合ってんの?』
俺達の雰囲気をぶち壊すように野村が割って入り込んだ。
『優斗くんは私のお母さんの親友の息子さんだからね…色々あるんだよ』
…ちょっと待て。
そんな事実初めて知ったぞ。
:11/08/15 11:21
:T004
:VtncYM9w
#211 [輪廻◆j6ceQ96kak]
という事は、親に言われて仕方なく付き合ってる感じですか?
これはこれでチャンスかもしれない。
雪乃ちゃんの方から彼に惚れて付き合ったわけではないとすると尚更だ。
俺はストラップを握りしめた拳を見ながらニヤついた。
恋する前は、そういうは面倒くさいと思っていたが、恋をするとこうも心が生き生きするとは。
性格にも積極性が出てくる感じだ。
:11/08/16 09:25
:T004
:hJAl410Q
#212 [輪廻◆j6ceQ96kak]
>>211 訂正
そういうは ×
そういうのは ○
――――――――――
『ちょっと高見? アンタ何ニヤけてんの?』
野村が俺の表情に気がついてしまった。
『い、いや…なんでもない』
『アンタもしかして…』
…え。
まさか雪乃ちゃんが好きな事バレた?
野村と俺のにらめっこが数秒間続いてから野村が言った言葉に俺は唖然とする。
『アンタまさかとは思うけど、吉田のこと…』
:11/08/16 09:35
:T004
:hJAl410Q
#213 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『…は?』
何を言ってるんだコイツと思った。
『あれ、高見くん…そうなの?』
…ちょい待ち!
雪乃ちゃんまでなんでそんな事を!
俺は確かに草食系男子だと思うし、恋愛には興味がなかったよ。
でもさすがに同性を好きになったりなんて、もっとあり得ないから。
:11/08/16 09:40
:T004
:hJAl410Q
#214 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『そんなのあり得ないし』
俺は苦笑いしながら即、否定した。
『…そうだったら面白かったのにねぇ』
そう言う野村は、まるで噂好きのおばさんのようだ。
本人におばさんっぽいなんて言ったら吉田以上のパンチ…いや、ビンタをくらうだろうから言わなかったが。
ともあれ、変なイメージを植え付けられずに済んだ。
:11/08/16 09:46
:T004
:hJAl410Q
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194