ぼくらのみかた
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#283 [輪廻◆j6ceQ96kak]
その子は、父親とは似ても似つかない顔でおとなしそうな子だった。
『え…知らないけど』
初めて会うから知らないのも当然なんだけど、真顔でそう言われるとちょっとヘコむ。
『あの、なんで茜の名字知ってるんですか?』
…それを一から説明するのは面倒だ。
ここは一言でまとめよう。
『あの、俺の通ってる高校に木下っていう先生がいて…君がその…』
俺がここまで言うと、茜さんは何か納得したような表情を見せた。
:11/08/22 10:46
:T005
:0Fa9Sr/Y
#284 [輪廻◆j6ceQ96kak]
>>272 訂正
苦労は買ってまでしろ ×
苦労は買ってでもしろ ○
――――――――――
『ああ…佳代のお兄ちゃん達から聞いてます。高見さん…ですよね?』
『あ、まあ…そうかな』
吉田さん…俺のあることないことベラベラ喋ってないだろうな?
それにしても、今彼女が言った『お兄ちゃん達』とはどういう事だろう。
他にこの家と交流がある人は…
…いた。
:11/08/22 18:07
:T005
:0Fa9Sr/Y
#285 [輪廻◆j6ceQ96kak]
俺の考えに間違いがなければ、それは雪乃ちゃんしかいないだろう。
『あの、雪乃ちゃんって知ってる?』
俺は茜さんの目を見て聞いたのだが、答えたのは佳代ちゃんだった。
『もちろん知ってるよー。雪乃っちは兄貴の彼女だもん』
この女…俺に慣れてきたのかタメ口になりだしたぞ。
『ああそう…。雪乃ちゃん、俺の事何か言ってませんでした?』
ちょっと怖いが、気になるので思い切って聞いてみた。
:11/08/22 18:17
:T005
:0Fa9Sr/Y
#286 [輪廻◆j6ceQ96kak]
茜さんと佳代ちゃんはお互いの顔を見合わせ、再び俺の方に視線を戻すと、佳代ちゃんがいきなり笑い出した。
『ふふっ…もしかして雪乃っちの事好きなの?』
『い、いやいや…そういうつもりで聞いたんじゃ…』
彼女が笑っている中、俺は赤面していた。
…穴があったら入りたい。
:11/08/22 18:25
:T005
:0Fa9Sr/Y
#287 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『じゃあ教えてあげるー』
じゃあってなんだよ、じゃあって…。
勝手に好きだと決めつけられてしまったようだ。
吉田さんに知られたら特大パンチをくらうぞこれは…。
『誰にも言わないでって言われてたんだけど、あなたの事が気になるみたいな事言ってたよー』
…はい?
これは夢だろうか。
もしくはドッキリとか?
:11/08/22 18:36
:T005
:0Fa9Sr/Y
#288 [輪廻◆j6ceQ96kak]
俺は今、はてしなく動揺している。
『そ、それは本当なの?』
『…ホントだよ。ちょっと中入っていいよー』
佳代ちゃんに手を引っ張られて部屋に入れさせられた。
まあ、部屋に入れただけでも好都合だ。
部屋の中はいかにも女の子の部屋だ。
壁紙はピンク、ベッドの枕や毛布もピンク、カーペットもピンク。
よっぽどピンク色が好きなのだろう。
…女の子なら当然だが。
:11/08/22 18:42
:T005
:0Fa9Sr/Y
#289 [輪廻◆j6ceQ96kak]
こんなピンク一色の部屋に男が一人と女が二人…。
俺は激しく場違いではないだろうか。
女の子の部屋なんて当然入った事もないから、目のやりどころに困る。
俺が正座して下を向いたまま黙っていると、佳代ちゃんが早速切り出した。
『昨日の夜、雪乃っちが兄貴に会いに遊びに来たんだけど、病院に入院してる友達を想うあなたに感動したって言ってたよー』
…久保の事か。
こういう場合は何といって返事をした方がいいのだろう。
:11/08/22 19:06
:T005
:0Fa9Sr/Y
#290 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『その前もねー、去年のクリスマスに買い物に付き合ってくれたとか、人を思いやる気持ちがあるとか沢山言ってたよー』
その無駄に語尾を伸ばして言うのはやめてほしい。
なぜかバカにされているような気分になる。
それにしても、雪乃ちゃんが俺の知らない所で俺を褒めていたんて。
『あ、そう…』
『あははっ、照れてる』
『いや、別に…』
…ダメだ。
完全に彼女のペースにハマってしまった。
:11/08/22 19:15
:T005
:0Fa9Sr/Y
#291 [輪廻◆j6ceQ96kak]
俺がここへ来た目的はただ一つ。
茜さんに携帯電話を見せてもらう…
…つもりなのだが、佳代ちゃんのような明るく気が強そうなタイプが隣にいると、携帯電話を見せてなんて言いづらい。
ここはまず、彼女に久保の事を話す方がいいだろう。
俺は覚悟を決めて茜さんの目を見て切り出した。
:11/08/22 19:22
:T005
:0Fa9Sr/Y
#292 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『あの茜…さん。く、久保って人の事知らない?』
どんな反応が返ってくるのかが怖い。
が、彼女は動揺する事もなく表情を変えなかった。
『久保太一くんですよね? 知ってますけど』
『その…前略プロフィールで知り合ったんだっけ?』
『あ、はい。それが何か…?』
…この子はまだ知らないのだろうか?
その知り合った人が自分の父親が働いている学校の生徒だという事を…。
:11/08/23 22:45
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:qOK7xnyA
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