ぼくらのみかた
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#354 [輪廻◆j6ceQ96kak]
中学では自由研究はないものの、他の発表などあると思うと気が遠くなってくる。
『えと…高見順一です。趣味はゲームとかバドミントンで、特技は特にありません。よろしくお願いします』
これこそが俺流のシンプルな自己紹介だ。
『ではこちらに来てください』
担任の方を向いて写真を撮って貰い、カードを渡して早々と席に戻った。
:11/09/13 22:08
:S004
:x0bAJc16
#355 [輪廻◆j6ceQ96kak]
>>354 訂正
気が遠くなる ×
気が重くなる ○
―――――――――
どんな顔をしているのかは写真ができるまではわからない。
でも多分、顔はひきつっていると思う。
そんな顔が後に皆に見られると思うと、更に気が重い。
そして次々に自己紹介が行われ、男子の最後の紹介が終わった所でタイミングよくチャイムが鳴った。
:11/09/13 22:16
:S004
:x0bAJc16
#356 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『あらら時間が来ちゃった。じゃあ女子の自己紹介は2時目にやりましょうか』
担任がそう言い残して教室から出ていき10分休みになった。
俺はあまり目立たないように机に突っぷして寝たフリをする仕草をする。
だがそれは数秒で無駄に終わった。
『なあなあ、ちょっといい?』
…といきなり声がして肩を数回叩かれた。
:11/09/13 22:35
:S004
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#357 [輪廻◆j6ceQ96kak]
心の中で溜め息をついて、ゆっくりと起き上がり声のした方を振り返る。
そこに満面の笑みを浮かべた彼がいた。
『なにか…? ええと…』
先ほど自己紹介したとはいえ、すぐに名前を覚えられるわけもなく、彼の顔を凝視しながら必死で思い出そうとした。
『…桐谷ね』
思い出そうとする努力は報われないまま、向こうから名乗ってきた。
:11/09/13 22:47
:S004
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#358 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『ああそうだ…桐谷くん。桐谷…』
今度は下の名前が思い出せなくなる。
彼は一瞬困惑していたが、すぐに笑顔を見せて言った。
『蓮だよ、桐谷蓮』
『…そう! 桐谷蓮くん』
『絶対覚えてなかったしょ?』
今度は苦笑いで言う。
:11/09/13 22:55
:S004
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#359 [輪廻◆j6ceQ96kak]
実に感情豊かな人だと思いつつ、そんな彼を見てニヤついてしまった。
『いきなりだけど高見くんさぁ…ゲームが趣味だって言ってたよね?』
…ほんとにいきなりだ。
そういえば彼も自己紹介でゲームが好きだって言ってた気がするな。
もしかして気が合うかもしれないと若干の期待をした。
:11/09/13 23:03
:S004
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#360 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『どんなゲームやってる?』
『えと…格闘ゲーとかアクションゲーとかかな』
『そか。じゃあ今度家行っていい?』
…なぜそうなる。
いや別に嫌というわけではないが、ちょっと馴れ馴れしいなとは思う。
それを本人に直接言えたら苦労はしないのだが。
:11/09/13 23:12
:S004
:x0bAJc16
#361 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『じゃ、そゆ事で! これからもよろしくな』
彼はそう言い残して去っていった。
めんどくさそうな人と知り合ってしまったようだ。
自己紹介の時に趣味をゲームと言わなければ彼も俺なんかに話しかけたりはしなかっただろう。
…俺は後悔した。
よりによってクラスで一番明るくてうるさそうな人と関わりをもってしまったのだから。
とにかく、こうして俺の中学校生活は彼との出会いで幕をあけた―
〜Side episode1 END〜
:11/09/16 10:13
:S004
:v7UPVMbU
#362 [輪廻]
■Side episode2■
『美人って、時には罪』
2時間目。
男の自己紹介から今度は女の自己紹介の時間。
女子のトップバッターが教壇の前にゆっくり歩いてくる。
男達はその女子を視線で追う。
俺は『早く終わらないかな』とか思いながらダルそうな顔でその女子を見ていた。
教壇に立った、黒く長い髪をしたおしとやかそうな女子が、恥ずかしそうに自己紹介を始める。
『橋田美波です。趣味は読書で、特技はピアノです。よろしくお願いします』
そう言い終えると、教室内は男達の拍手喝采の渦。
女子も多少は拍手しているのだが、顔はほとんど無表情…というか興味なさそうな顔をしている。
:12/01/10 14:25
:Android
:WcuhB.A.
#363 [輪廻]
橋田美波という女子は、まあパッと見て美人なので、他のそうでもない女子が嫉妬しているのだろうか。
それはこの男達の拍手喝采が証明している。
次に教壇に上がる女子が美人ではない場合、その女子が気まずくなるのは目に見えている。
その女子に今から同情を捧げておこうと思う。
『はい、じゃあ次』
橋田美波の写真を撮り終えた先生が言い、その後ろの席の女子が立って教壇へ向かう。
今度は橋田美波の長い髪とは違って短い髪の女子だった。
教壇に立ち、皆の方に顔を向ける。
その髪を見た瞬間、俺は吹き出しそうになった。
前髪はとても短く、しかも真っ直ぐに揃えられている。
コメカミ部分の髪も耳の上部分までで、そこもこれまた真っ直ぐに揃えられているではないか。
頭の上の髪も全体的に丸っこくて、それはまるでキノコのようだ―
:12/01/10 14:52
:Android
:x2BzVkhc
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