短編サスペンス
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#22 [正人]
「ありがとうございます。感謝しますよ、新塚さん」
「…………」
新塚さんはどこか納得できないような表情を浮かべながら俺達に頭を軽く下げると、その場を後にしていった。
「さてと…ボクは彼の報告を待つ間、現場を調べさせて頂くとしますか」
「…え?いいんですか?警察関係者でもないのにそんな事…」
「“父”には後でしっかり説明するので大丈夫ですよ」
その言葉を聞いて、俺はハッと思い出したのだった。
北峰の父親は、現職の都内警視庁長官だという事を―
:12/02/01 21:46
:W62P
:☆☆☆
#23 [正人]
前に彼と関わったとある事件の時に聞いていたのに、いつのまにか忘れていた。
俺は心の中で「そういう事か」と納得しながら北峰の顔を見る。
「どうかしました?」
「…いえ別に。じゃあ俺は帰ります。警察関係者でもなく、身内にそういう人もいませんので」
そう言って背を向けて歩き出そうとした時、北峰の手がポンと俺の肩に置かれた。
:12/02/01 21:47
:W62P
:☆☆☆
#24 [正人]
瞬間的に振り返ると、北峰は爽やかな笑みを浮かべながら首を左右にゆっくりと振っていた。
「な、なんですか?」
「君もボクと同じジャーナリストでしょう。よければ現場の調査をご一緒にいかがですか?」
「え…でも…」
「大丈夫ですよ。後で…」
「“父には説明しておく”…ですか?」
北峰の言おうとしていた言葉を察知して俺は先に口走った。
:12/02/01 21:48
:W62P
:☆☆☆
#25 [正人]
「よくわかりましたねぇ」
「なんとなく、予想できてました」
「そうですか。では…行きましょう」
現場を調査できるのは嬉しいのだが、なぜか素直に喜べない。
でもここは一応、北峰と北峰の父親に感謝しておこうと思う。
―麻薬売買が行われている倉庫で心臓麻痺で亡くなっていた男性…
一体その男性は何を見たのだろうか?
エピソード1
『間抜けな死体』〜完〜
:12/02/01 21:49
:W62P
:☆☆☆
#26 [正人]
:12/02/01 21:51
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:☆☆☆
#27 [正人]
エピソード2
『現場の違和感』
:12/02/02 12:51
:W62P
:☆☆☆
#28 [正人]
現場の倉庫内へ足を踏み入れた俺達。
中では数名の警官や刑事、鑑識などがちらほらと捜査中。
さっきは死体に気を取られていてよく見てなかったけど、中を改めて見渡すとかなり広い。
所々にダンボールや機材が積み上げられていて進路を塞いでいるが、かなり奥行きがあるように思える。
:12/02/02 12:53
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#29 [正人]
「さぁ、ショータイムの始まりですよ、丹葉君」
大きく手を広げて相変わらずの爽やかな表情で言う北峰。
この人の辞書に“緊張感”の文字はないのだろうか。
こう言ってはなんだが、一緒にいると恥ずかしい人材だ。
「なんですか?さっきからボクの顔を見つめて。顔に何かついてます?」
「いえ…別に」
「まあいいでしょう。見つめられるのは慣れていますので」
なんともキザな奴だ。
アニメではこういうキャラの男をよく見かけるが、実際にはそうはいないだろう。
:12/02/02 12:53
:W62P
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#30 [正人]
普通な俺にとってはあまり関わりたくはない存在である。
でも彼がいるとなにかと便利なのは確かだ。
今の状況がそのいい例である。
「じゃあ、どこから調べます?」
“見つめられるのは慣れている”という彼の台詞をスルーして俺は切り出した。
:12/02/02 12:56
:W62P
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#31 [正人]
「そうですねぇ…遺体があった周りは多数の鑑識が捜査中なので後に回して、今はこの倉庫内を隅から隅まで見てみる事にしましょうか」
「やけにバカでかい倉庫ですね…」
「バカでかい倉庫だからこそ念入りに調査しなくてはね。この広さですから、証拠の一つくらい落ちていてもおかしくはないはずです」
俺は“バカでかい倉庫だからこそ逆に証拠が見つかりにくい”と言いたいが、あえて言わない事にした。
:12/02/02 12:59
:W62P
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