心霊夜話
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#133 [怪男]
 
 
 
 
 その男子生徒は勇紀見るなり「おっ!」と声をあげて指をさした。


 「あら、安坂くんのお友達?」

 先生が二人の顔を交互に見ながら尋ねる。


 「安坂っつーのか。まぁ友達っつーか…知り合い?みたいな」

 「……?」

 勇紀はしばらく顔に“?”マークを浮かべながら男子生徒の顔をじっと見つめる。


 「つか、お前顔赤くね?風邪でもひいたの?」

 彼のやけに馴れ馴れしい態度…勇紀は段々と彼が誰なのかを思い出していった。


 「あ〜!!」

 思い出したその時、ベッドに横になったまま大声をあげて彼に指をさし返す。
 
 
 
 

⏰:12/01/02 12:08 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#134 [怪男]
 
 
 
 
 「いきなりどうしたの安坂くん!」

 勇紀の大声に思わず耳を塞ぐ先生。

 彼の金色に近い髪…まさにあの時トイレで会ったチャラ男だった。

 チャラ男は勇紀のそばまで来ると、耳元で小声で言った。


 「お前もしかして…アレ飲んだ?」

 「へ…?アレって?」

 何の事だからわからず難しい顔をして黙っていると、チャラ男は更に小声で続ける。


 「前にトイレであげたやつだよ。カプセルカプセル」

 「……………………あ!」

 思い出した。
 
 
 
 

⏰:12/01/02 12:18 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#135 [怪男]
 
 
 
 
 「二人共何コソコソやってるの?
赤木くん…安坂くんは熱があるんだからそっとしておきなさい」

 赤木というそのチャラ男の後ろに先生が立って言う。


 「あ、うぃっす」

 「安坂くん、カーテン閉めるわよ。何かあったら呼んでちょうだいね」

 最後に勇紀の目を見て言い、カーテンをシャッと閉める。
 
 
 
 

⏰:12/01/02 12:45 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#136 [怪男]
 
 
 
 
 すると赤木はカーテンを少し捲って勇紀の方に顔だけを覗かせて言った。

 「安坂、今日学校終わったら校門の前に来て」

 そう早口で言うと顔を引っ込めて先生の方に戻っていった。


 それからしばらくして授業の終わるチャイムが鳴り、廊下が慌ただしくなる。


 「具合はどう?安坂くん」

 そう言いながら先生がカーテンをシャッと開ける。


 すぐに勇紀の顔を見て

 「まだちょっと顔赤いわね。一応熱計ってみようか」

 と言うと白衣の胸ポケットから体温計を取り出して勇紀に渡す。
 
 
 
 

⏰:12/01/02 12:57 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#137 [怪男]
 
 
 
 
 「じゃあ私ちょっと職員室に行ってくるから…熱計り終えたら体温をここに記入してね。まだ身体が重いようならまだここで休んでてもいいし」

 そう言って先生は紙とボールペンも勇紀に手渡す。


「ありがとうございます…」

 身体はまだ熱く頭はボーっとするものの、興奮は収まりかけていた。

 先生が保健室を出て室内がシーンと静まり返る中、勇紀は体温計を脇に挟んで電子音が鳴るのを天井を見つめながら黙って待つ。
 
 
 
 

⏰:12/01/02 13:23 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#138 [怪男]
 
 
 
 
 ピピピピピ―

 三分ほどして電子音が鳴り体温計を脇から外して見る。

 「37.6度…」

 ポツリと呟きベッドから起き上がると、紙に体温を記入した。

 
 ―その時である。

 ガチャッと扉が開く音がした。


 先生かな?と思いカーテンを開けて見ると、そこにいたのは先生ではなく、あのチャラ男こと赤木だった。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:13 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#139 [怪男]
 
 
 
 
 「よっ!安坂!」

 相変わらず馴れ馴れしい態度でニコニコしながら勇紀に近づいてくる。

 勇紀はすぐに尋ねた。


 「あの薬何だったの?」

 赤木は勇紀にそう聞かれるとしばらく黙ったが、やがて口を開いたと思うと…


 「ところで…アレ飲んでどうだった?」

 と、逆に質問してきたのだ。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:15 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#140 [怪男]
 
 
 
 
 「ど、どうって……」

 「なんつーかさ、雲の上にいるような感じで気持ちよくなかった?」

 「え…なんかよく覚えてないけど、確かに…」

 勇紀がそう言うと赤木は小声で答えた。

 「あれ、覚醒剤だよ」

 「……!!」

 勇紀はその衝撃的な事実を聞いて、一瞬耳を疑い言葉も失う。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:16 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#141 [怪男]
 
 
 
 
 「ま、まさかぁ」

 こんなチャラチャラした男のいう事だ、どうせ冗談だろうと苦笑いしながら軽くあしらう勇紀。

 すると赤木はニコニコ顔から真顔に変え一言…

 「マジだよ」

 そんな彼の表情を見た勇紀の苦笑いがピタリ止んだ。

 「…本当…に?」

 「マジ。知り合いに売買屋を紹介してもらってさ」

 「…………」

 勇紀の顔が次第に青ざめていく。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:18 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#142 [怪男]
 
 
 
 
 「よかったらお前も買ってみなよ。売買屋紹介してやるから」

 「い、いや俺はそんなの…」

 「気持ちよかったんだろ?飲んだら嫌な事も忘れられるんだぜ?」

 「嫌な事…?」

 「そっ。勉強とかでストレス溜まる時あんじゃん?そういう時に便利なんだよ」

 「…………」

 勇紀は少し考え込んでから、赤木の顔を見て言った。

 「く、詳しく教えて!」

 
 ―これがきっかけだった。

 覚醒剤が勉強のストレスに効くと赤木に言われ心が揺らぎ結局、麻薬の道へと入り込む事になった勇紀。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:20 📱:W62P 🆔:☆☆☆


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