心霊夜話
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#78 [怪男]
 
 
 
 
 もしかして裏側かなと思ってひっくり返してみると、その部分だけ機械が露出していて、そこにホクロのように小さいボタンがいくつかついていて、その中に赤い色のものがあったのでこれが録音ボタンなのがわかりました。


 「ちょい貸して!」

 適当にボタンを押そうとした時、目を輝かせた男友達がそれを私から奪い取りボタンをまじまじと見ています。


 やがて何かのボタンを押し、しばらくすると“ザザザザ…”と何かノイズのようなものがぬいぐるみ全体から聞こえてきました。
 
 
 
 

⏰:11/11/30 00:05 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#79 [怪男]
 
 
 
 
 そのノイズを数十秒間じっと聞いていると、それは段々と人の声のようなものへと変わってきました。


 “ア゛ア゛ア゛ア゛”…みたいな女性のうめき声のような感じになってきて、全身鳥肌が立ち怖くなったのですが男友達は「なにこれすげえ!」と全く怖がるそぶりを見せず、それどころか逆に興奮しはじめたのです。


 結局私達が持っていくものは、このぬいぐるみになりました。


 彼が「これにする!」ときかなかったので仕方なく…。


 でもおかげで残り2つの部屋を見る事はなく戻る事になったので内心安心しました。


 先ほどみんなと別れた廊下へ戻ってきた時にはうめき声のようなノイズはすでに消えていました。


 しばらく廊下で待っていると他の2組のペアが戻ってきて、男友達はいずれも片手に何かを手にしています。
 
 
 
 

⏰:11/11/30 00:09 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#80 [怪男]
 
 
 
 
 さきほどと同じく輪になるようにしゃがんで、互いに見つけたものを紹介する事になり…


 1組めは母親が書いていたと思われる家計簿。2組めは刃の先に乾いた薄黒い血のようなものが付着しているハサミ。


 そして最後に私達ペアが見つけたぬいぐるみを紹介しました。


 「いいか、聞いてろよ」と男友達が裏についているボタンを適当に押したのですが、しばらく待っていてもついさっきまで聞こえていたノイズが再生されません。


 ずっと無音のままなんです。
 
 
 
 

⏰:11/11/30 00:11 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#81 [怪男]
 
 
 
 
 「おっかしいな〜」

 困った顔をしながらいう男友達は、無音のままのぬいぐるみに段々とイライラしてきたようで、信じられない行動をとりました。


 片手に持ったぬいぐるみ上に振り上げたと思うと、露出してある機械の部分を思い切り床に叩きつけたのです。


 彼は狂ったように何度も叩き続けてました。


 ガン!ガン!ガン!

 さすがにヤバいと感じたのか男友達の一人が止めようと、腕を掴んで彼の手を止めました。
 
 
 
 

⏰:11/11/30 00:24 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#82 [怪男]
 
 
 
 
 ふと床を見たらぬいぐるみのそばに機械の部品の破片が散らばっていて、機械が壊れて使えなくなったという事がわかりました。


 「もう帰ろうよ…」

 シーンと静まりかえった中で女友達が震えた声で言いました。


 さっきまでは軽く騒いでいた彼女が一変して今度は半泣き状態でその場にうずくまっていました。


 男友達はみんな顔を見合わせて視線で合図を送ったあと「帰るか」と言って立ち上がって、帰る事になりました。
 
 
 
 

⏰:11/11/30 00:37 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#83 [怪男]
 
 
 
 
 そして一列で玄関へ向かって歩き出そうとした瞬間、最後尾にいた女友達が「キャッ!」と小さな悲鳴をあげたんです。


 みんな何事かと思って事情を聞くと、背筋が凍るような言葉が彼女の口から出ました。


 「い…いま…服の後ろ…誰かに引っ張られた…」

 そう言うので彼女の後ろを懐中電灯を照らして確認してみましたが、もちろんそこには誰もいません。
 
 
 
 

⏰:11/11/30 00:47 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#84 [怪男]
 
 
 
 
 男友達は「気のせいだろ」と軽く流して再び前を向いて玄関へ向かいました。


 私は怖がっているそんな友達をほっとけず、彼女の手を握って横に並んで歩きました。


 なんとか外に出る事ができ、一安心したのも束の間でした。


 「そこでなにしてるの!」

 後ろから突然大きな声がしてみんな一斉に振り返ると、そこには見回り中の警察官が懐中電灯を片手に立っていたんです。


 なんとか事情を話して納得してくれましたが、約十分くらいこっぴどく怒られてしまいました。
 
 
 
 

⏰:11/11/30 01:03 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#85 [怪男]
 
 
 
 
 やっと解放されるという時、事情を聞かれた際に話したぬいぐるみの事で警察官の人がいいました。


 「そうそう、そこの兄ちゃん。そういうところにある物を壊しておいてほったらかしにしといたらあかんよ。ちゃんと新しいものを買ってお墓にお花と一緒にお供えして謝る事。いいね?」

 ぬいぐるみの機械を壊した張本人の男友達は参ったなという表情をしていました。


 その数日後、ぬいぐるみを壊してしまった男友達がなぜかあの家で遺体で発見されたというニュースを見て衝撃が走りました。
 
 
 
 

⏰:11/11/30 01:19 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#86 [怪男]
 
 
 
 
 彼はあの家の廊下で無残な姿で亡くなっていたそうです。


 更にもっと驚いた事がありました。


 廊下にあったはずのあの壊れたぬいぐるみがその場から消えていたらしく、廊下どころか家の中から完全に消え失せていたそうなのです。


 壊した際に散らばった機械の破片も跡形もなく…。


 あの後に誰かが訪れて、持ち去っていったのか…真実は未だにわかりません。


 最後に…

 一つだけひっかかっている事があるんです。
 
 
 
 

⏰:11/11/30 01:29 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#87 [怪男]
 
 
 
 
 あの日、警察官の人が言った言葉がどうにも―




 No6.ぬいぐるみ・END

⏰:11/11/30 01:32 📱:W62P 🆔:☆☆☆


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