心霊夜話
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#122 [怪男]
 
 
 
 
 「立てる?」

 「だ、大丈夫」


 勇紀がゆっくり立ち上がると、チャラ男は制服のポケットに手を入れ、その中から取り出した何かをグーで握りしめたまま勇紀の方に突き出して言った。


 「お詫びにこれやるよ。手ぇ出して」

 言われた通り手を差し出す勇紀。


 チャラ男のグーの手から勇紀の手の平へ何かが落とされる。

 恐る恐る手の平に目をやると、そこには小さなカプセルが三つあり、その中には白い粉が詰まっていた。
 
 
 
 

⏰:11/12/19 11:35 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#123 [怪男]
 
 
 
 
 「これなに? 風邪薬?」

 「そ…そうだよ。さっき吐いてたじゃん?だからやっぱ具合悪いのかなぁと思ってさ」

 一瞬だけ口ごもったのが引っかかった 勇紀だが、その時はまだこのカプセルに入った白い粉の正体が覚醒剤だとは知らず…


 「ありがとう」

 と、そのカプセルをありがたく貰ってしまった。
 
 
 
 

⏰:11/12/19 11:53 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#124 [怪男]
 
 
 
 
 その日はこのカプセルを飲む事はなく、ずっと制服のポケットに入れたまま、翌々日を迎える。


 一時限目、二時限目と授業が続き昼食の時、手を洗ってからハンカチを取り出すのにポケットに手を突っ込むと、一昨日チャラ男から貰ったカプセルが入っているのに気がついた。


 「(五時限目は数学だし…飲んでおくか)」

 そう思い、ズボンのポケットから財布を出して一階にある自動販売機へと向かった。
 
 
 
 

⏰:11/12/19 12:24 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#125 [怪男]
 
 
 
 
 自動販売機でペットボトルの水を買うと、その場でカプセル三つを口に入れ、最後に水を含む。

 一瞬だけ苦い味がしたのが気になったものの、薬の味はだいたいこんなもんだろうと思い教室に戻った。


 身体に異変が起きたのは、次の授業から20分ほど経過した時だった。

 さっきまで何度も欠伸をするくらい眠かったはずが突然目が冴えてきて、身体が熱くなってきたのだ。


 それも制服の上着を脱ぎ捨てたくなるくらいに。


 「(なんだろ…熱い…)」

 身体が熱くなるにつれて頭がボーっとし、顔も真っ赤になり、鼻息も荒くなる。


 勇紀は、まるで赤いものを見て興奮している牛のような表情になっていた。
 
 
 
 

⏰:11/12/23 00:47 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#126 [怪男]
 
 
 
 
 そんな勇紀の異変に最初に気づいたのは、授業の担当教師である。


 「おい安坂。どした?」

 教師が大きめの声で言うと、生徒らの視線が一斉に勇紀に向けられた。


 「え〜」

 勇紀はボーっとした顔で力ない返事をすると、教師は首をかしげながら勇紀の元に近づく。


 「安坂?具合でも悪いのか?」

 「え〜っと…」

 勇紀は再び力ない返事をし、教師の方を見上げる。


 すると教師は勇紀から視線を外し、一人の生徒の方に向けて


 「岩井!すまないが安坂を保健室へ頼む」

 と、焦りの表情を見せながら言った。
 
 
 
 

⏰:11/12/23 01:04 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#127 [怪男]
 
 
 
 
 教師から指名を受けた岩井という男子生徒は、すぐに立ち上がって勇紀の元へ。

 そして勇紀の真っ赤になった顔を見るなり、彼も焦りと驚きの表情を見せる。


 「安坂…顔赤いよ。大丈夫?」

 そう言いながら岩井は座る勇紀の肩に手をやってゆっくりと立たせた。


 「歩ける?」

 勇紀は歩く度にふらふらしていたが、そこは岩井がしっかり勇紀の身体を両手で支える。


 保健室に着いて背を向けていた女の先生が振り返り勇紀を見ると、彼女もその真っ赤な顔に相当驚いていた。
 
 
 
 

⏰:11/12/23 01:24 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#128 [怪男]
 
 
 
 
 「熱は…あるわね」

 勇紀の真っ赤なおでこを触り当然のごとく言うと、勇紀は…


 「え〜。熱はないですよ〜」

 と、楽しげな表情で答えた。


 「こんな時にふざけないの!
とにかく…しばらくベッドで休んでなさい。岩井くんも授業に戻っていいわよ、ありがとう」

 そう言われた岩井は軽く礼をすると、保健室を後にした。
 
 
 
 

⏰:11/12/23 01:39 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#129 [零]
凄く気になります!
更新まってます!

⏰:11/12/31 12:33 📱:P06C 🆔:☆☆☆


#130 [怪男]
 
>>129
ありがとうございます。

⏰:12/01/02 12:01 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#131 [怪男]
 
 
 
 
 「じゃあ安坂君、ベッドに横になってしばらく寝てなさい」

 「はぁい」

 身体をふらふらとさせながらベッドに向かい、靴を脱いでゴロンとベッドの上に仰向けになる。


 目をつむるが興奮して目が冴えて、全く眠れず欠伸すらも出ない。


 「先生〜眠れません〜」

 まるでお酒でも飲んで酔っているかのような口調で、椅子に座る先生の方に顔だけを向けて言う。


 先生は勇紀に顔を向けず机の上で紙にペンを走らせながら

 「寝てなさいとは言ったけど、無理して寝る事はないわ。まずは熱を下げないとね」

 と、勇紀とは逆に冷静な口調で返す。
 
 
 
 

⏰:12/01/02 12:04 📱:W62P 🆔:☆☆☆


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