horrorU〜二重連鎖〜
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#211 [輪廻]
>>210 訂正
私 ○
あたし ×
ーーーーーーーーーー

  
『…“だから”……なに? 』


…嫌な予感がした。

…いや、嫌な予感しかしなかった。


『私…私……』

口ごもり動揺する安井の表情が段々と青ざめていくのを響歌は間近で見ていた。


『どうしよう…私…。
全部…私の…せい……』

やがて安井は、焦点の合っていない目で響歌の方を向き、ぶつぶつと独り言のようにつぶやきはじめた。


そんなただならぬ事態に、響歌は必死に彼女に『落ち着いて』と何度も声をかける。

⏰:12/08/25 13:30 📱:iPhone 🆔:nkISRZ5I


#212 [輪廻]
そんな二人のやりとりを見て、強張った表情をしながら女同級生の一人が近寄る。


『なに? こんな時にケンカ?』

そんな同級生の言葉に、響歌は首を思い切り横に振る。


『違うよ…眞美が…』

響歌が否定すると、女同級生は安井の方に視線をやる。


そして、取り乱した安井の顔をジッと見ていると、背後から数人の同級生が『何事だ』と言わんばかりに近寄ってくる。

⏰:12/11/12 10:13 📱:iPhone 🆔:0WTTYZhI


#213 [輪廻]
 
 
安田は相変わらず身体をぶるぶると震わせている。



『なに? 眞美なしたのさ?』

女同級生がそう言いながら安田の隣に座り声をかけるも、安田は焦点の合ってない目で床の畳を見つめている。


そんな安井の状態に尋常じゃないと感じたその女同級生は、それ以上何も言えずに立ち上がり、その場から何歩か離れた。


『は? なに? なんなの?』

気の強い女同級生は、何が起こっているのか全くわからないという反応を示しながら、安井と、立ち上がった女同級生を交互に見る。

⏰:12/11/12 10:30 📱:iPhone 🆔:0WTTYZhI


#214 [輪廻]
>>213 訂正
安井 ◯
安田 ×
ーーーーーーー


響歌が横で黙って安井の横顔を見つめる中、同級生らは、下を向く安井の顔をまじまじと覗き込む。


『…え? 安井、大丈夫か?』

その中で、長身の男同級生が心配そうな声で話しかける。


安井は、何を言われても一つの反応を見せない。


すると、同級生の重森が前に出てきて安井を見ながら


『同級生の田中が殺されたかもしれねぇんだ…こうなんのも無理もねぇよ…』

と、暗い声でつぶやくように言った。

⏰:12/11/12 10:52 📱:iPhone 🆔:0WTTYZhI


#215 [輪廻]
 
 
『とにかく、安井寝かした方がいいんじゃない?』

『うん、そうした方がいいと思う』

『じゃあウチ、布団出してくれるようにここの人に言ってくるね』

同級生らは安井を心配し、行動に出た。


『(そういえばナナと蓮は…?)』

響歌は安井の事も心配であったが、なによりも蓮と七瀬の安否が心配だった。


もし、あの年上の同級生でもなんでもない見知らぬ幹事が逆上して二人を…と思うと、気が気でならなかった。


安井を同級生らに任せ響歌は立ち上がると、皆の騒ついた行動のどさくさに紛れ、廊下へと出る。

⏰:12/11/12 11:08 📱:iPhone 🆔:0WTTYZhI


#216 [輪廻]
 
 
薄暗い廊下へ出ると、先ほど七瀬が向かった突き当たりへと早歩きをする。


一歩踏み出す度にミシミシと軋む音が鳴る廊下は、響歌に、以前恐怖の体験をさせたあの旅館での記憶の扉を無理矢理こじ開けさせようとしていた。



池崎旅館ー

あの旅館の名前と、そこで失った大切な人の顔が、一瞬頭をよぎる。


『(吉田さん……雪乃……)』

その他にも、自分の身近にいながらも命を奪われてしまった人達の顔が次々と脳裏に焼きつく。

⏰:12/11/15 00:45 📱:iPhone 🆔:dBTWA2ew


#217 [輪廻]
 
 
全ての始まりとも思える、高校時代、ふとしたきっかけで知り合った黒川奈穂…


以前同じ職場で同僚として働いており、自分に好意を持ってくれていた中野敬太…


あの旅館から離れた山道で、ある男に追われている時、山の中の車道で出会い、自分を助けてくれた蓮の兄、桐谷剛史…


そしてその車に同乗していた桐谷剛史の恋人、杉本麗奈…



自分の身近にいる人達の命が次々と奪われていく…。

今回の同窓会でもまた一人…同級生の命が奪われたかもしれない…そう思うと、こんな自分を呪いたくなった。

⏰:12/11/15 00:49 📱:iPhone 🆔:dBTWA2ew


#218 [輪廻]
 
 
今にも泣き出したい気持ちをグッと堪えながら廊下を進んでいくと、突き当たりに出た。


左右の方向を交互に見る。

人のいる気配はなく、声も聞こえてこない。


一体どこへ話をしにいったのかと首を傾げていると、当然後ろから肩を指でツンとされた。



『きゃっ!』

驚いて肩をビクっとさせると同時に小さな悲鳴をあげる。


響歌の肩に指をやった人物もその悲鳴に驚いたらしく、その場に数歩後ずさりをした。

⏰:12/11/15 00:51 📱:iPhone 🆔:dBTWA2ew


#219 [輪廻]
 
 
『だ、誰っ!?』

廊下は薄暗い為、ある程度目が慣れてこないと目の前に立つ人物の顔さえ認識できない状態だった。


響歌がその人物に向かって警戒するように言うと、目の前の人物は後ずさりした分、再び数歩響歌の方に向かってくると、声をかけた。


『驚かしてごめん。あたし。七瀬だよ』


『……! はぁ……』

聞き覚えのあるその声を聞くと、徐々に肩の力が抜け、その場にしゃがみ込んだ。

⏰:12/11/15 00:52 📱:iPhone 🆔:dBTWA2ew


#220 [匿名]
あげる

⏰:12/12/28 14:31 📱:KYL21 🆔:☆☆☆


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