拝啓、中二の僕へ。
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#1 [だーいし]
都会ではないが決して田舎でもないここが多田木真也が生まれ育った街。
今日も代わり映えのしない景色を尻目に自転車をこぎ、学校へ向かう。

駐輪場のいつもの場所に自転車を停める。

『真也ー!おははよーん!』

『おう。』

『毎日毎日テンション低いなー。』

『お前の変な挨拶のせいだよ。てかそれ、はやんねーから。』

⏰:12/04/23 03:25 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#2 [だーいし]
『っえ?いやいや!絶対流行るから!!てか、昨日のドラマ見たか?』

『もーくだらねぇから途中でやめた。』

『じゃあ俺が説明してやるよ!』

駐輪場から教室に向かう道中に親友の真壁から昨日のテレビの内容を聞く。それが真也の日課だった。

『みんなー!!せーのっ!』

『『おははよーん!!』』

クラスの一部の男子達が真壁と声を合わせる。

⏰:12/04/23 03:29 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#3 [だーいし]
『なっ?流行ってんだろ?』

『はいはい。』

真也は自分の机にカバンを置き、席に着いた。

『おい!真也ー。お前また美緒ちゃんの方見てただろー?』

『は?見てねーよ。』

『いや〜美緒ちゃんはいつ見ても可愛いなー。俺らには高嶺の花だよなー。中一から同じクラスなのに、ろくに喋った事もねーもんなー。』

真也は真壁の目線の先に目をやった。
瀧川美緒。明るく清楚な面持ちで学年のマドンナ的存在の彼女。真也も美緒の事が気になっていた。

⏰:12/04/23 03:38 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#4 [だーいし]
『はぁ〜。中二になって一ヶ月だぞ〜。なんにも変わらねーな。』

『そりゃそうだろ。』

『俺らいつまでも果てしなくモテねーな。』

『俺ら?お前だけだろ。』

『はっ?真也ー!お前もだろ!』


この中身のない会話の日課だった。

⏰:12/04/23 03:42 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#5 [だーいし]
いつも通りの授業を受け、いつも通りの休み時間を過ごし、そしていつも通り部活動に向かった。真也の部活はバスケットボール。真壁も同じだった。 二人が通う中学は決して強いとは言えないが、二人ともレギュラーメンバーだった。

部活終わり、二人は校則で禁止されている「買い食い」を近所のコンビニでする。これも日課だった。

『あっ!そういえば明後日席替えだろ?』

『あぁ。』

『あぁ。て!楽しみじゃねえのか?一ヶ月に一回の行事じゃねえか!』

『別に。てか今の席でいいし。』

⏰:12/04/23 03:48 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#6 [だーいし]
『何言ってんだ!美緒ちゃんと横になるチャンスだろ!?』

『別に俺は…』

『でも残念!俺が頂きます!』
『ははっ、頑張って。』

しばらくコンビニの前で喋り解散した。

『じゃあ、家着いたらメールするから!』

真壁は家に入っていく真也に言った。

『彼女かって。』

⏰:12/04/23 03:52 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#7 [だーいし]
『ただいまー。』

『あら、おかえり。ご飯もうちょっとだから。』

真也は三人暮らし。父の真二は単身赴任中で今は母の真矢と二人暮らしだ。
『あっ!そうそう、真也!』

二階に上がっていく真也を引き留めた。

『なに?』

『あんたに手紙きてたわよ。はい。』

『手紙?』

真矢は真也に手紙を渡した。

『ラブレターじゃない?フフッ。』

『いつの時代だよ。』

⏰:12/04/23 03:58 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#8 [だーいし]
真也は自分の部屋に着くなり、ベッドに横になり封筒の封を切った。

『「多田木真也様」……差出人書いてねーな。』

中には手紙が一枚入っていた。

【拝啓、中二の僕へ。いきなりの手紙でビックリしていると思う。実は今、この手紙を書いているのは数十年後の僕、そう七十歳の多田木真也なんだ。信じても…】

『真也ー!ご飯出来たわよー!』

下から真矢が呼んでいる。

『あーい!』

真也は手紙を破りゴミ箱に捨てた。

『あのクソガキ。』

真也は下へ向かった。

⏰:12/04/23 04:05 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#9 [だーいし]
次の日。
駐輪場のいつもの場所に自転車を置いていると、

『おははよーん!真也!昨日のテレビ見たか?』

『あのさ、やるならもうちょとマシなドッキリしてくれよ!』
『そうそう!あれ多分芸人さん気づいてたよな!』

『じゃ!な!く!て!お前だよ!お前!』

『へっ?俺?』

『今どき手紙形式のドッキリなんて誰も引っかからねーぞ。』
真壁はキョトンとしていた。
『真也氏。なんの事?』

『もういい。』

真也は真壁を置いて足早に教室に向かった。

⏰:12/04/23 04:11 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#10 [だーいし]
『ただいまー。』

『あっおかえり。真也、また手紙きてるわよ。』

『また?』

真也は自分の部屋に着くなりベッドに横になり封筒の封を切った。

『あの感じだと真壁が犯人じゃなさそうだし…最後まで読んでみるか。』


【拝啓、中二の僕へ。恐らく僕の事だ。最初はドッキリだと思い一通目は破って捨てただろう。】

真也は眉毛をピクリと動かした。

【そう思い一通目には大した内容は書いていない。】

⏰:12/04/23 04:16 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#11 [だーいし]
【一通目にも書いたが、私は七十歳の多田木真也だ。信じてもらえないと思うがこれは事実だ。訳あって人生をやり直したいと思い今、手紙を書いている。】

『人生をやり直したい?』

【このまま行くと、私は最悪の人生を歩む事になるんだ。中二の私、力を貸して欲しい。】

『最悪の人生?バカバカしい。』

真也は手紙を破ろうとした。 ふと手紙の裏面が目に入った。
【※破ろうとするとこの面が見えるはずだ。】

真也はハッとした。

⏰:12/04/23 04:24 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#12 [だーいし]
真也はとりあえず最後まで読んで見る事にした。

【一度破ろうとしてとどまってくれた事に感謝する。なぜ人生をやり直したいのか、未来の自分がどうなるのかは追々伝える。明日、席替えがあると思う。】

『なっ。』

真也は少し驚いた。

【担任はアミダくじでやろうと言い出すと思う。右から三番目を選んでくれ。美緒ちゃんの横になる。これで信じてもらえるだろう。】

『マジか?』

手紙には後は何も書いていなかった。

『ま、まさかな。』

真也は半信半疑だった。

⏰:12/04/23 04:31 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#13 [だーいし]
そして、ろくに眠れないまま変わらぬ朝をむかえた。
自転車を駐輪場に停め、真也は大きく欠伸をしながら教室へと向かう。

『右から三番目…』

真也の脳裏に手紙の文字が浮かぶ。

自分の席に着くやいなや、真壁が近づいてきた。

『真也ー!今日は待ちに待った席替えだな!』

『あぁ。』

『なんだー!?テンション低っ!上げてけ、上げてけ!』

『なぁ、真壁。席替えって、今回どんな決め方するんだろうな。』

⏰:12/04/25 01:39 📱:S003 🆔:cX90P95M


#14 [だーいし]
真壁の頭に?が浮かぶ。

『なんだその質問。決まってんだろ、「じゃんけん」だよ!性懲りもなく。棚橋の野郎、いつもそうじゃん。オレ弱いのに……』

真壁は両手で顔を覆い泣くふりをする。

『ハハッ、だよな。』

そういうと真也は窓の外を見た。

棚橋というのはこのクラスの担任の体育教師で一年の時と同じである。席替えの時はいつも「じゃんけん」をし、勝った者から好きな席を選べるという方式をいつもとっていた。

⏰:12/04/25 01:44 📱:S003 🆔:cX90P95M


#15 [きらり]
面白いですよ!!★

⏰:12/04/25 18:42 📱:PC/0 🆔:4vMpjJUo


#16 [だーいし]
>>15
ありがとうございます!

⏰:12/04/26 00:15 📱:S003 🆔:XPhimqok


#17 [だーいし]
ガララ…

『はーい、席につけー!コラッ!お前またガム食ってるだろ!』

担任の棚橋が教室に入り、朝のHRが始まった。

『よーし!じゃあ早速みんなお待ちかねの「席替え」をしようか!』

イェーイと教室がドッと沸く。
真也は何も言わず棚橋の次の言葉を待つ。

『じゃあ、いつも通りじゃんけんでいくぞー。はい、みんな前来てー!』

ざわつきながら前へ移動するクラスメイト達。

『やっぱりな。あの手紙は手の込んだイタズラだ。』

真也はため息をつき、教卓へと向かった。

⏰:12/04/26 00:21 📱:S003 🆔:XPhimqok


#18 [だーいし]
『………と、言いたい所なんだが、先生な最近「占い」に凝っててな。で、今月のラッキー行為が「アミダくじ」なんだよ。』

クラスメイト達が笑いだす。

『えっ!?』

【アミダくじで】

【右から三番目】

真也の脳裏にまたあの手紙の文章がよぎる。

『これはもしかしたら、もしかするぞ。ってかなんだ?「ラッキー行為」て。』

⏰:12/04/26 00:39 📱:S003 🆔:XPhimqok


#19 [だーいし]
棚橋はお手製のアミダくじを教卓の前に広げ生徒達に見せる。生徒達は我先にと自分の名前を書き込む。特に男子の熱気は凄かった。目的はただひとつ。
「瀧川美緒の隣の席」


(右から三番目。右から三番目。右から三番目。右から三番目。)

真也は心の中で何度も唱えながら、右手にはペンを持ち教卓へ向かった。

(よし、やっと書ける。右から三番目は……あった!まだ誰も書いていない!よし!)


真也はアミダくじの右から三番目にしっかり自分の名前を記した。

そして、全員が名前を書き終わった!

⏰:12/04/26 08:08 📱:S003 🆔:XPhimqok


#20 [だーいし]
『よ〜し!みんな書き終わったな!じゃあ結果は帰りのHRで発表するから。楽しみに待つように!以上。』

『起立、礼、着席。』

朝のHRが終わった。
真也は満足げに胸を踊らせながらいた。


『はぁ〜どうなんだろうな〜。』

『美緒ちゃんの隣かな〜。』

『おい、真也!聞いてんのか?』

昼休み、中庭のベンチで真也と真壁はいた。真也は終始ニヤニヤが止まらなかった。

『なぁに、ニヤニヤしてんだ?』

『いや〜真壁君。帰りのHRが待ち遠しいね。』

⏰:12/04/26 18:51 📱:S003 🆔:XPhimqok


#21 [だーいし]
『なんかキャラ違くね?まぁいいや、でも美緒ちゃんの隣じゃなかったらハズレも同然だもんなー。あーなんか胃が痛くなってきた。。あぁぁせめて美緒ちゃんの前の席、いや、後ろの席で香りを嗅がせてくれぇぇぇ!!!!』

『変態かお前。』

『イエス!』


こうして昼休みが終わった。


そして、帰りのHRが始まった。

⏰:12/04/26 18:59 📱:S003 🆔:XPhimqok


#22 [我輩は匿名である]
おもしろいです!
更新楽しみにしてます

⏰:12/04/26 21:35 📱:Android 🆔:jGrNDLFU


#23 [我輩は匿名である]
気になる(^ ^)

⏰:12/04/26 22:09 📱:iPhone 🆔:etZDG4hs


#24 [だーいし]
>>22
ありがとうございます!

⏰:12/04/27 02:25 📱:S003 🆔:0mkniAe6


#25 [だーいし]
>>23
ありがとうございます!
感想板もありますので是非!
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/12450/

⏰:12/04/27 02:27 📱:S003 🆔:0mkniAe6


#26 [だーいし]
>>25
間違いました。
bbs2.ryne.jp/r.php/atst/4188/

⏰:12/04/27 02:27 📱:S003 🆔:0mkniAe6


#27 [だーいし]
>>26
また間違えましたww
こっちです。
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4975/

⏰:12/04/27 02:31 📱:S003 🆔:0mkniAe6


#28 [だーいし]
『さぁ、お待ちかね!席替えの発表だ!先生が一人ずつ席順発表していくからなー。』

教室が一気にざわつく。

『はい、まず相田ー。相田は3列目の3番目。』

棚橋はどんどん席順を発表していく。

『はい次ー。多田木ー。多田木は6列目の5番目。』

6列目とは一番窓側で5番目は一番後ろの席になる。

⏰:12/04/27 02:39 📱:S003 🆔:0mkniAe6


#29 [だーいし]
『はっ?俺今と変わんねーじゃん。』

真也は立ち上がり言った。
教室がドッと沸く。

(とか文句言ってみたけど、ここ一番いい席なんだよね〜。てか俺どんだけくじ運いいんだ?これもあの手紙のおかげか?あとは……)


そしていよいよ運命の瞬間が。
『で、次は……瀧川か。』

男子達が固唾を飲んで棚橋の言葉を待つ。

⏰:12/04/27 02:47 📱:S003 🆔:0mkniAe6


#30 [だーいし]
(5列目の5番目5列目の5番目5列目の5番目5列目の5番目)

『瀧川はだなー…』

(こい!こい!こい!こい!こい!こい!こい!こい!こい!こい!)


その瞬間は1秒1秒が長く感じられた。



「歓喜の瞬間」



『5列目の5番目だな。』



(はいっ!キタ―――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

⏰:12/04/27 02:53 📱:S003 🆔:0mkniAe6


#31 [だーいし]
真也は思わずニヤついたが、すぐに真顔に戻った。

(あぶねー。自分でも引くぐらいニヤついてたぜー。グフフフフ…)


男子達が一斉に真也を睨み付ける。


真也はどや顔を押し殺した顔でにらみかえした。

『これで全員だな。じゃあ移動してー。』

棚橋の声とともに全員が自分の机を移動しだした。男子達は誰も納得していなかった。

先ほどとは変わらぬ風景、窓の景色。

唯一変わったのは、右隣に美緒がいることだった。

⏰:12/04/27 03:03 📱:S003 🆔:0mkniAe6


#32 [だーいし]
『明日もっかい席替えしてもらう!』

『何を言い出すかと思えば…』
部活終わり、真也と真壁はいつものように買い食いをしていた。

『うわっ勝者の余裕かよ!』

『まぁな。』

『出たぁーー!!したり顔2012ぃー!!』

真也は満面の笑みだった。

『ダメだ!やぱ納得いかねぇ!変われ!真也、席変われ!』

『いやだよ〜。』

『ぐふっ、、だってお前の席最強じゃん!』

⏰:12/04/27 03:09 📱:S003 🆔:0mkniAe6


#33 [だーいし]
(確かに最強だ。)

決まった席順はこうだ。
真也の前の席は女子。右斜め前も女子。隣は美緒。美緒の前・右横・右斜め前も女子。つまり…


『邪魔者いねぇじゃんか!』
(邪魔者がいない!)


真也の心の声と真壁の大声がシンクロした。

⏰:12/04/27 03:17 📱:S003 🆔:0mkniAe6


#34 [だーいし]
席替えして数日後。
授業中。

(席替えしてしばらく経ったが、なんにも喋れてねぇぞ。どうする俺。)

真也は美緒を見つめた。


パッ!
美緒が真也の方を見る。
咄嗟に真也は目線をずらす。


(うわっ!やべ!視線に気づかれたか!)


(あれから手紙もこないしなぁ。)


真也はまだ美緒と一言も喋れずにいた。


『じゃあ、メールするから!』
『大した内容じゃねえだろ。』
部活終わり真也は真壁と別れた。

『ただいまー。』

『おかえりー。また手紙きてるわよー。』

『おぉ!!』

⏰:12/04/28 07:02 📱:S003 🆔:kb.gGcy2


#35 [だーいし]
『きましたか!やっときましたか!』

自分の部屋に戻り真也は封筒の封を切った。


【久しぶりの手紙になるな。美緒ちゃんの隣になったと思うがどうだろうか。】

『なりましたよ。確かにね。』
【まぁ僕の事だ。何も話しかけられてないと思う。】

『バレバレか。』

【朗報だ。明日の5時間目に美緒ちゃんの方から話しかけられる。】

『マジか?』

【『消しゴム貸してくれる?』ってな。上手く対処してくれ。以上。】

『け、消しゴム?』


すっかり独り言が多くなった真也。

『この機会は大切にしなきゃな。』

真也は腹をくくったが内心不安だった。

⏰:12/04/28 07:10 📱:S003 🆔:kb.gGcy2


#36 [だーいし]
次の日の1時間目。
真也は朝からソワソワしていた。

(くそー。緊張して昨日寝れなかったぜ。)

真也は美緒の方を見る。

(まだ消しゴムはあるな。てかやっぱ美緒ちゃん可愛ぇー!)
美緒に見とれていた真也。

『ちょっと多田木君!』

『はっ、はいっ!』

⏰:12/04/28 18:20 📱:S003 🆔:kb.gGcy2


#37 [だーいし]
英語担当の藤波が真也を呼ぶ。
『今、よそ見してたでしょ?じゃあここ訳してみて。スタンダップ!!』

『イ、イエス…』

(や、やべぇー。何にも聞いてなかったよ〜。あっでも、学園ドラマでよく隣の子がこっそり教えてくれるってのがあるよな!うんうん!どうだ!)

真也はパッと美緒を見た。

(前見てるー!!熱心!!勉強熱心!!でも、そんな所も可愛い〜。って言うてる場合か!え〜なになに、バナナって単語しかわかんね〜。よし!なるようになれ!)


『えぇーと…「ブラウン先生、バナナはおやつにはいりますか?」』

⏰:12/04/28 18:33 📱:S003 🆔:kb.gGcy2


#38 [だーいし]
『フフッ、それ言う子って遠足の時絶対持ってこないわよね!って全然違います!!』

藤波のノリツッコミで教室がドッと沸く。

(よっしゃー!!ウケた〜!!これ5時間目の前にいいジャブになったんじゃねえか?)

真也はパッと美緒を見た。


美緒は少し微笑んだ。


(ややウケっ!!)

⏰:12/04/28 18:45 📱:S003 🆔:kb.gGcy2


#39 [だーいし]
『藤波先生って若くて綺麗だし、んであのノリの良さだもんな〜。そりゃ人気あるわな〜。んぁ〜。』

昼休み、真壁は伸びをしながら真也に言う。

『いよいよ次の時間かぁ。』

『ん?何が?』

『あぁ、いや何にもない。』

『てか、さっきのおもしろかったな!真也がボケるなんて珍しいじゃん。みんな笑ってたぞ!』

⏰:12/04/28 23:41 📱:S003 🆔:kb.gGcy2


#40 [だーいし]
真也はチラッと真壁の方を見て大きくため息をつく。

『でも、美緒ちゃんは笑ってなかった。』

『あぁ確かに!ややウケだったな!………おやおや、これまた珍しい。真也の口から美緒ちゃんの話題が出るなんて。』

真也は我にかえり、慌てふためいた。

『あっ、いやっ、別に、隣だしさ。』

『ヘイ、ブラザー!自分の気持ちに素直になってもいいんだぜ〜。』

真壁は真也の肩に手を回す。

『ちがっ、そんなんじゃねーよ!』

真也はその手を払いのけた。

⏰:12/04/28 23:48 📱:S003 🆔:kb.gGcy2


#41 [だーいし]
そして5時間目が始まった。

(くそー。やべぇよ。すんげぇ緊張するじゃんか。今まで全然喋った事ねぇのに。。いきなりは荷が重すぎるよ。。)

5時間目は国語だった。

(てか、本当に喋りかけてくんのか?席替えは奇跡が起こったとかで…だって全然そんな素振りねぇもん!消しゴムは…?)
真也は美緒の方を見る。

(ったく、国語辞典で見えねぇよ!!)

⏰:12/04/29 05:42 📱:S003 🆔:w0m44Uik


#42 [だーいし]
5時間目が始まり30分が経過した。

(授業が終わるまで後15分。。未だその気配なし…どうしよ、なんて返そうかな。「おっおん。」いやっ冷たすぎるか。「あぁ。」海外ドラマかって!「もうあげるわ。」なんで関西弁!ダメだぁぁぁ!!すんげぇ緊張してきた!!もうダメだ!!)


真也の緊張がピークに達した時だった。



『消しゴム貸してやるよ。』



それはその距離だから聞こえる声だった。

⏰:12/04/29 05:49 📱:S003 🆔:w0m44Uik


#43 [だーいし]
美緒は真也の方を向いた。


(うわぁぁぁぁ!!!!!!!やべぇぇぇぇぇ!!!!!!!緊張で頼まれてないのに先に言っちゃったぁ!!!!!!!!!しかも『貸してやるよ。』って超上からじゃん!うわ〜美緒ちゃんキョトンとしてるよ〜。終わった〜。)



『あ、ありがと。』


美緒は横から差し伸ばされた真也の手から消しゴムを受け取った。


(あれ??どういう事だ??い、いけたのか??)

キーンコーンカーンコーン♪

授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った。

⏰:12/04/29 05:55 📱:S003 🆔:w0m44Uik


#44 [だーいし]
授業が終わり掃除の時間が始まった。
真也は机を後ろに下げる。

『あっあの、多田木君。』

『ん?』

真也は声のする方を向く。

(美緒ちゃん!?)

『消しゴム、ありがと。』

美緒は真也に消しゴムを渡す。
『ん、あぁぁ。』

『でも凄いね!多田木君。』

『えっ?』

『だって私、消しゴム無くしてどうしようかと思ってたんだ。そしたら何も言ってないのに多田木君が貸してくれた。凄いね!』

『まぁそのー超能力ってヤツ?』

『……アハハッ!多田木君エスパーなんだぁ。多田木君ておもしろいね!』

⏰:12/04/29 06:03 📱:S003 🆔:w0m44Uik


#45 [だーいし]
『じゃあ掃除行くから!じゃ!』

そういうと美緒は他の女子達と教室を出た。

(な、なんだ。大丈夫だったぞ。いやっむしろ大成功だよ!!!!やった!やっと美緒ちゃんと喋れた!!これはきっといいきっかけになる!)

真也は窓から見える校庭に目をやった。そこには掃除をしている美緒の姿があった。


『あんな風に笑うんだ。美緒ちゃん。』


真也は消しゴムをポケットに入れた。

⏰:12/04/29 06:09 📱:S003 🆔:w0m44Uik


#46 [だーいし]
『おい!多田木!もっと周りを見ろ!ディフェンスがら空きだったぞ!』

『は、はい!すいません!』

『じゃあ!次!』

週に1回は3チームに別れてミニゲームをやるのが昔からバスケ部の伝統メニューだった。
同じチームの真也と真壁は他のチームのミニゲームを見ていた。

『おい真壁、今日なんかキャプテンきつくねぇか?』

『あぁ、なんか彼女と別れたらしいぜ。』

『彼女?キャプテン彼女いたんだ。』

『噂では結構ドロドロした別れ方だったらしいぜ。』

⏰:12/04/29 06:19 📱:S003 🆔:w0m44Uik


#47 [だーいし]
『彼女が他の男とデートしてたんだってよ!』

『ひでぇなー。どうりでピリッてる訳だ。』

『そういうのって見たくねーよなー。例えば未来の自分が教えてくれたりとかしたらいいのにな〜。「ここはああしろ」とか「こうすれば上手くいく」とか。まっそんなのあるわけないよなー。』

『あ、あるわけねぇだろ。そんなの。』

(それがあるんだよなぁ。真壁君。)

⏰:12/04/29 06:23 📱:S003 🆔:w0m44Uik


#48 [だーいし]
『メールはもういいからな!』
『おい、先に言うなよ〜。』

いつものように家の前で真壁と別れる。

『母さんは今日はパートで遅いんだったな。』

真也は郵便受けを覗いてみた。
『おっ〜きてる!きてる!』

自分宛の手紙がそこにはあった。

真也はリビングのテーブルにある肉じゃがをレンジに入れ温める。

⏰:12/04/29 20:54 📱:S003 🆔:w0m44Uik


#49 [だーいし]
【「バナナはおやつに入りますか?」ウケたと思う。】

『てか、それも分かってたんだったら先に教えてくれよ!』

【美緒ちゃんは消しゴムを貸してと言ってきただろ?】

『緊張で先に言っちゃったよ。』

チンッ!

温まった肉じゃがをテーブルに置き、ジャーからご飯をよそい食べ始めた。

⏰:12/04/29 21:00 📱:S003 🆔:w0m44Uik


#50 [だーいし]
【相変わらず友達は真壁だけだと思う。】

『そうだけども。』

【同じクラスに「佐々木太一」という男子がいるはずだ。】

『佐々木……太一……あぁ、あの超暗れぇやつか!』


【佐々木太一と友達になってくれ。彼はこの先のキーパーソンとなる人物だ。】


『佐々木がキーパーソンか…あいつと友達に、ねぇ。話とか合わねえだろ。。』

真也は席替えや消しゴムの件ですっかり手紙の内容を信じていた。

『やってみますか!』

⏰:12/04/30 00:56 📱:S003 🆔:QNxdoxjU


#51 [我輩は匿名である]
面白い!頑張って!

⏰:12/04/30 15:09 📱:SH02A 🆔:WCXq7tMc


#52 [我輩は匿名である]
凄く面白いです!!
毎日チェックしてる!
頑張って!(´・ω・`)

⏰:12/04/30 18:41 📱:Android 🆔:5IOaIS4Q


#53 [だーいし]
>>51
ありがとうございます!
これからも応援よろしくお願いします!

⏰:12/05/03 15:29 📱:S003 🆔:TprXl4Y6


#54 [だーいし]
>>52
ありがとうございます!
そう言って頂けるとうれしいです!

⏰:12/05/03 15:30 📱:S003 🆔:TprXl4Y6


#55 [だーいし]
次の日の休み時間。
真也は本を読んでいる、太一の元へ歩み寄った。

『何読んでるの?』

太一は真也の方を見て、本をしまい教室を出た。

『えー。ちょー、何。』


来る日も来る日もそれを繰り返したが、毎回同じ結果だった。

『前途多難だな〜。』


真也は呟いた。

⏰:12/05/05 06:08 📱:S003 🆔:XulsaWtM


#56 [だーいし]
そんなある日の休日。
真也は一人でレンタルDVDショップにいた。

『明日も休みだからな〜、何見ようかな。』

真也はDVDを物色していた。

『ん?あれは??』


真也の目線の先には見覚えのある後ろ姿があった。

『佐々木太一だ!!』

真也は太一の方に向かった。

⏰:12/05/05 06:12 📱:S003 🆔:XulsaWtM


#57 [だーいし]
『よぅ!こんな所で会うなんて偶然だな!』

太一はその声に驚き、店を出ようとした。

『待って!待ってくれよ!なんで、いつも逃げるんだよ!?』
真也は太一の肩を掴んだ。ふと横に陳列されてあるDVDの棚が目に入った。

『ジャッキー・チェンのコーナーじゃんか!ジャッキー好きなのか?』


太一はしばらく黙ったままだったが小さく頷いた。

『マジ?ちなみに何借りようとしたんだ?』


『………、レッド・ブロンクス。。』

⏰:12/05/05 06:17 📱:S003 🆔:XulsaWtM


#58 [だーいし]
『か〜、マジか?チョイス渋すぎ!!俺もジャッキー好きなんだ!ちょっと、今から語ろうぜ!』

太一は戸惑ったが、少し笑いながら頷いた。


『レッド・ブロンクスとはな〜、ジャッキーのハリウッド進出作品じゃんか!俺も何十回とテレビでやってたのを録画して見てるな〜!!』

『テ、テレビだと大事なシーンがカットされてるからね。』

『だから完全版をDVDで見たい訳だ!!へぇ〜。』


近くのファストフード店で真也と太一はジャッキー・チェンの話で盛り上がっていた。


2人はすっかり意気投合した。

学校でも話す機会が増えた、ある日の出来事。

⏰:12/05/05 06:24 📱:S003 🆔:XulsaWtM


#59 [だーいし]
『こ、今度のさ休み空いてる?』

昼休み、珍しく太一の方から真也に話しかけた。

『あ〜、部活が終わったら暇だけど…どした?』

『い、いやっウチにこないかな、と思って。』

『へっ?ウチ?あぁ、いいけど。』



そして休みの日。
真也はあの時渡された住所が書かれている紙を見ながら見知らぬ場所を歩いていた。

『この辺のはずなんだけどな〜、ここか?佐々木…これだ!』
ピンポーン♪

真也は家のチャイムを押した。

⏰:12/05/05 06:32 📱:S003 🆔:XulsaWtM


#60 [だーいし]
『はぁ〜い。』

家から太一の母が出てきた。
『初めまして、太一君の同じクラスの多田木真也と言います。あの〜たい…』


タタタタッ

太一の母の後ろから太一の頭が出てきた。

『あ、上がって。』

『お、お邪魔しま〜す。』

⏰:12/05/05 06:35 📱:S003 🆔:XulsaWtM


#61 [だーいし]
『すっげ〜!!ジャッキーのもんばっかじゃん!!』

太一の部屋はジャッキー・チェンのグッズばかりだった。壁はポスターで覆われ、棚はDVDで埋め尽くされ、フィギュアもあった。
真也は目を輝かせながら、見渡していた。

『じ、実は今日来てもらったのは見せたいものがあってさ。』
『見せたいもの?』

そういうと太一はクローゼットから金庫を出して、カギを開けた。

『じゃ、ジャッキーのサイン色紙じゃねえか!!』

⏰:12/05/05 06:41 📱:S003 🆔:XulsaWtM


#62 [だーいし]
『すげぇ!!でもどうやって?』

『お、お父さんが映画関係の仕事をしててさ、来日した時にもらってくれたんだ。』

『マジか〜すげぇな!!』


トントン♪

『入るわよ〜。』

太一の母がお菓子と飲み物を持って部屋に入ってきた。

『この子が男の友達を家に連れてくるなんて今までなかったのよ。』

『余計なこと言わなくていいから!!』

『あ、そうなんですか。ハハッ』(お母さんには当たり強いな。ん?男の友達?)

⏰:12/05/05 06:46 📱:S003 🆔:XulsaWtM


#63 [だーいし]
『じゃあ、多田木君ゆっくりしてってね。』

『は、はい。』

太一の母は笑顔で出ていった。
しばらくジャッキーの話でまた盛り上がった。

『わりぃ、トイレ借りてもいいかな?』

『う、うん。1階なんだ。玄関の横にあるから。』


真也は2階にある太一の部屋からトイレに向かった。
階段を降りる途中に、

ピンポーン♪

家のチャイムが鳴った。

⏰:12/05/05 06:54 📱:S003 🆔:XulsaWtM


#64 [だーいし]
『はぁ〜い。』

太一の母がエプロンで手を拭きながら玄関へと向かう。トイレの横ですれ違った。

『あっトイレお借りします。』
『はい。そこね!ゆっくりしてって!』

『ありがとうございます!』

真也は返事しトイレに入った。

ガチャ


玄関が開く音がする。


『こんにちは、おばさん!あっこれどうぞ。』

(ん?この声は……)

『あら〜美緒ちゃん、いつも悪いわね〜。』


(えぇぇぇ!!!!)

⏰:12/05/05 07:01 📱:S003 🆔:XulsaWtM


#65 [我輩は匿名である]
(美緒ちゃんてあの美緒ちゃんだよな?なんで太一の家に?)
全部出し終えたはずの真也だが、どうすることも出来ずにただただトイレにいた。

『まぁ、美緒ちゃん上がって。』

『いやっ今日はいいです!』

『そう言わずに〜。』

『そうですか〜。わかりました!』

(ひえぇぇぇ!)

⏰:12/05/07 18:59 📱:S003 🆔:iJ2hrZaY


#66 [だーいし]
しばらく玄関で話し声が聞こえた後、足音が階段を上る音がした。

『そろそろ戻るか。いやっこのまま帰った方が……ダメだ!鞄上だ。。』

トイレを流ししばらくして、真也は2階へと上がった。

部屋の前で何やら大声でやり合っているのが聞こえた。

『なんで来るんだよ!』

『いいじゃん!別に!』

『空気読めよ!』

『何よ空気って!』

『今日は友達が来てるんだよ!』

(友達?)

⏰:12/05/07 23:06 📱:S003 🆔:iJ2hrZaY


#67 [だーいし]
恐る恐る真也は部屋の扉を開けた。

『ど、ども。』

『た、多田木君…?』


なんとも言えない空気がそこには流れた。


世の中にはどうしてそうなったか思い出せないような瞬間・空間がある。

『多田木君、ほら、肉いい感じよ〜。』


和気あいあいとしているこの空間。真也は箸を持ちながらこう思った。


(なんで俺は鍋をつついているんだろう。)

⏰:12/05/07 23:11 📱:S003 🆔:iJ2hrZaY


#68 [だーいし]
真也は目を閉じ必死に経緯を思い出した。

(確かあの後、変な空気が流れて太一のオカンがメシを用意…そういう事か!でも、なんで美緒ちゃんが??)

『あの〜なんで美、瀧川さんが?』

真也は尋ねた。
美緒と太一は目を合わせるがすぐそらせた。太一の母が答える。

『この2人ね、小さい頃から幼なじみなの。』

『あっそうなんですか!』

『美緒ちゃんはこうして今でも家に来てくれるんだけど、最近喧嘩が多くてね〜。』

『は、はぁ。。』

⏰:12/05/07 23:17 📱:S003 🆔:iJ2hrZaY


#69 [だーいし]
『お邪魔しましたぁ!おばさん!また来ます!』

『お、お邪魔しました。』

挨拶を交わし、真也と美緒は太一の家を後にした。

『じゃあ、多田木君バイバイ!』

『あっ家まで送るよ。暗いし、あぶねぇから。』
(本当はもっと喋りたいし、家を見てみたい。)

『あ、うん、ありがと!』

⏰:12/05/08 06:03 📱:S003 🆔:TVUEjQQ2


#70 [だーいし]
うっすら夏の匂いが香り始めた夜道を歩く。
月は満月で2人を照らしていた。

『まさか、幼なじみだったとはなぁ。』

『うん、家族ぐるみで仲良くて小さい頃はよく2人で遊んでた。小学校の頃は「将来は美緒ちゃんと結婚するんだぁ」とか言ってて。』

『へっ?結婚?』

『アハハ、よくある子供が言う事よ。』

『アハハ、そうか、そりゃそうだよな。』


(あぁ楽しいな〜。てか、俺普通に話せてるし!)

⏰:12/05/08 06:10 📱:S003 🆔:TVUEjQQ2


#71 [だーいし]
『でもさ、なんで学校では喋らないの?』

『ん〜なんか、中学校に上がる時ね…』

―――――――

『美緒。』

『何?』

『中学なったら僕と喋るのはやめろ。』

『なんで?』

『僕は暗くて、人見知りで、こんな分厚いメガネだから、多分…いやっ絶対に誰も友達が出来ない。こんな僕に話してたら美緒まで嫌われる。』

『へっ?何それ私は別に』
『いいから!絶対だぞ!絶対!』

―――――――

⏰:12/05/08 06:17 📱:S003 🆔:TVUEjQQ2


#72 [だーいし]
『そっからは話してないな、あんまり。』

『なるほどね、なんかでも分かるな〜。太一の気持ち。』

『えっ?』

『なんつーか「自分を犠牲にしてまでも大切」にしたかったんじゃないかな、美…瀧川さんの事。』

『えっ…。』

美緒は思わず真也の方を見た。
『幼なじみってそういうもんじゃない?ほらっ「タッチ」とか。』

『かもね♪多田木君は幼なじみいないの?』

⏰:12/05/08 06:23 📱:S003 🆔:TVUEjQQ2


#73 [だーいし]
『小学校3年の途中でこっちに引っ越してきたんだ俺。それまではいたな〜記憶うっすらだけど。』

『へぇ〜女の子?』

『うん。』

『ん〜可愛い?』

『んーー多分。ハハハッ』

『アハハハッ!あっ私、家ここだから!ありがと。また学校で!じゃ!』

『おう!それじゃ!』

美緒と別れ、真也はニヤつきながらゆっくりと家路へむかう。
『今日はいい日だったな〜。美緒ちゃんと話せたし。あっまた連絡先聞きそびれた。。まっまた今度でいいかっ。』

月がいつもより綺麗な日だった。

『友達……か。』

真也はスキップをして帰った。

⏰:12/05/08 06:32 📱:S003 🆔:TVUEjQQ2


#74 [だーいし]
それからというものの、真也は美緒と気軽に話せるようになっていた。始めこそ男子達の視線が痛かったが、段々気にならなくなっていた。

(キーパーソンってそういう意味だったんだ。)


真也は噛みしめながら思った。

そしてある想いがこの時から芽生え始めていた。



【告白】



それは、真也の頭の中を右往左往していた。
そんなある日、久しぶりに手紙がきた。

⏰:12/05/08 07:35 📱:S003 🆔:TVUEjQQ2


#75 [だーいし]
『さぁどんな内容かな?』

【久しぶりの手紙になる。最近は美緒ちゃんと喋れているだろうか?】

『はい、おかげさまで。』

【いきなりだが、明日とんだサプライズがある。楽しみにしていてくれ。以上。】

『えっ?終わり?』

真也は手紙の裏や、封筒の中を調べたが何も書いていなかった。

『サプライズかぁ〜。なんだろ。まさか、美緒ちゃんから告白ぅ?な訳ないか!グフフ!』


真也はそのまま寝息を立てた。本当にそれはとんだサプライズだった。

⏰:12/05/08 07:41 📱:S003 🆔:TVUEjQQ2


#76 [だーいし]
次の日、サプライズが起きるという日なのに何故かぐっすり寝られた真也は笑顔で自転車をいつもの場所に停めた。

『真也ー!!おははよーん!』『おははよーん!』

真壁は驚いた。

『初めてだ!初めて「おははよーん!」をやってくれた。俺はうれしいよ。。うっ……う。』
真壁は泣くフリをし、次の瞬間ニヤつきながら真也の肩を組む。

『さてはお主、もうあの件を知っての諸行か?』

『あの件?』

『とぼけよって!今日、うちのクラスに転校生が来るらしいぜ!』

⏰:12/05/08 17:30 📱:S003 🆔:TVUEjQQ2


#77 [だーいし]
『転校生?』

真壁はため息をつく。

『本当に知らねぇのかよ〜。ある筋の情報では番長クラスの強面野郎だってよー。ひぃぃおっかねぇぇぇ。』

『ふーん。』

(サプライズってそれか?)

真也は疑問に思いながらも教室へと向かった。

朝のHR。
棚橋が教卓へと向かう。

『えぇー知ってる人もいると思うが、今日から新しい仲間が増える。所謂、転校生ってヤツだな。』

教室がざわつく。
真壁は口々に「やべえぞ!」「あんま目合わせるな!」など野次を飛ばす。
それで、また教室がざわつく。
『はい、入ってー。』

教室の扉が開いた。

⏰:12/05/08 20:07 📱:S003 🆔:TVUEjQQ2


#78 [だーいし]
「えっ?女?」
「全然違うじゃん。」
「てか、可愛くね?」

男子達を中心に言葉が飛び交う。

(何情報だよ。アイツ。)

真壁は廊下側の席から恐る恐る真也を見る。
真也はしかめっ面をした。
真壁はそれを見るやいなや、手を合わせ何度も頭を下げた。
『では、自己紹介を。』

『えぇーどうも、飛鳥美沙言います。よろしく!』

「関西弁だ。」
「てか、可愛くね?」

男子達がまた口々に言う。
拍手の渦が美沙を包んだ。


(ん?飛鳥……美沙?)

真也は徐に立ち上がった。

『『あぁーーーー!!』』

真也と美沙は指を差し合う。

『泣き虫飛鳥!』
『意地っ張り真ちゃん!』


まさにサプライズだった。

⏰:12/05/08 20:19 📱:S003 🆔:TVUEjQQ2


#79 [だーいし]
『なんだぁ?知り合いか?』

棚橋が2人に尋ねる。

『えぇ……まぁ……幼なじみってか。』

『結婚の約束してんもんなぁ!』

『なっ、、』

ヒューヒューと口々に声が飛び交う。

『まぁ仲がいい事はいい事だ。で、席だがぁ……空いてるとこに新し』
『うち、真ちゃんの隣がいい!』

⏰:12/05/09 19:00 📱:S003 🆔:thpJL.lI


#80 [我輩は匿名である]
面白い

⏰:12/05/09 21:05 📱:SH02A 🆔:EJ3PfQpk


#81 [だーいし]
>>80
ありがとうございます!
これからも応援お願い致します!

⏰:12/05/09 23:40 📱:S003 🆔:thpJL.lI


#82 [だーいし]
ヒューヒューとまた教室に声が飛び交う。

『あきません先生?』

『まぁ、瀧川の意見を聞いてみないとだな。』

『たきがわ…?ああ!真ちゃんの横の子ね!』

美沙は美緒の方を見た。
美緒は臆する事なく、

『私は…いいですけど…。』

と答えた。

(み、美緒ちゃん。。マジ?いやっここは…)

『い、いや、先生コイツだけにそんな待遇ありっすか?』

⏰:12/05/09 23:47 📱:S003 🆔:thpJL.lI


#83 [だーいし]
『ん〜まぁ待遇というかだなぁ…』

棚橋は腕を組み考える。

(やべぇ…俺勢いで凄いこと言っちゃったよ…美緒ちゃんと離れるの嫌って事皆に言ったようなもんじゃん!)

美沙は真也と美緒の顔を交互に見る。

『ふ〜ん。なるほどね〜。』

棚橋は思いついたように手を叩く。

『そうだ!また席替』
『ほな、真ちゃんの前でいいですよ!いいよな!?』

美沙の勢いの押されたのか、真也の前の席の女の子は頷いた。
『はいっ決まり♪』

そう言うと美沙は自分の席を真也の前に置いた。

(まぁ、とにかく難を逃れたぞ。)

⏰:12/05/10 02:05 📱:S003 🆔:vgV4ce3s


#84 [だーいし]
休み時間クラスメートのほとんどが、美沙の席を取り囲み色々な質問をする。
真也は窓の方を向き寝ていた。
『ねぇねぇ!関西弁だけど前の学校も関西なの?』

『そうやで!前は大阪の学校で』
『なんだその嘘。』

真也はムクリと起きた。

『昔おばさんが大阪で1年住んでただけで、すっかり関西弁になってそれがうつっただけだろ?コイツはねっからの関東人です。』

『なんでそれ言うん!』

オーと教室が沸く。

『なんのオーだよ。』

⏰:12/05/10 02:18 📱:S003 🆔:vgV4ce3s


#85 [だーいし]
『いや〜真也氏にあんなに可愛い幼なじみがいたとはな!てか、教室入ってきた時に気づけよ!』

『いや、ばっさりショートカットにしててよ、昔はもっと長かったんだ。』

昼休み、真也と真壁はいつもの中庭のベンチにいた。

『でもこれって運命じゃね?だって何にも知らなかったんだろ?もう付き合っちゃえよ。』

『はっ?なんでそうなる。』

『よかった〜これでライバル1人減ったぜ〜。』

『だから!なんでそうなる?誰があんなずんぐりむっくり。』

⏰:12/05/10 09:10 📱:S003 🆔:vgV4ce3s


#86 [だーいし]
パシッ!!

真也の頭に一瞬痛みが走る。
『いてっ!』

『誰がずんぐりむっくりやって!?』

頭を叩いたのは美沙だった。
『ってーな!お前友達のとこいけよ!』

『今日来たばっかりでおるわけないやんか!』

しばらく言い争いを見ていた真壁はこう呟いた。

『いや〜美沙ちゃんも捨てがたい。』

⏰:12/05/10 09:19 📱:S003 🆔:vgV4ce3s


#87 [だーいし]
「えぇー2年B君の真壁君。至急職員室まで来て下さい。」

昼休みが終わる10分前に、真壁を呼び出す放送が入った。
『えっ?何かしたかな?俺!ちょっと行ってくる!』

真壁は首を傾げながら職員室へ向かった。

『てか、真ちゃん久しぶりやね!』

美沙は真也の隣に座った。

『あぁ、でもすげぇな。こんな偶然あるんだ。』

『ホンマやな!「運命」ってヤツ♪?』

『うんたぶん。』

『ちょっと!棒読みやん!』

⏰:12/05/11 15:34 📱:S003 🆔:mMv2d4Ac


#88 [だーいし]
『でも、どうしてこっちに?』
『なんやおとんが転勤になってこっち来てん!あぁ〜でもよかったー。』

『何が?』

『いや、めっちゃ不安やったけど真ちゃんおったら安心やな!』

美沙は笑顔で言った。

『あっあぁ。』

(不覚にも少しキュンとしてしまった…)

⏰:12/05/11 15:40 📱:S003 🆔:mMv2d4Ac


#89 [だーいし]
その日帰ると手紙がきていた。
『あんたこの手紙誰からきてるの?』

差出人が書いていない真也宛の近頃手紙がよくきている事に真矢は触れた。

『まぁそのー「ペンフレンド」ってヤツだよ。』

『ふるっ!!』

適当にその場をしのぎ、真也は自分の部屋で手紙の封を切る。
【サプライズがあったと思うがどうだろ。】

『いや〜ビックリしたよ。まさか美沙が転校してくるなんてな。』

【今回は大した内容はない。】
『ないのかよ。』

【次回の手紙で重要な事を書くつもりだ。】

『えぇ!すげぇ気になる!』

手紙はそこで終わっていた。

⏰:12/05/15 15:43 📱:S003 🆔:AyKpvokE


#90 [だーいし]
次の日の2時間目は国語だった。次回の授業でやるディベートの班決めが始まった。

『班だが〜めんどくさいから、席順でいいか。じゃあ、席くっつけて適当に打ち合わせして。』

国語教師の永田はだるそうに言った。クラスメート達は批判したが仕方なく席をくっつける。前から3番目までがとなりの列とくっつき、1つの班になる。真也はうれしかった。美緒と同じ班になるからだ。

(美緒ちゃんと同じ班になるのはいいが、美沙のヤツ余計な事言わなきゃいいけど……)

⏰:12/05/15 17:42 📱:S003 🆔:AyKpvokE


#91 [だーいし]
『じゃあ、ウチらの班は中学生にケータイは必要かの肯定派やな。』

美沙は持ち前の明るさですっかりクラスに馴染んでいた。

(美沙のヤツちゃんとやってんじゃん。よかった、よかった。)

『美緒ちゃんはなんかこれについて意見ある?』

美沙は聞いた。

『んーそうね、やっぱりケータイないと皆に連絡出来ないし、なんか急用あった時とかね。』

⏰:12/05/15 17:48 📱:S003 🆔:AyKpvokE


#92 [だーいし]
(おっすっかり美緒ちゃんとも仲良くなってる。)

『真ちゃん。』

(人懐っこさは昔から変わらないな〜)

『しーんちゃーん。』

(にしても今日も可愛いな〜♪ヌフフフフ)

『真ちゃんっ!!』

『はっはい!』

『なにぼーっとしてんのよ!』
『あっわりぃわりぃ。』

⏰:12/05/16 06:42 📱:S003 🆔:u4XazcyU


#93 [だーいし]
『本当に仲がいいんだね、2人共。』

美緒が微笑みながら言った。

『いや、全然』
『せやでー!』

お互いが顔を見合わせて睨み付ける。

『まっこういう頑固な所が好きなんやけどな!』

『何言ってんだ!?』

そのやり取りを見て美緒はまた笑う。

⏰:12/05/22 10:23 📱:S003 🆔:RNw7b.uU


#94 [だーいし]
『美緒ちゃんは真ちゃんの事好きなん?』



美沙はいきなりこんな事を言い出した。


『な、何言ってんだよ!おい!』

『ウチは美緒ちゃんに聞いてんの!』

『えっ……』


美緒はいきなりの質問に戸惑いを隠せなかった。

⏰:12/05/22 10:28 📱:S003 🆔:RNw7b.uU


#95 [我輩は匿名である]
きになる!頑張って更新してくれ!

⏰:12/05/22 18:55 📱:SH02A 🆔:vUXHXTsM


#96 [だーいし]
>>95
ありがとうございます!これからも頑張って更新します!

⏰:12/05/23 05:48 📱:S003 🆔:STP5p4NU


#97 [だーいし]
真也は美沙をなだめつつも、美緒の言葉を待った。

(美沙のヤツ何言ってんだよ!……でも気になる…。)


驚きを隠せずにいた美緒だったが、ついに重い口を開いた。


『んー好きかな。もちろん、友達として。』

『そうなん!?てっきりLoveの方や思ってた!じゃあ、今、異性として見てるんはウチだけやな!よかったな、真ちゃん!』
『何がだよ。』

真也は愛想笑いをした。
つられて美緒も笑う。


(「友達」として…か。)

⏰:12/05/23 05:57 📱:S003 🆔:STP5p4NU


#98 [だーいし]
県の大会を間近に控えた部活の練習はいつにもましてハードなものだった。

『多田木!集中!』

『はいっ!』


つかの間の休憩。
真也はリュックから水筒を取り出した。

『真ちゃ〜ん!』

『な、美沙!なんでここに?』
美沙は体育館の2階から真也を見下ろしていた。

『いや〜明日からお世話になるバスケ部の様子を見とこうと思って!』

『はっ?運動オンチのお前が?我がバスケ部もナメられたものだな!』

『マネージャーやで。』

『へえっ?』

⏰:12/05/23 06:12 📱:S003 🆔:STP5p4NU


#99 [だーいし]
『マネージャー?この学校にそんなのねぇだろ!?』

真也達が通う中学校に部活のマネージャーというのはなかった。美沙はこう続ける。

『それがな、校長に頼んだらいけてん!だからこれからヨロシク!』

そうこうしてるうちに、他の部員達が休憩から戻ってきた。

『あれっ?美沙ちゃんじゃん!』

『あっ!………誰やっけ?』

『ズコッ!真壁です。』

⏰:12/05/25 16:37 📱:S003 🆔:jBER8ePw


#100 [だーいし]
『多田木、誰だ?』

キャプテンが真也に尋ねた。

『まぁ、あの、知り合いってか…』

『皆さん!初めまして!飛鳥美沙言いますっ!明日からバスケ部のマネージャーとして頑張ります!ヨロシクお願いします!』


『『おぉー!』』


と部員達は口々に言い、拍手の渦が体育館に鳴り響いた。
真也は浮かない顔だ。

⏰:12/05/25 16:42 📱:S003 🆔:jBER8ePw


#101 [だーいし]
『いや〜まさか美沙ちゃんがマネージャーとして来てくれるとはな!』

『明日からよろしく!真壁!』
『呼び捨て?そ、その強引な所もいい…』

部活終わりのいつものコンビニに3人はいた。

『なんでまたマネージャーに?』

真壁は肉まんを頬張りながら美沙に尋ねた。美沙は真也の腕を掴み

『だって、ずっとずーっと真ちゃんの隣におりたいんやもん!』

美沙は真也の腕を抱きしめる。
『なっ!バカ!よせ!』

⏰:12/05/25 22:48 📱:S003 🆔:jBER8ePw


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