砂糖が甘い理由
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#155 [花]
俺はいつもより早起きしたせいか,@限目から爆睡。話し相手の優がいないわけもある。
珍しく美穂子は俺のクラスに顔を出さなかった。

[あー暇]
あくびをしながら時間割を見る。
俺ってやっぱりバカ。
早起きして早く学校に来ても,城谷に会えるのは午後から。
今更気付いて,さらにやる気ダウン。

誰もいない隣を見る。
城谷が座ってる様子を思い浮かべながら…

そして,@限が終わる頃やっと 優が登校して来た。

⏰:06/08/01 09:04 📱:F700iS 🆔:v3uyuBOs


#156 [花]
[優!!!!おっせーよ]
俺が優に叫んだ…と同時に授業終了のチャイムが鳴った。
優に対して俺だけじゃなくて先生も激怒。優は鞄を置いてすぐ職員室に連行された。
優はいつもの調子のよさで先生と無邪気に討論していた。
そして教室を出るとき俺に振返り,ウインクをした。

[気持ち悪ッ…(笑)]

きっと戻ってくるのはA限目の後だろう。

⏰:06/08/01 09:10 📱:F700iS 🆔:v3uyuBOs


#157 [花]
それから寝たり聞いたりしながら過ごして,やっと午前の授業が終わった。遅刻してきたくせに,なぜか優はB限目からずっと寝てる。

[優!…優 起きろ]
俺は今から城谷に会うコトを話そうと思って,優を揺すった。

[何だよ〜]
優は機嫌悪そうに机に伏せたまま返事だけした。

[あのな,頼むから寝ぼけず聞けよ!
俺 今から城谷に会う。だから美穂…!?]
途中まで言いかけるといきなり優は起き上がり,寝ぼけず目を輝かせながら

[美穂子チャンなら俺に任せとけ]
と言って,俺をドアの方に向き直らせて俺の背中を押した。

⏰:06/08/01 10:17 📱:F700iS 🆔:v3uyuBOs


#158 [花]
優に
[頼んだぞ!!!!]
と念入りに言い聞かせて美穂子が来る前に教室を出た。
天気予報は当たり,空は高く 青く 初めて城谷に会った日のように,太陽が暖かく照らしていた。

第二本館の階段は埃っぽくて汚かったけど,舞い上がる埃が日に照らされて光り,微妙に綺麗に見えた。

屋上のドアにつくと,俺は焦っているせいか,緊張しているせいか 手が震えて携帯を落としてしまった。
ストラップと鍵のぶつかるジャラッと鈍い音が館内に響いた。

⏰:06/08/01 10:26 📱:F700iS 🆔:v3uyuBOs


#159 [花]
俺は携帯を拾い,ため息交じりの不器用な深呼吸をしてから 鍵をドアにさした。

ガチャンと鍵のあいた音がすると,ますます手が震えて重たい扉を開けない。もう一度深呼吸をして扉を開けようとしたとき…
向こう側から勢いよく扉が開いた。

[いてー!!!!]
俺の額と鼻に扉がぶつかって,俺は床に座り込んだ。
向こう側から扉を開けたのは…

[ごめん!達也大丈夫??]
城谷だ。

⏰:06/08/01 10:50 📱:F700iS 🆔:v3uyuBOs


#160 [花]
俺はぼけっと頷いて城谷を見上げる。
城谷はゆっくりと俺に手を差しのべてくれた。
硬直して動けない…

[立たないの?]

城谷が手を引っ込めようとしたので,俺は急いで城谷の手を掴んで立ち上がった。
城谷の長く細い指先から手の甲は柔らかくて 温かかった。

[ありがとう]

そう言って 俺達は屋上に出て,城谷はドアの鍵を締めた。

⏰:06/08/01 11:54 📱:F700iS 🆔:v3uyuBOs


#161 [花]
城谷は俺から手を簡単に解いて,いつもの倉庫の影に消えた。
俺はドアの前に少しの間立ち尽くしたまま手を見つめ,城谷を追った。

城谷は無表情で座って俺を待っていた。
俺もゆっくり城谷の隣に座った。甘い 心地いい匂いがする。久しぶりに城谷をしっかり感じた気がした。

[久しぶり…かな]

俺は沈黙がイヤだったので何気なく会話を始めるように試みた。

⏰:06/08/01 12:01 📱:F700iS 🆔:v3uyuBOs


#162 [花]
[ん〜?そうだね]
城谷はやっぱり綺麗。
今日も顔色を乱さずに笑ったりしない。

[そういえば,何で城谷って屋上の鍵持ってんの???俺は去年の先輩からもらったんだけど!]

前から気になっていたコトを聞いてみた。
城谷は俺より先に屋上の鍵を手に入れてるはずだし…

[盗った]
城谷は短く言った。

[へぇ〜…ッて,え!?ダメじゃん。誰から盗ったんだよ]

[職員室から]
淡々と話す城谷には俺みたいに緊張している様子はまったくない。

⏰:06/08/01 12:21 📱:F700iS 🆔:v3uyuBOs


#163 [花]
[ははっ!城谷以外に悪なんだな]
俺は笑って横目で城谷を見るけど,城谷は真っ直ぐ冊の先にある林を見てるだけ。
…目合わしたいな。

[だって床に落ちてたから。
サボったりするのに便利だと思って。達也だって人のこと言えないよ?]
城谷は自分の指を絡ませて,おとなしく喋る。
それから しばらく沈黙が続いた。
気まずいな〜なんて思ってたら

[あ。そうだ]
城谷が呟いた。

⏰:06/08/01 22:25 📱:F700iS 🆔:v3uyuBOs


#164 [花]
[何!?どうした???]
俺は,城谷の話が聞きたくて身を城谷に近づける。城谷の匂いがする。

[…あたし…携帯買ったよ]
照れ臭そうに城谷は言った。
近づいた俺から背いて,俯く。

もしかして俺のため?
俺が連絡先聞いたから?
俺の勝手な妄想が広がる。そんなことより嬉しい!しかも照れる城谷が一層俺を嬉しくさせる。

[じゃあ…アドも番号も教えてくれるのか?]

⏰:06/08/01 22:33 📱:F700iS 🆔:v3uyuBOs


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