砂糖が甘い理由
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#322 [花◆AV8KevAYKk]
そう言った俺を見て,紗弥は一瞬不快そうな顔をしたが
[お姉さん,やっぱりショートケーキはBつね!
それから,ケーキスティックA本,そのままさぃ]
紗弥は嬉しそうにレジに向かって歩いてく。
[あ!紗弥,俺が出す]
そうだよ。
せめて金くらい出さなきゃ。何のためにきてんだかわかんねーし。
でも紗弥は,小さく首を横にふって,俺に向かってピースサインを出して,店員のお姉さんに
[じゃあAで割ってください]
と言った。
:06/08/20 00:07 :F700iS :hUwWG9uI
#323 [花◆AV8KevAYKk]
もうその場の雰囲気は紗弥のペース。
俺は口出しできないまま,店員のお姉さんに言われたとおりの金額を払って,俺はケーキの箱。紗弥は棒みたいなケーキ?を手に持って店を出た。
さっききたところの角を曲がると,紗弥は包みを半分まであけたケーキスティックを俺に差し出した。
[はい!
これちょ〜ウマイよ]
お金のことや俺の不安を気にさせないように,気をつかってくれているのがよくわかった。
だから俺も何も言わずに紗弥の行為に甘えた。
[うん。ちょ〜ウマい!]
そのケーキスティックはドライフルーツやクルミが入っていてほんとにおいしかった。
:06/08/20 00:22 :F700iS :hUwWG9uI
#324 [花◆AV8KevAYKk]
同時に紗弥らしいな,って思った。
[あたしも裕也も甘いもの大好きだからさ〜]
紗弥は嬉しそうに俺を見て話した。
最近,紗弥は「あの目」をしない。
[そうなんだ。
俺も結構好きだよ]
[まじで?以外〜
なんで好きなの???]
紗弥はいつも理由を気にしてなんでなんでと俺に聞くことがあった。
携帯の機能にまでも,なんで?と聞いていた。
:06/08/20 00:26 :F700iS :hUwWG9uI
#325 [花◆AV8KevAYKk]
[またなんでかよ〜!
理由なんかないよ]
…しまった。
案の定,紗弥を見ると不機嫌そうに目を細めて俺を見た。
[出たよ。
達也はいつもそればっかり!]
[う…
じゃあなんで紗弥は甘いのが好きなんだよ?]
俺は紗弥に今までこんな風に聞き返したことはなかったけど,理不尽だったので意地悪そうに紗弥に聞き返した。
:06/08/20 00:29 :F700iS :hUwWG9uI
#326 [花◆AV8KevAYKk]
[え!?あたし?え〜と…]
[やっぱり紗弥だって…]
[うるさい!
裕也が好きだから好きになったんだよ]
紗弥はすごい理由をつけて,一気にケーキを口に放り込んだ。
[理由になってねーよ]
こんな感じでしばらく俺達は笑いあったまま歩いた。
でも,紗弥が何にでも理由を求めるのにもきっと何かわけがあるんだとも心の隅で考えたんだ。
それほど紗弥の「なんで」は異常だった。
:06/08/20 00:34 :F700iS :hUwWG9uI
#327 [花◆AV8KevAYKk]
病院につくと,紗弥は俺に,自分の後ろをついてくるように言った。
俺は言われたとおりに,紗弥の@メートルくらい後ろを歩いた。
エレベーターは使わずに階段を上がっていく。
途中で何人も患者さんとすれ違った。
こんな小さな町病院にも結構人がいるもんなんだな。
B階につくと,紗弥は携帯を取り出して,画面を確認していた。
俺もマナーモードになっているか確認をした。
それから,また俺の手を掴んで奥までずんずんと歩いていく。
:06/08/20 00:52 :F700iS :hUwWG9uI
#328 [我輩は匿名である]
ァケ"-
:06/08/21 21:13 :F902iS :☆☆☆
#329 [我輩は匿名である]
あげ
:06/08/21 21:14 :N901iC :☆☆☆
#330 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/21 21:37 :F700iS :9MSW5YGA
#331 [花◆AV8KevAYKk]
ゃっぱり今カラ更新します
俺は病室の番号を見ながら紗弥に連れられるまま,廊下を歩いた。
先端にほど近い,広そうな個室の前で紗弥は足を止めた。205号室…
名前は【城谷 裕也】
うわ…やべ。
俺なんだか緊張してる。
紗弥を横目で見ると,俺の方を見ていた。
[仲良くしてあげてね]
紗弥が裕也君のことを大切にしてる気持ちが伝わる。
[おッおう。ケーキ,一緒に食べるんだもんな]
:06/08/21 21:51 :F700iS :9MSW5YGA
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