砂糖が甘い理由
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#324 [花◆AV8KevAYKk]
同時に紗弥らしいな,って思った。
[あたしも裕也も甘いもの大好きだからさ〜]
紗弥は嬉しそうに俺を見て話した。
最近,紗弥は「あの目」をしない。
[そうなんだ。
俺も結構好きだよ]
[まじで?以外〜
なんで好きなの???]
紗弥はいつも理由を気にしてなんでなんでと俺に聞くことがあった。
携帯の機能にまでも,なんで?と聞いていた。
:06/08/20 00:26 :F700iS :hUwWG9uI
#325 [花◆AV8KevAYKk]
[またなんでかよ〜!
理由なんかないよ]
…しまった。
案の定,紗弥を見ると不機嫌そうに目を細めて俺を見た。
[出たよ。
達也はいつもそればっかり!]
[う…
じゃあなんで紗弥は甘いのが好きなんだよ?]
俺は紗弥に今までこんな風に聞き返したことはなかったけど,理不尽だったので意地悪そうに紗弥に聞き返した。
:06/08/20 00:29 :F700iS :hUwWG9uI
#326 [花◆AV8KevAYKk]
[え!?あたし?え〜と…]
[やっぱり紗弥だって…]
[うるさい!
裕也が好きだから好きになったんだよ]
紗弥はすごい理由をつけて,一気にケーキを口に放り込んだ。
[理由になってねーよ]
こんな感じでしばらく俺達は笑いあったまま歩いた。
でも,紗弥が何にでも理由を求めるのにもきっと何かわけがあるんだとも心の隅で考えたんだ。
それほど紗弥の「なんで」は異常だった。
:06/08/20 00:34 :F700iS :hUwWG9uI
#327 [花◆AV8KevAYKk]
病院につくと,紗弥は俺に,自分の後ろをついてくるように言った。
俺は言われたとおりに,紗弥の@メートルくらい後ろを歩いた。
エレベーターは使わずに階段を上がっていく。
途中で何人も患者さんとすれ違った。
こんな小さな町病院にも結構人がいるもんなんだな。
B階につくと,紗弥は携帯を取り出して,画面を確認していた。
俺もマナーモードになっているか確認をした。
それから,また俺の手を掴んで奥までずんずんと歩いていく。
:06/08/20 00:52 :F700iS :hUwWG9uI
#328 [我輩は匿名である]
ァケ"-
:06/08/21 21:13 :F902iS :☆☆☆
#329 [我輩は匿名である]
あげ
:06/08/21 21:14 :N901iC :☆☆☆
#330 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/21 21:37 :F700iS :9MSW5YGA
#331 [花◆AV8KevAYKk]
ゃっぱり今カラ更新します
俺は病室の番号を見ながら紗弥に連れられるまま,廊下を歩いた。
先端にほど近い,広そうな個室の前で紗弥は足を止めた。205号室…
名前は【城谷 裕也】
うわ…やべ。
俺なんだか緊張してる。
紗弥を横目で見ると,俺の方を見ていた。
[仲良くしてあげてね]
紗弥が裕也君のことを大切にしてる気持ちが伝わる。
[おッおう。ケーキ,一緒に食べるんだもんな]
:06/08/21 21:51 :F700iS :9MSW5YGA
#332 [花◆AV8KevAYKk]
病室の扉を開けると,柔らかい風が吹いた。
紗弥の甘いかおりが漂う…
いや,部屋中紗弥と同じ匂いがする。
[裕也ぁ〜]
紗弥は広い部屋の片隅にある白いベッドのカーテンを勢いよく開けた。
ベッドの上には水色のパジャマを着た,細くてなんとも華奢な男の子が体を半分だけ起こして,空を見上げていた。
髪は茶色くて,目が丸い。髪がもう少し長かったら女の子に間違いそうだ。
[お姉ちゃん!]
裕也君は紗弥を見て嬉しそうに言った。
:06/08/21 22:01 :F700iS :9MSW5YGA
#333 [花◆AV8KevAYKk]
しかし,その愛らしい顔は紗弥の後ろについていた俺の姿を見て,一瞬だけ顔色を曇らせた。
紗弥はそれに気付いて
[ほら,この前写メで見せた…達也だよ?]
[あッ,初めまして!柿山達也でーす…]
一応俺なりの最大の微笑みをしたつもり。
裕也君は写メを思い出したみたいに,あッという顔をして紗弥と目を合わせて笑った。
そしてすぐ俺に向き直して,白くて綺麗な歯を出して笑ってくれた。
[城谷裕也です!]
:06/08/21 22:07 :F700iS :9MSW5YGA
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