砂糖が甘い理由
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#354 [☆MIKU☆]
:06/08/28 21:47 :N901iC :zXiwp3Gk
#355 [花◆AV8KevAYKk]
スイミーサン
ぁちゃサン
MIKUサン
ぁりがとぅござぃます
お待たせしました
また頑張ります
文化祭やテストで忙しくて
遅れがちになりますが,見守っていてさぃ
:06/08/28 22:04 :F700iS :RgcItfyE
#356 [花◆AV8KevAYKk]
[あ,お姉チャン!]
俺が驚いて後ろを振り返ると,紗弥が戻って来ていた。
中林先生とは一緒じゃないから,話は済んだみたいだ。
どうなるのか…手術の話って。
[達也,まだ時間ある???]
[余裕!]
紗弥は頷いて,裕也君の隣に座って裕也君を見て微笑みながら言った。
[あのね,裕也…
手術は結構難しくて,長い時間がかかるの。]
裕也君は黙って紗弥を見つめる。
:06/08/28 22:09 :F700iS :RgcItfyE
#357 [花◆AV8KevAYKk]
[で…裕也がいいって言ってくれるなら,中林先生は,早く手術への準備を整えて,完全な状態で望みたいんだって]
裕也君は少し涙目で,毛布をぐっと握っていた。
紗弥はゆっくり,まるで本を読み聞かせるように話し続けた。
[裕也は…平気???
お姉チャンも恐いの。でも,早く裕也とまた外へ出掛けたい。色んな事が裕也としたいの]
裕也君はためていた涙をこぼした。
:06/08/28 22:14 :F700iS :RgcItfyE
#358 [花◆AV8KevAYKk]
[裕也…]
紗弥は裕也君の頭を軽く撫でながら,俺の方を見て,微笑んだ。
あのすげぇ可愛い顔で。
それは自信に満ち溢れた顔だった。
[僕は…恐くないよ]
裕也君は涙を流しながら,真っ赤な目に顔まで真っ赤にして俺達に向かって言った。
[うん。恐くないよね]
紗弥も嬉しそうにそう繰り返した。
:06/08/28 22:19 :F700iS :RgcItfyE
#359 [花◆AV8KevAYKk]
せの二人のやり取りを見て,俺も泣きそうになった。
[でも…お金とかは???
新しい病院に行かなきゃダメなんでしょ?]
裕也君は幼いながら自分達の置かれた現実を,しっかりと紗弥に突き付ける。
[平気よ!こーみえてもあたしは働き者だよ?]
紗弥は俺の腕に自分の腕を絡ませて元気よく跳ねた。
裕也君はそれ以上詮索はしずに,涙を拭いてニコニコ俺達がはしゃぐ姿を見ていた。
:06/08/28 22:26 :F700iS :RgcItfyE
#360 [花◆AV8KevAYKk]
それから俺達は手術の話はやめて,またおしゃべりを続けた。
なんか,家族みたいですげぇ幸せだった。
[じゃあ,明日も来るからね。いい子にしててね]
[また来るね。裕也君]
俺達は裕也君の部屋を綺麗に整頓して,病院を出た。
また来るね…か。
[ねぇ達也…]
[ん〜?]
帰り道は俺の提案で,無理矢理ながらも紗弥を誘って遠回りをして帰ることにした。
:06/08/28 22:30 :F700iS :RgcItfyE
#361 [花◆AV8KevAYKk]
[手術さ…ほんとに,本当に難しいんだって]
紗弥は口を強くしているが,目は今にもこぼれそうに潤んでいる。
[成功するかなぁ…]
裕也君が泣いたときの様に一気に涙をこぼした。
さっきの強気の笑みは,裕也君を丸め込めるのに自信があっただけで,本当は紗弥自信もきっと心では涙を流していたんだろう。
[必ず成功するよ。
俺も願ってるしさ…]
俺は右手で紗弥の手を握って,左手では紗弥の目を擦った。
:06/08/28 22:36 :F700iS :RgcItfyE
#362 [花◆AV8KevAYKk]
ちょうど遠回りしてくるつもりだった公園までは,あと坂道を上るだけ。
日が落ちかけて,生暖かい風が俺達を横切った。
紗弥の目はいつものように硝子みたいで,流す涙も冷たくて,俺も少し震えた。
[ありがとう…]
俺の手を握り返した紗弥は,涙を拭った俺の手に軽くミニキスをしてくれた。
そして俺の手を引いて坂道を駆け上がり,声を出して笑った。
つられるように,紗弥に合わせて俺もわらった。
:06/08/28 22:40 :F700iS :RgcItfyE
#363 [花◆AV8KevAYKk]
俺はそんな紗弥の後ろ姿を見て,好きで好きで仕方ないってこうゆうことを言うんだと本気で思った。
[人を好きだ]
ということに理由がないのも,こうゆうことなんだと思う。
紗弥はきっと一人じゃ生きていけないだろう。
俺だってそうだ。
だから…
俺と紗弥が一生一緒にいればいい。
うん。
それがいい…
:06/08/28 22:53 :F700iS :RgcItfyE
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