砂糖が甘い理由
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#371 [花◆AV8KevAYKk]
[そっか…
でもさ,やっぱり今以上忙しくなる…よな?]

俺は言葉がギクシャクしてうまく話せない。

[まーね。
でも…テストの日は行くし,また裕也に会いに行かなきゃいけないから]
[っていう日は俺も誘ってくれる???]

つい興奮して紗弥の手を引っ張る。

[たぶんね]
紗弥は欝陶しそうに言った。
けど,軽く口を緩めて笑っていた。

⏰:06/08/29 23:21 📱:F700iS 🆔:oGI3eSwE


#372 [花◆AV8KevAYKk]
やった。紗弥とまた約束交わしたぜ〜!
舞い上がった俺は大変な事情もなんだかうまくいくような気がした。

―紗弥達のこと何も知らなかったからかも知れないけど…


[だけどお金の心配は達也はいちいちしないで]
紗弥はいきなり強い口調になって,俺を黙らせた。

[親からの保険は昔おりてて貯金くらいあるし,今までも一生懸命働いてきた。
それに…]

保険?親の保険って何?
俺が固まっていると,紗弥はしまったという顔をして俯いた。

⏰:06/08/29 23:28 📱:F700iS 🆔:oGI3eSwE


#373 [花◆AV8KevAYKk]
[紗弥,あの…]

さっき考えた,俺の予想がまた頭を掠めた。

[家の親は死んだから。
何か言えなくて,てゆーか言う必要ないし]

やっぱり…

俺の中で紗弥の口調と親の面影,裕也君の瞳までもが何かと重なった。

[何かの事故…?]

紗弥は頷く。

[結構お金は入ったし,あたしも裕也も納得できる年頃だった。
A人で頑張ろうって]

[うん…]
俺は紗弥の手を強く握り,話をただ聞くしかできなかった。

⏰:06/08/29 23:35 📱:F700iS 🆔:oGI3eSwE


#374 [花◆AV8KevAYKk]
そこまで話したところで公園の入口まできた。

紗弥は指で,あたしはこっち とジェスチャーした。俺の家とは逆方向。

[送るよ]

[いいよ。まだ少し明るいし…]

ただ早く帰りたいだけなのかもしれない。

[またメールするから]

そう言って紗弥は俺に背を向けて既に歩き出していた。

[うん。
あ!紗弥!!さっきの「それに」の続きって…]

俺は未練がましく紗弥を止めるが紗弥は止まらない。

⏰:06/08/29 23:41 📱:F700iS 🆔:oGI3eSwE


#375 [花◆AV8KevAYKk]
聞こえてないのかな。
紗弥は振返りも,手も降らずに,帰って行った。

俺も紗弥の帰った道に背を向けて,歩き出した。
結構遠回りしたけど,あの公園は以外と俺の家から近い。

家についたと同時に携帯がなった。

受信は紗弥。
…?

【それに,達也には心配かけたくなかったの!




って言いたかった。】

俺は思わず携帯を抱きしめて声を出して笑った。

紗弥の素直じゃない態度は逆に俺をまた強く紗弥に引き込む。

⏰:06/08/29 23:46 📱:F700iS 🆔:oGI3eSwE


#376 [花◆AV8KevAYKk]
家に入ると,兄貴が丁度出掛けるところだったみたいで,玄関先ですれ違った。

[兄貴,どっか行くの?]

[あ〜ぁ…今日さ,夕飯彼女も一緒に食うから]

[ってことは今から迎えに行くとか?]

[正解♪じゃーな。
あと,表でおかしな声出して笑うなよな〜達也]

げっ!バレてた…ダセぇな俺ってば。
兄貴は機嫌よく家を出て行った。
つーか,一緒に夕飯って…もちろん俺もだよな。

⏰:06/08/30 22:53 📱:F700iS 🆔:rYfyUQ/2


#377 [花◆AV8KevAYKk]
兄貴に彼女がいることは知っていたけど,まだ会ったことない。
少し前に菜々子とお袋は会ったと言って,騒いでたっけ…

なんか緊張する。
兄貴も菜々子も俺と違って綺麗な容姿をしてるし,なんだかイヤだな。

夕飯と聞いて,キッチンを覗くとお袋が一生懸命料理をしていた。
結構兄貴の彼女のこと気に入ってるのかな。
楽しそうに鼻歌なんか歌ったりしてさ。

⏰:06/08/30 23:00 📱:F700iS 🆔:rYfyUQ/2


#378 [我輩は匿名である]
続き書かンの?

⏰:06/09/01 19:43 📱:SH702iD 🆔:K/fh4pr2


#379 [花◆AV8KevAYKk]
匿名サン
前レス見ていただければわかる通り,今大変忙しくて申し訳ないのですが,遅れがちな更新になっています。
でも必ず,最後まで書くので,見守っていただけることをお願いしたいです。

今日の夜更新します。

⏰:06/09/01 20:33 📱:F700iS 🆔:PTuWyS9k


#380 [花◆AV8KevAYKk]
俺はお袋に声はかけずに,二階に上がった。

さっきの兄貴の言葉を思い出して,携帯を開いて紗弥にメールを打った。

【案の定,心配してるよ。口は出さないけど(^^)
でもあまり無理するなよ!また一緒に裕也君とこ行こうな。
じゃあバイト頑張れ!
またな〜】

こんな感じで。
うん,いいかな…
送信ボタンを押した俺はなぜか前みたいに緊張とかしてなくて,すんなりとメールを送れた。

紗弥が心を開いてきてる気がしたからかな。

⏰:06/09/01 22:22 📱:F700iS 🆔:PTuWyS9k


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