砂糖が甘い理由
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#101 [寿]
俺不器用だからうまく言えないけど・・・この小説好き・・・読んでると心が優しくなる感じがする・・・続きまってます。
:06/07/07 16:04 :P901iS :TknfuYr6
#102 [花]
寿サン
ぁりがとぅござぃます
男性の方に感想ぃただけるのは多分始めて
なので嬉しいデス
今日の夜に,また少し更新したいと思います
:06/07/07 19:47 :F700iS :Kz.tby9A
#103 [花]
そろそろ J時を回る。
俺は夕飯も風呂もゆっくりできずに,ただ時間が過ぎるのを待った。
携帯の時計がちょうどJ時になったとき,俺は家を出た。
行き先は―
コンビニ。そう,優が言っていた城谷が働いているらしいコンビニだ。
にぎりしめた携帯を再度確認する。
いいたい言葉も練習した。
[連絡先教えてよ]
って何度も何度も。
:06/07/07 21:00 :F700iS :Kz.tby9A
#104 [花]
チャリを飛ばしてD分。
細道から国道沿いに出ると,明るく電灯が光るコンビニに着いた。
きっと城谷はいるはずだ。
チャリを駐車場の際に起き,深呼吸をして胸をなで降ろす。 そして入る前にもう一度 あの言葉を練習する。
横目で覗いたレジの中に見えた―
髪を二つに結んだ女の子… 城谷だ。
:06/07/07 21:08 :F700iS :Kz.tby9A
#105 [花]
城谷の姿がしっかり確認されると,俺は怖じ気づいたように 心臓が揺れた。
しかし足は震えながらも動いていた。
城谷がいるコンビニの扉の方へ…
ピンポン ピンポ-ン
入ってしまった。
どうしようもなくなり城谷のほうを見ると
[いらっしゃいませ,こんばんわ]
城谷が軽く投げ掛けた。
そして城谷は俺の顔を見ると,驚いたように目を丸くしていた。俺は城谷から目を反らせなくなっていた。足も扉から動かない。
[達也…???]
城谷が俺の名前を呟いた
:06/07/07 21:14 :F700iS :Kz.tby9A
#106 [花]
俺は顔がほてる自分に気がつき,焦って城谷に返事を返す
[おす。何だよ,城谷こんなとこでバイトしてたんだ。俺ん家すぐそこだからさ〜]
平然を装ったつもりが,逆に声が裏返った。
[うん。深夜勤務だから会うことなかったんだね]と,城谷はまた呟くような声で言った。
俺は お茶と雑誌を素早く選んで城谷のいるレジに立った。
言わなくきゃいけない…あんなに練習もしたんだ。
言わなきゃ。
今,言わなきゃ…
[城谷!!!!あのさぁ〜]
:06/07/07 21:24 :F700iS :Kz.tby9A
#107 [花]
城谷はレジを打ちながら,上目で俺をちらりと見た。
以外に背が高くないのかも。
170pくらいあると思っていた城谷の身長は165pあるかないかだった。俺は180pだから二人の差は…とくだらない計算を始めて,言おうと思っていた言葉のタイミングを失う。
[バイト,こんな時間まで大変だな]
笑顔で吐き出した言葉は全く練習してきたものとは違う言葉。
俺は自分の不甲斐なさに呆れる。
城谷は無表情で
[これくらい平気だよ]
と言った。
:06/07/07 21:41 :F700iS :Kz.tby9A
#108 [花]
そう言った城谷の目はいつものように綺麗だが,冷たく鋭い。
きっと今の城谷の言葉のあとに続くのは
[これくらい平気だよ…裕也のためなら]
だと勝手に思った。
俺は城谷の髪型の感想やら,品揃えの話やらを口走るが,いいたい言葉は出ない。
たった少しなのに。
だんたんにぎりしめていた携帯が汗で滑る。
明日は土曜だから学校もない。
言うなら今日しかないんだと思った
:06/07/07 21:46 :F700iS :Kz.tby9A
#109 [花]
城谷はお茶と雑誌を袋につめ終わって
[ありがとうございました]
と言って俺に袋を差し出した。
俺は城谷と目を合わせた。城谷も不思議そうに俺を見つめる。
[城谷…]
俺はごくりと唾を飲む。
[あの……連絡先…教えてくれる???]
:06/07/08 16:09 :F700iS :75UxT/gw
#110 [花]
言った!!!!
ついに出した言葉は,震えていたし,小さかったし,何とも情けなかった。勇気を振り絞って言ったものの城谷からの返事はない…
沈黙が少々続いたあと,城谷が申し訳なさそうに返事をくれた
[ゴメン達也。あたし携帯持ってない。
家の電話番教えても,ほとんど家にいないから出ないし…今時ダサいよね。でもあたしには必要ないし]
恥ずかしそうに俯いて,それ以上何も話さない城谷。
:06/07/08 16:28 :F700iS :75UxT/gw
#111 [花]
俺は城谷がすごく愛おしくなった。
俺は俯いた城谷の顔を優しく持ち上げ
[いいんだ。俺こそ悪かった。じゃあ変わりに月曜…屋上で話がしたい]
と言った。
あれだけ連絡先を聞くのに戸惑っていた俺なのに,この時はこんな大胆な言葉がすんなり出たのか自分でもわからない。
でも,城谷と話したい気持ちが強かったからだと思う。
:06/07/08 16:29 :F700iS :75UxT/gw
#112 [我輩は匿名である]
:06/07/08 19:46 :SH901iS :vOG7/W2Y
#113 [花]
:06/07/08 21:01 :F700iS :75UxT/gw
#114 [花]
城谷は,また黙って少し考え込んでから何も言わずに頷いた。
俺は城谷が了承してくれただけでもう充分胸いっぱいだった。
[じゃあ…月曜午後から屋上に行くよ]
と,時間の約束をして俺はコンビニを出た。
帰る途中,何度もニヤけそうになった自分の顔をひっぱたいた。
俺はきっと校内で城谷に誰よりも近い存在だと思う。城谷は俺をどう思っているんだろう。
熱い心をさらに焦がす。城谷の甘い香りが肌に絡み付いているような気がした。
:06/07/08 21:10 :F700iS :75UxT/gw
#115 [花]
俺は家に着いてからもずっと城谷のことを考えていた。
城谷が学校に来ない理由は裕也君の医療費を稼ぐために沢山の場所で働いているから…
そのために自分の携帯さえ買っていない。
こんなことを考え始めると,次は裕也君のことが気になり始めた。
どんな心臓の病気なんだろうとか,城谷に大切にされてるんだからいい子なんだろうな… とか。
とにかく早く月曜日になれ。まだまだ聞きたいことがいっぱいあるんだ。
:06/07/08 23:02 :F700iS :75UxT/gw
#116 [花]
俺は始め,城谷の姿に夢中になっていたが,いつのまにかありのままの城谷を知りたいと思った
と同時に
まだ城谷が笑ったところを見たことない俺はあの冷たい瞳を溶かしたいとも思った。
城谷を思うとそんな欲張りな自分が生まれたんだ。
不思議と城谷のためならなんでもできる気がした。城谷の隣にいれたら…城谷が隣にいてくれたら
:06/07/08 23:06 :F700iS :75UxT/gw
#117 [梨奈+゚]
読ませてもらッてまス
`)この小説
面白いし^口)
ハマってます(圉*'V`)
+゚
コレカラも頑張ッて下さい
:06/07/09 08:35 :SH902i :☆☆☆
#118 [花]
梨奈サン
ァリガdです
今日わバイト
なので,更新できるかわからナイけど
応援お願いします
:06/07/09 16:00 :F700iS :Z9bLWnv6
#119 [花]
そんなことを考えているうちに 時刻は深夜A時過ぎになっていた。
俺は今まで城谷のことで頭がいっぱいだったのに,時間を思ったら急に眠たくなった。
できれば城谷のことを考えたまま眠って,城谷の夢をみたかった。
その日の夢には,案の定 期待外れに城谷は出てこなかった。だけどどんな夢かはあまりはっきり覚えていないけど,不思議と暖かくてとても心地いい夢だったような気がする。
ずっと覚めずにいたくなるような…
そんな夢
明日は土曜だし,予定もない。でもきっと城谷は明日もバイトだ。
だけどいいんだ。
今日の夜テレビで見た月曜日の天気予報のマークは晴れだった気がする。
俺には,城谷との約束があるから。
:06/07/10 12:58 :F700iS :97TFzTaY
#120 [花]
ずっと覚めずにいたくなるような…
そんな夢
明日は土曜だし,予定もない。でもきっと城谷は明日もバイトだ。
だけどいいんだ。
テレビで見た月曜日の天気予報のマークは晴れだった気がする。
俺には,城谷との約束がある。
:06/07/10 12:59 :F700iS :97TFzTaY
#121 [花]
次の日の朝は,優の電話で起こされた。
よりによって優からのモーニングコール。勘弁してくれよ,と呟きながら電話に出た。
[おーす!達也ぁ???
今日 俺に付き合ってほしいんだけど,暇だろ?]優は朝からハイテンションで話した。
[あぁ〜???何だよせっかくの休みなのに]
俺は不機嫌に答える。
[いいだろ!昨日重大報告してやったの忘れたのかよ,この恩知らずが!]
:06/07/11 18:57 :F700iS :ObfepiuY
#122 [花]
うそだよ。ほんとは不機嫌に答えたけど,断るつもりなんかないよ。
俺は心の中で優にしっかり伝えた。
[仕方ねえなぁ。
付き合ってやるよ!!!!]俺は,優に言い返すように不器用に言った
[サンキュー☆]
上機嫌の優は,時間と待ち合わせ場所を話して電話を切った。
優には毎回世話になってばかりだ。俺だって優の役に立ちたいと思うけど,いつも優には逆に 迷惑かけちゃうんだよな。
ありがとな…
:06/07/11 19:04 :F700iS :ObfepiuY
#123 [寿]
もう一回いちから読んだけど、まじ楽しい 俺と同い年でこんだけ良い小説かけるのは素直にすげぇと思った 更新待ってます
:06/07/16 23:32 :P901iS :2E3TU0c2
#124 [みゆ]
いっきに読んでみましたぁ
((*>∀<*))ノかなりおもしろぃです
:06/07/17 10:37 :D902i :nDlKK97g
#125 [花]
最近忙しくて更新できずにすいません
寿サン
A度も,嬉しい言葉
ァリガトぅござぃます
ァタシなんか ただの高校生ですょ
でもそぅ言ってもらぇると,かなり嬉しい
同い年ですか
それわ,ァタシ的にも親近感
これカラも ょかったら感想ァタシに伝えてくださぃ
みゆサン
ァリガトござぃます
これからもよろしくお願いします
:06/07/17 16:52 :F700iS :m588wMvw
#126 [花]
優との待ち合わせ場所は駅前の公園だった。
俺の家からは結構遠い。遠いといっても,チャリを走らせればS分くらいでつく。
小さい町だし。
公園にはスケボーをしてはしゃぐ中学生や,子連れの夫婦の姿がちらほらあったが,肝心の優がいない。
俺は渋々携帯を開き,優をコールする。
:06/07/18 22:29 :F700iS :i5Qy/rTM
#127 [花]
Aコールしたとき向こうから電話を切られた。
俺は舌打ちをしてもう一度かけ直そうとすると,通りから手を降る優の姿が見えた。
[悪い悪い,達也!!!!]
笑顔で走ってくる優は汗をかいていたし,とても暑そうだった。
きっと 遅れそうだったから走ったんだろう。
[おせ〜よ]
俺は優にタックルして二人で笑いあった。
:06/07/18 22:34 :F700iS :i5Qy/rTM
#128 [花]
[で,今日は何なんだよ。付き合ってくれって…
どっか行きたい場所とかあるのか???]
用件を聞かされていなかった俺は,優のいつもの気まぐれだろうと予想して,イヤミっぽく優に問い掛けた。
[聞いて驚くなよ!]
優もイヤミっぽく言い返す
[いいから,さっさと話せよ〜]
[実は,城谷の卒業した中学を探したんだよ。
そしたら,隣の市に見つけたんだ]
優は得意げにそう言った
:06/07/18 22:40 :F700iS :i5Qy/rTM
#129 [花]
[どういうことだよ???]
[城谷って,あんなに美人なのにみんな連絡先とか,家族構成とか,出身知らないじゃん?
あんな奴だぜ,こんな小さい町や市なんだ。すぐに噂になるハズなのに,高校に入るまでみんな城谷の事知らなかっただろ?
俺にはそれが謎でさ〜
知り合いにガサ入れして出身調べたんだ!]
優は,汚いアルバムを鞄から取り出しながら話を続けた。
俺は黙って 優の話を聞いた。
:06/07/18 22:46 :F700iS :i5Qy/rTM
#130 [花]
[城谷は,隣の市にも中二のときに転校してきたらしいぜ。
その前はたしか,長野県にいたって。
…で,このアルバムが中学の!!!!知り合いのイトコが偶然城谷と同じ中学でさ〜。あいつ弟がいるんだってよ
昔から美人で成績優秀。まあ性格は相変わらず無愛想だったらしいけど]
優の持ってきたアルバムには[緑ヶ森中学校]と書いてあった。
そういえば,中学の部活の試合でこんな学校あったかな,と思った。
:06/07/18 22:52 :F700iS :i5Qy/rTM
#131 [花]
そう思った矢先,優も同じ事を言った。
[たしか,俺らがサッカー引退した時試合して負けたのってここじゃなかったっけ〜?]
[俺もそう思った]
俺はぶっきらぼうに答えて,優に渡されたアルバムを手に取った。
やっぱり???と優は自分の記憶力すげーとかでかい声でほざいてる。(笑)
アルバムの最初には卒業生全員の集合写真があった。一人一人が小さすぎて表情はわからない。
学ランとセーラー服の中学だった。
城谷はここにいたんだ…
:06/07/18 23:09 :F700iS :i5Qy/rTM
#132 [花]
アルバムを順番に見ていくけど,知らない顔に知らない名前ばかり。
当たり前の事だけど,知らない土地にいた時の城谷がなんだかとても心配になった。
―きっとあの目をして,まわりに避けられながら一人で…いや,裕也君と二人きりで過ごしてきたんだろうな。。。
[あっ!!]
優が叫んでアルバムをめくる手を止めた。
[達也!これ,城谷!]
:06/07/19 10:20 :F700iS :tbkOFwww
#133 [花]
優が止めたクラスはB年D組
城谷は一番下の左隅に写っていた。
今より少し幼いけど,あの目は今と全く変わらない。綺麗な顔でまっすぐこっちを見ていた。
俺はその写真を見つめながら,公園のベンチにゆっくり座った。
:06/07/19 11:35 :F700iS :tbkOFwww
#134 [花]
[達也!]
俺が城谷の写真にみとれているうちに,優は近くの自販機でジュースを買ってきてくれた。
[サンキュー…]
ぼーっと城谷を眺めながら月曜のことを考えた。城谷に会える。
中学の話聞いてみようかな,なんて考えた。
[達也さ〜…もしかして昨日俺と電話したあと城谷に会った???]
優が意外な事を聞いてきて 俺は驚いた。
鋭い…
:06/07/19 21:58 :F700iS :tbkOFwww
#135 [花]
優の真っすぐな言葉に俺は隠し切れずに,小さく頷いた。
優はやっぱりといったように,俺を見下ろし,空を仰いだ。
[でも,城谷とはコンビニで少し話しただけで,すぐ帰ったんだ]
俺は焦って話す。
[連絡先とか聞かなかったのか?達也らしくないな〜]
見透かしたように優は軽く言った。
[別に俺は…]
俺が言葉に詰まっていると,優はため息をついた。
:06/07/20 17:38 :F700iS :vh5TIEvQ
#136 [花]
[無理にうそつくなよ。らしくない
俺は何もやましく思ってねーし,達也の事なら少しは理解してるつもりだよ]
話しながら優は飲み終えた缶ジュースをごみ箱に投げた。
…少しじゃねーよ。優は俺の全て理解してくれてるじゃん。
泣きそうになった。
俺城谷のことが好きなんだ…!!
逃げ続けてきた俺の中の事実をしっかり自分自身で確かめた。
優は泣きそうな俺を察して,背を向けたままでいてくれた。
:06/07/20 17:44 :F700iS :vh5TIEvQ
#137 [花]
そんな時,俺の携帯がいきなり鳴った。
正直二人とも驚いて,優は背を向けていたが振返り,苦笑いをした。
携帯の着信の相手は美穂子。まさにバットタイミング…
俺はため息をついてから思い切りまた空気を吸い込み,電話に出た。
[もしもし,美穂子???]
:06/07/22 19:09 :F700iS :O2aYlb92
#138 [花]
[達也ァ-!今どこにいる???家???]
美穂子はハイテンションで明るく話し掛けてくれる。
俺は少しためらったが,すぐ返事を返した。
[今は駅前の公園。優と一緒だよ]
[そっかぁ。ねぇ明日会える???]
この美穂子の言葉に
[悪い。明日は家族で出掛けるんだ]
と咄嗟に言ってしまった。明日は何も予定なんかないのに…
優は黙って俺のほうを心配げにみている。
弱くて卑怯な自分がいやになった。
:06/07/22 19:24 :F700iS :O2aYlb92
#139 [寿]
仕事中だけど更新まってます 頑張ってね
:06/07/28 12:45 :P901iS :RTRQQiHE
#140 [花]
:06/07/28 17:30 :F700iS :YbfMQd/6
#141 [花]
美穂子は一瞬電話の向こうで静まった。
そしてすぐ
[わかった!!!!また連絡する]
と言って,明るく返事をした。
俺は自分の弱さに加えて美穂子に申し訳なくて,また涙が出そうになった。
電話を切ったあと,また深いため息が出た。
優は俺の肩を軽く撫でてくれた。
[なぁ…優
俺 どうしたらいいんだろう。わかんねぇよ]
:06/07/28 17:40 :F700iS :YbfMQd/6
#142 [花]
情けなくて,不甲斐なくて,優柔不断な自分。
俺は城谷のコトを思えば思うほど,城谷に魅かれていく。
でも美穂子に別れを告げる自信なんか…あるわけない。
優は少しの間黙っていた。
[…達也は優し過ぎるんだよ。
でもその優しさがきっと両方をいつか傷つけることになる。
ケジメ…つけるんだよ]
と おおらかに言った
:06/07/28 17:47 :F700iS :YbfMQd/6
#143 [花]
優と別れてからどれくらい時間が経ったんだろう。
駅から俺の家までこんなにかかったっけ…。
そう気がついた頃には,もう午後D時過ぎ。
そして虚ろな俺がたどり着いた先,それは
―学校
[何してんだよ。俺…]
俺は優に貸してもらった城谷の中学のアルバムを片手に学校を見上げた。
夕焼けと屋上が重なってすげー綺麗。
また目が潤んで空が霞んだ。
俺 いつからこんなに涙脆くなったんだっけ。
:06/07/28 17:55 :F700iS :YbfMQd/6
#144 [花]
フラフラな足取りで玄関に手をかけたが,もちろん開かない。
グラウンドの方から野球部の声が微かに聞こえた。
俺は玄関先に座込み,アルバムを開いて城谷の写真を見ると,心が熱くなった。
じーんと体に響くみたいに,あの目の冷たさが伝わる。
部活動別の写真の中に城谷を探す。
[女子テニス部]
赤のユニホームにポニーテールをした城谷がいた。可愛いけどやっぱり笑ってない。
その他の行事のページも見たが,城谷の姿はひとつもなかった。
:06/07/28 18:04 :F700iS :YbfMQd/6
#145 [レイザーラモンHC]
砂糖わ甘いに決まってるふぉ〜
常識four
:06/07/28 18:07 :W41CA :☆☆☆
#146 [花]
中学の頃から不登校だったのかな…
やっぱり城谷には誰か傍にいてあげなくきゃいけないと思った。
それが俺であればいい。
城谷がそう望んでくれたら,もっといい。
アルバムを閉じ,急いで家に帰った。
やっぱり今は城谷のコトしか考えられない。
無我夢中になって家までへの道則を必死になってチャリをこいだ。
早く月曜になれ。
会いたい…
城谷に会いたい。
:06/07/28 18:23 :F700iS :YbfMQd/6
#147 [新]
この小説大好きデス
主サン~ガンバって~くださぁいヘヘ
:06/07/28 18:56 :W41T :☆☆☆
#148 [花]
:06/07/28 20:18 :F700iS :YbfMQd/6
#149 [花]
それから家に着いて,眠るまでは覚えていない。いつのまにか眠っていた。気付いた頃にはもう日曜の昼。
携帯を開くと,メールが@件 美穂子からだ
[お出かけいってらっしゃい(*б∀б*)
楽しんで来てね☆]
だって…
また胸が少し痛んだ。
これからどうするか。
昨日ヒステリックになって泣いた分だけ今日しか考える時間は残されていない。
でもやっぱり…美穂子に別れを告げるなんて俺から告白したくせにできるわけない。俺って弱い。
頭を抱えて唸るけど,何も思い浮かばない。
それどころかまた,考えたく無くなる。
:06/07/29 19:54 :F700iS :VqvEW8Wg
#150 [花]
階段をおりて,キッチンに向かった。
暑いし,嫌なコト考えたし,喉渇いた。
俺は勝手に半ギレ
居間では母さんが洗濯物をたたんでいた。
[あら,達也今おきたの??勉強してるの?
いい加減大人になりなさい]
なーんて小言。
[昨日は少し色々あったんだよ〜]
そう言い返して冷蔵庫からお茶を取り出してラッパ飲み。
―ゲシッ!!!!
[いってぇ!!!!]
[チョット!!お兄チャン汚いんだけど。
もう菜々子 お茶飲めないじゃん馬鹿!]
俺の足を蹴って,馬鹿だと言い放ったのは妹の菜々子。 顔は可愛い癖に生意気…
俺はシカトでまた自分の部屋に戻った。
:06/07/29 20:09 :F700iS :VqvEW8Wg
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