砂糖が甘い理由
最新 最初 🆕
#525 [花◆AV8KevAYKk]
家に着くまではほんの僅かな時間だった。
玄関に倒れ込んだ俺は,息は切らして汗を頬がつたった。

[畜生…]

小さく呟いて床を思いきり殴りつけた。

と 同時に兄貴が階段から降りてきて,俺に近寄り手を引いて顔をあげさせられた。

俺は兄貴と目が合うなり,すぐ反らした。

[おかえり。達也]

兄貴は一言言って微笑むと,事情なんか聞く様子もなくその場を去った。

⏰:06/10/31 18:47 📱:SO902i 🆔:1HpubQ4o


#526 [花◆AV8KevAYKk]
俺は兄貴の後ろ姿を見るなり,また涙を流した。

汗と混じり,ぼろぼろと雫が床に流れ落ちる。

兄貴はずるい…
兄貴のこうゆうとこが嫌いなんだ。

何でも出来て顔もよくて…何より優しくて
気がつかえる。

こんな兄貴が

俺は本当は大好きだ。


涙を拭って立ち上がると,制服のポケットから携帯が落ちて震えだした。

⏰:06/10/31 18:51 📱:SO902i 🆔:1HpubQ4o


#527 [花◆AV8KevAYKk]
メール着信のイルミネーションを見ると,胸が打たれ,呼吸が乱れた。

…紗弥

俺は携帯を拾いあげて,無我夢中でたった今フラレた相手からのメールに目を落とした。

【なんだか今日はゴメン
だけど楽しかったし,あたしの悩みの種も一つ消えたんだ。

達也の話びっくりした。
あの時はゴメンね】


まさに見たくなかった内容どうり。
馬鹿馬鹿しいフォローなんかいらない。

俺は返信しずにまた携帯をポケットに突っ込んだ。

⏰:06/10/31 18:56 📱:SO902i 🆔:1HpubQ4o


#528 [花◆AV8KevAYKk]
だけど どうしても飯の時や風呂の時でも携帯が気になってしまう。


部屋に戻り制服をかけたハンガーを何度も見る。

結局妥協だ。

ベッドから跳ね起き,携帯に手をかけた。

その時。

⏰:06/10/31 18:59 📱:SO902i 🆔:1HpubQ4o


#529 [花◆AV8KevAYKk]
また手のうえで携帯が震えはじめた。

びっくりして体が揺れる。

もちろん…
期待なんかしてないのに。
なんで

なんで

なんで紗弥からメールが届くんだよ…

俺が今送ろうとしたのに。

また失敗。
いつも紗弥のが一枚上手だし,紗弥の方が俺より断然素直。

悔しいのにさ…

顔は緩むんだ。
紗弥からのメールが凄く嬉しくて予想外で。

もっと紗弥が好きになってしまう。

フラレてんにさ。

⏰:06/10/31 19:09 📱:SO902i 🆔:1HpubQ4o


#530 [悠]
まッてました
応援してますッ

⏰:06/11/01 00:11 📱:F902i 🆔:VCMgBweQ


#531 [ぱこ]
始めヵラずッと読ませてもらッてマス(′`pq))。+

主さンのペースで頑張ッて下さイ

⏰:06/11/01 21:21 📱:D902i 🆔:tVXb/rgM


#532 [花◆AV8KevAYKk]
悠サンぱこサン

ぁりがとぅござぃます
更新遅くてごめんなさい

⏰:06/11/01 21:35 📱:SO902i 🆔:3HoEWrtI


#533 [花◆AV8KevAYKk]
【達也,怒ってる???】


紗弥のメールはこれだけ。

切なくて,愛しくてまた顔が熱くなって目が霞む。
いつからこんな風になったんだ俺は…

全部
紗弥のせいだよ。

馬鹿やろう…


俺は目を擦り,ゆっくりと返信を打った。

【怒ってね〜よ!寝てただけ

心配させて悪いな】


無器用で単純な嘘。
強がった文章…

もう紗弥には負けたよ。
俺,諦めない。

⏰:06/11/01 21:39 📱:SO902i 🆔:3HoEWrtI


#534 [花◆AV8KevAYKk]
メールを送ると一分も経たない内に携帯が震え,紗弥から返事か届いた。


【よかった。
あのさ,今度また裕也に会いに来て】


紗弥らしい我儘で少しだけ俺みたいに無器用な内容。
俺は
【もちろん!おやすみ】
とだけ打って携帯を閉じてすぐに寝た。

悔しかったけど今はこうするしかない。

そしてまたしても悔しいことにそれから紗弥からの返信はこなかった。

⏰:06/11/01 21:44 📱:SO902i 🆔:3HoEWrtI


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194