砂糖が甘い理由
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#545 [花◆AV8KevAYKk]
顔を何度も擦り,自分なりに瞼をマッサージもしたつもり。
だけど俺の二重は戻ってこなかった。

もし優にこの目の理由を聞かれたとき…
[紗弥にフラレて泣いた]
なんて口が避けても言えない。

俺は乙女か!!!!

そうだよ。誰だって失恋は辛い。

だから 乙女かて!!!!

なんて頭のなかでツッコんだりしているうちに,お袋が朝飯の支度を始めたのか,いいかおりが漂った。

俺は諦め,一重のままで居間に向かった。

⏰:06/11/07 23:11 📱:SO902i 🆔:5qrWgCPs


#546 [花◆AV8KevAYKk]
[達也 早いわね〜]

お袋はご機嫌。
俺が早起きだといつもなぜか機嫌がいいんだよな。
俺は適当に挨拶して食卓の席についた。

[あら,あんたその目どうしたの???]

お袋はトーストを出したついでにまじまじと俺の顔を覗き込んだ。

[なんか…起きたら腫れてたんだよ]

俺はわざとぶっきらぼうにトーストに手を伸ばしながら答えると,お袋はなにも言わずにまたキッチンに戻っていった…

と思ったらまたすぐ俺のそばに駆け寄った。

⏰:06/11/07 23:16 📱:SO902i 🆔:5qrWgCPs


#547 [花◆AV8KevAYKk]
[昨日夜更かしでもしたの???]

と言うと,お袋は薄いビニールに氷をいれたものを俺に渡した。

[あ〜でもそれだとこんなに早く起きないわよね…
もしかして泣いたとか?]

なんて無駄口言い,軽く笑ってまたキッチンに戻った。

つまり…この氷で目を冷やせという意味らしい。
俺はトーストの暖かい食感と氷のヒンヤリとした感触にぎこちなさを感じながらも,朝飯を進めた。

でも母さんの行為を容易くあしらったわりにはその優しさに感謝していた。

⏰:06/11/07 23:23 📱:SO902i 🆔:5qrWgCPs


#548 [花◆AV8KevAYKk]
朝飯を終えて,着替えようと自分の部屋にもどる,親父が起きたのか,向かいの部屋から物音が聞こえた。

いくら昨日 俺に辛い出来事があったからといっても,いつもと変わらない朝だ。
いつもと同じ空間に俺はいるんだ。
そう考えると脳裏には紗弥の笑顔。

やっぱり好きだ。

だらけながらも制服に手をとおし,軽く髪をいじると目が二重になりかけているのが鏡をよく見てわかった。
うっすらと線が浮き上がる。
きっと学校につく頃にはいつもの俺だな。

⏰:06/11/07 23:28 📱:SO902i 🆔:5qrWgCPs


#549 [花◆AV8KevAYKk]
いつもより少し早いけど学校に向かおう。
それと昨日起きたことを優に全部話そう。

美穂子とは…気まずいけど仕方ない。
あんな奴はほっておくのが一番だしな。

…紗弥は働いてんのかな。

[いってきます]

少し溜め息混じりにいってきますを言い,玄関開けると,空が真っ青で目がチカチカと痛んだ。

と 同時にこのシチュエーションに慣れた,懐かしくて落ち着く香りが俺の体を包んだ気がした。

まさか…

まさかだよ。

⏰:06/11/07 23:39 📱:SO902i 🆔:5qrWgCPs


#550 [花◆AV8KevAYKk]
俺の目の前…
玄関の柵をはさんで真っ正面にそれはいた。

反則だよ。
また一重に戻っちゃうじゃん。

[おはよう]

[紗弥…]

彼女はスエット姿。
学校にはやっぱり来ないみたい格好で顔はいつもに増して凛々しくて逞しくて綺麗。
そして一言挨拶したきり口を開かない。

[何で…紗弥。俺の家…]

俺は紗弥の顔に見とれながらも,イマイチ状況が把握できないでいる。

紗弥はニコリともしずに,相変わらずな無表情で俺を見つめる。
とゆうか,睨んでいる。

⏰:06/11/07 23:46 📱:SO902i 🆔:5qrWgCPs


#551 [花◆AV8KevAYKk]
今 授業サボって
屋上で更新で〜す


ここからこの話は生まれました

これからも 紗弥と達也をょろしくお願いしまぁす

⏰:06/11/08 12:00 📱:SO902i 🆔:AnOdHaeI


#552 [花◆AV8KevAYKk]
しばらく沈黙が続いた。
太陽がじりじりと照り付ける音まで聞こえてくるぐらい静かに俺達は向き合った。

我慢できない…
俺は空気を大袈裟に吸い込んだ。

[紗弥…なにか用でもあったのか??
俺学校行かなきゃ…]


[何で…]

[え?]

紗弥は俺を睨みつけながら瞳の奥まで見透かすみたいな目で小さく呟いた。

いつもみたいに上手く聞き取れない。

[どうしたんだよ]

再度勇気を出して紗弥に問掛けた。

⏰:06/11/08 12:06 📱:SO902i 🆔:AnOdHaeI


#553 [花◆AV8KevAYKk]
[何で…
何でメールかえしてくれないの]

紗弥は言いたかったことを全て言い終えたみたいに,それだけを小さく言うとまた黙って俺を見つめた。

[ごめん…寝てた]

ふてぶてしい言い訳。
しかも何で俺 言い訳してんだろ。
でも 紗弥の真っ直ぐな瞳にたじたじ。

更に好きだという実感を思い知らされる。

⏰:06/11/08 12:11 📱:SO902i 🆔:AnOdHaeI


#554 [花◆AV8KevAYKk]
[うそ]

紗弥は簡単に俺の言葉を二文字で片付け,眉をあげて口のはしで笑った。

[ごめん。うそ]

俺は玄関の柵を開けて紗弥の目の前に立った。
紗弥からの【なんで?理由は???】という言葉が飛んでくる前に口を出したかったから。

[ちょっと…かっこわりぃじゃん。
フラレた俺がフッた紗弥に気つかわせるなんて。

だからだよ]

⏰:06/11/08 12:18 📱:SO902i 🆔:AnOdHaeI


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