砂糖が甘い理由
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#652 [我輩は匿名である]
あげ
:06/12/17 06:11 :D902i :gI6XpukA
#653 [花◆AV8KevAYKk]
俺達は四都路で優と別れて,二人並んで歩いた。
街灯何かない俺の家へと続く,細くて長い一本道。
でも月が出ていて前はうっすら明るかった。
まるで俺たちの向かう未来への道が明るいみたいに見えた。
紗弥は何も言わずにいたけど,穏やかな顔も月に照らされて一層輝いて見えた。
俺も黙って紗弥の手を握った。
こんなに幸せだった。
未来は…
明るいはずだった。
:06/12/20 20:29 :SO902i :RG2WcBjo
#654 [花◆AV8KevAYKk]
[あたしね…]
手を繋いだ瞬間に紗弥が口を開いた。
[ん〜何???]
[こんな幸せな気持ちになったの初めて]
空気が一気に膨張して,俺の全身の血が波打った。
[うん…]
[達也は凄いね]
[何が…???]
[【幸せ】な理由はなんだと思う???]
紗弥の悪い癖。
俺は少し時間をくれと言って,またお互いの口を閉じた。
:06/12/20 20:36 :SO902i :RG2WcBjo
#655 [花◆AV8KevAYKk]
俺達は暫く静かに歩いて,お互いの呼吸だけを聞いた。相変わらず紗弥の呼吸は一定で規則正しい。
俺は家が見えかけた頃,立ち止まって紗弥を抱き締めた。
[出たよ。答え〜]
[うん…教えて…]
紗弥は俺の胸の中で深呼吸をするみたいに大きく空気を吸い込んで吐いた。
[…理由なんかない]
紗弥は黙って俺の次の言葉を待った。
:06/12/20 20:40 :SO902i :RG2WcBjo
#656 [花◆AV8KevAYKk]
[理由なんかないんだよ。
つーか,いらね〜よ
俺は紗弥が好きで,紗弥も俺が好き!!それだけ。
それだけでいいんだよ]
力を入れて紗弥を抱き締める。
紗弥は腕を小さくして俺に重なった。
[わかんない]
紗弥が答えたのはただこれだけだった。
だけど,ここは譲らない。
【理由】なんて俺達には必要ない。
気持ちを理解するのに理由はいらない。
:06/12/20 20:45 :SO902i :RG2WcBjo
#657 [花◆AV8KevAYKk]
[数学の公式についてよく[何でそうなるの???]って質問する馬鹿な奴がいるだろ。
公式は既に決まり事だから何故かは通用しないんだ。
理由はつかないんだよ。
紗弥は頭イイからわかるだろ?]
俺は数学を例えばなしにして紗弥に砕いて説明をした。
[数学とこの話は全く関係ないじゃん]
紗弥は俺の腕を解いて,風船みたいに軽く俺から離れた。
:06/12/20 20:56 :SO902i :RG2WcBjo
#658 [新]
どぉなるの〜
続きめちゃ楽しみ
:06/12/22 13:00 :W41T :☆☆☆
#659 [花◆AV8KevAYKk]
:06/12/23 17:51 :SO902i :HO1flS9M
#660 [花◆AV8KevAYKk]
[紗弥…]
[別にイイよ
達也の言ってる意味が全くわかんないわけじゃない]
俺は紗弥の目を見れなかった。
一瞬見えた紗弥の目の奥は最近見せなかった,あの冷めきった鋭い目をしてた。
[紗弥…
明日,学校一緒に行くよな。帰り…俺ん家来いよ]
紗弥の機嫌を直すためか,意識的に土壇場に対応して発した言葉かわからい。
:06/12/23 17:56 :SO902i :HO1flS9M
#661 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は顔を歪めた。
[えっ???達也の家?]
[うん]
下を向いていた俺の顔の前にぱっと明るいものが見えた。
携帯…紗弥のだ。
眩しくて最初はっきり画面が見えなかった。
目が慣れて画面を覗くと
【い〜よ。行く行く】
と,メールに書かれていた。
[決まりね〜]
しゃがみこんで携帯を額に当てた紗弥の顔は俺の目の前だった。
:06/12/23 18:03 :SO902i :HO1flS9M
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