砂糖が甘い理由
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#74 [花]
差し出された手をぼけっと眺めていると,城谷はうんざりしたように顔を歪ませて 手を引き戻した。
俺は慌てて城谷にテスト用紙を渡す。力を入れていたせいか,城谷のテストは俺の手汗と力でぐしゃぐしゃ。 城谷は点数を見ることもしずに,さっさと鞄にテストをしまて立ち上がった。

[城谷!!!!今日も,バイト?時間あるなら少し話さねぇ〜]
帰ろうとする城谷を引き止めるための俺の精一杯の言葉。
城谷は少し遠くを見つめてから,小さくため息をついて 何も言わずにさっきと同じ場所に座った。
俺も何も言わずに城谷の隣に座った。

⏰:06/06/09 23:27 📱:F700iS 🆔:jMmLMjA6


#75 [花]
沈黙が続く。。。
俺が呼び止めたくせに,何やってんだろ 馬鹿か!!俺は。

城谷は前を向いたまま何も話さない。こんなに静かなのに息遣いさえ聞こえない。
城谷の香水が漂う空気が気持ちよくて,だから話したいことも切り出せない。城谷の横顔がとても近くて 見とれてる。
そんな風に城谷に虚ろになっている俺をいきなり見つめた。
[あたし,D時に帰らなくちゃいけないから]
そう言って,また黙り込んでしまった。
[今日もどっか行くの?]
くだらない質問を問い掛ける。

⏰:06/06/10 11:22 📱:F700iS 🆔:rQjm4tGw


#76 [ゅω]
ヵなリぉも∪ろぃです☆★早<続きが見たレ1です(*´艸`)
更新頑張ッτ±ぃ☆

⏰:06/06/10 14:50 📱:V703SH 🆔:☆☆☆


#77 [花]
ゅω サン☆ァリガトゥござぃます(●'V`艸)
まだ火曜日までテストがぁるので,更新遅れがちですが,応援お願いします。

城谷は俺の質問に答えずに,小さく俺に言った
[あんたは,ここでいつも何してんの?]
俺は,城谷と会話をしてる嬉しさに焦り,考えようともしずに答えた
[サボりだよ!理由なんかない]
なんて 言ってみたけど,あの日サボったのは偶然で。。。今日もここに来ているのは城谷に会うため。―なんて言えない。

[理由がない?]
城谷は俺の方を見た。

⏰:06/06/10 15:24 📱:F700iS 🆔:rQjm4tGw


#78 [花]
[理由がないっていう言葉,あたし嫌いなの。
あと,普通とか。どっちでもイィって言う奴]
なんて言い出した。
俺は緊張する。だってそう,城谷の嫌いな奴=俺。俺って口癖[どっちでもいいよ]だし。
ショックで黙り込んだ俺を見て,城谷は
[あたし,この学校でこんなに話したのあんただけだよ]
って言った。
俺はその言葉で立ち直る(笑) 単純だな。
[こんなにって…まだ5分も話してなかったね]
そう言うと,城谷は薄く笑ったような顔をした。

⏰:06/06/10 15:31 📱:F700iS 🆔:rQjm4tGw


#79 [花]
[言わなかったっけ?
俺,柿山達也だよ]
城谷の顔を覗き込んで俺はしっかり目を見て言った。
城谷はうん,といったように頭を軽く頷かせた。
[城谷は,紗弥だよな!!可愛い名前だな]
きっと城谷の親は,自分の娘が美人だって予想できる人だったんだろうな。
[達也は,兄弟いる?]
いきなり名前を呼ばれた。達也って…
質問内容なんか聞き取れない。城谷が俺の名前を呼んだフレーズだけが頭を駆け巡る
[な。。。何!?]

⏰:06/06/10 15:36 📱:F700iS 🆔:rQjm4tGw


#80 [花]
城谷は,はぁッと大袈裟にため息をつくと さっきより数倍大きな声で
[達也は兄弟とかいんの!?ッて聞いたんだよ]
と言った。
俺は慌てて答える
[俺には兄貴と妹がいるよ。S歳とN歳!!]
俺の家庭はにぎやかなほうだと,自分でも思う。
[。。。そっか]
城谷は俺の答を聞いて,少し何かいいたそうだった。
[城谷は?兄弟いんの?]
話を繋げようと,同じ質問を返す。会話ってこんなもんだよな。
城谷はただでさえ無表情の顔をさらに,感情を表にはださまいといった感じに 堅くさせ
[いるよ,弟がね。]

⏰:06/06/11 13:50 📱:F700iS 🆔:Zt462Nrw


#81 [花]
そう言うと,城谷は口を閉ざした。俯き加減の顔は,地面を睨むように一点だけを見つめている。
[城谷には弟がいんだ。見てみたいな,似てる?]

なんて聞くけど,ほんとに俺が知りたいのは,城谷の悲しげな瞳の理由。とにかく今は,城谷が知りたい。まずは,城谷が知りたい。
[似てるのかな。他人に二人一緒に会ったことほとんどないから,わからないよ
あたしはきっと母親似だと思う。裕也は―…]
城谷は途中までゆっくり言った。
[裕也っていうんだ。裕也君は父親似なのか?]
俺は聞く。

⏰:06/06/13 18:44 📱:F700iS 🆔:0f6NT8xo


#82 [我輩は匿名である]
>>50

失礼しましたぁッッッ

⏰:06/06/13 23:33 📱:N701i 🆔:pSkV/rBw


#83 [花]
俺がそう聞くと,城谷はふっと鼻先で笑い
[知らない。
父親も,母親もいないから。あたしの家族は裕也だけだよ
たぶん,そうじゃないかなって思っただけ]
城谷の突然の話に,驚き言葉を失う。
[…ごめん。]
俺は何て言ったらいいのかわからず,城谷に謝った。 城谷は何も言わずに,俺を見た。少し優しい目だった。
[裕也は,心臓が弱くてさ,あたしが入院費貯めなきゃ。裕也にはあたししかいないんだよ
だから達也には悪いけど学校には今までどうり来ない。]
俺は胸を締め付けられるような気がした。それは城谷の言葉が悲しかったんじゃない。
城谷に同情したわけでもない。 ただ,何かが強く俺の中で動いた気がした。

⏰:06/06/14 17:12 📱:F700iS 🆔:ac5yCum2


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