冷めた身体
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#191 [主]
「ハァ?!」
いきなり声を荒げた。
本気でコイツ頭やばいんじャないの?
あたしは少し後ろに下がった。
家より少し離れた場所。
コンビニまでも微妙に距離がある。
暗さは増して
人さえ通らない。
「お前ちょっと来いよ」
:06/11/14 16:43 :V703SH :g.Qc./Kg
#192 [主]
瞬間に
またヤラれるって思った。
またあの冬の日の傷に
傷を重ねるんだって
悟った。
恐怖よりももう
諦めに似た感覚。
仕方ない。
あたしには温かさがないから
愛もないのに
男はあたしを抱けるんだ。
:06/11/14 16:46 :V703SH :g.Qc./Kg
#193 [主]
相変わらずガサガサの掌が
あたしの手を掴んだ。
「ああーどこでヤろッかなぁ〜」
ニタニタ笑う横顔。
目を反らした。
違う人だと思えばいい。
和也とえっちするんだって
思えばいい。
顔を見なきゃいい。
声を聞かなきゃいい。
:06/11/14 16:50 :V703SH :g.Qc./Kg
#194 [主]
涙なんて流さないよ。
あたしは
いつも
自分の為に
大事な人を裏切ってきたんだから。
馬鹿みたいに何度も
温もりを無視して来たんだから。
本気で愛されなくても
仕方ない。
最近じゃもう
そう思ってる。
:06/11/14 16:53 :V703SH :g.Qc./Kg
#195 [主]
黙ったまま
手を引かれ歩く。
やっぱ目を閉じても
耳を塞いでも
こんな冷たい男は
和也にはならないね。
だってあたし
和也があったかいの
知ってる。
:06/11/14 16:56 :V703SH :g.Qc./Kg
#196 [主]
プップ-ッ
暗闇を
ヘッドライトが照らし
クラクションと共に
車があたし達の前に
停まった。
バタンッ
運転席から降りてきた
「…」
雅樹だ。
:06/11/14 16:59 :V703SH :g.Qc./Kg
#197 [主]
黙ったまま
木之下を睨む。
黙ったまま
あたしの手を引っ張って
助手席に座らせた。
ドアを半分開けたまま
雅樹があたしに言う。
「来ちゃった♪」
「ぷっ笑
可愛いし!」
いつもの雅樹。
あたしにとっての王子様。
:06/11/14 17:05 :V703SH :g.Qc./Kg
#198 [主]
「唯ちゃん
100まで数えれる?」
「え〜
唯の事めちゃ馬鹿にしてる」
「アハハ(笑
目つぶってゆっくり数えててな」
「え…」
「はい!いーち
にーい」
「さーん」
雅樹は優しく
目を閉じたあたしの頭を撫でて
ドアを閉めた。
:06/11/14 17:09 :V703SH :g.Qc./Kg
#199 [主]
それからは
男の格闘?
雅樹が木之下を
ボッコボコにした。
あたしは見てないけど。
鈍い音が聞こえたもん。
バタンッ
「ハァ〜ストレス解消♪
さ-て行くか!」
少し息切れしながら車に乗り込み
アクセルを踏んだ。
本当にきっちり100数え終わった所だった。
:06/11/14 17:13 :V703SH :g.Qc./Kg
#200 [我輩は匿名である]
:06/11/14 18:39 :N901iC :6qcfw492
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