――CHANDAN。

　　　

中学２、3年は
やたら女と写っていた

男の全盛期ってやつ？

中学から高校を
見比べてみると
大分落ち着いたと
自分でも思う。

写真は全て
変わらない笑顔で
写っている。

この笑顔で…
人が助かる？
幸せにできる？

俺が鶴田家の誇り？

「んな訳ねぇよ…」

波はアルバムを閉じた

　　　　

気付いたら朝を迎え
学校を休む事にした

今日掃除だ…。

そんな事が頭に浮かぶ

今日は笑顔を
作れる自信が無い。

波はベッドに
潜りこみ
寝息をたてた。

　　　

「今日はうちの息子
も参加させて下さい」

皆の視線に
戸惑い会釈をした。

「波君大きく
なりましたね～!」

「お父さんに似て
綺麗な顔立ち。」

俺……母さん似
なんですけどねっ

言葉を飲み込み
笑顔で挨拶する。

　　

「少し考えて
くれないかしら？」

稽古が終わり
居間でくつろぐ
波に母親は睨む。

「何が？」
お菓子を口に含みなが
ら波は言った。

「服装。上のﾄﾚｰﾅｰは
ともかく、ﾀﾞﾎﾞﾀﾞﾎﾞの
ズボンで…。」

母親はお茶を
差し出し
向かいに座った。

　　　

「そんなﾀﾞﾎﾞっと
してないのにしたよ」

お茶をすすり
母を見つめる。

「だらしない。
お母さんが恥かくの
普段許してるんだから
けじめ付けなさい？」

けじめ？
ぢゃあ何着れば
良かったわけ？
制服でも
着れば良かった？
そしたらまた
バカ高校って
恥をかくんぢゃない？

「はいはい。
てか腹減った。」
言葉を押し殺して
椅子にもたれかかった

　　

「お父さん遅いわね」

「飲みでも行ってる
んぢゃないの?」

母は首を振る。

「ぢゃあ浮気だっ!」
母は波を睨む。

「…嘘!先食べてよ!
俺限界～!!」

母は渋々立ち上がり
食事の支度をした。

　　　

食事をすませて
部屋に戻ると
着信があった。

<<要>>

「飯食ってた!何?」

「今から出れる？」

「良いよ!どこ？」

電話ごしは
騒がしかった。

「お前のﾊﾞｲﾄ先。
暇だから遊び行った」

「マジ!?行くー!」

波はジャケットを
はおり部屋を出た。

　　　

「波さん？」

玄関を開ける直前に
母親と出くわした。

「ちょっと遊びに。
朝には戻るよ!」

波は靴ひもを縛り
家を出た。

母親の制止の声が
後ろから聞こえる。

　　　

ﾊﾞｲﾄ先には
見慣れたバイクが2台
止まっていた。

スタッフﾙｰﾑを開ける

「よっ!」
要が煙を吐く。

「お前何ここ
入ってんだよっ」
要は2週間前に
辞めたばかりだった。

「いいぢゃん!
ねぇ先輩？」

横で頷く先輩。

　　　

しばらく雑談を
していると

扉が開いた。

「あっ…」

3人は一斉に振り向く

「愛ちゃーん!?
今日入ってたんだ」

愛の頬は真っ赤に
染まっていた。

「先輩遊びに
来たんですかっ？」

波は頷く。