あなたの願望叶えます

だが体は正直だった。

圭太の肉棒の先は
透明の液体で
光っていた。

「我慢できなくなったら
　素直に言えよ。
　お願いします。
　イかせて下さいって」

再び圭太に
背を向けると
カバンから
あるものを出した。

小さな丸い玉が
いくつか連なった道具。

アナル用のバイブだ。

叶羽に見せながら
ローションを
つけていると
叶羽が泣き出した。

「やっぱりあたし
　無理です…」

叶羽の視線の先には
圭太がいた。

圭太は叶羽の
上司なのだろうか。

「今更無理って
　言われてもなぁ。
　こっちだって
　高い金払ってんだし」

俺はわざと
冷たく言った。

叶羽は泣くだけで
何も答えない。

口を開いたのは
圭太だった。

「アナルは勘弁して
　あげてくれませんか？」
「別にいいぜ」

あっさり答えると
圭太が驚いた顔をした。

「代わりにあんたに
　入れさせてくれるなら」

「え…」
「言っとくけど
　バイブだけじゃなくて
　俺のもだぞ」

圭太の顔色が
変わるのを見逃さずに
両手を縛っていた
縄をほどいた。

「あんたに
　選ばせてやるよ。
　叶羽を逃がすか
　自分を守るか」

俺も叶羽も
圭太を見つめていた。

決意したように
圭太が口を開きかけた時
叶羽が立ち上がった。

ドアに向かって
走る叶羽を捕まえたのは
圭太だった。

腕を捕まれ
叶羽が圭太を睨む。

「…戻るんだ」

圭太が言った。

よほど強い力で
捕まれているのか
叶羽がベッドに
ひっぱられていく。

「やだ。やめて」

叶羽の声だけが
部屋に響いていた。

ベッドの前までくると
叶羽の抵抗が
激しくなった。

力ずくで叶羽を
ベッドに押し倒した
圭太の姿は
さっきまでとは
別人のようだった。

どちらかと言えば
俺に近い。

初めて圭太に
似たものを感じた。