先生とあたし
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#146 [七瀬]
「もぅ三十路に
なるおっさんが
調子に乗って」
「そのおっさんに
惚れたんは幸来やか」
「髪の毛触るで」
「ごめんって
この髪型にするんに
かなり早起き
してんから」
朝から騒がしい我が家
ふたりだけなのに
いつもバタバタしてさ
:07/03/18 20:33 :P901iS :.1HkwXoc
#147 [七瀬]
でも‥だから
たまにふと思う
優がいたら‥
ここに優がいたら
どんなんだろう
とか
「おぃ、遅れるでな」
カズに呼ばれ慌てて
用意を始める
少しいつもより
薄めの化粧
露出の少ない服
「いつもと何か
違うな」
:07/03/18 20:47 :P901iS :.1HkwXoc
#148 [七瀬]
「そんなことないよ」
口では言ってるけど
自分でも違うくらい
わかってるょ
「行こっか」
沢口に言われ
ふたりは出掛ける
眩しい‥
いつもより太陽が
眩しく目をあけること
ができないくらい
「のれよ」
とカズがドアを
開けてくれる
:07/03/18 20:57 :P901iS :.1HkwXoc
#149 [七瀬]
舞にしてたみたいに
車の中は相変わらず
香水の匂い
「どこに行く?」
「駅」
「りょーかい」
ふたりは黙り込み
洋楽を流す
これが主流だ
「着いたよ?幸来」
いつの間にか
寝てしまってたようだ
:07/03/18 23:15 :P901iS :.1HkwXoc
#150 [七瀬]
「親父さんいる?」
カズに聞かれ
駅あたりを見渡す幸来
「‥あ、いたよ」
「え?どこどこ?」
子どもみたいに
無邪気にはしゃぎ
窓からくびを出す
スーツ来て髪の毛
キメキメのもうすぐ
三十路になる
おっさんが‥
:07/03/18 23:17 :P901iS :.1HkwXoc
#151 [七瀬]
「あの、しおれた
スーツ着てる人」
「あ‥あの人か」
幸来は勢いよくドア
を開けお父さんに
近づく
その光景を見
微笑む沢口
ふたりは仲良く
沢口の車に歩いてく
それに気付いた
沢口は慌てて車から
出、お父さんに会釈する
:07/03/18 23:20 :P901iS :.1HkwXoc
#152 [七瀬]
誰かみてくれてる人
いるのかな?
:07/03/18 23:21 :P901iS :.1HkwXoc
#153 [七瀬]
「おはようございます」
元気にあいさつする
沢口にお父さんは一言
「君は‥幸来と
どういう関係で?」
「えと‥」
「後で説明するから
車にのって」
愛娘の幸来に言われ
お父さんは何も言わず
渋々沢口の車にのった
:07/03/18 23:24 :P901iS :.1HkwXoc
#154 [七瀬]
さすがに洋楽をかけず
しんとした車内
「お父さん‥
あたし結婚してるの」
「‥え?
どういうことや?」
するといきなり沢口は
車を止め後ろを
振り向いた
「沢口弘和です
幸来さんとは結婚して
2年目です
あいさつに行けなくて
すいません」
:07/03/18 23:27 :P901iS :.1HkwXoc
#155 [七瀬]
人に頭を下げるのが
嫌いなカズにしては
頑張ったね、と
幸来は思った
「説明しなさい、幸来」
「あたしお母さんが
亡くなった翌年
カズと結婚した
お母さんのことで
悩んでるとき支えて
くれて全部
受け入れてくれたのも
カズだった
で‥今」
:07/03/18 23:29 :P901iS :.1HkwXoc
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