先生とあたし
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#1 [七瀬]
:07/03/13 00:33 :N702iD :JY6dYsic
#2 [七瀬]
ふわっと風が吹く
お母さんが
そばにいるよ
って聞こえた
気がしたんだ
ただの空耳かも
しれないのに
あたしは笑っちゃう
あたしは田渕に
あたしひとりで
行くから
と言った
:07/03/13 08:13 :N702iD :JY6dYsic
#3 [七瀬]
初めは俺も行く
言ってたけど
お父さん似の頑固
な性格のあたし
聞くはずないじゃん
だから田渕も
諦めたみたいだ
あたしはぎゅっと
こぶしを作り
気を落ち着かせた
大丈夫‥
と何度も呟きながら
:07/03/13 08:15 :N702iD :JY6dYsic
#4 [七瀬]
悔しいけど
あたし負ける
んじゃないかって
くらい本当に
似合ってるふたり
沢口の車がホテルの
駐車場の中へ
入っていく‥
田渕の車も入る
「おまえ相当
緊張してるな」
:07/03/13 08:18 :N702iD :JY6dYsic
#5 [七瀬]
「してるよ‥」
意味もなく威張るあたし
可愛げないね
沢口の車の隣に
田渕は車を止めた
あたしが頼んだ
んだけどね
頬を二回ぱちっと
叩き気合いを入れる
「頑張ってこいよ」
:07/03/13 08:20 :N702iD :JY6dYsic
#6 [七瀬]
「ありがとっ」
素直なあたしを見て
「幸来ならいける
俺の惚れた女や」
何て言うんだよ
田渕のやつは
ばかやろーって
叫びたかった
おまえ今日あたしを
振ったくせに
って言いたかった
:07/03/13 08:23 :N702iD :JY6dYsic
#7 [七瀬]
言えないけどね
だって本当は
むかつきを越す
くらい嬉しさが
勝ってるんだもん
「いざ出陣
いってきます」
とあたしは勢いよく
ドアを開ける
:07/03/13 08:24 :N702iD :JY6dYsic
#8 [七瀬]
田渕はいつもの
優しい目に
変わっていた
あたしは沢口の
車の前に立った
しかも‥
仁王立ちで
ふたりともあたしに
気付かない
それとも
気付かない
ふりをしてるの?
:07/03/13 08:33 :N702iD :JY6dYsic
#9 [七瀬]
すっごくすっごい
勇気のいること
なんだよ‥?
沢口はドアを開け
あたしに近づく
前に
舞のドアを開ける
涙が出そうだよ
「‥幸来?」
舞が先にあたしに
話し掛ける
:07/03/13 08:35 :N702iD :JY6dYsic
#10 [七瀬]
さんにんの間に
何とも言えない
重い空気が流れる
息をするのも
唾を飲み込むのも
聞こえるくらい
静まり返る
「‥って幸来
何でここおるんや?」
って沢口は聞く
何で‥って
:07/03/13 08:38 :N702iD :JY6dYsic
#11 [七瀬]
そんなの‥そんなの
「カズ‥はあたしの
ものやから」
あー‥ばかだ
あたしは、本当に
こんなこと言っても
無駄なのにね
「きゃは‥っ」
舞が苦笑しだした
大きな目を釣り上げて
笑うと出るえくぼ
:07/03/13 08:40 :N702iD :JY6dYsic
#12 [七瀬]
昔はそんな舞の
笑顔が好きだった
だけど今は
憎いんだよ
その笑顔が‥
舞はカズの手を
握ったまま離さない
「その手離してよ」
あたし我慢できない
カズがほんの少し
離そうとした
:07/03/13 08:43 :N702iD :JY6dYsic
#13 [七瀬]
だけど舞が
離そうとしない
「離してよ」
あたしが言っても
離してくれない
悔しさと惨めさと
悲しさと辛さで
涙があふれる
こんなつもり
じゃないのに‥
田渕に「頑張る」
って言ったのに
:07/03/13 08:45 :N702iD :JY6dYsic
#14 [七瀬]
沢口は舞の手を
優しく離し
あたしに近づく
何か遠い人って
感じがした
あたしの手の
届かない人だって
高校生のころ
沢口を好きだった
ときみたいに‥
「話そう」
落ち着いた口調
だから余計涙出るよ
:07/03/13 08:53 :N702iD :JY6dYsic
#15 [七瀬]
あたしは頷いた
沢口が泣き顔の
あたしを見て
「うわぁー‥
ひでー顔だな」
何て笑うから
あたし少し期待
しちゃったよ
「おまえどやって
ここへ来たんや?」
急に顔が豹変する
:07/03/13 08:57 :N702iD :JY6dYsic
#16 [七瀬]
「どやってってー‥
だから」
ことばに困る
何て言うべき?
ことば選んでるのが
バレそうで
必死で隠した
「‥一緒に来た」
「誰と?」
「やからー‥
えっと…」
:07/03/13 08:59 :N702iD :JY6dYsic
#17 [七瀬]
「田渕か?」
バレてたんだ
あたしは下を
向いたまま
「おまえもよく言うよ
男とふたりで
夜会ってさー‥」
「え?」
「俺だけが悪いんか?
違うやろ?」
「あたしはもう
終止符打ったよ」
:07/03/13 09:01 :N702iD :JY6dYsic
#18 [七瀬]
都合のいい女で
ごめん
本当はあたしが
見事に玉砕
したんだけど
「何やそれ?
やから寂しくなった
からって俺に
移り気したんか?」
「違う‥違うもん
わかったんよ
カズのことが
好きな気持ちが」
:07/03/13 09:04 :N702iD :JY6dYsic
#19 [七瀬]
綺麗にスカルプチャー
されてある自分の
手を触りながら
舞は口を開く
「舞のんがカズヒロ
好きなんやから
高校時代舞を
裏切ったくせに」
裏切った‥
確かにそうだけど
あたしやって
カズが大好きやった
:07/03/13 09:07 :N702iD :JY6dYsic
#20 [七瀬]
「おまえ人裏切んのも
いい加減にしろ
田渕のこと
やって許したわけ
ちゃうでな」
あたしはうつむいた
ままただ‥ただ
地面とにらめっこ
「それはいいすぎ
じゃね?」
なんてやつは
格好よく登場
するんだよ
:07/03/13 09:10 :N702iD :JY6dYsic
#21 [七瀬]
「田渕‥くん」
舞がいち早く
声を出す
田渕は嬉しさを
隠してた
あたしには
わかったんよ?
少しだけ
手が震えてるもん
「とりあえず
場所を変えよう」
相変わらずばか沢口
は呑気に言う
:07/03/13 09:11 :N702iD :JY6dYsic
#22 [さ-ちャん]
みてます
ガンバって
!
:07/03/13 09:33 :N902i :QNSg4wds
#23 [七瀬]
すいません..
返事は感想板に
させて頂きます
ので良かったら
また見て下さい
:07/03/13 09:39 :N702iD :JY6dYsic
#24 [七瀬]
あたしは田渕の
車に乗ろうとした
そしたら田渕が
「舞乗れよ」
何て言うから
あたしにピース
サインで
あたしは嬉しくて
だけど
切なくて
たまらなかった
「幸来乗りな」
優しくドアを開けて
くれたカズ
:07/03/13 09:44 :N702iD :JY6dYsic
#25 [七瀬]
あー‥
さっきこの席に
舞が座ってた
んだよね‥
舞の化粧の匂いと
香水の匂いが
まだしてるよ‥
あたしなんかより
ずっと女っぽい
香がするんだ
「ってかまじ
ビックリしたわ」
:07/03/13 09:46 :N702iD :JY6dYsic
#26 [七瀬]
あたしは苦笑する
しかできなかった
「ごめんね
邪魔してもて」
今からだったのに‥
付け足したかった
けど一応止めた
「いや、いーよ」
何かその優しさが
今はいらない優しさ
だって思うんだ
:07/03/13 09:49 :N702iD :JY6dYsic
#27 [七瀬]
今俺の隣には
ずっと好きだった
やつが座ってる
今も好きだ
これからもずっと
多分ずーっと
でもきみはずっと
先生を見てきた
俺はその先生が
憎くて先生の彼女の
幸来を奪うこと
にしたんだ
:07/03/13 09:52 :N702iD :JY6dYsic
#28 [七瀬]
女の気持ちって
案外簡単に
変わるんだな
一回だけ関係を
もったんだ
結局その一回で
終わったけど
多分‥否、絶対
そいつは俺に
惚れていた
まぁ俺も若干
惚れてたんだけど
:07/03/13 09:54 :N702iD :JY6dYsic
#29 [七瀬]
だけどいつからか
そいつ学校に
来なくなったんだ
それで俺は
わかったんだ
俺は幸来が好き
だってことに
でも気付くのが
遅かった
落ち込んでたとき
優しく励まして
くれたんが舞だった
:07/03/13 09:58 :N702iD :JY6dYsic
#30 [七瀬]
そして舞に聞いた
幸来の母の死
幸来の妊娠
幸来と沢口の結婚
舞は泣いていた
つられてか
本望かわかんない
俺も泣いていた
いつしか俺は
舞と幸来どっちが
好きかわかんなく
なっていた
あの日までは
:07/03/13 10:03 :N702iD :JY6dYsic
#31 [七瀬]
あの日が来るのは
何年も先のことで‥
俺は偶然幸来に
会ったんだ
って言うか
幸来が俺の仕事場に
偶然来たって感じ
相変わらず昔の
ままだったんだ
少し太ったかな?
だけど
繊細なままだった
:07/03/13 10:06 :N702iD :JY6dYsic
#32 [七瀬]
沢口のことで
悩んでるらしい
言わなかったけど
俺は舞と会っていた
体だけの関係
世間で言うセフレ
俺は舞と付き合い
たかったのに
舞はまだ沢口のこと
好きなんだってさ
:07/03/13 10:09 :N702iD :JY6dYsic
#33 [七瀬]
それにいらついてか
俺は幸来の気持ちを
弄んだんだ
あいつ騙されやすい
からまた俺に
惚れちゃってさ
まぁ俺としては
沢口と舞の近況
知りたかったから
悪くはなかった
:07/03/13 10:11 :N702iD :JY6dYsic
#34 [七瀬]
すいません..
誰か読んで
くださってる方
いますか?
:07/03/13 10:12 :N702iD :JY6dYsic
#35 [七瀬]
それから俺は
幸来と結構会う
ようになった
昔のように
すげー好きって
気持ちには
ならなかったけど
少しだけまた惚れた
俺には舞がいる
だけど叶わぬ片思い
:07/03/13 10:14 :N702iD :JY6dYsic
#36 [なみ~]
読んでますフフ
頑張ってくださいx
:07/03/13 10:14 :W31K :bOuBt6hw
#37 [あむ]
読んでますよ
頑張ってください
+.
:07/03/13 10:15 :N902i :m1biepqc
#38 [七瀬]
でも俺と舞は
似てるんだよな
舞もいつか言ってた
永遠の片思い
だって言ってた
そう、あの日‥
舞は泣きながら
俺と体を重ねた
かぼそい声で
「たぶち‥」
って呼ぶんだよ
:07/03/13 10:16 :N702iD :JY6dYsic
#39 [七瀬]
:07/03/13 10:17 :N702iD :JY6dYsic
#40 [七瀬]
反則だろ?
そして舞は初めて
自分から俺に
キスをしてきた
もぅ、俺の完敗
翌日俺は幸来を
きっぱり振ったんだ
幸来は泣いてたけど
やっと本間に
好きな人見つけた
って言ってたから
:07/03/13 10:19 :N702iD :JY6dYsic
#41 [七瀬]
良かったって思う
やっぱ幸せに
なってほしいしさ
名前如く
『幸せが来る』
でも俺今好きなやつ
隣にいて嬉しい
んだけどそいつ
泣いてるんだよな
:07/03/13 10:22 :N702iD :JY6dYsic
#42 [七瀬]
前には沢口の車が
走ってる
それみて泣いている
舞
愛しいんだよ
舞は俺を見た
「‥幸来のこと
振ったの?
それとも振られたの?」
俺は困った
振ったって言えば
幸来は‥
:07/03/13 10:24 :N702iD :JY6dYsic
#43 [七瀬]
きっと嫌われる
でも俺は舞から
もしかしたら少し
俺に気が向いて
くれるかもしれない
だけど
振られたって
言ったら俺は
軽い男に見られる
幸来のことは
どう思うだろ?
だから俺は
言った
:07/03/13 10:26 :N702iD :JY6dYsic
#44 [七瀬]
「自然に別れた」
不自然で曖昧な答え
「そぅ」
それ以上ふたりとも
何も離さなかった
:07/03/13 10:27 :N702iD :JY6dYsic
#45 [七瀬]
:07/03/13 10:29 :N702iD :JY6dYsic
#46 [七瀬]
沢口は近くの
居酒屋に入った
夜中まで開いてる
らしく
沢口のお気に入り
の場所らしい
車を止める
よにんは何も言わず
入って行く
幸来のパンプスの音
が地面に響く
:07/03/13 10:31 :N702iD :JY6dYsic
#47 [七瀬]
「いらっしゃいませ」
と定員が元気よく
言う
今はうざかった
「何名さま
でしょうか?」
「よにんです」
と沢口が言う
よにんは案内され
ワンドリンク制
のため飲み物を
注文した
:07/03/13 10:34 :N702iD :JY6dYsic
#48 [七瀬]
一番始めに
切り出したのは
田渕だった
「沢口はさ今一体
誰が好きなわけ?」
「おいおい、えらい
生意気やな
不覚にも俺の生徒
やでな」
「今は関係ないやん?」
「まぁ、今日だけはな」
:07/03/13 10:37 :N702iD :JY6dYsic
#49 [七瀬]
:07/03/13 10:38 :N702iD :JY6dYsic
#50 [七瀬]
「言うたらな
沢口がはっきり
したええ話やねん」
「は?」
「俺は舞が好きや
舞は沢口が好きや
幸来も沢口が好きや
みなはっきり
しとんねんよ」
沢口は黙り込んだ
へたれ
って幸来は叫んだ
:07/03/13 10:40 :N702iD :JY6dYsic
#51 [七瀬]
無論声に出さず
同じように
舞も田渕もね
「俺はようわからん
そら幸来は
大事やねん
やけど舞のこと
ほっとけへん」
「はぁ?曖昧すぎる」
幸来と舞は
ふたりの話を
聞いていた
:07/03/13 10:43 :N702iD :JY6dYsic
#52 [七瀬]
本間どーしようも
ない男やけど
あたしは沢口が好き
今言うべきじゃない
から言わないけど
「でも今日ホテル‥」
幸来は全部言いたく
なかったから
中途半端ないい方
をした
:07/03/13 10:45 :N702iD :JY6dYsic
#53 [七瀬]
「あぁ‥あれはな‥」
「舞が誘った」
舞が言い張った
「ちょい待って」
幸来が話に入る
「人の旦那と?」
「うん、てか舞と
カズヒロ付き合ってる」
‥知ってるよ
「それが何か?
あたしらは夫婦ですが」
:07/03/13 10:48 :N702iD :JY6dYsic
#54 [七瀬]
言った後に後悔した
後の祭りだね
もちろん舞は号泣
ごめん
口では言えない
けど謝った
「俺さ‥」
沢口が口を開く
沢口が昔大好き
だった先生の話‥
さんにんは一気に
静まり返る
:07/03/13 10:50 :N702iD :JY6dYsic
#55 [七瀬]
今から出かけるので
一端更新をストップ
させて頂きます
中途半端な終わり方
してすいません
また夜に更新します
ので良かったら
読んで下さい
:07/03/13 10:55 :N702iD :JY6dYsic
#56 [七瀬]
話がずるずる長く
なってすいません
そこで質問なんですが‥
かなりの長編に
なってもいいですか?
早く終わったほうが
いいなら早く
切り上げます
:07/03/13 10:56 :N702iD :JY6dYsic
#57 [七瀬]
話がずるずる長く
なってすいません
そこで質問なんですが‥
かなりの長編になって
もいいですか?
早く終わったほうが
いいなら早く
切り上げます
返事は感想板にして
頂けたら有り難いです
わがままですいません‥
:07/03/13 10:57 :N702iD :JY6dYsic
#58 [あむ]
七瀬さん
気になるトコで
止めましたね
笑
長くなっても私は
いいと思いますよ(・∀・)
:07/03/13 10:59 :N902i :m1biepqc
#59 [七瀬]
:07/03/13 11:00 :N702iD :JY6dYsic
#60 [七瀬]
:07/03/13 20:25 :N702iD :JY6dYsic
#61 [七瀬]
店内の声が
煩く思うくらい
黙っている
「俺な‥本気で
好きなやつが
おった
その人を越す人は
この先も現れ
へん思う」
幸来は今にも
泣きそうだ
舞は冷静だった
:07/03/13 20:31 :N702iD :JY6dYsic
#62 [七瀬]
「説明せぇや」
田渕が言う
「俺の恋は
一生片思いや」
みんな‥みんな
言っていた
田渕も舞も幸来も
『一生片思いや』
沢口は違うと
思っていた
「一体誰が好きなん?」
:07/03/13 20:33 :N702iD :JY6dYsic
#63 [七瀬]
「‥先生や」
舞は気付いていた
だから冷静だった
前を見つめたまま
「先生‥?って」
「俺の先生‥
今は辞めて違う
仕事してるねん」
「そんな話
聞いてないよ」
幸来は叫ぶ
:07/03/13 20:38 :N702iD :JY6dYsic
#64 [七瀬]
すいません‥
話がまとまらない
のでちゃんと
まとまってから
また書きます
ごめんなさい
:07/03/13 20:41 :N702iD :JY6dYsic
#65 [我輩は匿名である]
頑張れ!!
:07/03/13 20:54 :W42K :FLvFneqU
#66 [あかね]
頑張ってください
:07/03/13 22:27 :N901iC :vmo8jKUw
#67 [我輩は匿名である]
あげ(ノ∀`)
頑張だよ
:07/03/13 22:27 :P901i :wKIUfXYk
#68 [七瀬]
匿名さん・匿名さん
あかねさん
あげて下さって
ありがとう
ございます
まだうまく
まとまってませんが
書きます
少ししか更新
できないかも
しれませんが
御了承下さい
:07/03/13 22:36 :N702iD :JY6dYsic
#69 [七瀬]
:07/03/13 22:37 :N702iD :JY6dYsic
#70 [七瀬]
店内に響き渡る
幸来の少し
ハスキーな声
一斉に他のお客
が幸来を見る
その視線が痛い
「ひとまず
落ち着けって」
と水を渡す田渕
沢口が過去を話す
好きだった先生
今女将になってること
:07/03/13 22:39 :N702iD :JY6dYsic
#71 [七瀬]
偶然再会したこと
レイプから助けたこと
結局恋は実らぬ
まま終わったこと
そして‥おもむろに
口を開く
「舞に見られてな」
舞は黙っている
カクテルを飲み干し
少し顔が赤い
:07/03/13 22:41 :N702iD :JY6dYsic
#72 [七瀬]
そして‥
舞に脅されたこと
幸来の目を見て話す
舞はまた同じ
カクテルを注文
している
まるでわざと
酔いを起こそうと
しているようだ
幸来はそうなる前に
舞に聞いた
:07/03/13 22:43 :N702iD :JY6dYsic
#73 [七瀬]
「脅したの本間?」
舞は何も答えない
反応もない
「さっきの話本間?」
質問を変えた
舞は‥
頷いた‥軽く
そして
「ごめん」と言う
幸来は何も
言えなかった
言う気力がなかった
:07/03/13 22:46 :N702iD :JY6dYsic
#74 [七瀬]
「俺は‥
まだ好きだよ
先生のことがな」
幸来は涙を堪える
「だけど‥
幸来を本気で
守りたいって思った」
ねぇ?
いつもそうやって
曖昧なこと
言うでしょ?
あたしがどんなけ
期待してるか
わかるの?
:07/03/13 22:52 :N702iD :JY6dYsic
#75 [七瀬]
「ねぇ?」
舞が重い口調で話す
「何?」
幸来が聞き返す
「舞と田渕は席
外すから
ふたりで話しい
幸来とカズヒロの
話が終わったら
次は舞が話する」
「わかった」
大胆な舞の性格は
変わっていないな‥
:07/03/13 22:56 :N702iD :JY6dYsic
#76 [七瀬]
あー‥
話がごちゃごちゃ
になって
すいません
:07/03/13 22:57 :N702iD :JY6dYsic
#77 [七瀬]
次は幸来が田渕に
ピースサインをした
こういう友情
好きなんだ、あたし
田渕は小さく
こぶしを作った
幸来と沢口
ふたり
普通なのに
普通じゃない
お互い何も
話さない
:07/03/13 22:59 :N702iD :JY6dYsic
#78 [七瀬]
「あたしは
今の気持ちに嘘
偽りはないよ?
あたしはあなたが
好きなんです
好きで好きで
たまらないんです」
「ありがとう
気持ちは嬉しいよ
だけど前みたいな
気持ちにはなれない
と思う
なれてもかなり
時間がかかる」
:07/03/13 23:02 :N702iD :JY6dYsic
#79 [七瀬]
「あたしはずっと
待ってるよ?
今までカズが
あたしを待って
くれたように
次はあたしが
待ってるから」
…切なさで
胸が押し潰される
涙が止まらない
カズ‥あたしの涙
拭ってよ?
:07/03/13 23:05 :N702iD :JY6dYsic
#80 [ゆなていん]
:07/03/13 23:06 :N901iS :snuenWKw
#81 [七瀬]
前みたいに
涙ふいてよ?
ぎゅって抱き締めて
カズのぬくもり
感じたいよ
カズは今
誰のことを考え
誰のことを
想ってるの?
好きって気持ち
ストレートに
伝えたのに
だから余計に
辛いんだ
:07/03/13 23:08 :N702iD :JY6dYsic
#82 [七瀬]
:07/03/13 23:08 :N702iD :JY6dYsic
#83 [七瀬]
「ありがとう」
「ねぇ?
今あたしと離婚
したいと思う?」
不覚にも聞いて
しまった
「‥わかんない
だけど
優のことがある」
優‥
「うん…
あたしは優を
苦しめたくない」
:07/03/13 23:13 :N702iD :JY6dYsic
#84 [七瀬]
「俺は優とおまえを
守らなきゃいけない
実際今は義務だと
思ってる
だけど‥
俺は一生かけて
おまえ‥幸来と優
を守る」
‥ちょっと待って?
理解できない
さっきと矛盾
してるよ?
:07/03/13 23:16 :N702iD :JY6dYsic
#85 [七瀬]
だけどね
嬉しいんだ、あたし
今嘘でもいい
夢かもしれない
って思わずほお
つねったら
カズに笑われた
だけど
戦いは今から
舞?
話ちゃんとわかって
あたしは席を外し
舞とバトンタッチした
:07/03/13 23:19 :N702iD :JY6dYsic
#86 [七瀬]
普通ならありえない
光景だよね?
だけどいいんだ
あたしたちは
あたしたちらしく
「さてと‥カズヒロ」
と舞はイスに座る
「俺は‥」
と言う沢口を
遮るように舞は
「待って」と言う
:07/03/13 23:20 :N702iD :JY6dYsic
#87 [七瀬]
「舞はずっと
ずっと好きだった
ずっと憧れてた
だから今凄く
幸せなのに‥
どうして?
舞じゃいけないの?」
舞は子どものように
ごねまくる
泣きじゃくる
わかってくれよ、舞
沢口が呟く
:07/03/13 23:26 :N702iD :JY6dYsic
#88 [七瀬]
「わからないよ」
舞は聞かない
遠くから田渕が
見ている
田渕‥
あんたも辛いよね
幸来が言う
田渕は可愛いんだ
素直に頷いてさ
あたしの手を握った
舞が落ち着いた
ようだった
:07/03/13 23:28 :N702iD :JY6dYsic
#89 [七瀬]
沢口が手招きをする
舞は酒も入り
泣き寝入りした
ようだった
「俺が送ります」
と田渕が舞を
連れて帰った
結局沢口がお金を
払い店を後にした
「俺もうあの店
行けねーし」
:07/03/13 23:32 :N702iD :JY6dYsic
#90 [七瀬]
タバコをくわえ
笑いなが話すカズ
そっと肩に
よりかかる、幸来
「ねぇ?空見て?」
「ん?」
「綺麗だよね」
「「海」」
ふたりは口を
そろえて言った
笑いながら‥
「海行こーか」
:07/03/13 23:34 :N702iD :JY6dYsic
#91 [七瀬]
話がぐちゃぐちゃに
なっちゃいそうなんで
今日はここで
ストップさせて
頂きます
駄作すぎて申し訳
ないです‥
:07/03/13 23:42 :N702iD :JY6dYsic
#92 [我輩は匿名である]
あげ
頑張だよ(・∀・)
:07/03/14 08:05 :P901i :2z9RW7J2
#93 [さち]
早よ
話進めてくれへん
?
全然展開ないやん
かなり長編に
なるとかどんだけなん?
楽しみやけど
なんかよぉわかんわ
:07/03/14 09:03 :N902i :cL27Wvwk
#94 [我輩は匿名である]
ほな見んなや
:07/03/14 14:03 :W42H :ZdV7cu6Q
#95 [我輩は匿名である]
>>94激しく同意
>>93だッたら見ンな
おまいが中傷する
権利ねーよアホ('A`)
主
気にせず頑張だよ
:07/03/14 14:14 :P901i :2z9RW7J2
#96 [x心愛x]
頑張って下さいシ*⌒(トv・+゜
:07/03/14 18:04 :W42K :m2qu7a9g
#97 [あかね]
応援してるので
頑張ってください
:07/03/14 20:39 :N901iC :N7SINMvs
#98 [七瀬]
遅くなって
すいません..
感想板に返事
書かせて頂きます
良かったらまた
見て下さい
:07/03/14 23:13 :N702iD :fD4wDHl.
#99 [七瀬]
>>90
続きです
あんまり更新できない
かもしれませんが
御了承下さい
:07/03/14 23:39 :N702iD :fD4wDHl.
#100 [七瀬]
さっき乗ったとき
嫌だった香水の
匂いが今は
あたしの好きな
香になってる
「ねぇ?歌
かけていい?」
「いーよ」
こんなありきたり
の会話が
嬉しいんだ
:07/03/14 23:40 :N702iD :fD4wDHl.
#101 [七瀬]
こんなに幸せを
体中で実感
できるなんて
あたし今‥
きっと世界で
一番幸せだよ
何て言ったら
カズは笑って
言ったんだ
幸来が世界だったら
俺は宇宙一
幸せだよ、今
:07/03/14 23:45 :N702iD :fD4wDHl.
#102 [七瀬]
そんな子ども
みたいなカズが
可愛くて
可愛くて
あたし思わず
頭撫でちゃった
じゃあ無邪気に
怒ってさ
こんな幸せが
ずっとずーっと
続きますように
って空に
願ったのに
ねぇ?
:07/03/14 23:48 :N702iD :fD4wDHl.
#103 [七瀬]
ねぇ‥
何でなんだろ
今から海行く
約束して
あたしたちは
今からまた
さんにんで幸せ
なる予定なのに
また
また
また
嫌な予感が
してそれが
的中したんだ
携帯を見る
着信‥一件
:07/03/14 23:56 :N702iD :fD4wDHl.
#104 [七瀬]
「ちょっと待って
車止めて」
カズは近くの
コンビニの駐車場
で車を止めた
「どした?」
あたしは返事せず
電話をかけ直す
やだ‥
手が震える
「あ‥沢口さん
早く来て下さい」
:07/03/15 00:06 :N702iD :eW5BPDuA
#105 [七瀬]
明らかに
息荒い
慌ただしい
あたしは
「カズ早く
病院行って」
と叫んだ
幸来はまだまだ
気付いていない
生理がきてない
ことに
カズは車の
スピードをあげる
早く早く
と祈るばかりだった
:07/03/15 00:09 :N702iD :eW5BPDuA
#106 [ゆなていん]
:07/03/15 00:46 :N901iS :Nnct0wiQ
#107 [七瀬]
ゆなていん
来てくれたんだ
うまく書ける自信
ないけど
来てくれたから
あと少し更新
するねッ
:07/03/15 00:53 :N702iD :eW5BPDuA
#108 [七瀬]
「早く‥早く」
思わず口に出る
あたしは
焦っていた
やっぱり人間て
自分が一番
可愛いのかな
優が言ってた
ことばが頭を
駆け巡る
夜中だったこと
もありすでに
電気が消えていた
:07/03/15 00:56 :N702iD :eW5BPDuA
#109 [七瀬]
裏口から入る
しんと静まり
返っている
いつ来ても
夜の病院は
不気味だ
何て今はそんな
こと考える
ヒマもない
ふたりは優の
病室まで行った
優
誰もいない
どこにいるの?
:07/03/15 01:00 :N702iD :eW5BPDuA
#110 [七瀬]
ナースステーション
に向かおうとした
とき看護士さんに
すれ違った
「あ‥来てくれた」
ふたりは
へんな部屋に
連れていかれた
「優は?」
って何回も
聞くけど
何も答えて
けれない
:07/03/15 01:08 :N702iD :eW5BPDuA
#111 [まー汰]
:07/03/15 15:11 :F903i :PoUBD8Nw
#112 [我輩は匿名である]
あげ(ノ∀`)
:07/03/16 19:31 :P901i :5rgM7YcU
#113 [我輩は匿名である]
てかさぁ書いてほしいな
:07/03/17 09:22 :N901iC :R.ovm2W2
#114 [我輩は匿名である]
なんでかかないわけ
ペースがあるとおもうけどかいてくれない
てかなんかコメントくらいいれなよ
:07/03/17 23:23 :N902iS :BPQl5xHQ
#115 [ゆなていん]
そンなゆーなら自分で考えて書いてみろ
あ
人けなすコトしかできン人にわこのことばの意味も理解できんかあー
ぷ
ゴメンねー藁*゚
七瀬ふあLIと
:07/03/18 00:03 :N901iS :5F768FAU
#116 [七瀬]
更新できなくて
すいません‥
携帯壊れてしまって
来れませんでした
それと風邪引いて
しまって‥
今やっと回復したので
今日から更新させて
いただきます
:07/03/18 05:52 :SH700i :XA4N9yWk
#117 [七瀬]
上の七瀬です
壊れたから
友だちに借りました
:07/03/18 05:55 :SH700i :XA4N9yWk
#118 [我輩は匿名である]
115文章書くとき[は]を[わ]って書くほうが頭確実に弱いよね
:07/03/18 07:58 :N902iS :sVliuN62
#119 [七瀬]
あたしがいうのも
おかしいですが
メールの打ち方なんて
それぞれだと思います
出しゃばったこと
言ってすいません
少し更新させて
いただきます
:07/03/18 08:13 :SH700i :XA4N9yWk
#120 [七瀬]
:07/03/18 08:18 :SH700i :XA4N9yWk
#121 [七瀬]
優の身に何かあった
のは確実だった
薄ぐらい部屋に,
ふたりは入る
担当の先生が何か
言いたそうに
だけど何か
悲しげな顔をし
座っている
:07/03/18 08:23 :SH700i :XA4N9yWk
#122 [我輩は匿名である]
>>114>>118あのさーわざわざ叩かれにきたわけ?本当はこーゆー言葉よくないケド正直おまえバカだよ
「は」だよとか今「わ」使ッてるヤツたくさンいるし
主の気持ちわかッてやれよ
おまえ相当心狭いよ
:07/03/18 08:23 :P901i :T55BsC3E
#123 [七瀬]
「先生‥優に何か
あったんですか?」
不安を抑え切れず
幸来が口を開く
「まぁ,座って下さい」
沢口と幸来はソファー
に腰掛けた
手を繋いでいるふたり
大丈夫とふたりで
言い聞かせるように
:07/03/18 08:28 :SH700i :XA4N9yWk
#124 [七瀬]
匿名さん
ありがとうございます
:07/03/18 08:31 :SH700i :XA4N9yWk
#125 [七瀬]
何か妙な空気が流れる
緊張するよ
沢口と繋いでる手が
汗ばんでいる
震えている
:07/03/18 08:35 :SH700i :XA4N9yWk
#126 [七瀬]
泣いても泣いても
止まらない涙
とめどなく溢れてくる
何で優なの
何であたしじゃないの
沢口の胸板を叩きながら
泣き叫ぶ幸来
:07/03/18 08:37 :SH700i :XA4N9yWk
#127 [七瀬]
看護士さんに何を
言われても全く
耳に入ってこない
落ち着けよ、沢口の
一言でようやく
叩くのをやめた
先生が憎いんじゃない
何もできない自分が憎い
:07/03/18 08:40 :SH700i :XA4N9yWk
#128 [七瀬]
つい数分前
部屋からでてきた
幸来と沢口
先生のことばが
頭から離れない
優君は悪性のがんです
:07/03/18 08:42 :SH700i :XA4N9yWk
#129 [七瀬]
腫瘍ができてたん
だって‥腰に
だから痛がってたらしい
先生に直るんですか?
って聞いたら
黙って何も言わなかった
優に会いたい
少しでもそばにいたい
沢口も同じだろう
だけど「仕事行ってくる」
:07/03/18 08:53 :SH700i :XA4N9yWk
#130 [七瀬]
辛いにいつもいつも
笑顔で生徒に接してる
っていつか舞に聞いた
あたしは沢口を
見送り優の病室に
小走りで向かう
ベットの上で寝ている
あたしは携帯を取り出す
着信があった
‥お父さん??
:07/03/18 08:58 :SH700i :XA4N9yWk
#131 [七瀬]
夕方また更新させて
いただきます
勝手ばかりですいません
:07/03/18 09:04 :SH700i :XA4N9yWk
#132 [我輩は匿名である]
頑張ってね
:07/03/18 09:27 :N901iC :xes2Er/w
#133 [七瀬]
頑張らせていただきます
:07/03/18 16:22 :SH700i :XA4N9yWk
#134 [七瀬]
あたしは不振に思った
かけ直さなくちゃと
思い病室を出た
沢口と舞が前‥
ふたりの浮気を確信した
あの場所で携帯を
取り出しかけ直す幸来
緊張し汗ばむ手
「もしもし?」
お父さんの声だ
:07/03/18 16:31 :SH700i :XA4N9yWk
#135 [七瀬]
「どうしたの?」
じゃあさ,親父泣かせる
ようなこと言ってさ
「幸来が空いてる日
母さんのお墓
行かへんか?」
「え?」
「恥ずかしながら
父さんお墓どこにあるか
知らなくてな」
切なそうに言うから
あたしは空を見上げ
涙を堪えた
:07/03/18 16:36 :SH700i :XA4N9yWk
#136 [七瀬]
「いいよ‥じゃあ
今週の日曜日一緒に
行こうね」
あたしはそのとき
嘘ついたこと全部
話そうって決めた
もしかしたらお父さん
と出掛けるの初めて
かもしれない
あたしの記憶が
正しかったら
あたしは電話を切り終え
暫く画面を見ていた
:07/03/18 16:40 :SH700i :XA4N9yWk
#137 [七瀬]
あたしは我に返り
慌てて優のいる
病室に向かった
今頃舞と沢口は一緒に
いるんだって思ったら
何だか悔しかった
仕方ないことなんだけど
まだまだ子どもな
あたしは苛立つしか
なかったんだ
:07/03/18 16:45 :SH700i :XA4N9yWk
#138 [七瀬]
「明日少し出掛けるね」
洗濯物をたたみながら
沢口に話す幸来
金曜日の今日はいつも
より早めに帰って
来た沢口
幸来も今日だけは
と言う気持ちで
家に帰宅した
「どこに?」
「お母さんのとこ」
「そっか。ひとりでか?」
「違うよ。お父さんと」
:07/03/18 18:15 :SH700i :XA4N9yWk
#139 [七瀬]
カズは驚いた様子で
あたしを見た
無理もないだろう
あたしの口から
お父さんと聞くのは
初めてだから
連絡とってたのか?
何て聞くから見えっ張りなあたしはそうだよ,なんて言ってしまった
「俺も行っていいか?」
あたしは何も言わずに
うなづいた
:07/03/18 18:22 :SH700i :XA4N9yWk
#140 [我輩は匿名である]
あげ(・∀・)
:07/03/18 19:20 :P901i :T55BsC3E
#141 [七瀬]
何回も携帯変えて
すいません
使い方に慣れないので
少し友だちの
借りました
少し更新します
:07/03/18 19:49 :P901iS :.1HkwXoc
#142 [七瀬]
嫌と断っても絶対
着いてくることくらい
わかっていたから
沢口は喜んだのか
いきなりクローゼット
からスーツを
取り出してきた
お父さん沢口みたら
ビックリするよね
一応言っとくか…
:07/03/18 19:58 :P901iS :.1HkwXoc
#143 [七瀬]
「お父さんさ
知らないんよ
カズの存在も
優の存在も」
カズは下を向いたまま
何も言わなかった
「ごめん」
あたしはその場に
いれなくなって
脱衣所に行き
顔を何回も何回も
洗った
:07/03/18 20:08 :P901iS :.1HkwXoc
#144 [七瀬]
後ろに人の気配して
振り向いたら
カズがタオル持って
立ってた
「ありがと」
「化粧にじんで化けもん
みたいになっとる」
笑って言うカズに
つられてあたしも
笑った
もうすぐ明日‥だょ
:07/03/18 20:12 :P901iS :.1HkwXoc
#145 [七瀬]
いつもならあたしの
ほうが早く目覚める
のにあたしが
起きたころにはもぅ
沢口は着替えを
済ませていた
「幸来やっと起きたな」
「気合い入れすぎ」
カズは似合わない
スーツにワックスで
髪の毛をたてている
:07/03/18 20:25 :P901iS :.1HkwXoc
#146 [七瀬]
「もぅ三十路に
なるおっさんが
調子に乗って」
「そのおっさんに
惚れたんは幸来やか」
「髪の毛触るで」
「ごめんって
この髪型にするんに
かなり早起き
してんから」
朝から騒がしい我が家
ふたりだけなのに
いつもバタバタしてさ
:07/03/18 20:33 :P901iS :.1HkwXoc
#147 [七瀬]
でも‥だから
たまにふと思う
優がいたら‥
ここに優がいたら
どんなんだろう
とか
「おぃ、遅れるでな」
カズに呼ばれ慌てて
用意を始める
少しいつもより
薄めの化粧
露出の少ない服
「いつもと何か
違うな」
:07/03/18 20:47 :P901iS :.1HkwXoc
#148 [七瀬]
「そんなことないよ」
口では言ってるけど
自分でも違うくらい
わかってるょ
「行こっか」
沢口に言われ
ふたりは出掛ける
眩しい‥
いつもより太陽が
眩しく目をあけること
ができないくらい
「のれよ」
とカズがドアを
開けてくれる
:07/03/18 20:57 :P901iS :.1HkwXoc
#149 [七瀬]
舞にしてたみたいに
車の中は相変わらず
香水の匂い
「どこに行く?」
「駅」
「りょーかい」
ふたりは黙り込み
洋楽を流す
これが主流だ
「着いたよ?幸来」
いつの間にか
寝てしまってたようだ
:07/03/18 23:15 :P901iS :.1HkwXoc
#150 [七瀬]
「親父さんいる?」
カズに聞かれ
駅あたりを見渡す幸来
「‥あ、いたよ」
「え?どこどこ?」
子どもみたいに
無邪気にはしゃぎ
窓からくびを出す
スーツ来て髪の毛
キメキメのもうすぐ
三十路になる
おっさんが‥
:07/03/18 23:17 :P901iS :.1HkwXoc
#151 [七瀬]
「あの、しおれた
スーツ着てる人」
「あ‥あの人か」
幸来は勢いよくドア
を開けお父さんに
近づく
その光景を見
微笑む沢口
ふたりは仲良く
沢口の車に歩いてく
それに気付いた
沢口は慌てて車から
出、お父さんに会釈する
:07/03/18 23:20 :P901iS :.1HkwXoc
#152 [七瀬]
誰かみてくれてる人
いるのかな?
:07/03/18 23:21 :P901iS :.1HkwXoc
#153 [七瀬]
「おはようございます」
元気にあいさつする
沢口にお父さんは一言
「君は‥幸来と
どういう関係で?」
「えと‥」
「後で説明するから
車にのって」
愛娘の幸来に言われ
お父さんは何も言わず
渋々沢口の車にのった
:07/03/18 23:24 :P901iS :.1HkwXoc
#154 [七瀬]
さすがに洋楽をかけず
しんとした車内
「お父さん‥
あたし結婚してるの」
「‥え?
どういうことや?」
するといきなり沢口は
車を止め後ろを
振り向いた
「沢口弘和です
幸来さんとは結婚して
2年目です
あいさつに行けなくて
すいません」
:07/03/18 23:27 :P901iS :.1HkwXoc
#155 [七瀬]
人に頭を下げるのが
嫌いなカズにしては
頑張ったね、と
幸来は思った
「説明しなさい、幸来」
「あたしお母さんが
亡くなった翌年
カズと結婚した
お母さんのことで
悩んでるとき支えて
くれて全部
受け入れてくれたのも
カズだった
で‥今」
:07/03/18 23:29 :P901iS :.1HkwXoc
#156 []
:07/03/18 23:30 :SH902i :ZA5/gxBE
#157 [七瀬]
「今?」
「あたしには子ども
がいる」
「そうやったんか‥
じゃあ前の男は?」
「あ‥単なる同級生
あたしが愛してるのは
後にも先にも
カズだけやから」
我ながらよくお父さんの
前で言ったなと思う
「沢口君‥こんな
幸来ですがよろしく
頼むな」
:07/03/18 23:32 :P901iS :.1HkwXoc
#158 [七瀬]
いつも見てくれてた
んですか?
ありがとうです
もぅ元気いっぱい
なんでバンバン更新
しますと言いたい
んですが友だちが
「そろそろ携帯返せ」
言うんで12時までしか
更新できませんが
頑張ります
:07/03/18 23:34 :P901iS :.1HkwXoc
#159 [七瀬]
「お父さんにこんな
なんか言われたないし」
車内に笑いが響く
「もぅすぐ着きますよ」
お父さんは黙り込む
凄く切ないんだね
今にも泣きだしそう
なのわかるよ
ふたりが会うのは
五年振りくらいかな‥
「着いたよ
俺ここにいようか?」
:07/03/18 23:37 :P901iS :.1HkwXoc
#160 [七瀬]
「あたしはどっちでも」
「そんなこと言わず
沢口君も来てな」
お父さんのその一言で
沢口は一緒に行く
ことになった
少し坂道を上ったとこ
にお母さんはいる
「もぅ少し、もぅ少し
‥ここだょ、お父さん」
お父さんはお母さんの
前でしゃがみこむ
:07/03/18 23:40 :P901iS :.1HkwXoc
#161 []
そーなんですかぁ
残念です
でも七瀬さんの出来る時でいいんで、無理しないで頑張ってくださいね
また更新楽しみに待ってます
:07/03/18 23:41 :SH902i :ZA5/gxBE
#162 [七瀬]
目を瞑り‥
あたしとカズも
目を瞑った
「やっと会えた‥
おまえに会うのは
ちゃんと仕事に
ついてからって
決めてたら、こんなに
遅くなってしまった
早く会いたかった
俺は今でも
おまえだけを愛してる」
お母さん‥
いい男捕まえたね
:07/03/18 23:43 :P901iS :.1HkwXoc
#163 [七瀬]
さん
ありがとうございます
そう言ってもらえて凄く気持ちが楽になります
なるべく早くたくさんの更新ができるように誠意を尽くします★
:07/03/18 23:44 :P901iS :.1HkwXoc
#164 [七瀬]
どうしようもない
男だったけど
「かなり遅れたけど
俺とおまえの
結婚指輪
本当はおまえの
その細い指に
通してあげたかった
んだけどな…ごめんな
来世では絶対に
おまえを幸せに
してみせるからさ」
:07/03/18 23:48 :P901iS :.1HkwXoc
#165 []
:07/03/18 23:50 :SH902i :ZA5/gxBE
#166 [七瀬]
「また来るからさ
また会いに来るな
指輪はなくならない
ように俺がふたつ
もってるよ
いつか俺がそっち
行ったら渡すからさ」
あたしとカズは
何も言わなかった
何も言えなかった
お父さんが立ち上がった
そのとき風が
勢いよく吹いた
:07/03/18 23:50 :P901iS :.1HkwXoc
#167 [七瀬]
「きっとお母さんが
ありがとう
って言ってるんだょ」
お父さんは何も
言わず体で風を
感じていた
「帰ろうか」
小さくなったお父さん
の背中を見て
あたしとカズも
走ってついていった
お父さん‥
泣いてたからね
:07/03/18 23:53 :P901iS :.1HkwXoc
#168 [七瀬]
「お父さん時間ある?」
車に乗り調子に乗った
カズは洋楽をかける
「あるけど、何や?」
お父さんの薬指には
指輪が光っている
「つれて行きたい
とこがあるんょ」
「あぁ‥」
カズはあたしが行き先
を言う前に
わかった、と言った
:07/03/18 23:55 :P901iS :.1HkwXoc
#169 [七瀬]
「ここなんょ‥」
あたしが指差す先は
優のいる病院
「病院か?」
「うん‥そぅ
着いてきてほしい」
黙ってうなずく父
あたしとカズの
少し後ろを歩く父
お父さんは何も聞かず
あたしたちに着いてくる
「ここだよ‥」
:07/03/18 23:58 :P901iS :.1HkwXoc
#170 [七瀬]
お父さんはドアから
少しだけ顔を出す
「‥おまえの子か?」
「そうだよ
優しいの字で優
って言うんだぁ」
お父さんは一歩、一歩
近づく
優はおじいちゃんに
気付いたのか
黙ったまま固まっていた
だけどおじいちゃん
ってことは知らない
:07/03/19 00:01 :P901iS :RUx5LEuM
#171 [七瀬]
さん
携帯返すんでまた
明日更新します
よかったらまた
読んでください
頑張りますよー笑
:07/03/19 00:02 :P901iS :RUx5LEuM
#172 [あかね]
優かわいそう
更新頑張ってください
:07/03/19 00:03 :N901iC :NxagA9Fw
#173 [あや]
頑張ッて下さい!
:07/03/19 21:26 :W42K :OqJMeWFE
#174 [七瀬]
ありがとうございます
:07/03/19 23:30 :SH700i :yajgyaC.
#175 [七瀬]
「‥誰?」
戸惑いながら優は聞く
「優のおじいちゃん」
笑いながら話す父
「僕のおじいちゃん?
本当におじいちゃん?」
幸来は頷く
大きく大きく頷く
「おじいちゃん
僕に会いに来て
くれてありがとう」
幸来はその言葉を
聞き誰にもわからない
ように涙を流した
:07/03/19 23:34 :SH700i :yajgyaC.
#176 [七瀬]
「はい、ハンカチ」
カズだけはわかっていた
「ありがとう」
やっぱり‥カズは凄いや
「ねぇ、僕いつになったら
外出れるの?
おじいちゃんとままと
ぱぱとどこか
いきたいよ‥」
行きたいよね
ずっと病室とか
つまらないよね
:07/03/19 23:41 :SH700i :yajgyaC.
#177 [七瀬]
「先生に聞いてみよっか」
「うん」
円満の笑みを見せる優
優が入院して
もうすぐ半年だね
一歩も外出てないもんね
ままとぱぱだけずるい
言ったこと一度も
なかったね
過去を振り返る癖
止めなくっちゃ
:07/03/19 23:44 :SH700i :yajgyaC.
#178 [七瀬]
「優君今日の様子は
どうかなぁ?」
看護士さんが来た
優はそわそわしてる
あ、聞いてほしいんだね
「先生優外出できます
かね?」
一度外出許可を
もらったが結局
最終的に許可が
おりなかった
「そうですね
担当医呼んできますね」
:07/03/19 23:48 :SH700i :yajgyaC.
#179 [七瀬]
「優‥許可おりると
いいな」
おじいちゃんが優しく
頭をなでる
「優君体は元気かな?」
担当医の永井先生が来た
少し歳のいった優しい
おじいちゃんみたいな
人だ
「先生、僕お外行きたい」
「そうだね
注射も薬も優君
頑張ってるもんね」
:07/03/19 23:52 :SH700i :yajgyaC.
#180 [七瀬]
「僕死んじゃう
んでしょ?
だったら好きなこと
いっぱいしたいよ」
優‥幸来はその場に
いれなくなり病室を出た
優‥がそんなこと
考えてたの知らなかった
ごめんね
何回言っても足りない
ごめんごめんごめん
:07/03/19 23:55 :SH700i :yajgyaC.
#181 [七瀬]
「優君は死なないから
先生が約束する」
ゆびきりをする
優と先生
「先生やっぱり僕
外に出たいです」
「先生無理
なんですかね?」
横からおじいちゃん
も割って入る
「もう少し様子を
診てみましょう」
:07/03/20 01:10 :SH700i :hKZVBRSA
#182 [七瀬]
「先生はいっつもそうだ
結局僕はずっとここに
いるんだね」
優は頬を膨らます
「優、先生困ってる」
カズは優を止めた
「いいんですよ」
先生は優しく笑う
くしゃっとなる顔
ホントにいい先生だ
「じゃあ先生はまた
来るからね」
:07/03/20 01:13 :SH700i :hKZVBRSA
#183 [七瀬]
「優誕生日何が
ほしい?」
いつか聞いたら
優は笑って言った
「何もいらないから
ぱばとままに
幸せになってほしい」
「ママは優のママで
幸せだよ
世界で一番幸せかも
しれないね」
って言ったら
「じゃあ僕は世界で
一番幸せなママから
産まれたからもっと
幸せだよ」
:07/03/20 01:17 :SH700i :hKZVBRSA
#184 [七瀬]
「またパパとママの
子どもでいい?」
「ママ泣かないで?
僕の幸せ全部
あげるから
そのかわり
ママの涙全部僕に
ちょうだいね」
「パパ今度遊びに
行きたいな
どこでもいいよ
病院の中は嫌だな」
:07/03/20 01:23 :SH700i :hKZVBRSA
#185 [七瀬]
「パパママ泣かせたら
僕がママ奪うから」
「大人になったら‥
またこどもになって
一からやり直す」
‥
優のことばを思い返す
痛い‥痛い
何この吐き気と目眩
「トイレ行かなきゃ」
:07/03/20 01:26 :SH700i :hKZVBRSA
#186 [七瀬]
この吐き気前にも
あったような‥
最近生理終わったの
いつだったっけ‥
「もしかして妊娠?」
:07/03/20 01:27 :SH700i :hKZVBRSA
#187 [我輩は匿名である]
あげー(・∀・)
:07/03/20 10:15 :P901i :zDC9sZsM
#188 [七瀬]
:07/03/21 11:06 :SH700i :bG39ogKc
#189 [七瀬]
更新させていただきます
:07/03/21 20:37 :SH700i :bG39ogKc
#190 [七瀬]
:07/03/21 20:38 :SH700i :bG39ogKc
#191 [七瀬]
まさかそんな
はずないよね‥
でも最近食欲が
あんまりなかった‥
考えれば考えるほど
妊娠‥?
「どうかされました?」
看護士さんに
声をかけられ幸来は
はっと我に返った
「あ‥いえ」
:07/03/21 20:42 :SH700i :bG39ogKc
#192 [七瀬]
「ぼーっとしてたから」
「ははは‥あの先生」
「では失礼しますね」
「はい」
幸来はとりあえず
沢口に話すことにした
「ちょっと」
お父さんは優と
遊んでるようだった
「うん?」
「あたし妊娠したかも」
「‥はぁ?」
:07/03/21 20:47 :SH700i :bG39ogKc
#193 [七瀬]
沢口の声が病棟に
響き渡る
「うるさいよ」
あたしが注意する
「パパここ病院だよ」
優にまで注意され
カズは頭があがらない
ようだった
「ごめん」
で‥とあたしの話を
聞きたがっている
ようだった
:07/03/21 20:55 :SH700i :bG39ogKc
#194 [七瀬]
「いや、あたしの予想
だからわかんないけど
たぶんしてる」
「そうか…
正直今は優のことが
あるから素直に
喜べないな‥
嬉しいけど‥」
離婚しなくて良かった
でも‥ひとつだけ
気になることがある
:07/03/21 21:01 :P901iS :9Hp.Mk9A
#195 [七瀬]
「おまえ‥あいつと
関係もってないよな?」
「あいつ?」
「田渕だよ‥
もってたらおまえ」
その先は言わなくても
わかっていた
だからあたしは
「もってないよ」
と言うしかなかった
:07/03/21 21:04 :P901iS :9Hp.Mk9A
#196 [七瀬]
本当は一度ある
人生の中では二度ある
高校生と大人に
なってから‥
だけど幸来はそれを
過去として消そう
としていた
「ならいいんだけど」
「まだ断定はできない
から病院行くよ」
:07/03/21 21:06 :P901iS :9Hp.Mk9A
#197 [七瀬]
「俺も行こうか?」
「ひとりで行ける」
「そっか」
「うん、明日にでも
行くから」
ふたりは優のいる
病室に行く
:07/03/21 21:11 :P901iS :9Hp.Mk9A
#198 [七瀬]
「ままおじいちゃんと
今度動物園行く
約束したんだー
ね、おじいちゃん?」
「そーだな
行こうな、優」
お父さんは本当に
変わってくれたんだ
って思った
お母さん見てますか?
:07/03/21 21:13 :P901iS :9Hp.Mk9A
#199 [七瀬]
次の日少し雨が
降っていた
カズは仕事へ
お父さんは夜勤らしく
優のとこに行って
くれるようだった
あたしは産婦人科
へ行く支度をした
ジーパンにパーカー
傘をさし駅まで向う
:07/03/21 21:27 :P901iS :9Hp.Mk9A
#200 [七瀬]
いつもは車だから
歩きは疲れる
電車に乗り幸来は
眠っていた
仮眠にすぎないが
かなり熟睡する
ことができた
最寄り駅で降り
タクシーで病院まで
向った
:07/03/21 21:35 :P901iS :9Hp.Mk9A
#201 [七瀬]
優を産んで以来も
あり少し緊張する
「1960円になります」
幸来は2000円を
出しおつりをもらう
病院の前で深呼吸
ゆっくりドアを開ける
懐かしいピンクを
基調とした院内
:07/03/21 21:42 :P901iS :9Hp.Mk9A
#202 [七瀬]
診察券を入れる
名前を呼ばれるまで
幸来は雑誌を見ていた
こんなにゆっくり
雑誌を見るのは
久々だな‥
少しして名前を
呼ばれた
「沢口幸来さん」
幸来は雑誌を片付る
:07/03/21 21:47 :P901iS :9Hp.Mk9A
#203 [七瀬]
「失礼します」
「あら、久々ね」
あたしが優を
身籠ってたとき
ずっと診てもらってた
宮原先生だった
「あ、先生
久しぶりです」
あたしは思わず
テンションが上がった
:07/03/21 21:53 :P901iS :9Hp.Mk9A
#204 [我輩は匿名である]
あげ(・∀・)
:07/03/21 21:58 :P901i :lrAOjoN6
#205 [七瀬]
あげありがとう
ございます
:07/03/21 22:59 :P901iS :9Hp.Mk9A
#206 [七瀬]
「元気してた?」
「微妙ですね
色々ありまして」
あたしは宮原先生に
離婚寸前になったこと
優ががんになったこと
父との再会
全部話した
宮原先生は何も
言わずうなずいて
聞いてくれた
:07/03/21 23:02 :P901iS :9Hp.Mk9A
#207 [七瀬]
「ずっと幸来ちゃんに
会いたかったのよ
話してくれて
ありがとう
辛かったよね
でも無駄にならない
と思うから」
宮原先生は自分の
話もしてくれた
離婚していて今
娘さんふたりと
生活していること
:07/03/21 23:12 :P901iS :9Hp.Mk9A
#208 [七瀬]
そしてここだけの
話よ、と言い
今付き合ってる人が
いること
先生が可愛く思えた
先生と話てる間に
時間がすぎ
「あ‥診察っ」
と先生はあたしを
診察台に乗せた
あたしは先生
の慌てた様子を見て
笑ってしまった
:07/03/21 23:19 :P901iS :9Hp.Mk9A
#209 [七瀬]
「恥ずかしい」
と言い
先生は医者の顔に
切り替えた
あたしは緊張し
ながら台に乗る
「‥あ、いますよ
あかちゃん」
と先生は見せて
くれた
「これが心臓で
ドキドキ動いてます」
:07/03/21 23:25 :P901iS :9Hp.Mk9A
#210 [七瀬]
「うわぁ‥赤ちゃん」
あたしは自然に
涙を流した
「良かったね
産むんだよね?」
あたしは小さく頷く
「どうしたの?」
あたしは間を置き
「どっちの子か
わからない」
と話した
:07/03/21 23:27 :P901iS :9Hp.Mk9A
#211 [七瀬]
「あ‥そっかぁ
あたしは何とも
言えないからよく
考えて後日旦那さん
といらっしゃい
ちゃんとよく
考えるのよ」
「わかりました」
「あたしで良ければ
話相手なるから」
と先生は携帯番号を
教えてくださった
:07/03/21 23:31 :P901iS :9Hp.Mk9A
#212 [七瀬]
帰り道ひとりで
思い返す
どっちかわからない
だけど
あたしは産みたい
それだけ
絶対産むんだ
何があっても…
携帯を取出し
カズに電話をかける
「もしもし?」
:07/03/21 23:32 :P901iS :9Hp.Mk9A
#213 [七瀬]
「‥してた」
「ごめん‥
聞こえねぇ」
「妊娠‥してた」
「まじ?」
「うん‥大マジ」
「良かったな」
「後日来てって
言われたから
連れてってね」
「あぁ‥
じゃあ授業始まる
から切るな」
:07/03/22 00:27 :P901iS :661jFfS.
#214 [七瀬]
優もお兄ちゃんに
なるんだね
幸来は電車に乗り
優のいる病院に
向った
「はぁ」
とまた一寝入りする
雨はすっかり
止んでいるようだ
刺激のない毎日
だけど今日は
少し違う
:07/03/22 00:31 :P901iS :661jFfS.
#215 [七瀬]
幸来はお腹を
さすり
一歩一歩歩き
はじめた
「頑張るぞー」
と空に向って
手を伸ばす
「ゆーうー?」
病室に入り優を呼ぶ
優がいなかった
お父さんと散歩に
行ったようだ
:07/03/22 00:41 :P901iS :661jFfS.
#216 [七瀬]
「優楽しかったな」
お父さんと優の
笑い声が聞こえる
「優ーお父さんー」
幸来は無邪気に
優に抱きつく
「きついよ、まま」
「ごめんね」
「どした?
いいことあったんか?」
お父さんに聞かれ
幸来はピースサイン
:07/03/22 00:45 :P901iS :661jFfS.
#217 [七瀬]
「優がお兄ちゃん
になります」
もう悩んでられない
どっちかわかんなく
ても
あたしの大事な
子どもには
変わりないんだから
結局自分が
一番可愛いんだ
優に言われた
気がした
:07/03/22 00:52 :P901iS :661jFfS.
#218 [七瀬]
あたしはカズとの子
って思うから
心の中で叫ぶ
「良かったな」
「僕お兄ちゃん
なるんだー」
みんな‥
喜んでくれてるよね?
自惚れじゃ
ないよね?
「そうや幸来
さっき先生が来てな
外出許可が下りたそうだ」
:07/03/22 00:57 :P901iS :661jFfS.
#219 [七瀬]
「本当に?
やったー」
今日は何か
幸せな一日だな‥
「僕動物園行きたい」
「行こーね」
「来週の土日
何てどうや?」
「来週‥?
いいよ、決まり」
あたしはカズに
メールをした
:07/03/22 01:11 :P901iS :661jFfS.
#220 [七瀬]
授業をやっている
のか返事は
なかなか来ない
返事が来たのは
もう日が暮れる
ころだった
あたし以上に
彼のほうが
喜んでいた
今から病院に
来るらしい
あたしは帰ろうと
思ったが
待つことにした
:07/03/22 01:18 :P901iS :661jFfS.
#221 [七瀬]
お父さんは仕事に
行くからと
帰り今あたしは
優とふたりきりだ
「ねぇ?まま」
「僕もう少し
生きてもいいよね?」
「え?」
「神様は僕が嫌い
だから意地悪する
んだよね
どうやったら
スキになってもらえるかな?」
:07/03/22 01:23 :P901iS :661jFfS.
#222 [七瀬]
「違うんよ、優
神様は優がスキで
スキすぎるから
壁を与えるの
その壁は乗り越え
られない人には
与えられないの
神様は優なら
乗り越えられる
って思うから
試練を与えるの」
:07/03/22 01:26 :P901iS :661jFfS.
#223 [七瀬]
優は頷く
「それから優
我慢せんでええんよ
いい子を作らなくて
いいんよ
ママもパパも
おじいちゃんも
優を嫌いにならないから
だからいっぱい
甘えていいんよ」
優は突然泣きだした
:07/03/22 01:30 :P901iS :661jFfS.
#224 [七瀬]
あたしは何も言わず
優を抱き締めた
優の涙みるの
久しぶりだな‥
「ごめん
遅くなって」
息を切らしながら
カズは入ってきた
「どうしたんや?」
とカズは驚いた様子で
あたしに聞いてきた
:07/03/22 01:34 :P901iS :661jFfS.
#225 [七瀬]
「秘密だよー
ねぇ優?」
「うん、秘密」
「うわっ
ふたりともひでーな」
とカズは幸来と優の
髪の毛をぐちゃぐちゃ
とした
さんにんで笑う
当たり前なのに
凄い嬉しい
いつまでもこんな日
が続きますように
:07/03/22 01:48 :P901iS :661jFfS.
#226 [七瀬]
「来週動物園
行くんだってさ」
「そうなんか?
行こうなー」
楽しみやね
とさんにんで
他愛のない会話
をしていた
「今日どうする?」
「帰らないで」
優の発言にカズは
ビックリしていた
:07/03/22 01:59 :P901iS :661jFfS.
#227 [七瀬]
「優寂しいの?」
あたしが笑って
聞くと
優はうんと頷いた
カズはそんな優を見て
「じゃあ泊まろうか」
と言いあたしたち
さんにんは
消灯時間まで笑い
が耐えなかった
幸せ‥
:07/03/22 02:33 :P901iS :661jFfS.
#228 [我輩は匿名である]
あげ(゚∀゚)
:07/03/22 13:10 :P901i :BfOdh7i6
#229 [つやか]
頑張って
:07/03/23 23:01 :SH902i :ZlvDjZ56
#230 [七瀬]
匿名さん・つやかさん
ありがとう
ございましす(・∀・)
:07/03/24 07:31 :SH700i :HTVuqfVk
#231 [七瀬]
こんな幸せがずっと
ずーっとずっと
続きますように‥
星降る夜にお願いした
優が退院したら
一緒にいっぱい遊びに
行ってお兄さんらしく
するのかな‥
っていつも考えてた
:07/03/24 07:34 :SH700i :HTVuqfVk
#232 [七瀬]
優が寝るまで右手を
あたしが左手をカズが
ずっと握ってた
細い腕を見るたび
辛くなるけど
優はあたしたちが辛い
って思うほうが辛い
って言ってたから
あたしは辛くない
って言い聞かせてる
「おやすみ」
:07/03/24 07:38 :SH700i :HTVuqfVk
#233 [七瀬]
「明日はいよいよ
外に出れるんだね」
優が笑顔で話す
「そうだね」
ってあたしもつられて
笑顔になる
あたしとカズと
お父さんは一週間ほど
前から家を片付けたり
どこの動物園に行くか
決めていた
:07/03/24 07:42 :SH700i :HTVuqfVk
#234 [七瀬]
おもちゃを買ったり
お菓子を買ったり
毎日優に生かされて
いるみたいだった
優の容態も少しだけ
良くなったそうだ
その日の夜も
あたしは病院で
一夜を過ごした
優とふたり手を繋ぎ
一緒に寝た
あたしはそっと優の
おでこにキスをした
:07/03/24 07:47 :SH700i :HTVuqfVk
#235 [我輩は匿名である]
あげ(・∀・)
:07/03/24 11:36 :P901i :YmLJ0yZk
#236 [七瀬]
ありがとうございます
:07/03/24 12:00 :SH700i :HTVuqfVk
#237 [七瀬]
優が愛しくて
仕方なかった
朝あたしより先に
優が目を覚ましていた
「ママおはよう」
と笑顔で言われ早く
動物園に行きたく
なった
「おはよう」
「パパとおじいちゃん
まだかな?」
「ママ電話してこよか?」
:07/03/24 12:03 :SH700i :HTVuqfVk
#238 [七瀬]
「いーよ」
「何で?」
「もうすぐ来るもん
足音がする」
「優わかるの?
足音なんて
みんな同じでしょ」
「ずっとベットの上に
いたらわかる
ようになった」
「遅れてごめん」
と息を切らした
カズとお父さんが
入って来た
:07/03/24 12:21 :SH700i :HTVuqfVk
#239 [まな]
:07/03/24 18:18 :W41CA :EtyeCPuQ
#240 [まな]
:07/03/24 22:45 :W41CA :EtyeCPuQ
#241 [まな]
:07/03/24 23:00 :W41CA :EtyeCPuQ
#242 [七瀬]
すいませんm(._.)m
風邪でダウンしてて
更新が遅れます
本当にすいません
早く回復させます
:07/03/25 18:35 :SH700i :AxI2K4HM
#243 [つやか]
お大事にね
:07/03/26 11:00 :SH902i :jub5sOjo
#244 [我輩は匿名である]
頑張ー
:07/03/26 12:21 :P901i :wKFZTrok
#245 [七瀬]
やっと熱も下がり
復活しました
咳はまだ止まり
ませんが
今から更新します
遅くなって
すいません
:07/03/27 14:34 :SH700i :.em4ZebA
#246 [七瀬]
「遅いー」
とすねる優
「ごめんな」
ひら謝りのカズと
お父さん
あたしはそんな
さんにんを見て
笑っていた
「ママ笑わないでよ」
「ごめんね」
「ママだから許す」
病室内に響き渡る
笑い声
「早く行こうよ」
:07/03/27 14:45 :SH700i :.em4ZebA
#247 [七瀬]
「行こうか」
とお父さんの一言で
カズは優を抱き上げ
ナースステーションに向かった
「久々の外だぁ」
優は笑いはしゃいでいる
今日は快晴で
雲ひとつない空だった
:07/03/27 14:51 :SH700i :.em4ZebA
#248 [七瀬]
あたしたちを乗せた
車がはしりだす
カズがいつもより
慎重に運転してるのが
よくわかった
優はずっと窓を
見ている
「どうしたの?」
あたしが聞くと
「もう見れない
かもしれないから」
:07/03/27 14:57 :SH700i :.em4ZebA
#249 [我輩は匿名である]
あげ(・∀・)
復活おめれと
:07/03/27 16:14 :P901i :/EjBqzTc
#250 [七瀬]
:07/03/27 20:34 :SH700i :.em4ZebA
#251 [七瀬]
「退院したらまた
こようね」
言葉がこれしか
見つからなかった
せっかくの今日なのに
「まぁまぁ今日は
楽しもうな」
お父さんの一言で
場の雰囲気が少し
良くなった
:07/03/27 20:41 :SH700i :.em4ZebA
#252 [七瀬]
「ごめんね
僕のせいで」
「きにしないのー」
とあたしは優の
髪をくしゃくしゃ
とした
優は歯を見せながら
笑った
「優は笑うとパパ
に本当似てるね」
「パパかっこいいから
良かったな優」
:07/03/27 20:48 :SH700i :.em4ZebA
#253 [七瀬]
「自分で言ったら
終わりだねー」
指摘するあたし
自分で言わなきゃ
確かにカズは
かっこいいかも
しれないけど
言おうと思ったけど
調子にのりから止めた
:07/03/27 20:51 :SH700i :.em4ZebA
#254 [藍夏]
かげからずっと見てました
ジー
頑張って下さいね('V`
)
:07/03/28 11:42 :SH902i :7lZ.bpok
#255 [七瀬]
藍夏さん
ありがとうございます
これからもよろしくお願いします
:07/03/29 03:06 :P901iS :CHYMcEEE
#256 [七瀬]
「もうすぐ着くよー」
「本当ー?」
はしゃぐ優を見ると
病気だなんて
わからないくらい
「僕絶対像見る」
「優像スキだもんね」
今日をいっぱい収める
ためにデジカメを
買った
:07/03/29 03:10 :P901iS :CHYMcEEE
#257 [七瀬]
思っちゃいけないの
わかってるけど
現実を見なきゃって
奇跡信じてるけど
‥もしもって
思っちゃって
その日あたしは
いろんな優を撮った
転けた優
アイス食べてる優
:07/03/29 03:16 :P901iS :CHYMcEEE
#258 [七瀬]
動物みてる優
椅子に座ってる優
ただ‥
夢中で撮った
夜になってあたしと
カズと優とお父さんは
一緒にねた
幸せすぎて涙した
優が寝るまで
ずっと昔話を話した
本当に忘れられない
一日だった
:07/03/29 03:19 :P901iS :CHYMcEEE
#259 [七瀬]
あたしには願いがある
あたしには願いがある
優はもう長くない
わかっている
受け入れようとしてる
だけど
だけど
せめて弟か妹を
見てほしい
優に抱いてほしい
:07/03/29 03:23 :P901iS :CHYMcEEE
#260 [七瀬]
「あかちゃんもうすぐ
かな?」
最近あたしが病院に
行くとかならず
お腹をさすってくれる
きっと優も気付いてる
もう長くないこと
「早く逢いたいな‥」
あたしのお腹は
少し膨らみを見せた
:07/03/29 03:25 :P901iS :CHYMcEEE
#261 [七瀬]
「生」と「死」の狭間
両方に直面する恐怖
泣いても泣いても
枯れない涙
不安で不安で
あたしは
逃げ出したかった
もうすぐあたしは
臨月を迎える‥
:07/03/29 03:30 :P901iS :CHYMcEEE
#262 [七瀬]
悪阻も辛かった
だけど今のほうが
比べものにならない
くらい辛い
「もうすぐだな」
カズは楽しみにしてる
あたしは毎日毎日
必死に生きていた
「赤ちゃん」
と毎日毎日話かける
:07/03/29 03:32 :P901iS :CHYMcEEE
#263 [七瀬]
動いてるのがわかる
生きてるんだ‥って
頑張ってるんだ‥って
あたしが元気をもらう
こどもたちに
あたしが勇気をもらう
笑顔を与えてくれる
ごめんね
優‥あかちゃん
頼りなくて
頼りないママで
:07/03/29 03:35 :P901iS :CHYMcEEE
#264 [七瀬]
ママ頑張るからね
あたしはお母さんの
子だよ
こんなんで
くじけたらお母さんに
怒られる
笑われる
頑張るから
負けないから
あたしは絶対負けない
:07/03/29 03:37 :P901iS :CHYMcEEE
#265 [我輩は匿名である]
あげ(・∀・)
:07/03/30 14:51 :P901i :s.QNv48A
#266 [我輩は匿名である]
話が全然進まないね
:07/03/31 00:04 :SH902i :XQsmTH/c
#267 [サチ]
今‥ぶっ通しで読みました。切なくて切なくて本気で泣きました。幸せな形でぉゎる事を願ってます
がんばてくださいね
!
:07/03/31 04:01 :P901i :jafG3wpI
#268 [七瀬]
:07/04/01 05:10 :SH700i :Pt2XPGQE
#269 [七瀬]
:07/04/01 05:25 :SH700i :Pt2XPGQE
#270 [七瀬]
臨月を迎えてから
さらに体が
しんどくなった
優のこともカズに
任せることが
多くなった
カズは大変だった
と思う
あたし以上に
「ママ体大丈夫?」
「優体大丈夫?」
:07/04/01 05:31 :SH700i :Pt2XPGQE
#271 [七瀬]
あたしと優の
会話はこれだけ
「ママ元気な
赤ちゃん産んでね」
あたしは出産が
近付くにつれ
恐かった
もし…カズの子じゃ
なかったら‥
どうしよう
だけど逃げない
:07/04/01 05:39 :SH700i :Pt2XPGQE
#272 [七瀬]
とうとう陣痛がきた
懐かしい痛み‥
なんていってられない
痛い…痛い
「カズ‥陣痛きたよ」
カズは産婦人科まで
連れて行ってくれた
「仕事ごめんね‥」
「いーって
仕事よりおまえが大事」
:07/04/01 05:45 :SH700i :Pt2XPGQE
#273 [七瀬]
あたしは行ってすぐ
出産した
「元気な赤ちゃん
生まれましたよ」
助産婦さんに言われ
肩の力がぬけた
ように涙を流した
「あ‥あたしの
赤ちゃんだぁ」
あたしは嬉しくて
涙が止まらなかった
:07/04/01 05:52 :SH700i :Pt2XPGQE
#274 [七瀬]
カズはずっと
待っていてくれた
「生まれましたよ」
助産婦さんが言うと
カズも涙を流したそうだ
あたしは朝の9時
10分元気な男の子
を出産した
「カズもう名前
決めてあるの?」
:07/04/01 05:59 :SH700i :Pt2XPGQE
#275 [七瀬]
「決まってるよ」
「何?カズ男とか
じゃないよね?」
「違う…違う
勇‥勇ましい
って書いて勇」
「そんなん名前
一緒になるやん」
「だから読み方を
変えるんだよ」
「何にするの?」
:07/04/01 06:10 :SH700i :Pt2XPGQE
#276 [七瀬]
「"はる"とかさ‥」
「あ‥なるほどね
あたしは"よう"
が良かったの」
「漢字は?」
「太陽の陽とか」
「さすがに勇を
ようと読むのは
きついかな‥」
:07/04/01 06:19 :SH700i :Pt2XPGQE
#277 [七瀬]
「幸来ー」
お父さんがあたしを呼ぶ
「来てくれたんだ」
「当たり前じゃないか
俺の可愛い可愛い
孫を見に来たんだよ」
「あっちの部屋で
寝てるから
あ…ねぇ?」
「何や?」
:07/04/01 06:29 :SH700i :Pt2XPGQE
#278 [七瀬]
「今日ってお母さんの
誕生日だよね?」
「そーだな‥」
「お母さんの
生まれ変わりかな?」
「かもしれんな‥」
「お父さんはさ…」
「ん?」
「お母さんを愛してた?」
:07/04/01 06:43 :SH700i :Pt2XPGQE
#279 [匿名]
:07/04/01 09:49 :P901i :naUxvBZw
#280 [匿名チャン]
あげN
:07/04/01 20:58 :W42K :.TDFIdWk
#281 [我輩は匿名である]
あげー(・∀・)
:07/04/02 00:31 :P901i :zrYKRhq6
#282 [つやか]
この小説すごく
好きです〜
:07/04/03 01:23 :SH902i :mnZhws9A
#283 [我輩は匿名である]
まだ?はよ書けや
:07/04/05 22:47 :SH902i :dllJmLSE
#284 [お客さん]
あげます
:07/04/06 01:11 :SH903i :49zRIVJA
#285 [七瀬]
放置状態になって
しまってすいません
今日の夜からまた
書かせてもらいます
:07/04/06 07:34 :SH700i :TfSB5SA6
#286 [七瀬]
今から更新させて
もらいます
:07/04/06 21:15 :SH700i :TfSB5SA6
#287 [七瀬]
:07/04/06 21:17 :SH700i :TfSB5SA6
#288 [七瀬]
「あぁ‥愛してた
誰よりもな‥」
あたしは最近よく
お母さんの夢を見る‥
前みたいに悲しい顔
じゃなくて笑ってる
「そうなんだ‥」
:07/04/06 21:21 :SH700i :TfSB5SA6
#289 [七瀬]
お父さんは何も言わず
部屋からでていった
「はぁ‥」
ひとりになったあたしは
溜め息を大きくはいた
目をつむってたら
知らぬ間に寝てしまった
「‥幸来‥」
「‥うわぁ‥
知らん間に寝てた」
:07/04/06 21:26 :SH700i :TfSB5SA6
#290 [七瀬]
そこにいたのは
舞と田渕だった‥
「かなり寝てたやん」
舞が笑って話す
ふたりの薬指には
銀の指輪が光っていた
悔しかったから
聞かなかったのに‥
田渕が切り出した
:07/04/06 21:37 :SH700i :TfSB5SA6
#291 [七瀬]
「‥幸来‥やった」
「‥良かったじゃん」
あたしの強がり
気付けよ‥
「‥幸せになれよ」
あたしが涙を隠し
精一杯のことば‥
「おまえなら‥いい
お母さんなるな」
:07/04/06 21:53 :SH700i :TfSB5SA6
#292 [七瀬]
頭を優しく撫でる田渕
「‥ありがとう」
また惹かれそうに
なる気持ち押さえる
のに必死だった‥
‥舞は幸せ者だよ
「幸来‥今日沢口先生
は来てないの?」
:07/04/06 22:05 :SH700i :TfSB5SA6
#293 [七瀬]
「…今日は来てないよ
もうすぐ来るん
じゃないかな?…」
舞‥まだすきなの?
顔にでてるよ…
田渕も気付いてる
んだね‥
顔にでてるもん…
あぁ…あたしだけ
じゃないんだね‥
:07/04/06 22:13 :SH700i :TfSB5SA6
#294 [七瀬]
田渕も舞もみんな
複雑なんだね‥
…あぁ‥カズは
幸せ者だなぁ…
「ごめん…幸来」
息を切らしながら
カズが入って来た
"‥あっ"あたしたち
みんな口を揃えて言う
:07/04/06 22:20 :SH700i :TfSB5SA6
#295 [七瀬]
タイミング悪すぎ…
「田渕に舞‥
わざわざ
来てくれたんか?」
ふたりは頷く…
ふたりの指を見て
カズは笑って
おめでとう
って言った‥
舞は悲しそうに
ありがとう
って言った…
:07/04/06 23:01 :SH700i :TfSB5SA6
#296 [☆+゚]
幸来って何て読むの?
:07/04/06 23:06 :N902i :Zjg70B5U
#297 [七瀬]
☆+゚さん
わかりにくくて
ごめんなさい
"ゆき"って
読みます
:07/04/06 23:09 :SH700i :TfSB5SA6
#298 [七瀬]
「おまえらが
くっつくなんか
俺嬉しいなあ…」
カズがやけに変だ
あたしはその場では
あえて黙っていた
「…俺らそろそろ
行こうか?」
「そだね…また来るね」
「絶対また来てね」
:07/04/06 23:17 :SH700i :TfSB5SA6
#299 [七瀬]
一応‥言わなくっちゃね
「またねー」
と田渕と舞は
帰って行った
「さて…カズ‥
何かあったでしょ?」
「ん?どういうことや?」
「またまたぁ‥」
:07/04/06 23:34 :SH700i :TfSB5SA6
#300 [七瀬]
「女の香水の匂い
がするけど?」
「嘘やろ?」
焦りを隠せていないカズ
「本間、本間…」
「ごめんなぁ‥」
「まじかい
匂いなんかしてないよ」
「うわ…おまえ最悪」
:07/04/06 23:46 :SH700i :TfSB5SA6
#301 [七瀬]
「最悪はどっちですか」
カズは笑いながら
あの女将さんに
会ったことを話す
お互いもう恋愛感情
はないから
と言いながら‥
「ふーん」
「ヤキモチか?」
あたしは背を向けた
:07/04/06 23:57 :SH700i :TfSB5SA6
#302 [さあ]
書かんの?
コメントも無いけど
:07/04/10 03:38 :D902iS :LErgvyXM
#303 [我輩は匿名である]
ここは展開が遅い
おもしろくないからもうきません
:07/04/10 06:42 :SH902i :69XLBpVk
#304 [つやか]
あたしはこの小説
好きだなぁ
主サンもいろいろ忙しいん
だと思うケド頑張ってね
:07/04/10 11:55 :SH902i :sAC7RIRo
#305 [さぁャ]
あたしこれ
すきだけど…
もぉ1この方が
更新率高くない?
もぉちょッといッぱい
読みたいな〜 :07/04/10 17:52 :N902i :1FGKpoU2
#306 [七瀬]
書き込みをくれた
みなさんへ
書き込みありがとう
ございます
あたし自身の私情で
いつも更新を勝手に
遅らせてしまい
本当申し訳ありません
以後遅れる場合は
書き込み入れます
でもこうしてあたし
なんかの駄作を
待ってくれてる方が
いらっしゃったので
更新なるべくするように
心がけます
今から更新させて
もらうのでよかったら
また読んでください
:07/04/10 23:54 :SH700i :QgKJUW8U
#307 [七瀬]
言わなくても
わかってるくせに
あたしはそのまま
寝たふりをした
布団をおもいっきり
被り顔を隠した
「寝たなら帰るな」
とあっさりでていった
どこまでいっても
カズは無神経だ
:07/04/10 23:59 :SH700i :QgKJUW8U
#308 [七瀬]
いつもより早く目が
覚めた
今日は退院の日
だったりする
あたしはくぅーっと
背伸びをし
カーテンをおもいっきり
開けた
陽が差し込む
眩しい‥
「幸来、おはよ」
お父さんがカズの
代わりに来てくれた
:07/04/11 00:01 :SH700i :YUyMii/g
#309 [七瀬]
まあ‥お父さんのが
頼りになるかも
しんない‥と内心
思っていた
「やっとだな」
あたしはうんと返事し
退院の準備をした
「あー‥早く優に
会いたいなあ…」
「‥そ、そうだな‥」
「ん?何?」
:07/04/11 00:06 :SH700i :YUyMii/g
#310 [七瀬]
「嫌、何もないよ」
「ふー‥ん」
あたしは何も深く
考えなかった
それが間違いだった
「さっさと片付けるか」
お父さんは荷造りを
慣れた手つきで
し始めた
「早く赤ちゃんに
会いたいなあ‥」
:07/04/11 00:07 :SH700i :YUyMii/g
#311 [七瀬]
「もう‥赤ちゃん
って名前じゃない
んだからね」
すねるように話すあたし
「年とったら忘れる
のが早くてな‥
で、何だっけ?名前」
「だから‥勢ってだよ」
優しい優と
勢いのある勢
:07/04/11 00:17 :SH700i :YUyMii/g
#312 [七瀬]
逆のふたりだけど
カズが付けた名前
「沢口さん‥
もうすぐ勢君が
こちらに来ますね」
「あ‥はい」
あたしは緊張していた
「早く勢がみたいな」
お父さんは相変わらず
呑気者だ
:07/04/11 00:23 :SH700i :YUyMii/g
#313 [七瀬]
あたしは勢が来るのを
今か今かと待った
「勢が来た」
こどもみたいに
はしゃぐあたしを
見て看護士さん絶句
「本当可愛い」
あたしは抱き上げる
‥何か優のときと
違う…
:07/04/11 00:31 :SH700i :YUyMii/g
#314 [七瀬]
元気なんよね…
いい言い方できないけど
あぁ‥って思った
「勢かえろっか」
お父さんは荷物を
持ってくれあたしたち
は朝早く病院を出た
「勢は晴れ男だね」
あたしは勢に話かける
:07/04/11 00:37 :SH700i :YUyMii/g
#315 [七瀬]
あたしはタクシーに
乗り優の病院に向かう
勢はお父さんに
預けて見てもらう
ことにした‥
赤ちゃんなのに‥
ごめんね…勢
あたしは凄い嫌な
予感がした
優に何かある…
直感でそう思った
:07/04/11 00:39 :SH700i :YUyMii/g
#316 [七瀬]
「運転手さん少し
急いでください」
‥優
あたしは焦りが
でてきた
お金を払い勢いよく
飛び出し病室へ行く
優の姿がない‥
「優‥?」
ベットが綺麗に
敷なおされている
:07/04/11 00:42 :SH700i :YUyMii/g
#317 [七瀬]
誰かみてくれてるんかな?
:07/04/11 00:43 :SH700i :YUyMii/g
#318 [七瀬]
生活感が全くない
「あの‥沢口優は
どこにいますか?」
あたしは近くにいた
看護士に聞いた
気まずそうに下を向く
「‥集中治療室です」
「え?」
「…はい」
:07/04/11 00:45 :SH700i :YUyMii/g
#319 [七瀬]
「この前旦那さんが
来て‥奥様がいま
赤ちゃんを産んでる
からと言わないで
いたみたいなんです」
「カズが‥?」
「はい…」
あたしは正直そんな
ことどうでも良かった
「あの優がいるとこ
連れてってください」
:07/04/11 00:47 :SH700i :YUyMii/g
#320 [七瀬]
あたしは看護士の
後を小走りで
着いていく
「ここです」
案内され看護士は
消えた
一緒にいたく
なかったんだろう
優…が管に繋がれて
生きている
…というより
生かされている
‥管によって
:07/04/11 00:49 :SH700i :YUyMii/g
#321 [七瀬]
「優‥ごめんね」
苦しみをわかって
あげれなくて
辛さをわかち
あえなくて
‥あなたのお母さん
があたしでごめんね
幸せにできなくて
ごめんね‥
あたしはしゃがみ
込み泣いた…
:07/04/11 00:55 :SH700i :YUyMii/g
#322 [七瀬]
優の顔が見れない
あんなにやつれて
‥あー…ぁ
あたし…何やってんの
あたしは立ち上がり
公衆電話からカズに
電話をかける
カズはすぐに出た
「仕事中にごめん」
:07/04/11 00:59 :SH700i :YUyMii/g
#323 [七瀬]
「いいよ、でどした?
公衆電話からかけて」
「今優の病院に来た」
「そっか‥」
「カズ知ってたのに
何で言って
くれなかったの?」
「言えるわけねーだろ」
「‥何で?」
「おまえが心配するから」
:07/04/11 01:01 :SH700i :YUyMii/g
#324 [七瀬]
「もういいよ‥
仕事終わったら
早く帰って来て
今日は勢もいるし」
「うん、わかってる」
あたしは優を
もう一度見て
勢の待つ家に帰った
「ただいま‥」
勢が泣いている
:07/04/11 01:05 :SH700i :YUyMii/g
#325 [七瀬]
「お父さんごめんね」
あたしは慌てて
勢を抱き上げ
母乳をあげた‥
忙しくなりそうだ
勢が寝たのを見て
携帯を開き店の子
にメールを打つ
[ごめんね
当分忙しくて
行けそうにないから
お願いしていい?]
:07/04/11 01:14 :SH700i :YUyMii/g
#326 [七瀬]
昼だったせいか
返事はすぐ来た
[わかりました
赤ちゃん産まれ
ましたか?
またみんなで
お邪魔さして
もらいますよ笑
店に早く来て下さいね]
あたしは携帯を閉じ
お父さんに話かけた
:07/04/11 01:17 :SH700i :YUyMii/g
#327 [七瀬]
「今日仕事は?」
「休んだ」
「優のこと知ってた
んでしょ?」
「‥あぁ」
「何で言って
くれなかったの?」
「言えないだろ」
「あたしは黙ってる
ほうが嫌だった」
「俺当分仕事休む
からおまえ優んとこ
行ってきな」
:07/04/11 01:22 :SH700i :YUyMii/g
#328 [七瀬]
「正気で言ってる?」
「あぁ‥」
「あたし優絶対
生き延びると思う」
「俺もや」
あたしはありがとう
とお父さんに言い
晩御飯の支度をした
「お父さん‥
一緒に住む?」
意外なことばが出た
:07/04/11 01:25 :SH700i :YUyMii/g
#329 [あかね]
:07/04/11 07:34 :N901iC :8jvVD9j6
#330 [さあ]
もぉ一つの
小説わ何て
題名ですか?
:07/04/11 15:11 :D902iS :NrpjN5bI
#331 [七瀬]
ありがとうございます
今日も少しですが
今から更新させて
もらいます
もうひとつの小説は
10才上のあなた
というやつです
:07/04/11 19:47 :SH700i :YUyMii/g
#332 [七瀬]
「おまえお父さんが
一緒に暮らしたら
困るだろ」
「はい?」
「夜の作業とかさ」
笑いながら言う父
「エロ親父」
あたしはもういいと
キッチンに行き
晩御飯を作りだす
:07/04/11 19:56 :SH700i :YUyMii/g
#333 [七瀬]
機嫌とりのように
話かけてくる父
「うるさいから」
あたしの一言で
いっきに黙った
「ごめん」
「はぁ‥いいよ
で住む?」
「それは考えておく」
あたしは意外な答え
に戸惑った
:07/04/11 20:01 :SH700i :YUyMii/g
#334 [七瀬]
夕方になり沢口が
帰って来た
「ただいま」
疲れたのが顔に
出ている
「何かあったの?」
「嫌‥いつも以上に
疲れたねん」
「そっか‥」
あたしは優のとこに
行きたかった
「今日行ける?
:07/04/11 20:11 :SH700i :YUyMii/g
#335 [七瀬]
続きばっかになって
ごめんなさい
:07/04/11 20:12 :SH700i :YUyMii/g
#336 [七瀬]
「今日は‥やめとこう」
「わかった‥」
あたしは勢のことも
あるので了解した
「俺今日は寝る」
沢口は寝室に行った
‥あたしは何も言わず
晩御飯をお父さんの
分とあたしの分を
机に並べた
:07/04/11 20:16 :SH700i :YUyMii/g
#337 [七瀬]
ふたりでご飯食べるの
何十年ぶりだろう
「幸来のご飯こうやって
食べるなんか思って
なかったな」
あたしは頷き小さく
笑った
カズの怒りを隠すのに
必死だったのだ
:07/04/11 20:22 :SH700i :YUyMii/g
#338 [七瀬]
今日勢が家に
かえってきたのに
何ですぐ寝るの?
‥あぁ腹立つよ
「幸来俺今日は
帰るな
おまえイライラしてる
みたいだしさ
明日朝また来るな」
お父さんはすぐに
かえってしまった
:07/04/11 22:47 :SH700i :YUyMii/g
#339 [七瀬]
その日あたしは
カズと違う部屋で寝た
‥だけど勢の夜泣き
でなかなか寝れない
…優よりひどいよ
カズは部屋から
出てこなかった
勢を連れて外に
散歩に行くことにした
:07/04/11 22:48 :SH700i :YUyMii/g
#340 [七瀬]
ドアを開けようと
したらカズに
呼び止められた
「おまえどこ行くんや?」
「どこって勢が
泣くから散歩だよ」
「バカか?
風邪引いたら
どうすんねん」
「あんたが勢が
いるのに寝るからやろ」
:07/04/11 22:51 :SH700i :YUyMii/g
#341 [七瀬]
あれ…?
カズ目が腫れてる
「…悪かった」
「あたしもごめん」
重い空気が流れる
「あのさ‥俺本当は
今日病院行ってきた」
「‥そうなんだ」
「で‥先生に言われた
優のガン細胞が移転
してるから手術
しないと危険だって」
:07/04/11 22:53 :SH700i :YUyMii/g
#342 [我輩は匿名である]
子供生んだばっかで、そんなに動いていいの?だいたい一ヶ月は安静にしてなくちゃいけないんじゃない?
:07/04/12 11:11 :SH902i :rANl3GjU
#343 [あかね]
子供産んだばっかでも
上の子がそんな状態で
母親が安静になんて
してられないと思います
:07/04/12 11:37 :N901iC :7tue9PdU
#344 [我輩は匿名である]
フィクションだからw
:07/04/12 11:58 :D902iS :Oq3lvVNg
#345 [えりか]
今最初から
全部読みました
凄い読んでて
楽しくて続きを
読みたい気持ちで
いッぱいです
主サンもいろいろ
忙しかッたり
すると思ォので
無理せず
頑張ッて続けて
さいネ
応援してます
:07/04/12 21:54 :SH902i :pAQsWwso
#346 [チンコッコ。チンコヲサワルトタッテクル!!!オレ、チンコッコ]
ふぃくしょんじゃん(笑
:07/04/12 21:57 :N903i :oA72rOag
#347 [七瀬]
:07/04/14 21:22 :SH700i :4dczGUpE
#348 [七瀬]
こんばんは
感想のお返事は感想板に書かせていただきます
:07/04/15 21:27 :SH700i :HkSkl/wY
#349 [七瀬]
え‥?
どういうこと‥?
あたしはなかなか
理解できなかった
…優に何が起こったの?
「明日俺はまた病院
行かないとあかん
お前は家にいろ」
あたしは首を大きく
振った
「勢はどうすんの?」
「お父さんが見て
くれるから平気」
:07/04/15 21:41 :SH700i :HkSkl/wY
#350 [七瀬]
その日あたしは結局
夜泣きと優のことで
一睡もできなかった
明日の夕方かずと
病院行くまでの間
あたしはずっと
外に出ていた
勢を抱きながら
夕方かずからの連絡
あたしはワンコール
で電話に出た
「もしもし?」
「今から迎えに行く」
:07/04/15 21:47 :SH700i :HkSkl/wY
#351 [七瀬]
あたしは何故かデート
みたいに何度も何度も
鏡を見た
…よし、大丈夫
「あたしは外に出て
かずを待つことにした」
少ししてかずが来た
無言の車内…
「あ…のかず?」
あたしから話し掛ける
片思いだった頃の
ようにドキドキ
していた
:07/04/15 21:54 :SH700i :HkSkl/wY
#352 [さ-ちャん]
:07/04/15 22:01 :N902i :RqHHyp2c
#353 [七瀬]
:07/04/15 22:09 :SH700i :HkSkl/wY
#354 [七瀬]
「何?」
「何でもない…」
うまく話せない
何この気持ち
‥もうすぐ病院に着く
「お前なくなよ」
かずに言われた言葉
が繰り返される
「泣かない…よ」
:07/04/15 22:28 :SH700i :HkSkl/wY
#355 [七瀬]
夕方だからか人は
少なかった
あたしとかずは
先生と話するため
少しだけ待った
お父さんからメール
が来ていた
凄い珍しいな…
[病院にいるから
メールにした
勢が泣いてるから
なるべく早く帰って
来てください]
何で敬語か疑問に
思ったがあえて
聞かなかった
:07/04/17 00:33 :SH700i :oud4qFpc
#356 [七瀬]
ただわかりました
だけ返事した
あたしとかずは
看護士に呼ばれ
部屋に案内された
ドラマで見るような
レントゲンを貼って
先生が説明をする
という感じだった
‥優は助かるの?
「手術がうまくいけば
助かる可能性は
充分にあります」
あたしとかずは
黙って話しを聞いた
:07/04/17 00:35 :SH700i :oud4qFpc
#357 [七瀬]
優の体は大分
弱っているらしい
手術をするのも
困難だって
だけど手術をすれば
助かる可能性はある
だけど成功する
可能性は極めて低い
可能性にかけるか‥
あたしは優に
真実を話すことにした
「優‥起きてる?」
優は珍しくテレビに
夢中であたしたちに
気付いていない
:07/04/17 00:38 :SH700i :oud4qFpc
#358 [七瀬]
あたしが近づくと
優は驚いた様子だった
「あ‥ママとパパ
どうしたの?」
あたしは優に
いきなり話した
「優‥大事な大事な
話があるの」
物分かりのいい優は
テレビを消した
沈黙した病室‥
真っ先に口を開いた
のはかずだった
:07/04/17 00:41 :SH700i :oud4qFpc
#359 [かえ]
:07/04/17 20:56 :D902iS :yysnkPLM
#360 [長島]
いつ完結すんだよ
おせーんだよ ブタ
:07/04/21 08:52 :SH902i :fAemHZ6Q
#361 [お客さん]
続き読みたいです
:07/04/21 21:37 :SH903i :qmbkOGEk
#362 [我輩は匿名である]
まぢ遅いよね
放置すんな
:07/04/22 22:35 :N902i :mt35a.2c
#363 [我輩は匿名である]
:07/04/27 00:30 :SH902i :G6sq5VOk
#364 [我輩は匿名である]
おそい
:07/04/28 10:50 :SH902i :C/Ppw1w.
#365 [我輩は匿名である]
おそい
:07/04/29 11:19 :W42S :e6vsSo/A
#366 [我輩は匿名である]
:07/04/29 20:53 :D903i :GybMn9fQ
#367 [のあ]
主サン
いつまでも待ってますから
:07/05/01 01:11 :D902i :W8.fVid.
#368 [心愛◆pl0oYS96yw]
更新楽しみに待ってます
:07/05/06 13:05 :P903i :To4v/CkQ
#369 [七瀬]
携帯が壊れデーターが
全て消えやっとサイトを
見付けました..
待たせてしまって
本当に申し訳ないです
明日から更新
させて頂きます
:07/05/08 20:15 :SO903i :PLFnP.rQ
#370 [七瀬]
やっぱり少し更新させていただきます
:07/05/08 20:17 :SO903i :PLFnP.rQ
#371 [七瀬]
>>358「優‥優の病気は
今優の体を蝕んでる
かなりひどいんだ」
優は瞬きすらせずに
かずの話しを聞いている
「わかるか優?」
優は頷いた
小さく小さく頷いた
:07/05/08 20:21 :SO903i :PLFnP.rQ
#372 [七瀬]
優は何も言わず
何も聞かなかった
かずから話すまで
「優は手術しなくちゃ
いけないんだよ
だけどな成功率は
極めて低いんだよ
だから優が決めろ」
あたしは割って入った
:07/05/08 20:24 :SO903i :PLFnP.rQ
#373 [七瀬]
いくらなんでも
幼い優が決めるなんか…
それにこんなに
単刀直入に言ったら
優が傷つくだろう
だけど違った
優は顔色一つ変えずに
わかったと言った
:07/05/08 20:26 :SO903i :PLFnP.rQ
#374 [七瀬]
その日あたしは優に
話しかけることが
できなかった…
優は話しを終えると
またテレビを付けた
あたしはその光景が
あまりに珍しすぎて
開いた口がふかざら
なかった
:07/05/08 20:29 :SO903i :PLFnP.rQ
#375 [七瀬]
優は決してあたしたち
の方を見なかった
かずは病室を出た
あたしも出ようとし
もう一度後ろを
振り向くと優は
肩を震わせていた
あたしは…声を
声をかけることが
できなかった
:07/05/08 20:33 :SO903i :PLFnP.rQ
#376 [ぽん]
あげ
頑張って
:07/05/09 01:10 :N901iS :aGTW0cTE
#377 [七瀬]
ぽんさん
ありがとうございます
あのとき‥あのとき
声をかければ良かった
と幾度となく思った
あたしは静かに
病室を後にした
病室を出るとかずが
泣いていた
:07/05/10 00:22 :SO903i :sc9pjbL.
#378 [七瀬]
目頭を押さえ下を
向き泣いている
かずのそんな姿
始めて見たよ
あたしは黙って
かずの隣に寄り添う
「帰ろう」
とかずの手を引っ張る
子どもみたいなかず
:07/05/10 00:24 :SO903i :sc9pjbL.
#379 [七瀬]
あたしは病院を出て
ベンチに座った
隣で泣くかずの手を
握ったまま…
つらかったんだよね
かずだって辛いよね
「‥俺さ」
かずはおもむろに
口を開いた
:07/05/10 00:26 :SO903i :sc9pjbL.
#380 [七瀬]
「俺さ…優のために
何かしてあげてんのかな
って思うねん
優を幸せにしてあげて
んのかなってな」
あたしは黙ったまま
かずがこんなこと
言うなんて
初めてだろう‥
:07/05/10 00:28 :SO903i :sc9pjbL.
#381 [七瀬]
あたしは
「優はきっと幸せだよ
かずの子どもで
あたしも幸せだもん
かずのおよめさんで
辛いときもあったよ
だけどその辛さは
いつか幸せに
変わるんだよ
あたしは幸せに
変わったよ」
:07/05/10 00:30 :SO903i :sc9pjbL.
#382 [七瀬]
「それに優はねかずが
だいすきなんだよ?」
かずはあたしの話しを
聞き急に立ち上がった
「かず?」とあたしが
聞き返しても何も言わ
ずただ無言で歩き出す
:07/05/10 00:33 :SO903i :sc9pjbL.
#383 [七瀬]
あたしはあえて
追い掛けなかった
携帯を取り出し
かずにメールを打つ
ここで待っています、と
少し肌寒い風が
駆け抜けていった
あたしは空を見上げ
目をつむった
:07/05/10 00:36 :SO903i :sc9pjbL.
#384 [七瀬]
知らない間に眠って
いたらしく携帯の
着信音で目が覚めた
「もしもし幸来か?」
お父さんからだった
「何?」
「まだ帰って
来れないか?
俺じゃもう勢が
てにおえなくてな」
:07/05/10 00:38 :SO903i :sc9pjbL.
#385 [七瀬]
あたしはわかった
と返事しタクシーに
乗り込んだ
かずにメールを打つ
家に着くまでの間
運転手さんがひたすら
話しかけてきた
こういうのはあまり
好きじゃない
しかも今日は余計に
うざかった
:07/05/10 00:40 :SO903i :sc9pjbL.
#386 [ちャき]
:07/05/10 00:41 :N902i :hCpvH716
#387 [七瀬]
あたしは適当に応答
していた
これも仕事で身に付けた
技術だと思っている
「はーい。着きました
お姉さん綺麗ですね
独身ですか?」
本当にうざかった
「いえ、結婚していて
子どももふたり
いてます。はい」
とお金を渡しすぐ出た
:07/05/10 00:43 :SO903i :sc9pjbL.
#388 [七瀬]
ちャきさん
読んでくれてる人
いたんですね
?
ありがとうございます
実は幸来はどこに
行っても綺麗と
言われる
高校時代はそんなに
言われなかったのだが
優を産みいきなり
言われだした
:07/05/10 00:46 :SO903i :sc9pjbL.
#389 [七瀬]
幸来は家に着き
勢の元へ駆け寄る
泣き声が外まで
聞こえていた
抱きしめる
ごめんね…ごめんね、と
:07/05/10 00:48 :SO903i :sc9pjbL.
#390 [七瀬]
ごめんね…ごめんね
勢はすぐ泣き止み
眠りについた
「やっぱ母親は
すげえな」
お父さんに言われ
照れたように答える幸来
「まあ…一応
二児のママだし」
「そうだな‥」
:07/05/10 00:54 :SO903i :sc9pjbL.
#391 [七瀬]
あたしは小さく笑った
「そういや優の調子
どうだった?」
「んー?元気だよ
いつもと違ってテレビ
ばっか見てたけど」
手術のことは今は
はなさないでおこう
:07/05/10 00:57 :SO903i :sc9pjbL.
#392 [七瀬]
「元気なら良かった
明日久々に優のとこ
俺が行ってくるわ」
あたしは何も思わず
お願いしますと言った
優はひとり病室の窓から
夕日が沈むのを
見ていた
もう‥何か決めたように
:07/05/10 00:59 :SO903i :sc9pjbL.
#393 [七瀬]
>>377-398今日更新した
アンカーです
良かったら読んで
下さい
明日学校なんで
今日はここまでに
させていただきます
明日は夜9時くらいに
更新させて頂こうと
思っています
:07/05/10 01:02 :SO903i :sc9pjbL.
#394 [我輩は匿名である]
かずもまた夕日を
見ていた
何も言わずにただ
じっと…
いつもより空が
高くとおく感じた
澄んだ空なのに
心は濁ったまま
もう優が何を考え
何を思っているのか
かずにはわかった
のかもしれない
:07/05/10 20:59 :SO903i :sc9pjbL.
#395 [七瀬]
‥涙をふきかずは
優の病室に再び向かう
泣いてる優に
気付くかず
優はかずに気づき
笑ってみせた
「パパどしたの?」
「優…決めたんだな」
優はコクりと頷く
「そっか」
沈黙が続く
:07/05/10 21:02 :SO903i :sc9pjbL.
#396 [七瀬]
「どっちか…
どっちにしたか
聞かないの?」
「聞かないよ」
優は悲しげに窓の
ほうをむく
…僕‥といいかけ止めた
かずはん?ととぼけた
様に見せた
…僕手術受けるよ
風が窓から勢いよく
入ってきた
:07/05/10 21:06 :SO903i :sc9pjbL.
#397 [我輩は匿名である]
三歳なのに表現豊かだね〜普通だったら、空見て泣いたりしないよね…まぁフィクションだから仕方ないけど。
:07/05/10 22:50 :SH902i :NjxgW4YQ
#398 [我輩は匿名である]
↑分かってるなら
言う必要ないでしょ
:07/05/11 14:44 :N901iS :NSD2rkWI
#399 [みぃ]
更新まち
:07/05/21 19:11 :SH903i :snA3hxN.
#400 [我輩は匿名である]
書かないんですか?
:07/05/28 15:33 :W42S :RJIrdgjs
#401 [なあ]
:07/06/03 18:43 :W47T :oeqm.FRE
#402 [なあ]
:07/06/03 20:54 :W47T :oeqm.FRE
#403 [我輩は匿名である]
おわったか
:07/06/25 13:00 :SH903i :93BYPdq2
#404 [みゆ]
もぅ書かないんですか
:07/07/09 18:06 :N902i :8VCi00UA
#405 [七瀬]
放置しすぎて本間にすいませんでした.
もう書かないつもりでしたがやっぱり最後まで書きたいので書かせてもらおうと思いまた来ました.
ホントにすいません
今日から更新させて頂きます
:07/07/11 16:30 :SO903i :zrnK4WLI
#406 [七瀬]
:07/07/11 16:36 :SO903i :zrnK4WLI
#407 [七瀬]
"冷たいな"
かずが話しかけると
優は震えていた
..優?
慌ててかずは
ナースコールを押す
何回も.何回も
:07/07/11 16:42 :SO903i :zrnK4WLI
#408 [七瀬]
医師が走って入ってきた
..かずの心臓は
ドクドクと今にも
出てきそうだった
聴診器を優の胸に当てる
医師が難しそうな顔をし
かずに話しかけてきた
:07/07/11 16:45 :SO903i :zrnK4WLI
#409 [七瀬]
「優君は今とても
危険な状態にいます」
..冷静な医師が余計に
腹立たしく思えた
「どうすれば優は
助かるんですか?」
「今から緊急手術を
行います」
:07/07/11 16:47 :SO903i :zrnK4WLI
#410 [七瀬]
..今から手術?
かずは承諾し急いで
幸来に電話をする
動揺と焦りでうまく
ボタンが押せない
「優..」
かずは知らぬ間に涙を
流していた
「もしもし?」
明るい声で幸来がでる
:07/07/11 16:49 :SO903i :zrnK4WLI
#411 [七瀬]
「幸来.落ち着いて聞けよ
今から優が手術をする
」
俺のんが落ち着いて
ないかもしれない
「わかった
今すぐそっちに行く」
幸来は強かった
強がってたのかも
しれないが..
:07/07/11 16:52 :SO903i :zrnK4WLI
#412 [七瀬]
かずはすぐに電話を切り
手術室の前でウロウロ
していた
手には沢山の汗
時計の秒針の音が
耳から離れない
..優助かってくれ
「あの.優くんの
パパですよね?
輸血が必要なんです」
..優はA型
:07/07/11 16:55 :SO903i :zrnK4WLI
#413 [七瀬]
俺は..B型だった
悔しい..
「幸来が母親がAなんです」
俺は必死に幸来が
来るのを待った
わからないが多分
..それから10分くらい
して幸来が来た
息をきらしながら
..幸来幸来
:07/07/11 16:57 :SO903i :zrnK4WLI
#414 [七瀬]
幸来
「幸来優に輸血‥」
幸来は腕を出し
「あたしの血いくらでも
取って下さい」
幸来は血液を取りに行く
..やっぱり俺は
何もしてあげれない
優のために何も
悔しくて仕方なかった
:07/07/11 16:59 :SO903i :zrnK4WLI
#415 [七瀬]
幸来が返ってきた
よほど血液をとったのか
幸来はふらふらだった
元々透き通るように
肌の白い幸来がさらに
白くなった気がする
でもどちらかと言えば
青白いのかもしれない
「幸来、大丈夫か?」
:07/07/11 17:02 :SO903i :zrnK4WLI
#416 [七瀬]
:07/07/11 17:04 :SO903i :zrnK4WLI
#417 [七瀬]
「だ..大丈夫だよ」
俺はそっと幸来の
手を握った
..優の回復を祈りながら
それから何時間かして
医師がでてきた
俺らは駆け寄る
「先生、どうでしたか?」
..先生は深呼吸をする
早く言えよ
:07/07/11 22:25 :SO903i :zrnK4WLI
#418 [七瀬]
「とりあえず..
今は安静にすること
ですね
大丈夫です
優くんは助かりますよ」
曖昧なことを言う医師
感情を押さえきれない
俺はどなり散らした
「かず止めてよ」
幸来が止めてもきかない
:07/07/11 22:34 :SO903i :zrnK4WLI
#419 [うー]
書かないの?
:07/07/16 08:24 :N902iS :CFoWsSH2
#420 [朱里愛]
:07/07/16 08:57 :N702iD :qGaxomhM
#421 [七瀬]
うーさん
すいません
誰ももう読んでくれて
ないと思って放置
しちゃいました..
:07/07/16 09:45 :SO903i :SAS29SPo
#422 [七瀬]
朱里愛さん
ありがとうございます
凄い励みになります
明日から更新させて
いただきます
:07/07/16 09:47 :SO903i :SAS29SPo
#423 [うー]
楽しみにしてます
:07/07/17 12:35 :N902iS :FWiUNR4k
#424 [七瀬]
:07/07/17 22:15 :SO903i :tv8md1rI
#425 [卍]
がんばれー
:07/07/17 22:16 :SH902iS :0HA/7ryU
#426 [七瀬]
冷静に..冷静に..
幸来は必死で止める
‥「ごめん」
かずはいきなり謝った
「俺が冷静にならなきゃ
いけないのにな」
:07/07/17 22:18 :SO903i :tv8md1rI
#427 [七瀬]
:07/07/17 22:21 :SO903i :tv8md1rI
#428 [七瀬]
手術中のランプが消えた
その瞬間かずの心臓の音
幸来の心臓の音は
高なりを増していく
..ドキドキドキ
優が出てくるのを待つ
ドアが開く
「ゆうっっ」
:07/07/17 22:24 :SO903i :tv8md1rI
#429 [七瀬]
幸来はかけよっていく
沢山の管が優に繋れていた
管によって生かされて
るようだった
..目を瞑ったままの優の
頬を幸来は触る
..冷たい
でも優は生きている
管によって‥
:07/07/17 22:27 :SO903i :tv8md1rI
#430 [七瀬]
かずは下を向いたまま
手を強くぎゅってしてた
..え?
あたしはあたしは
何もわからなかった
頭が真っ白になった
生まれて初めて
頭の中が空っぽになった
:07/07/17 22:31 :SO903i :tv8md1rI
#431 [七瀬]
待って..待って..
理解できないよ?
かず..どういうこと?
あたしは真っ白になり
言葉すら発せない
‥かずはしゃがみこむ
涙を床におとしながら
かず?説明してよ
:07/07/17 22:33 :SO903i :tv8md1rI
#432 [七瀬]
医師があたしに何か話す
聞こえない
嫌、聞こえないふりをしていた
聞きたくなかった
頭を深々と下げ
"18時37分ご臨終です"と
あたしは何も言わず
立ったまま
涙もでないまま
:07/07/17 22:36 :SO903i :tv8md1rI
#433 [七瀬]
でも理解できたんだ
もう一度優に触れる
つめたかった
さっきよりずっと..
でもね綺麗なんよ
"優?"
って話かけたら
太陽みたいな笑顔で
"ママどうしたの?"
っていいそうなんだ
:07/07/17 22:39 :SO903i :tv8md1rI
#434 [七瀬]
誰か読んで下さってますか
:07/07/17 22:40 :SO903i :tv8md1rI
#435 [七瀬]
かずを見た
床を何度も何度も叩いてた
看護師さんに止められ
ても何度も何度も.
泣きながら
あたしはかずの隣にいき
かずの手を握った
あったかい..
違った
優と違った
:07/07/17 22:44 :SO903i :tv8md1rI
#436 [七瀬]
暖かい..
あたしはその場に
泣き崩れた
こどもみたいに
泣いても優は還って
来ないのに
涙が止まらない
優..優..
何度何回泣き叫んだのだろう
誰かに肩を支えられ
優が待つところへ連れていかれた
:07/07/17 22:46 :SO903i :tv8md1rI
#437 [ひちゅ]
:07/07/17 23:23 :SH902iS :Oy30FHCo
#438 [七瀬]
管も外されいつもの
可愛い優だった
:07/07/17 23:34 :SO903i :tv8md1rI
#439 [七瀬]
:07/07/17 23:43 :SO903i :tv8md1rI
#440 [七瀬]
ただひとつ違うことは
息をしてないこと
ただそれだけなのに
ただそれだけなのに
こんなにも悲しい
..ゆうって何回か叫んだ
じゃあ優が少し笑った
気がしたんだ
"ママ叫びすぎだよ"って
:07/07/17 23:45 :SO903i :tv8md1rI
#441 [七瀬]
幻聴なのにね
聞こえた気がしたんだ
あたしは涙をふき
優に抱きついた
小さな小さな細い体
柔らかくて栗色の髪
パパに似た優しいめつき
ママに似た小さな口
ごめんなさい..優
:07/07/17 23:47 :SO903i :tv8md1rI
#442 [七瀬]
幸せにしてあげれなくて
ごめんなさい
我慢ばかりさせて
ごめんなさい
何もできなくて
ごめんなさい
ごめんなさいって
言っても仕方ないのに
優..あたしはかずは
貴方に何ができてた?
:07/07/17 23:48 :SO903i :tv8md1rI
#443 [七瀬]
あたしはその日その場
からはなれなかった
夜も寝ないで優の手を
握ったまま
朝になってあたしは
気付いた
"優おはよう"
もう言えないことに
もう返事が返って
こないことに..
:07/07/17 23:50 :SO903i :tv8md1rI
#444 [うー]
見てるから頑張ッてね
:07/07/18 00:56 :N902iS :BEXjFiQc
#445 [ゆーたん]
ずッと読んでます(、_`px
これからも頑張ッて下さい(∀)!イ
:07/07/18 05:01 :W51SH :8Wfc5wy.
#446 [七瀬]
うーたんさん
ありがとうございます
:07/07/18 08:56 :SO903i :56lwcOek
#447 [七瀬]
ゆーたんさん
ありがとうございます
今から少し更新します
:07/07/18 08:57 :SO903i :56lwcOek
#448 [七瀬]
:07/07/18 08:58 :SO903i :56lwcOek
#449 [七瀬]
だけどあたしは何度も
"おはよう"って言った
優が返してくれる気がして..
「幸来もう止めろ」
かずに言われても
あたしはずっと話しかけた
今日優家に帰れるんだね
あたしはただの外泊と
自分に言い聞かせた
:07/07/18 09:03 :SO903i :56lwcOek
#450 [七瀬]
あたしは何も聞かなかった..
誰に何を言われても
その日の夕方くらいに
優が家に返ってきた
あたしは豪華な料理を
作って待ってた
優の分もわけてあげた
「いただきまーす」
:07/07/18 09:10 :SO903i :56lwcOek
#451 [七瀬]
優と最後の晩御飯
涙で味がわかんなかった
「幸来今日かなり
手込んだんだな」
お父さんに言われても
こたえなかった
みんなのすすり声が
聞こえる
「ごちそうさまでした」
:07/07/18 09:12 :SO903i :56lwcOek
#452 [七瀬]
明日優は星になる
一番輝く星になる
その日あたしは優と勢を
真ん中に親子四人で寝た
「おやすみなさい」
優の手を握ってた
暖かくなるように
優が少しでも寒くないように
:07/07/18 09:17 :SO903i :56lwcOek
#453 [七瀬]
次の日舞が来てた
田渕と一緒に来てくれた
どこから情報を得たのか
聞く気力もなかった
"おはよう"
あたしは同じように
話しかけた
舞はあたしを見た瞬間
そっと手を握ってくれた
ああ..舞ありがとう
:07/07/18 09:19 :SO903i :56lwcOek
#454 [七瀬]
静かな告別式が行われた
かずと勢そしてお父さん
舞と田渕とあたしと優
たった七人だけの静かな
お別れの式
"バイバイ"は寂しいから
"まなね"って言って
優が前にいってた
だからあたしたちは
優に向かって
:07/07/18 09:21 :SO903i :56lwcOek
#455 [七瀬]
"優またね
またそっちで会おうね"
優は星になりました
病気で骨は少ししかなかった
こんなにも病気は優を
蝕んでたんだ
悔しかった
本当に悔しかった
少ない骨を集めて
小さな箱に入れた
:07/07/18 09:24 :SO903i :56lwcOek
#456 [七瀬]
その日あたしは優に
最初で最後のラブレター
を書きました
優へ
あたしは優に幸せにしてもらいました
とてもとても幸せでした
あなたがいてくれてあたしは毎日が楽しかった
あたしはあなたを幸せにできてましたか?
いつもあなたの笑顔に勇気づけられたよ
:07/07/18 09:26 :SO903i :56lwcOek
#457 [七瀬]
あたしが辛いとき側にいてくれてありがとう
あたしは優のために力になれてたかな?
あたし少しでも優のために何かしてあげれたかな?
いつも頼ってごめんね
疲れたよね、優
ありがとうね
また来世で会おうね
そしたら親子じゃなく次は優の彼女にしてほしいな
:07/07/18 09:29 :SO903i :56lwcOek
#458 [七瀬]
優ならきっと幸せにしてくれるから
優、元気でね
あたしがそっちに行ったら優は大人になってるかな?
彼女いたらショックだけどママに紹介してよね
優、ありがとう
ママは優をあいしてます
またねっ
幸来より
:07/07/18 09:31 :SO903i :56lwcOek
#459 [七瀬]
優ありがとう
あなたの言葉全てにあたしは勇気づけられました
あたしはその手紙を優の
遺骨の前に置いた
そしたらもうひとつ
封筒がおいてあった
"ゆうへ"
かずの字だった
:07/07/18 09:33 :SO903i :56lwcOek
#460 [七瀬]
"ゆうへ
何もできなくてごめんな
我慢させてごめんな
優はいい子すぎたな
甘えて良かったんやで
優が大きくなったら一緒に風呂入ったり
野球したり男同士の話したりしたかったな
また次生まれ変わっても俺らの子でいてくれよ
ママは優がいなくなって毎日泣くと思う
でも心配しなくていいからな
:07/07/18 09:41 :SO903i :56lwcOek
#461 [七瀬]
俺がいるから
優は休んでいいからな
でももし何かあったら助けてくれよ
たよりにしてるからな
優俺らのこどもでありがとうな
何もできない親でごめんな
弘和
:07/07/18 09:43 :SO903i :56lwcOek
#462 [七瀬]
その手紙の隣にあたしは
そっと重ねて置いた
目を瞑り優を思い出す
"ありがとう、優"
その日の星はとても輝いてた
優がいるんだ
優がいるんだ..
優が亡くなってから
約10年が過ぎた
あたしは毎日泣いていた
でもねひとつ報告があります
:07/07/18 09:48 :SO903i :56lwcOek
#463 [七瀬]
:07/07/18 09:50 :SO903i :56lwcOek
#464 [七瀬]
勢が10才になり
パパが36才になり
ママが28才になりました
この10年の間に
沢山のことがあったよ
舞と田渕が結婚して
こどもを産みました
名前は"優"のように
優しくなるように
"優歌"ちゃんだって
優も空から見てるかな?
:07/07/18 23:04 :SO903i :56lwcOek
#465 [七瀬]
それから
パパは学年主任になりました
ママは今病気の看護師
として働いてます
あれから大学に行きました
周りは若い子たち
でママ浮いてたよ
でも頑張ったよ
優がいつも側にいてくれたから
そして勢は今少年野球に
燃えています
:07/07/18 23:11 :SO903i :56lwcOek
#466 [七瀬]
やっとレギュラーに
なれたんだって
そういや優は今年高校生
だもんね
彼女の一人や二人くらい
できたかな?
ママ少しショック
最近高校生を見ると
優とかぶっちゃいます
でもきっと優なら
そっちでうまくやってるよね?
:07/07/18 23:13 :SO903i :56lwcOek
#467 [七瀬]
そうそう報告と言うのはね..
優のおじいちゃん
今恋してるんだよー?
しかもゲートボールで
知り合ったおばあちゃん
これおばあちゃんには
秘密にしてあげてね?
おじいちゃん可愛いよ
今度デートなんだって
あたしこっそりついていこうかな?
:07/07/18 23:15 :SO903i :56lwcOek
#468 [七瀬]
さあて、今日も1日
頑張ろっかな〜
「幸来弁当は?」
「あっいけないっ
優に話し聞いて
もらっててすっかり忘れてた」
「おいー、優ママを
どうにかしてくれよ」
「え?おかあさん
ご飯ないの?」
:07/07/18 23:19 :SO903i :56lwcOek
#469 [七瀬]
「本当ごめんなさーい
コンビニで何か
買って持ってって?」
「「まじ最悪」」
ぷっ..ふたり同じこと
言ってる〜
「「いってきまーす」」
「行ってらっしゃい」
「では..そろそろ
あたしも行ってきます」
そして手を合わせた
:07/07/18 23:22 :SO903i :56lwcOek
#470 [七瀬]
この広い空の下
あたしらは生きている
あたしが産まれてから
28年間色々あった
それが今あたしとなって
あたしを成長させる
平凡だったあたしの人生
だけどあなたに出会い
あたしの人生は変わった
毎日が刺激的だった
:07/07/18 23:25 :SO903i :56lwcOek
#471 [七瀬]
毎日が驚きと感動の
連続だった
壁があった
"先生とあたし"
なのに恋はあたしらを変えた
止まらなかった
進み続けた
そりゃ時には狂ったよ
だけどあたしたちは
常に互いを求めた
"先生"から"かず"へ
"かず"から"あなた"へ
:07/07/18 23:28 :SO903i :56lwcOek
#472 [七瀬]
:07/07/18 23:30 :SO903i :56lwcOek
#473 [うー]
続き楽しみにしてます
:07/07/20 20:02 :N902iS :gf2WyxzM
#474 [うーちャん]
書かないの?
:07/07/22 15:20 :N902iS :ALF2tnxU
#475 [香世]
すごくいい小説
本として出版してください
!!
:07/07/22 16:23 :N702iD :MYD9Ev6U
#476 [七瀬]
すいません
放置みたいななっちゃって..
今日の昼からまた更新するんで良かったら
読んで下さいっ
:07/07/23 00:52 :SO903i :NIFJuBVg
#477 [七瀬]
うーさん
すいません
放置みたいななっちゃって..
今日の昼からまた更新するんで良かったら
読んで下さいっ
:07/07/23 00:53 :SO903i :NIFJuBVg
#478 [七瀬]
香世さん
とんでもないですよ
こんな駄作
もうすぐ完結予定なんであたし自身少し寂しいですが..
:07/07/23 00:55 :SO903i :NIFJuBVg
#479 [七瀬]
:07/07/23 00:58 :SO903i :NIFJuBVg
#480 [七瀬]
境界線を超えること
一線を超えることを選んだ
そう.
愛を選んだのだ
でもあたしは後悔なんてしない
するのは少しの反省だけ
あたしはあたしの道を
選んで心底良かった
:07/07/23 01:00 :SO903i :NIFJuBVg
#481 [七瀬]
ただひとつ後悔がある
それは..優を幸せに
してあげれなかったこと
でももし来世で会ったならあたしは絶対に
あなたを幸せにする
:07/07/23 01:02 :SO903i :NIFJuBVg
#482 [七瀬]
誰よりも..
"先生?うち先生のことキライじゃないよ"
"幸来、先生なお前を幸せにしてあげたい"
あたしは玄関のドアを開く
大きく深呼吸をする
..あ
:07/07/23 01:05 :SO903i :NIFJuBVg
#483 [七瀬]
「かず〜せい〜待ってくれてたんだねー」
「「おせーよ」」
優?行こっか
あたしは空を見上げた
今日も1日頑張ろうね
優?見えてる?聞こえてる?
あたしは胸にさげてある優の魂の入ったネックレスを触る
:07/07/23 01:08 :SO903i :NIFJuBVg
#484 [七瀬]
あたしはもう一度空を見上げさっきより
大きく息を吸う
「いこっか」
今日もあたしは生きてます
かずとせいと
ゆうと共に
..
あたしは目を閉じ小さく小さく
息を吐いた
また優に出会えますように..と願いながら
-完-
:07/07/23 01:11 :SO903i :NIFJuBVg
#485 [七瀬]
やっと完結しました
これも放置しすぎるあたしを励ましてくれたり
支えてくれたりした
みなさんのおかげです
この"先生とあたし"を書いて早一年も経ちました
なのに読んで下さって感謝の気持ちでいっぱいです
みなさんがいなかったら途中で投げ出していたと思います:07/07/23 01:14 :SO903i :NIFJuBVg
#486 [七瀬]
正直ずっと書いてたやつなので完結すると少し寂しいです..
でもまた新しいのを書かせていただこうと思います
まだまだ未熟者なあたしですがこれからもおつきあいしていただけたら嬉しく思います
本当にありがとうございました
また良かったら感想お聞かせ下さい
2007.07.23.
:07/07/23 01:17 :SO903i :NIFJuBVg
#487 [七瀬]
:07/07/23 02:18 :SO903i :NIFJuBVg
#488 [七瀬]
:07/07/23 02:25 :SO903i :NIFJuBVg
#489 [みか]
ホントに泣けました。いい小説有難うございました。
:07/10/17 16:24 :PC :b3q/F2P.
#490 [我輩は匿名である]
:07/12/09 12:30 :W43H :JDSSIAWU
#491 [我輩は匿名である]
:07/12/09 12:31 :W43H :JDSSIAWU
#492 [七瀬]
あげます
ありがとうございます
:08/01/29 20:10 :SO903i :kwCzaEss
#493 [まな]
昨日観させてもらいました
あたしも中2から高2まで
中学の先生が大好きでした
:08/01/29 22:28 :D902iS :LiCWqNoM
#494 [X]
:08/01/29 22:51 :W45T :h9kZ/Tz6
#495 [X]
:08/01/29 23:19 :W45T :h9kZ/Tz6
#496 [七瀬]
まなさん
そうなんですか
先生って何かいいですよね
安価ありがとうございます
:08/01/30 00:23 :SO903i :SE9/1A42
#497 [まな]
ぃぃですよね
先生が居なくなっても
3年間ずっとすきだったんですよ
できれば付き合いたかったです
この小説を読んだら
共感する部分たくさん
ありました
機会があったらまた
小説つくって下さいね
:08/02/02 01:16 :D902iS :zRaL797s
#498 [七瀬]
三年て凄いですね
わかります
付き合いたいキモチ
今は新しい恋愛されてるんですか
今書いてますよ(笑)
先生物じゃないですが…
先生物書きたいんですがね
:08/02/02 03:00 :SO903i :pXkGUl.I
#499 [まな]
彼氏ゎいるケド,
先生の事ゎまだ好きな気持ちです
,,
ぃぃかげん諦めたいんですけどね
小説書いてるんですか
是非よみたいです
:08/02/02 15:15 :D902iS :zRaL797s
#500 [七瀬]
そうなんですか
でも無理に諦めることないと思いますよ
彼女とあたしって言うのなんです
ありがとうございます
:08/02/02 15:31 :SO903i :pXkGUl.I
#501 [まな]
告白したケド,普通にダメでした
是非読ませてもらいます
:08/02/03 12:18 :D902iS :EuDXAqmg
#502 [まな]
:08/02/03 12:19 :D902iS :EuDXAqmg
#503 [我輩は匿名である]
:08/02/04 04:03 :SH905i :TbAkdUXI
#504 [七瀬]
まなさん
書き込みに気付き
ませんでした(>_<)
告ったとか凄いです
あたしはただ好きで
いるだけでした
安価ありがとうございます
:08/02/17 15:35 :SO903i :ebrYfBOI
#505 [まな]
告白できないのが
普通ですよ
なんか凄く勇気だしましたよ
でも世の中にゎ
先生と付き合ってる
生徒もいるんですよね
うらやましい
:08/03/01 02:21 :D902iS :9wYD1S0s
#506 []
:08/03/12 21:04 :D902iS :9yyWy1CI
#507 [りか]
:08/06/03 00:44 :SH903i :.n3yz/VQ
#508 [りか]
:08/06/03 00:46 :SH903i :.n3yz/VQ
#509 [我輩は匿名である]
タイトル
パクられあげ(笑)
:08/06/03 18:18 :W61T :mVnStXKY
#510 [我輩は匿名である]
:08/06/03 19:26 :F703i :XXpZ3.h.
#511 [我輩は匿名である]
:09/07/27 22:34 :706P :pu5F1eIA
#512 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)↑
:22/10/19 06:54 :Android :A4ZzuHng
#513 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/20 21:52 :Android :nvDpRiyU
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