きみを送る
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#910 [
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【第15章 コウ】
「コウ…泣いてるんか?」
「……………」
「おい……」
「目にゴミが入りました。すみません」
…古い言い訳やな。
コウは目を拭って部屋をでていった。
…なぜ泣いた?
俺は一人になり
コウの座っていた椅子をじっとながめていた。
:07/04/24 01:54
:SH901iS
:☆☆☆
#911 [
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そういえば俺
コウの事何も知らない。
以前さくらが出た時
あいつは冗談だと言ったが
《母が亡くなった時、お腹にいたのがさくらです》
あれは…あの言葉は…
コウの母親の死を意味している。
:07/04/24 02:22
:SH901iS
:☆☆☆
#912 [
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コウの母親は
亡くなっている……
父親は……?
いる…んだよな…?
別荘まであるんやから…
もし………
もし父親までもおらんかったらあいつは
あいつは一人で生活してる事になる。
いや、父親はいる。
父親は絶対いるはずや
:07/04/24 02:24
:SH901iS
:☆☆☆
#913 [
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《ガチャ》
俺が頭の中で
思いを巡らせていた時、
部屋のドアが開いた。
「先程はすみませんでした。そろそろ帰りましょうか?志乃くんも幸子さんに会いたいでしょうし」
「……………」
「どうかしましたか?」
俺はよほど変な顔でコウを見ていたのだろう、コウは俺を心配した表情で見ていた。
:07/04/24 02:27
:SH901iS
:☆☆☆
#914 [
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……聞くべきか?
なぜ泣いていたかを。
でも俺には
そんな勇気はなかった。
もし………
《お前の親父は?》
と聞いたとして
《いませんよ》
などと言われたら
俺は…
俺は何も言えなくなる。
「帰る準備するわ」
:07/04/24 02:30
:SH901iS
:☆☆☆
#915 [
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「そうですね、このはさん達は、あと一泊するそうです」
「お前は?」
「志乃くんと帰りますよ」
不本意ですが…とコウは続けた。
「なんで」
「志乃くん一人では迷子になりそうで心配ですから」
「……………」
「どうしました?突っ込まないんですか」
:07/04/24 02:32
:SH901iS
:☆☆☆
#916 [
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「……いや…悪い…」
「なぜ謝るんですか」
「……………」
「志乃くん?」
「……………」
「……マルハゲ…」
「ちゃうわ!」
「そこは否定するんですね」
コウは俺を見てニッコリ笑った。
:07/04/24 02:40
:SH901iS
:☆☆☆
#917 [
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聞かない方がいいのかも知れない。
泣いていた事を
見なかった事にした方がいいのかも知れない。
目にゴミが入ったと言い訳したコウは
母親の死を造り話と言ったコウは
コウは隠したいのかも知れない。
………なにを?
:07/04/24 02:44
:SH901iS
:☆☆☆
#918 [
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「志乃くん早く準備して下さいよ」
いつも敬語を使い
あまり感情を表に出さないコウ。
コウは…
コウは何を隠している?
何を…
何を考えている?
コウの敬語に隠された本心は…?
:07/04/24 02:46
:SH901iS
:☆☆☆
#919 [
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「志乃くん!」
「えっ…」
急にコウがでかい声を出して、俺は身体をびくつかせた。
「何考えてるんですか。早く準備して下さいよ」
「あ…悪い…」
「どうかされました?志乃くん変ですよ?」
「……いや……」
「まぁ、髪形が一番変ですけど」
「やかましい」
:07/04/24 02:48
:SH901iS
:☆☆☆
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