きみを送る
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#201 []
「パーティー用の服がないので、貸して下さい」

コウは俺に取り憑いてる。

間違いない。

…てかパーティー用の服て

………なに?

「ふだん着でえーんちゃうん?」

「だめですよ」

⏰:07/03/31 00:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#202 []
「なんで」

「パーティーですから、それなりに正装しなければ」

「……………」

こいつまさか
タキシードとか着るよーなパーティーと勘違いしてるんちゃうんか…?

「俺、タキシード持ってないで」

「誰がタキシードを着ると言いました?あなた馬鹿ですか」

⏰:07/03/31 00:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#203 []
「志乃くん、僕たち高校生ですよ?タキシードを着るようなパーティーなんて、出来るわけないでしょう」

馬鹿にした口調で言い続けるコウ。

……こいつマジしばくしばくしばく!!

「志乃くん…僕を殴ろうとしても無駄ですよ」

⏰:07/03/31 00:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#204 []
「あなたの弱々しい拳では蚊も殺せません」

コウはフッと鼻で笑い
歩き出した。

…むかつく!!
むかつくむかつく!!

俺はたった今、
ボクシングジムに通うことを決めた。

⏰:07/03/31 00:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#205 []
「コ〜〜ウ!!」

リング上でコウをKOしている俺の妄想を突き破って
女の声が響いた。

「先程ぶりですねさくら」

棒読みに近い状態で
コウが言った。

「今から実行!?」

キャピキャピしながら
さくらがコウの腕に自分の腕をまきつかせる。

「いえ、今日は中止です」

⏰:07/03/31 00:44 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#206 []
「え〜!なんで!?」

「今日はパーティーに行く事にしました。ですから明日、実行します」

「パーティー!?」

目をキラキラさせるさくら

…嫌〜な予感…

「うちも行く〜!!」

……的中。

⏰:07/03/31 00:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#207 []
「あかんっ…」
「そうですね、いいでしょう。一緒に行きましょう」

はーーー?

「やったー!!」

あんぐりと口を開ける俺をよそに、さくらは跳びはねて喜んだ。

「大丈夫ですよ。皆さんには、さくらは見えません」

…そーゆー問題ちゃうし!

⏰:07/03/31 00:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#208 []
「コウ…パーティー中は、さくらちゃんと話すなよ」

「なぜ」

あたりめーだろ!!

お前はただでさえクラスのやつらに変人って呼ばれてんのに
この上先輩にも…

「人と人との繋がりは、会話なしではできませんよ」

繋がりたくねー…

⏰:07/03/31 00:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#209 []
「それに……」

コウは少し考えたような顔つきで言った。

「今日さくらを連れて行けば、明日志乃くんは幸子さんと一緒にいれるかもしれませんよ」

「え!?なんで!?」

「僕の考えが正しければ、明日のゲームは今日のうちにできるはずですから」

⏰:07/03/31 01:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#210 []
ゲーム…
ゲームは嫌な予感がするが

明日幸子と………

「さくらちゃん!ついてきたまえ!!」

俺のテンションは上がりまくった。

「……単純ですね」

⏰:07/03/31 01:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#211 []
俺はコウを引き連れて
家についた。

「お邪魔します」

…ほんまにな。

「志乃くん、ジュー…」
「ありません。お茶しかありません」

コウはムスッとしながら

「じゃあ、お茶を」

と言った。

…相変わらず生意気…

⏰:07/03/31 01:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#212 []
お茶を取り、部屋に戻ると

この前のように
くつろいだ姿のコウが目に入った。

…イライラ

「志乃くん」

「なに」

「先日、僕ジュースが飲みたいと言いましたよね?」

「だから?」

「普通、ジュース用意しておきませんか?」

⏰:07/03/31 01:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#213 []
「なぜ」

「僕が飲みたい、と言ったからです」

…この世界はお前中心に回ってるのか?

「次からはジュース、用意して下さいね」

次もあるの…?

「何のジュースやねん」

「野菜生活を」

ジュースのうちに入るのか!?

⏰:07/03/31 01:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#214 []
「最近野菜不足でイライラしてしまいます」

俺は最近お前のせいでイライラしてます。

「そういえば…」

コウは部屋を見渡した。

「今日はさきさんと…りえさんいないんですか」

「知るか」

「冷たいですね」

お前に言われたないわ!

⏰:07/03/31 01:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#215 []
「…りえって…?」

さくらが口を開いた。

「コウ…りえって……」

コウはさくらをギロリと睨み、さくらは黙ってしまった。

「?」

りえが何だ?

「どうしたん?」

「何もないです」

⏰:07/03/31 01:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#216 []
「ところで、何を着ていきますか?」

「どこに」

「パーティーですよ」

こいつ…
楽しみにしすぎちゃうか?

「タキシード」

俺はイヤミたっぷりに言った。

「…志乃くん似合わなさそうですからやめた方がいいですよ」

⏰:07/03/31 01:44 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#217 []
…イライラ

「僕はスーツがいいです」

「ありません」

「では何を」

「Tシャツとジーパンでえーやろ!」

コウは目をまんまるに見開いた。

「…パーティーらしくないふだん着ですね」

お前はどんなパーティーを予想してるんや!

⏰:07/03/31 01:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#218 []
夕方になり、
俺とコウ(と、さくら)は
瑠美先輩の家に向かった。

「コウ…ここ…すごい!」

さくらは目をキラキラさせながら瑠美先輩の家を見つめる。

「はい。やりがいありそうですね」

心なしかコウの表情も明るい。

……なんや…?

⏰:07/03/31 01:53 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#219 []
「では、準備はよろしいですか?」

「万全です!」

「…………」

「志乃くん、掛け声を」

「なんの」

「準備万全の」

「だからなんの準備…」

「ではまいります」

何が始まるのだ!?

⏰:07/03/31 01:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#220 []
インターホンを鳴らし、
瑠美先輩がでてきた。

「いらっしゃい!入って」

ニコニコした瑠美先輩に
俺たちはリビングに通された。

…な……なんだこりゃ…

霊、霊、霊のオンパレード

むしろ霊と人間の区別がつかんほど人が溢れかえっている。

⏰:07/03/31 01:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#221 []
「やはり……」

ニヤリと口の端を上げながら言うコウ。

「うっわ〜!今日はすごいなぁ!予想以上!!」

キラキラさせた目を丸くしながら喜ぶさくら

「え…?え??」

「ゲームの始まりです」

⏰:07/03/31 02:00 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#222 []
【第三章 死者ゲーム】

「コウ?なんやねんこれ」

「霊です」

見てわかりますけど

「だから、ゲームって…」

「死者送りゲームです」

はーーー??

「なんやねんそれ」

「さくらとするゲームです」

「ですからゲームの意味を聞いてるんですけど!」

⏰:07/03/31 02:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#223 []
「言葉の通り、死者を異界に送るんです」

「…………」

「志乃くん」

「…なんのこっちゃ」

「あなたも既にゲームに参加してます」

「どういう意…ぐえっ!」

俺は背後から首を掴まれた

⏰:07/03/31 02:08 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#224 []
「さくら…志乃くんの準備がまだですよ」

「え!ごめ〜ん!もうスタートしちゃったよ」

「…しかたないですね」

コウは俺の首を絞めていた男の霊をペリッと引きはがし、その男の首の一部をグリッと押した。

その瞬間、男はキラキラと光をはなち、消えていった

⏰:07/03/31 02:11 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#225 []
「…なんやねん一体…」

「説明は省きます。負けないで下さいね。負けたら殺されますよ」

説明しろ!!

負けないでと言われても
どうやって勝つのかすらわからない。

「あれ!?死者ゲームちゃうん!?」

俺の背後から驚いた声が聞こえた。

⏰:07/03/31 02:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#226 []
振り返るとそこには

「なんで?誰が死者ゲーム始めたの?」

キョトンとした顔の
瑠美先輩がいた。

「え…?」

「柏木君がしてるん?」

「いや…てか瑠美先輩…見えるん!?」

「霊やろ?見えるよ〜!」

信じられない…
瑠美先輩も……
霊が見えるのか……

⏰:07/03/31 02:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#227 []
「せっかくのパーティーがぁ〜…」

うなだれる瑠美先輩の背後に、ニヤリとした男の霊が近づいた

「危ない!!」

俺はとっさに瑠美先輩の腕を掴み引き寄せた

男の霊は俺に向かって突進してきた。

「どうすんねんコレ〜!」

⏰:07/03/31 02:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#228 []
「志乃くん、負けないで下さい」

他の霊と絡まり合うコウが俺に向かって言った。

「どうやって勝つねん!」

「首の後ろを押すの!」

瑠美先輩が俺に向かって叫ぶ。

首の後ろ〜??

⏰:07/03/31 02:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#229 []
俺はその男の首の後ろに手を回す。
が、俺の手は男の身体をすりぬける。

「無理やし!」

「一部分だけ、押せるところがあるの!」

一部分て!!

わかるかい!

俺は必死で男の首をまさぐる。

⏰:07/03/31 02:24 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#230 []
…あった!!

一部分だけ、
触れる部分があった。

俺はそこをグリッと押した。瞬間、
男から光が放たれ、消えた

「やっつけた!!」

俺はこの上ない達成感を味わった。

「よくできました。が、まだまだいますよ。頑張って下さい」

⏰:07/03/31 02:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#231 []
まだまだいるだと?

もう嫌だ。

てか………

俺は周りを見渡した。

周りの人間(生きている)は俺とコウと瑠美先輩を
不思議な顔つきで見ている

………最悪や

「志乃くん、ボケッとしないで下さい」

俺には霊が見えるが
はたから見ると
コウが一人で悶えているように見えるだろう。

…恥や………

⏰:07/03/31 02:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#232 []
「…俺はもう…戦わん…」

「…あなたはベジータですか」

(ドラゴンボール35巻125ページ参照)

「ぐえっ!!」

またもやふいをつかれ、
俺は霊に首を絞められた。

「…志乃くんは本当に世話がかかります」

⏰:07/03/31 02:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#233 []
苦しむ俺を見ながら
コウが淡々と話す

助けろや!

「志乃くん頑張ってや〜」

さくらがニッコリと笑い、
俺から霊を剥がして
死者送り(?)をしてくれた

「…ありがと」

「楽しんでる〜?」

「…まったく」

⏰:07/03/31 02:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#234 []
「そのうち楽しくなるで〜頑張ってな〜!」

そう言ってさくらは
ふわふわと他の霊のところに行った。

楽しくなる…?
んなわけねーやろ
俺たち白い目で見られてんねんで?
気付かんのかよ…

「もう帰りたい…」

「わがままいわないで下さい。早く帰りたいならば、早くゲームに勝つ事です」

⏰:07/03/31 02:38 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#235 []
それから1時間近く
俺たちは霊と戦った。

「全滅〜!楽しかった〜」

無邪気にはしゃぐさくら。

「今回は少し疲れました」

淡々と話すコウ。

「死者ゲーム久々やわ〜」

ニコニコ笑う瑠美先輩。

「…………」

⏰:07/03/31 02:42 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#236 []
「お疲れ様です志乃くん」

「…………」

「どうされました?」

部屋には
すでに俺達三人(四人)しか残っていなかった。

明日から俺達は
《変人トリオ》と呼ばれる

間違いなく

⏰:07/03/31 02:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#237 []
「なぁリーダー…」

「なんですかリーダーて」

「変人トリオのリーダー」

「誰が」

「お前が」

「………ほう」

「なんやねんな死者ゲームって…」

⏰:07/03/31 02:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#238 []
「先程説明しましたが」

してないやん!!

「志乃くんは頭が悪いんですね、いいでしょう説明します」

…イライラ

「死者ゲームとは、ゲームのようで神聖な儀式なのです。この世にさ迷う霊はたくさんいます。その霊達をゲームと称して、成仏させる儀式なんです」

⏰:07/03/31 02:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#239 []
「…………」

「霊達の中には、死者ゲームを嫌う者もいます。が、大概の霊達は好みます。楽しめてなお、成仏できる。一石二鳥のゲームです」

………あ、そう

「理解しましたか?」

「…なんとなく」

⏰:07/03/31 02:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#240 []
「死者ゲームを始める合図は、類い稀なる人しかできません。選ばれし者…」

「誰に」

「僕に」

「………」

「と言うのは冗談ですが」

…笑えない。

「さくらは選ばれた中のひとりです」

⏰:07/03/31 02:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#241 []
「さくらちゃんって…何者なん?」

「さくらは…」

コウが一瞬悲しい表情をした。

「さくらは僕の妹です」

「え!?」

「厳密には、妹だった」

「………?」

「さくらはこの世に生をもたずして、霊になったんです」

⏰:07/03/31 02:58 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#242 []
「つまり…」

「はい。僕の母が亡くなった時、お腹にいたのがさくらです」

「…お前………」

そんな辛い過去が…

「同情しないで下さい。造り話ですから」

「は?」

「さくらの話はいいでしょう?」

⏰:07/03/31 03:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#243 []
コウは飄々とした口ぶりでそう言い、
さくらと瑠美先輩のもとへ向かった。

コウは造り話、と言ったが

俺はその話は事実だと感じた。

さくらとコウは
どことなく似ている。

「…………」

「志乃くん、今日はあなたの家に泊まりますから」

同情なんてしねーよ!
こいつのわがままは
許せへんからな!!

⏰:07/03/31 03:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#244 []
 
「志乃くん…」

時刻は夜中の2時。

あれから俺たちは瑠美先輩の家を後にし、
帰路についた。

俺は結局コウのわがままを聞くはめになり、
コウを家に泊めた。

「志乃くん」

⏰:07/03/31 03:08 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#245 []
「志乃くん起きてますか」

「…………」

「志乃くん起きて下さい」

「…………」

「志乃くん」

ええい!!

「寝てる」

「ではなぜ答えるんですか。起きてるんでしょう?」

お前のせいでな!!

⏰:07/03/31 03:10 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#246 []
「……なんやねん」

「死者ゲーム始まります」

……は?

「……眠い」

「寝てたら死にます」

いやだ
いやだ
ねむい…

「志乃くん。始まります」

⏰:07/03/31 03:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#247 []
「きました」

きたって…

「なにが…ぐえっ!」

またこのパターンかよ…

「勘弁してくれ…」

俺は慣れた手つきで
霊の首の後ろを押す。

「さくらが勝手に始めてしまいました」

「…………」

「だって一回じゃ足りないも〜ん!!」

⏰:07/03/31 03:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#248 []
俺の部屋には
たくさんの霊。

なぜいる…

「さくらは死者ゲームを始めることができる、つまりゲームに参加したい霊を呼び寄せる事も可能です」

…いらん事を!!

⏰:07/03/31 03:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#249 []
俺たちは
再度死者ゲームをし、
またもやゲームに
1時間近く費やした。

「さくら…」

霊を全て死者送りした後、コウが口を開いた。

「今回はもう終わりにしましょう。さすがに僕も疲れましたので」

「え〜!!」

「僕の言う事が聞けないんですか」

⏰:07/03/31 03:19 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#250 []
「わかりました〜。じゃ、うちはこの辺で!」

さくらはニッコリ笑い、ふわふわと窓から外にでていった。

「コウ…」

「なんですか」

「さくらちゃんはお前の言う事を聞くのか?」

「当たり前です」

ほな最初からゲームしたくない言えや!!

⏰:07/03/31 03:21 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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