からっぽの心
最新 最初 🆕
#16 [みぃ]

施設に馴染めないあたしを一歳しか変わらないのに、世話してくれた。


本当の姉妹みたいに仲良くなって、

ずっと一緒だった。


あたしとお姉ちゃんは元々一つだったんじゃないか、ってぐらい。

本当のお姉ちゃんみたいで大好きだった。

⏰:07/03/28 22:48 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#17 [みぃ]

ここの施設の子はみんな口が悪いけど、
本当に性格の悪い子なんて一人もいない。


みんな淋しいだけ。

口には出さないけど。


みんな家族みたいで、
親がいなくても平気だった。

この幸せがずっと続くと思ってた。


――――なのに・・・。

⏰:07/03/28 22:51 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#18 [みぃ]

「夢芽?」


施設の部屋の自分のベッドの中に居ると、
同い年の美輝(ミキ)が話しかけてきた。


「あ、起きてたんだ。
 大丈夫?」

『・・・ん。』


春休みなのに美輝は制服を着ている。


『お葬式・・・。
 行ってきたの?』

⏰:07/03/28 22:55 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#19 [みぃ]

美輝は悲しそうに小さく頷いた。


「制服・・・。
 どっちの着てくか迷ったけど、まだ3月だし、
 中学のんで着て行ったぁ!」


美輝はわざと明るく話すけど、
辛いのが丸分かりだった。


お姉ちゃんはみんなに好かれていたから、
みんな辛い。

美輝の目も、赤く腫れている。

⏰:07/03/28 23:00 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#20 [みぃ]

「夢芽・・・大丈夫?」


返事をしない代わりに、
軽く微笑んでみせる。


「そりゃ・・・。
 平気じゃないよね。
 アンタが一番仲良かったもんね・・・。」



無気力だ。

何もする気にならない。

⏰:07/03/29 20:04 📱:SH902i 🆔:xpnmAmI2


#21 [みぃ]


ただ、部屋の窓から見える景色をボーっと見ていた。


「――――あ。」


美輝が制服を着替えている時だった。


「夢芽、これ・・・。」


美輝がそう言って制服のポケットから取り出したのは、
小さなビニール袋だった。

⏰:07/03/29 20:08 📱:SH902i 🆔:xpnmAmI2


#22 [みぃ]

『何・・・。』


美輝から受け取った掌には、見覚えのある物が入ったビニール袋。


『美輝・・・これ・・・。』

「・・・事故現場に落ちてたんだって・・・。
 警察の人が検視も終わったし、血まみれでもいいならって・・・。
 お葬式、来てくれてたよ。
 直接夢芽に渡したかったらしいけど・・・。」

⏰:07/03/29 20:18 📱:SH902i 🆔:xpnmAmI2


#23 [みぃ]

チャリ・・・


袋の中から出てきた“それ”は、
間違いなくお姉ちゃんの物だった。

血は乾いてこびりついてしまっている。


唇を噛み締め、“それ”を握りしめる。


胸が痛い。


「それ・・・大志くんとのやつだよね・・・?」

⏰:07/03/29 20:26 📱:SH902i 🆔:xpnmAmI2


#24 [みぃ]

美輝の一言で憎しみが戻ってきた。


『美輝、あいつの話はしないで。』


美輝は構わず続ける。


「でもさぁ、やっぱり大志くんに渡すべきだったよね・・・。」

『・・・美輝。』

「でも・・・。」

『美輝ッッ!!』

⏰:07/03/29 20:29 📱:SH902i 🆔:xpnmAmI2


#25 [みぃ]


あたしの声が部屋に響き渡る。


「夢芽・・・ごめん。
 でもね・・・?」

『あたしの前であいつの名前出さないで。』


「・・・辛いのは夢芽だけじゃないんだよ。」


美輝はそれだけ言って、
部屋から出て行った。

⏰:07/03/30 14:55 📱:SH902i 🆔:SnHULqKE


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194