からっぽの心
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#404 [みぃ]

二週間後に迎えに来るはずの母の姿はなく、
連絡もとれなくなった。

そして、
それからうちの施設で13年間生活した。


お姉ちゃんが物心ついた頃に施設の先生に教えてもらったのは、
これだけだった。


まだ他にも理由あっただろうけど、
おそらくお姉ちゃんのことを想って言わなかったのだろう。

⏰:08/01/10 22:07 📱:SH903i 🆔:g9BX27JI


#405 [みぃ]

施設にいる子がみんな、
他の子の事情を知っている訳じゃない。


あたしがお姉ちゃんにこの話を聞かされたのは中学生になった頃だった。

その話をあたしにする時のお姉ちゃんは笑ってはいたけど、

どこか悲しそうな顔をして


「弱い人なんだよ。」


と言っていた。

⏰:08/01/10 22:10 📱:SH903i 🆔:g9BX27JI


#406 [みぃ]


お姉ちゃんが死んで半年。

14年ぶりに母親から電話が来た。


母親はお姉ちゃんが死んだことなど全く知らない様子で、
申し訳なさそうにお姉ちゃんの様子を聞いてきたのだという。


先生からお姉ちゃんの死を聞かされてすぐ、
施設に来て泣いて謝っていた。

⏰:08/01/10 22:13 📱:SH903i 🆔:g9BX27JI


#407 [みぃ]

その時の姿がすごく印象的で、
今も瞳の奥に強く焼き付いている。


「―――自信がなかった・・・か・・・。」


突然の大志くんの呟きに、
この無言の時間に2人とも同じことを考えていたことを知った。


【自信がなかった】

⏰:08/01/10 22:19 📱:SH903i 🆔:g9BX27JI


#408 [みぃ]

施設に来たお姉ちゃんの母親が言った言葉。


施設に預けて二週間後に引き取りに来るはずが、
そのまま来られなかった理由。

また暴力をふるってしまうのが怖かった、 という。



『あたしはよくわかんないな。』

「ん?」

『お母さんの気持ち。』

⏰:08/01/10 22:26 📱:SH903i 🆔:g9BX27JI


#409 [みぃ]


姿を消したけど、
存在を忘れたことはなかった。
自分の気持ちが落ち着いたら、
迎えに来るつもりだった。


お姉ちゃんの母親はそう言った。



でも、
自分の気持ちが落ち着くのに14年?

⏰:08/01/12 16:02 📱:SH903i 🆔:r3EjIchk


#410 [みぃ]

「―――そだね。
 でも、俺はわかんなくもないかな。」


大志くんはそう言って笑うけど、
あたしには理解できそうもない感情。


あたしがまだ子どもなのかな。


「俺はそういう経験ないから分かんないけど、
 傷つけるのが怖くて離れるっていう理屈は分かんなくもないかな。」

⏰:08/01/12 16:06 📱:SH903i 🆔:r3EjIchk


#411 [みぃ]

墓石に止まった蝶々を見つめながら大志くんは言う。


確かに筋は通っているかもしれない。




―――――でも・・・。




『――でも、
 置いてかれた方は・・・
 そんな風に考えらんないよ。』

⏰:08/01/12 16:10 📱:SH903i 🆔:r3EjIchk


#412 [みぃ]

大志くんが蝶々からあたしへと視線を動かす。


『あたしのことが嫌いだから・・・
 あたしが悪い子だから・・・
 どうしても、そう考えちゃうよ。』




あたしの母親は現れない。


生きているのかさえも分からない。

⏰:08/01/12 16:13 📱:SH903i 🆔:r3EjIchk


#413 [みぃ]

あたしからしてみれば、
10何年かも一緒に居ない人がいきなり現れても、
【母親】だ、なんて思えやしない。


『―――って、思うんじゃないかな?
 普通の人はッ!!』


あたしが慌てて付け足した言葉を聞いて、
大志くんの手があたしの頭に触れる。


「大丈夫だよ。
 夢芽ちゃんには、ちゃんとした【家族】がいるじゃん。」

⏰:08/01/12 16:17 📱:SH903i 🆔:r3EjIchk


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