からっぽの心
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#12 [
みぃ
]
寒くなんてないのに。
施設長は毛布をかけてあたしの震える体をそっと抱きしめてくれた。
人間の体温ってすごい。
身体があったかくなる。
でも、
心は冷たいままだよ。
:07/03/28 22:33
:SH902i
:1wopH5ls
#13 [
みぃ
]
声なのか鳴咽なのか分からない泣き声で、
途切れながらも必死に叫ぶ。
ひたすらお姉ちゃんの名前を。
3月27日。
お姉ちゃんこと栗山美優(クリヤマ ミユウ)は短い人生の幕を閉じた。
:07/03/28 22:37
:SH902i
:1wopH5ls
#14 [
みぃ
]
16歳。
高校2年生になるはずだった。
お姉ちゃんは名前の通り、すごく優しくて、
自慢のお姉ちゃんだった。
血は繋がってない。
でも、物心ついた頃からずっと一緒だった。
:07/03/28 22:40
:SH902i
:1wopH5ls
#15 [
みぃ
]
あたし、安幡夢芽(ヤスハタ ユメ)は、
3歳の頃に親に捨てられてこの施設に入った。
ここの児童養護施設は、
何らかの事情があって親と暮らせない3歳〜18歳の男女が生活している。
あたしとお姉ちゃんは
ここで出会った。
:07/03/28 22:45
:SH902i
:1wopH5ls
#16 [
みぃ
]
施設に馴染めないあたしを一歳しか変わらないのに、世話してくれた。
本当の姉妹みたいに仲良くなって、
ずっと一緒だった。
あたしとお姉ちゃんは元々一つだったんじゃないか、ってぐらい。
本当のお姉ちゃんみたいで大好きだった。
:07/03/28 22:48
:SH902i
:1wopH5ls
#17 [
みぃ
]
ここの施設の子はみんな口が悪いけど、
本当に性格の悪い子なんて一人もいない。
みんな淋しいだけ。
口には出さないけど。
みんな家族みたいで、
親がいなくても平気だった。
この幸せがずっと続くと思ってた。
――――なのに・・・。
:07/03/28 22:51
:SH902i
:1wopH5ls
#18 [
みぃ
]
「夢芽?」
施設の部屋の自分のベッドの中に居ると、
同い年の美輝(ミキ)が話しかけてきた。
「あ、起きてたんだ。
大丈夫?」
『・・・ん。』
春休みなのに美輝は制服を着ている。
『お葬式・・・。
行ってきたの?』
:07/03/28 22:55
:SH902i
:1wopH5ls
#19 [
みぃ
]
美輝は悲しそうに小さく頷いた。
「制服・・・。
どっちの着てくか迷ったけど、まだ3月だし、
中学のんで着て行ったぁ!」
美輝はわざと明るく話すけど、
辛いのが丸分かりだった。
お姉ちゃんはみんなに好かれていたから、
みんな辛い。
美輝の目も、赤く腫れている。
:07/03/28 23:00
:SH902i
:1wopH5ls
#20 [
みぃ
]
「夢芽・・・大丈夫?」
返事をしない代わりに、
軽く微笑んでみせる。
「そりゃ・・・。
平気じゃないよね。
アンタが一番仲良かったもんね・・・。」
無気力だ。
何もする気にならない。
:07/03/29 20:04
:SH902i
:xpnmAmI2
#21 [
みぃ
]
ただ、部屋の窓から見える景色をボーっと見ていた。
「――――あ。」
美輝が制服を着替えている時だった。
「夢芽、これ・・・。」
美輝がそう言って制服のポケットから取り出したのは、
小さなビニール袋だった。
:07/03/29 20:08
:SH902i
:xpnmAmI2
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