からっぽの心
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#23 [みぃ]

チャリ・・・


袋の中から出てきた“それ”は、
間違いなくお姉ちゃんの物だった。

血は乾いてこびりついてしまっている。


唇を噛み締め、“それ”を握りしめる。


胸が痛い。


「それ・・・大志くんとのやつだよね・・・?」

⏰:07/03/29 20:26 📱:SH902i 🆔:xpnmAmI2


#24 [みぃ]

美輝の一言で憎しみが戻ってきた。


『美輝、あいつの話はしないで。』


美輝は構わず続ける。


「でもさぁ、やっぱり大志くんに渡すべきだったよね・・・。」

『・・・美輝。』

「でも・・・。」

『美輝ッッ!!』

⏰:07/03/29 20:29 📱:SH902i 🆔:xpnmAmI2


#25 [みぃ]


あたしの声が部屋に響き渡る。


「夢芽・・・ごめん。
 でもね・・・?」

『あたしの前であいつの名前出さないで。』


「・・・辛いのは夢芽だけじゃないんだよ。」


美輝はそれだけ言って、
部屋から出て行った。

⏰:07/03/30 14:55 📱:SH902i 🆔:SnHULqKE


#26 [みぃ]


―――分かってる。

そんなこと、分かってるよ。


でも、無理なんだもん。



目を開けてても閉じててもお姉ちゃんの顔が浮かんでくるんだ。

⏰:07/03/30 14:58 📱:SH902i 🆔:SnHULqKE


#27 [みぃ]

笑うとえくぼができるところとか、
照れた時に鼻を触る癖とか、
涙もろくて、ドラマを観たら絶対泣いちゃうところとか、

もう二度と見れないんだ。



ほら、また、涙が。

⏰:07/03/30 15:02 📱:SH902i 🆔:SnHULqKE


#28 [みぃ]

お姉ちゃんのベッドや机はまだそのままで、

“そのうちお姉ちゃんが帰ってくるんじゃないか”

って錯覚を起こすぐらい。


そのうち、
「ただいまー。」

なんて言って。




そんな事ある訳ないのに。

⏰:07/03/30 15:05 📱:SH902i 🆔:SnHULqKE


#29 [みぃ]


夕食の放送がかかって食堂へ降りたけど、
ろくに食べられなかった。

施設の先生は何とか明るい雰囲気を造ろうとしてたけど、
重い空気は消えなかった。



まだ信じられない。


お姉ちゃんが死んだなんて。

⏰:07/03/30 15:09 📱:SH902i 🆔:SnHULqKE


#30 [みぃ]

そんな空気の中、
山口先生が口を開いた。

女子部屋の今の中等部、
つまりあたし達の年代の担当の先生だ。


「明日で3月も終わりかぁ・・・。早いね・・・。」


山口先生の声で、
みんな無意識にカレンダーを見る。


「夢芽ちゃん、高校の入学式っていつだっけ?」

⏰:07/03/30 15:14 📱:SH902i 🆔:SnHULqKE


#31 [みぃ]

『―――えッ。』


突然話しかけられて、
びっくりした。


『4月・・・4日。』


もう一週間もないんだ。


「そっかー。
 もうすぐだね!
 高校は楽しいよー!」


山口先生がふふっと笑う。

⏰:07/03/30 15:17 📱:SH902i 🆔:SnHULqKE


#32 [みぃ]

「そうだ。それに勉強も難しくなんぞー?」


男子部屋の先生も後に続く。

食堂の空気が一瞬軽くなった。


・・・楽しいこと?

そんなことあんの?


お姉ちゃんがいて・・・。

それが最低条件でしょ?


もう人と関わることが面倒で仕方ないんだ。

⏰:07/03/30 15:20 📱:SH902i 🆔:SnHULqKE


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