からっぽの心
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#303 [みぃ]







―――パンッ



音がしたと共に、左頬に痛みが走る。

⏰:07/10/07 19:09 📱:SH903i 🆔:iKYy846Y


#304 [みぃ]


「・・・逃げてんじゃないわよ!」


由美の声で、
やっと殴られたことに気付いた。


『―――いった・・・。』


一昨日カッターの刃で切れた傷の痛みと同じ場所。


痛みがシンクロする。

⏰:07/10/07 19:13 📱:SH903i 🆔:iKYy846Y


#305 [みぃ]

『――何すんだよ!
 あたしが何から逃げてるっつーの?!』


痛みの増す左頬を押さえながら由美を睨む。


「全部だよ!
 栗山さんが死んだことからも大志からも自分からも!!」

『―――逃げてねぇよ!
 アンタに何が分かんの?
 関係ないやつが人の事情に首突っ込んでくんじゃねぇよ!!』


そう言って由美の体を突き飛ばす。

⏰:07/10/08 22:56 📱:SH903i 🆔:jx76hIaE


#306 [みぃ]


みんなして土足で入ってこないでよ。


あたしの心の中に入ってこないで。




由美は一瞬フラついたけど、すぐに態勢を取り戻して、続ける。


「―――そうだよ。
 関係ないよ。
 でも、大志を傷つけるのは許さない!!」

⏰:07/10/08 22:59 📱:SH903i 🆔:jx76hIaE


#307 [みぃ]



その瞳は、真っ直ぐだった。


大原も豊も持ってるのに、
あたしは持ってない真っ直ぐな眼差し。

あたしはこの目に弱い。




今、気付いた。

この女、
大原のことが好きなんだ。

⏰:07/10/08 23:02 📱:SH903i 🆔:jx76hIaE


#308 [みぃ]


「由美、もういいから。」


しばらく黙って話を聞いていた大原が口を開いた。


「―――でも・・・。」

「ありがと。
 もう授業戻って?」


名残惜しそうな表情を見せながらも、
由美は三年生の校舎へ歩いていった。

⏰:07/10/08 23:05 📱:SH903i 🆔:jx76hIaE


#309 [みぃ]

「大丈夫?」


大原があたしの頬を触れようと伸ばす手を、弾く。


『・・・触んないで・・・。』


力なく呟いた言葉に、
大原が微笑む。


「はは・・・二回目・・・。」

『―――二回目・・・?』


大原の声が今までと違うように聞こえて、
その言葉が気になった。

⏰:07/10/08 23:09 📱:SH903i 🆔:jx76hIaE


#310 [みぃ]

「あ、ちょ、こっち!」


大原は素早くあたしの手をとって、
体育館の方へと駆け出す。


『ちょ・・・やだ!何?!』


慌てて離そうとするけど、
思った以上に強い力だった。

⏰:07/10/09 09:09 📱:SH903i 🆔:DhfKCPBE


#311 [みぃ]

大きな手。

きっとお姉ちゃんと繋いだこともある手。


こんな時に、
昨日、豊に繋がれた手の温もりを思い出して複雑な気分になってみたり。


この人の考えていることが全くわからない。


人気のない体育館裏に着いたところで、
大原の足が止まった。

⏰:07/10/09 09:12 📱:SH903i 🆔:DhfKCPBE


#312 [みぃ]


『・・・なに?』


あたしの問いに大原は振り向く。


「ごめん、先生来るの見えたから。
 あそこじゃちゃんと話せないし。」

『・・・あたしは話すことなんてないし。』


わざとらしくため息をついた時、
大原が吹き出した。

⏰:07/10/09 09:14 📱:SH903i 🆔:DhfKCPBE


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