恋愛喫茶店
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#229 [向日葵]
私は相模原 世津(さがみはら せつ)。

強気で男勝りな17歳。

そんな私は双子の姉。
妹の名前は世衣(せい)。

私とは正反対の子で可愛いらしくて少し天然。

一つ双子で嫌なこと。
それは顔が似てるってことだ。



【双子】

⏰:07/04/24 09:28 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#230 [向日葵]
世衣「マスター!こーんにーちわー!!」

マスター「あ、いらっしゃいませ。世衣さん。世津さんも。」

世津「はぁ…。どうも。」

ここは喫茶店。
でも只の喫茶店じゃなくて、このマスターさんが恋愛話を聞かせてくれると言う……正直なんだかうさんくさい喫茶店……。

マスター「ご注文は?」

世衣「じゃあ私とりあえずジャスミンティー☆せっちゃんはぁ?」

⏰:07/04/24 09:33 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#231 [向日葵]
世津「コーヒー。ブラック。」

マスター「ハイ。かしこまりました。」

マスターはニコッと笑って飲み物の準備をする。
そんなマスターを世衣はうっとりとして見ていた。

そう。世衣はマスターが好きなのだ。

マスター「お待たせしました。ジャスミンティーです。あと、世津さん。申し訳ないんですが、コーヒーは切れてまして、ミルクティーにしましたが、よろしかったですか?」

⏰:07/04/24 09:37 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#232 [向日葵]
一方の私はこの人が苦手。

なんでも見透かしてるようなこの目が嫌なのだ。

ちなみに私がブラックとわざと選んだのを見通して、ミルクティーを運んできた。

実は私は甘いものが大好物。でも柄じゃないからわざと甘くない物を頼んだのに……。

ちらりと視線を動かすと、そこにはコーヒーの粉を入れた缶がちゃんとあった。
気づいたが、私は大人しくこれを飲む。
いつもマスターの入れるミルクティーは美味しかった。

⏰:07/04/24 09:41 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#233 [向日葵]
――……
学校登校中。

世衣「今日も素敵だったなぁ……マスター……。」

世津「そぉかぁ……?」


世衣は一人で行くのが恥ずかしいからと言って私をいっつも引っ張って行く。

嫌と断ってもチワワみたいな目で見てくるから、結局は妥協してついていくのだ…。

世衣「大人の色気って言うのかなぁ…。でもあれでまだ23だって〜。」

『?!はぁっ?!』

あれで?!老けてる!あり得ん!!

⏰:07/04/24 09:47 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#234 [向日葵]
……ん?待てよ……。

世津「世衣アンタそんなこといつ聞いた?」

世衣は小さい声で「あ」っと言って、やっちゃったーみたいに笑った。

『……まさか…コイツ……。』

世衣「……前に一人で行っちゃった☆」

『ちゃった☆…じゃねぇぇぇ!!!!』

世津「アンタ一人で行けるじゃねぇかよ――っ!!!!」

世衣「ひぃ―ん!ごめんなさぁぁい(泣)!!」

⏰:07/04/24 09:51 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#235 [向日葵]
怒りで大きくなる私に反して、世衣は小さくなった。

そこに、ドキッとする声が。

「おはよ!」

世津「あっ……お…おはよっ!!」

爽やかな笑顔で挨拶してくれたこの男の子は、千崎 駆君(せんざき かける)。
今の男子では珍しく、綺麗な黒髪で、少しセットしている。

千崎「ハハハ!朝から元気だな!!じゃあまた教室でなぁ!!」

世津「うっ、うん!!」

⏰:07/04/24 09:58 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#236 [向日葵]
みんな平等に扱ってくれる千崎君は人気で、好きになる女の子も多い。

私は好きとまではいってないけど、気になる存在で声をかけられる度ドキドキした。

世衣「せっちゃん。あの人好きなのー?」

世津「はっ?!ブ……バババか!そんな訳ないでしょ!」

世衣にだけは知られたくない。だって知った世衣は、応援するとか言いながら、いつの間にか私の好きな人を好きになって。

世衣[付き合うことになっちゃった☆]

⏰:07/04/24 10:03 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#237 [向日葵]
と、なる場合が過去多数……。

しかも世衣は可愛くて評判の為、男の子の方も世衣と接する度に好きになっていく。

その時、必ず男の子に言われる一言がある。

[同じ顔なのに世衣ちゃんは可愛いね。]

傷つく。
自分が嫌いになる。

でもそんな時は必ず私のグーパンチが男の子にヒットする。
世衣も「そんなこと言っちゃダメ!」と言って泣くため、男の子は更に世衣が愛しくなる。

⏰:07/04/24 10:07 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#238 [向日葵]
つまり=2人の愛が深まる。

世津「わたしゃ愛のキューピッドか。」

机に頬杖をついて、足を組んで。愚痴を友達の湖穂(みずほ)に聞いてもらう。

湖穂「その愚痴何回目?いい加減割りきりなさいよ!」

湖穂は私の頭をポンポンと叩く。

割りきれっつったって、目の前で好きな人が違う、それも双子の妹を好きになっていく姿をマジマジと見ていく私の身にもなってみろよ……。

⏰:07/04/24 10:12 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#239 [向日葵]
千崎「相模原!今日俺と日直だぞ!」

ドアから叫ばれてびっくりした。

…え?日直……?しかも千崎君と……。

………………

世津「えぇぇぇぇ!!」

もちろんこの「えぇぇぇぇ!!」は日直が嫌で「え――!!」じゃなく、千崎君とだから「え―――!!」なのだ。

千崎「先生が日誌取りに来いって!ついでに配るもんあるから2人で来るようにだって!!行こっ!!」

⏰:07/04/24 10:17 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#240 [向日葵]
そんな爽やかな笑顔で言われたら……っ

鼻血でそう……。

―――……

とりあえず鼻血を出すのを気合いで抑えて、私達は職員室に向かった。

千崎「相模原日誌持ってね。」

世津「え?大丈夫!これそんなに重くないから。」

千崎「女の子でしょ?重い物は男の役目。」

―――ドキ…

『女の子……』

⏰:07/04/24 10:22 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#241 [向日葵]
聞き慣れない言葉を耳にして、私は歯を食いしばって、口の筋肉を緩むのを耐えた。

世衣「あ、いたいた。せっちゃぁぁぁん!!」

『?!?!ゲッ!!!!』

体操服姿で可愛く髪をくくった世衣が走ってくる。

『くっ…来るな!!!そんな花背負ってきらきらしながら走って来るな!!』

私の心の叫びも虚しく、世衣は来てしまった。

世衣「フゥッ!あのね、後で辞書貸してほしいんだけどいぃ?さっき言うの忘れてたから!」

脱力…。勝手にしてくれ……。

⏰:07/04/24 10:29 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#242 [向日葵]
すると世衣は気づいてしまった。

世衣「あ、朝の!」

千崎「よろしく。千崎駆って言うんだ!」

世衣「駆君?私は世衣!せっちゃんと名字被るから世衣でいいよ♪」

…………

『はぁぁぁぁぁっ?!?!』

普通逆だろ!アンタ密かに私の好きな人って知ってんだったらせめて私が名前で呼ばせる様にしてよ!

『しかも何気に下の名前で千崎君呼んでるし!!』

⏰:07/04/24 10:33 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#243 [向日葵]
世衣「じゃあ、後で取りにいくね!じゃあね!駆君も!」

『やめぃっ!』

他力本願…かも知れんがせめてもうちょい協力…してほしくないがしようとは思わんか……。

世津「千崎君、行こ……。?千……崎君?」

千崎「…!あ、ごめん!!……。」

千崎君は世衣が走って行った方を見つめる。

アレ…もしかしてこれって……

⏰:07/04/24 10:37 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#244 [向日葵]
千崎「なぁ相模原……世衣って彼氏いるのかな……。」

チ――――……ン

おじいちゃんの仏壇にある鐘が脳内に鳴り響く。

<帰り道>

世衣と一緒に帰る気分になれなくて、一人でトボトボ帰ってた。

『……やっぱりね。ウン。そんな予感はしたさ。』

ザッザッザッ

音がしたので下にやってた目線を音の方に向けた。

マスター「あ、お帰りなさい。」

丁度喫茶店の前だったらしい。マスターがいた。

⏰:07/04/24 10:43 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#245 [向日葵]
箒で葉っぱとかを掃いていた。

世津「……ども…。」

マスター「あれ?世衣さんは?」

『あー…この人も世衣狙いかぁ…。』

マスター「2人揃ってないから不思議に思っただけですよ。」

世津「心の中を読むなぁぁぁ!!!!」

マスターはクスクスと笑って箒とちり取りを片付け始めた。

マスター「お茶でも如何ですか?」

⏰:07/04/24 10:51 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#246 [向日葵]
キリます

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/04/24 10:52 📱:SO903i 🆔:6S9X4Des


#247 [奈津歩]
新作最高
頑張って

⏰:07/04/24 19:04 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#248 [奈津歩]
あげ〜

⏰:07/04/24 20:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#249 [さや]
・ョ.)ノ頑張れ-
応援してます

⏰:07/04/24 21:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#250 [桜んぼ]
あげ〜
ファイト

⏰:07/04/24 22:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#251 [向日葵]
奈津歩ちゃんさやさん桜んぼさん

あげ&コメありがとうございます
今日は更新出来るよう努力します

⏰:07/04/25 08:15 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#252 [向日葵]
マスターは扉を開けて私が入りやすいようにした。

『如何と言うかそこまでされたら入らない訳にはいかないじゃないじゃない……』

世津「……いただきます…。」

一歩一歩ゆっくりと歩きながらいつもの席へと行った。

『あれ?そういえば…』

世津「マスター。よく私が私(世津)だってわかりましたねぇ。」

マスターはお茶の準備をしながらニッコリ笑って答えた。

⏰:07/04/25 18:37 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#253 [向日葵]
マスター「世衣さんは髪が茶色いですからね。世津はさんはお黒いですし。」

コポポポ

マスターがカップに紅茶を注ぐ。

結局この人もそれぐらいでしか見分けれないか……。

この人なら別の見分け方が出来るんじゃないかとか期待した私が馬鹿だった。

マスター「あとはそうですねぇ……」

コトッ

香りの良い紅茶が前に置かれた。

⏰:07/04/25 18:53 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#254 [向日葵]
マスター「なんとなく……ですよ。」

世津「なんと…なく。」

曖昧な答えに私は眉を寄せた。
でもその時見せたマスターの笑顔には、少しドキッとしてしまった。

世津「あ!ちょっと!!なんでコーヒーじゃないんですか?!」

マスター「本当は、甘い物が好きなんじゃないんですか?」

『う゛っ……』

ホラね。やっぱりそのなんでも見透かす目で見抜いてた。

⏰:07/04/25 18:57 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#255 [向日葵]
私はこの人のこーゆートコが嫌。

まるで悪いことした後、お母さんに問われてみたいでソワソワする。

世津「世衣が言った……ハズない。」

だって家族すら知らないもん。私が甘い物大好きなこと…。

マスター「どうして隠すかお聞きしてもよろしいですか?」

カウンターから出てきて、マスターは私の隣に座った。

世津「別に特別な理由なんか無いわ。ただ柄じゃないから嫌なだけ。」

⏰:07/04/25 19:07 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#256 [向日葵]
頬杖をついて、半ば諦めたように話した後飲んだ紅茶は甘くて美味しかった。

マスター「好きな物を正直に好きと言うのも勇気ですよね……。」

…………ん?
なんか意味深発言。

マスターもしかして好きな人でもいるのかな……。

世津「マスターでも勇気いるのね。」

マスター「一応人間なんで…。」

と苦笑する。
なんだかマスターのこんな姿初めてみたかもしれない、と少し楽しくなった。

⏰:07/04/25 19:12 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#257 [向日葵]
紅茶を飲み終った後、また少し話をしてから私は帰った。

いつも行くのを躊躇する喫茶店が今日はなんだか楽しくて、また行きたい気分にさせた。

―――……

世衣「あ、せっちゃんお帰りなさ〜い!遅かったねー。」

自室に向かいながら私は「まぁね」と答えた。
世衣はその後ろを付いてくる。

世衣「あのね!駆君と放課後喋ったんだぁ♪」

ビキッ!!!

私は固まってしまった。

⏰:07/04/25 19:17 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#258 [向日葵]
え?今なんて?

喋った?しかも放課後に。2人で。

私だって両手で充分足りるほどしか喋ったことないのに。

沸々と怒りが込みあげてくる。

世衣「でね!彼女いるか聞いたらいないって!!良かったねせっちゃん!!」

まるで「良いことしたでしょ?褒めて褒めて」という顔をする世衣。

誰が褒めてなんざやるものかぁぁぁぁぁぁ!!!!(怒)

それはアンタが気になるからいないって言っただけじゃぁぁぁぁぁぁ!!

⏰:07/04/25 19:22 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#259 [向日葵]
と脳内でちゃぶ台をひっくり返しながら叫ぶ。

世衣「なんか色々話とか合っちゃってねっ。」

世津「……てよ……。」

世衣「また明日も会ったら喋ってみたいなぁ♪その時はせっちゃんも」

世津「やめてよっ!!!」

シー……ン

いい加減にしてよ……。

世衣「……せっちゃん」

世津「もういい……。晩御飯なんていらない。寝るから部屋から出ていって。」

⏰:07/04/25 19:28 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#260 [向日葵]
##############

一旦キリます

⏰:07/04/25 19:29 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#261 [向日葵]
世衣「……せ、せっちゃ」

世津「早く出ていって!!!!」

世衣は半泣きになって私の部屋から出ていった。

アンタに振り回されて、ビクビク脅える毎日にはもうウンザリだ……。

世津「私は、アンタのキューピッドじゃない……。」

私は、私なんだから……。

⏰:07/04/25 20:45 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#262 [向日葵]
しばらくして、当然寝る気もなかったので寝れずぼーっとしていた。

グ〜……

切ないぐらいにお腹減った。

カチャ……

ゆっくり扉を開けて、周りに誰もいないことを確かめる。

『コンビニでも行ってこよう。』

―――……

ピロリロ♪ ピロリロ♪

「いらっしゃいませー。」

⏰:07/04/25 20:57 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#263 [向日葵]
何しにきたっけ……

あ、食べ物…。

とりあえずパンコーナーに行ってみた。
仕入れ前らしく、少ししかパンは残っていなかった。
「あれ?相模原?」

聞き覚えのだなぁとかノロノロ思って振りかえってみた。

『!!!!』

⏰:07/04/25 21:01 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#264 [向日葵]
世津「千崎君!」

千崎「よっす!どうしたんだ?こんな時間に制服で。」

ハッ!そーいえば着替えてない……
しかも寝転んでたからシワシワになってるっ!

世津「せっ千崎君はバイト?!」

千崎「ウン!そーなんだ!――あ!そうだ!!今日の放課後、世衣と話したんだ!!」

―――ドクン……

また世衣。みんな世衣。
双子の私なんかどうでもいいみたいに

世衣世衣世衣世衣世衣。

⏰:07/04/25 21:05 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#265 [向日葵]
千崎君は楽しそうに話をしている。

私の耳は話を受け付けず、ただ素通りしていった。

知らず知らずのうちにコンビニを飛び出し、いつもの学校の帰り道を逆走していた。

私の目は今どこを向いてるのかさえわからない。
目線をあちこちに向ければ、会社帰りなおっさんやら、たむろしてる若者やら、今にも消えそうな街灯やら……。

『私の元気も、電池切れだな……。』

⏰:07/04/25 21:10 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#266 [向日葵]
その時、肩をポンポンと叩かれた。

振り向かなくてもわかる。たぶん……

「こんな時間に何してんの〜?」

お酒くさい。
しかも口調が怪しい。

間違いない。
酔っ払いだ。

とりあえずここは……

無視の方向で。

スタスタスタ

「おーいどこに£@*●◇」

『ろれつ回ってないし…。』

⏰:07/04/26 09:47 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#267 [向日葵]
酔っ払いのオッサンはついてくる。

あ゛ーイライラしてる時に更にイライラさせないでよー!!

再び肩を叩かれた。

『あーもー!!!!』

振り向かないまま手をグーにして戦闘態勢にスイッチオン。

世津「うざったいっつーんだ」

「世津さん?」

殴りかかろうとした私はピタッと止まる。
その隙にびびったオッサンは逃げていった。

⏰:07/04/26 09:55 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#268 [向日葵]
横を見ると、そこは喫茶店前でドアを開けたマスターがいた。

世津「マスター…。」

マスター「こんな時間にどうなさったんです?」

グーにしていた手をパッパッと振ってマスターに向き直った。

世津「さ……散歩。ちょっと……。」

マスター「駄目ですよ。女の子が制服で夜出歩いては。」

世津「……女じゃなきゃ良かった。」

⏰:07/04/26 10:00 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#269 [向日葵]
マスター「……え?」

世津「どーせみんな世衣ばっかり!!私のことなんかそっち退けで、口にするのは世衣ばっかり!!世衣なんか嫌い!!大っ嫌い!!」

スカートを握り締めながら下を向いて叫んだ。

昼間と違って夜は静かで、叫んだ声が少し響いた。

世津「ハァッ……ハァッ……。」

違う嫌いじゃない。
羨ましいんだ。
誰からも愛されて、誰にでも必要とされて……。

⏰:07/04/26 10:04 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#270 [向日葵]
するとマスターは私に歩みよって、私の頬に手を添えた。

あんまり優しく触れるから、私はビクッとした。

顔をあげるとマスターの顔が近くにあって、改めて見るマスターの整った顔にドキッとした。

マスター「私は……世津さんが好きですよ?世衣さんだけじゃありません。貴方を…ちゃんと見てます。」

私は少し目を見開いた。

『……マスターは』

いつも一人一人を大切にしてくれる。

⏰:07/04/26 10:09 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#271 [向日葵]
見透かされた思いも、自分を知ってくれてるみたいでどこかでホッとしてた。

私を分かってくれる人が、一人でもいるって。

頬から暖かさが伝わる。
それが嬉し涙に代わる。

世津「…っ。マスターァッ。」

マスターは私の涙を胸ポケットに入っているハンカチで拭ってくれた。

マスター「さぁ。中に入って。世津さんが好きな甘いココアを入れますよ。」

その日2度目の喫茶店は、安らげる空間を広げていて、甘いココアは私の虚しい気持ちを落ち着けてくれた。

⏰:07/04/26 10:15 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#272 [向日葵]
マスターは私を家まで送ってくれた。
内緒で出てきた為、バレないように家に帰り、部屋に戻る。

『お風呂は朝に入ろう……。』

パジャマに着替えてベッドに入る。

そして喫茶店のことを思い返すと、なんだかキュウッと苦しくなった。

少しずつ、私の中でマスターの存在が大きくなってるみたい。

⏰:07/04/26 10:19 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#273 [向日葵]
<そして朝がやって来る。>

世津「おはよー。」

湖穂「?おはよー。」

不思議そうな顔をする湖穂に私は首を傾けた。

世津「何?どうかした?」

湖穂「むしろこっちが知りたい。どうしたの?珍しく機嫌いいじゃない。」

私はいつも世衣のおかげで教室にピリピリしながら入ってくる。
湖穂はだから「珍しい」と言ったのだ。

⏰:07/04/26 10:23 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#274 [向日葵]
世津「今日は世衣ほって来たからじゃない?」

湖穂「ふーん。」

そんなんじゃない。
世衣ほって来たのは確か。でも今日機嫌がいいのは、昨日のマスターのおかげだと思う。

そう考えると、また胸が苦しくなった気がした。

ヴ―ヴ―

ポケットに入れてる携帯が鳴る。

『ん?お母さん?』

⏰:07/04/26 10:28 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#275 [向日葵]
<お母さん>
今日、世衣休むらしいから、何か世衣にプリントとかあったら持って帰ってきてね

『世衣休むんだー。』

半分……いや全部私のせいかな。
でも世衣ばっかりに構ってなんかいられない。
とりあえず休みってことを頭に入れて、後は忘却の彼方へやることにした。

<帰り>

今日は世衣関係で悩まされることもなく、清々しく学校で過ごせた。

⏰:07/04/26 10:33 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#276 [向日葵]
『あれ?』

家の前に誰かいる。

あの恰好って……。

世津「マスター?」

するとマスターはこっちを見て、静かな笑顔で会釈した。

私も頭を下げながらマスターに近づく。

世津「どうかしました?」

マスター「昨日、お忘れものがあったんです。」

チャラ

差し出したのはストラップ。どうやら携帯から取れてしまったらしい。

⏰:07/04/26 10:36 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#277 [向日葵]
世津「すいません!わざわざ!!」

マスター「いえ、では。」

世津「あ、あがってってください!!お茶入れますから」

マスター「いえしかし……。」

私はいつもマスターがしてくれるように家の門を開けた。

世津「昨日のお礼がしたいんです!」

半ば「入りやがれ」的に言う私。

⏰:07/04/26 10:42 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#278 [向日葵]
############
キリます

感想、アドバイスなどよければ

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/04/26 10:46 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#279 [向日葵]
マスターは少し悩んでから、「じゃあ」と言って門の中に入って行った。

ガチャ

世津「ただーいまー。世衣ー。……?」

マスター「世衣さんどうかなされたんですか?」

世津「あ、今日学校休んでて。」

でもおかしいな…。
どんな時でも玄関まで出迎えに来る世衣が来ない。

居間を見ても、洗面所を見てもいない。

『部屋で寝てるのかな……?』

⏰:07/04/27 13:21 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#280 [向日葵]
ん?

待って!

固まる私にマスターがどうしたのかと尋ねたが、私は門から玄関までの記憶を巻き戻しした。

門…玄関開けて…

!!!

私は玄関まで走る。
そして下を見ると、見慣れない男もんの靴。

『まさか…っ』

考えるよりも足が世衣の部屋へと向かう。

⏰:07/04/27 13:24 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#281 [向日葵]
ドタドタドタ!

階段を全力で上がって、ノックも無しに世衣の部屋のドアを開ける。
マスターも後を追って私と一緒に部屋に乗り込んだ。

バンッ!!!

『……っ!!』

世衣と千崎君のキスシーンが目に入ってきた……。

世衣「ぁ……せっちゃ……。」

私は何が今起こってるかわからない。
ただ今の感情を色に表すなら赤だ。

⏰:07/04/27 13:29 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#282 [向日葵]
世衣「ち……違うのせっちゃん!あのね……」

違う…違うって何よ……。
世衣はたどたどしく説明している。
でも私は自分の感情が頭の中にガンガン響いて、まるで世衣は口パクしてる様にしか見えない。

アンタはいいよね…その持ち前の可愛いさがあって、誰でも虜に出来る。



それが例え片割れである私の好きな人でさえ……っ!

⏰:07/04/27 13:32 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#283 [向日葵]
気づいたら右手を高く上げて世衣に降り下ろしていた。

我慢も限界。
今アンタを殴り倒したい。

しかしその手は、千崎君に止められた。

千崎「ちょ、なんで怒ってんの?俺は世衣が好きだからしたんだ!殴るなら俺だろ……?」

『好き……』

私だって好きだった。高2になって、仲良くなって過ごした時間は私の方がずっと長いのに…っ。

⏰:07/04/27 13:36 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#284 [向日葵]
世津「も……いぃ……。」

バカみたい。結局はみんな私を悪者扱いにする。
でも千崎君だけは違うと思ってた。


こんな自分も、皆も、世の中も、もぅ消えたい…。

私はフラフラと家を出ていった。
後ろで世衣が叫んでたけど、悲しみと怒りだらけの醜い私はそんな声すら聞けなかった。

マスター「世津さん……。」

マスターは私の後ろをついてきて、私の名前を時々呼んだ。

⏰:07/04/27 13:41 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#285 [向日葵]
歩いて行くと、川があった。
気を付けなければ足をとられて流されるかもしれないくらいの勢い。

からっぽになった頭で、私は川に足を浸けた。

マスター「世津さん!駄目です!上がってください!」

それでも私は深みへと行く。今はふくらはぎくらいの高さ。

ジャバジャバッ

マスター「世津さん!!」

マスターが私の手を引いた。でも私は振り払う。

⏰:07/04/27 13:44 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#286 [向日葵]
世津「もういいっ!同じ顔でも皆が愛するのは世衣だけじゃない!!…っなら私なんかいてもいなくても一緒よ!!」

私は泣き叫んだ。
結局言ってるのは昨日と同じ様な内容だ。

出口がせっかく見つかったのに、その出口は崩された。

世津「マスターも追いかけて来ないでよ!!私なんか消えたらいいのよ!!」

パチッ

泣き叫んでいる私をマスターは軽くひっぱたいた。
気付けば、いつの間にかまた流されないように腕を掴まれていた。

⏰:07/04/27 13:49 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#287 [向日葵]
マスター「消えて、それで満足ですか?残された私やお友達、世衣さんはどうなりますか?」

世津「知らない。そんなの知ってどうなるの……?」

マスター「……貴方を大好きな人達はどうなるんです。」

世津「そんなの入るわけない。」

マスターは掴んでいる手に少し力を込めた。

マスター「貴方を好きな私は…どうしたらいいんですか……。」

⏰:07/04/27 13:54 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#288 [向日葵]
世津「……え…?」

マスターの目を見る。
真剣で私を真っ直ぐ見ている。

私がずっと欲しかった、私を見てくれている目……。

マスター「消えたりしないでください……。」

そう言ってマスターは私を抱きしめる。
初めて男の人に抱きしめられる私は戸惑ったけど、目を瞑ってマスターの胸に顔を埋めて涙を流した。

世津「……マスター……。」

マスター「…ハイ。」

世津「……ありがとう……。」

⏰:07/04/27 13:59 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#289 [向日葵]
――――……

帰ってくるなり世衣が飛び付いて大号泣で謝った。
千崎君も謝ってくれた。

私だって悪いトコあったのに。

<翌日>

トコトコトコ……

世津「あ……。」

マスターがまた掃除をしていた。
するとマスターも私に気づき、ニコッと笑って会釈した。

⏰:07/04/27 14:02 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#290 [向日葵]
世津「こ……こんにちわ。」

マスター「こんにちわ。」

私は昨日のこともあって、照れ臭い。
でも一応言わなきゃ……。

世津「ぁ……あのぉっ!」

マスター「ハイ。」

世津「へっへへ返事は、まだ待ってください!ちゃんと考えたいんで!!」

⏰:07/04/27 14:04 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#291 [向日葵]
するとマスターはニコニコして、喫茶店のドアを開ける。

マスター「とりあえず、ココアはいかがですか?」

世津「……っいただきます!」

私とマスターの恋は、また今度のお話に続くのでした。

誰か一人でも自分を大切に思ってくれる人。
それは無敵で素敵なこと。
ねぇマスター……
私はね…。

⏰:07/04/27 14:08 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#292 [向日葵]
【双子】
Fin

⏰:07/04/27 14:09 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


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