恋愛喫茶店
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#1 [向日葵]
きらきら書いていた向日葵です

この度2作目をやらせて頂きます

今回は色んな恋の話を書いていきたいと思います(●´∀`●)相変わらず未熟ですが、読んで頂ければ幸いです

荒らしは勘弁で


ではどうぞ

:07/04/14 23:13
:SO903i
:vMCYy8i2
#2 [向日葵]
とある町に恋愛喫茶店という喫茶店があった……。
カランコロン
「いらっしゃいませ。私は当店のマスターでございます。ここでは様々な恋愛の話を私がさせて頂きます。メニューはこちら……。あぁですが、お客様は初めてなので、私が推薦する話を1つ……。」
:07/04/14 23:16
:SO903i
:vMCYy8i2
#3 [向日葵]
それは、突然でした。
【空へ手紙】
女子「ねぇ留衣アメいるー??」
留衣「ありがとー♪」
私は城崎 留衣。15歳。
只今3泊4日の修学旅行が始まったばかり。
:07/04/14 23:23
:SO903i
:vMCYy8i2
#4 [我輩は匿名である]
:07/04/14 23:25
:N702iD
:mlhYfwX.
#5 [向日葵]
留衣「あ、栄ちゃんもっ!ハイ!!」
栄「いるか。吐き気するわっ。」
一見冷たそうなこの子は私の大親友。早崎 栄ちゃん。
栄「大体アンタどんだけ食べるつもりだよ。」
私の前には山の様なお菓子があった。
留衣「だってなんたって修学旅行だよ?!ドキドキワクワク!!」
:07/04/14 23:26
:SO903i
:vMCYy8i2
#6 [向日葵]
栄「確かお菓子は500円までだけど……?」
しばし固まる私。
留衣「ま、バレなきゃへーきへーき☆!!」
あっけらかんと笑う私に栄ちゃんはため息をついて外を見る。
只今新幹線で移動中なのだ!!
私がルンルン気分でお菓子を食べていると後ろから女子が大合唱。
女子一同「えぇ――――っ!!!!」
:07/04/14 23:30
:SO903i
:vMCYy8i2
#7 [向日葵]
私は目を光らせて後ろへチョコレートを持ったままダッシュした。
留衣「ん?!何何?!?!」
女子「藍子、渡辺君と付き合ってるんだってー!!」
藍子ちゃんはストレートの黒髪が似合う子で、渡辺君は私達のクラスで2番目にカッコイイ男の子だ。
藍子「も、もともと幼なじみだったし、健ちゃんよく私のこと助けてくれてたから……」
女子「みなさん?聞きました?健ちゃんですってー!!!!!」
:07/04/14 23:36
:SO903i
:vMCYy8i2
#8 [向日葵]
女子一同「ィエ――――イ☆ラブラブゥゥゥ!!!」
みんなに冷やかされながらも、みんな藍子ちゃんを祝福した。
今の私達は恋多き時期なのだ。
女子「あ、ねぇねぇ留衣ちゃんは?」
留衣「へ?」
女子「あ、そーよね!!留衣ちゃんモデル体型なのになんで彼氏いないのー?」
:07/04/14 23:39
:SO903i
:vMCYy8i2
#9 [向日葵]
私は身長が165センチあって、髪も背中の真ん中当たりまであった。
手足も自分で言うのもなんだけど長くて、みんなからよくモデルやっとるのかと聞かれるのが多かった。
留衣「やー。彼氏ねー。」
栄「コイツこーゆーヤツだからさ。中身しったとたん…ね。」
一同「あぁ……。」
留衣「ちょっと何よみんなしてー!」
:07/04/14 23:43
:SO903i
:vMCYy8i2
#10 [向日葵]
私はよくドジる子なのだ。この前も階段を鎌田行進曲バリに転がっていったけどケロッとしていた。
そんな私をみんな不思議がっているらしい。
留衣「だってあんまり痛くなかったよー?」
栄「それがおかしいんだよ…。あ、そうだちょっと友達のトコに行かなきゃいけないんだ。行ってくる。」
留衣「ハァイ。」
私は手を振って、再びお菓子を食べ始めた。
:07/04/14 23:48
:SO903i
:vMCYy8i2
#11 [向日葵]
き○この山を次々に口に入れながら考える。
『彼氏かぁ…あこがれちゃうなぁ!!』
私は初恋はまだで、そんなに急がなくても高校に入れば当たり前に出来るだろうとバカな考えでいた。
――――出会いは突然やってくる。
?「ねぇ。」
留衣「ふぇ?」
口にチョコをつけながら私は振り向いた。
:07/04/14 23:53
:SO903i
:vMCYy8i2
#12 [向日葵]
そこに立っていたのは女の子と間違うほどの美少年だった。
加えていたお菓子を口からポロッと落としてしまった。
留衣「ぇ……あの……」
?「お話しない?」
留衣「あっ!ウンいいよ!!」
私は栄ちゃんが座っていた方に詰めて男の子を座らせた。
留衣「えっとー何君?」
?「南 睦月!」
留衣「睦月君。私は」
睦月「知ってるよ。」
「留衣だよ」と言おうとしたら遮られてしまった。
:07/04/15 00:33
:SO903i
:xam6cI0Q
#13 [向日葵]
留衣「え?知ってるって…。」
『もしかしてずっと好きだったって言う展開ー?!?!』
睦月「ドジで有名だからねっ」
っと可愛らしい笑顔で言ってくれる隣で私の妄想は儚くも崩れていったのだった…。
留衣「ウン…変人万歳みたいなね……」
:07/04/15 00:36
:SO903i
:xam6cI0Q
#14 [向日葵]
睦月「変人?どこが?」
睦月君はチョコだらけの口をハンカチを取り出して拭いてくれた。
睦月「無邪気でおっちょこちょいってカワイイじゃん。」
留衣「……っ。ありがとう!」
自然と笑みが溢れた。
初めてそんな事言ってもらえた。
睦月「階段の事も本当は痛かったでしょ?」
『え……』
:07/04/15 00:40
:SO903i
:xam6cI0Q
#15 [向日葵]
先生「おぉーい。点呼とるぞー。」
睦月「あ、行かなきゃ。じゃあまたね。」
留衣「えっ?あのちょ、」
するといきなり睦月君の顔が接近した。
睦月「俺と喋ったこと……内緒ね?冷やかされると困るし。」
『わっ……』
今まで女の子みたいな顔しかしなかった睦月君がいきなり男の子の顔になって私はドキドキした。
:07/04/15 00:43
:SO903i
:xam6cI0Q
#16 [向日葵]
睦月君が去ってしばらくしたら栄ちゃんが帰ってきた。
栄「たっだいまー。あれ?めずらしくお菓子あんまり食い散らかしてない。」
留衣「あ、それはーぁ……寝ちゃってて☆」
危ない危ない。
もう少しで約束破るとこだった。
栄「ふーん。何か嬉しいことでもあった?」
ぎくっ!!
留衣「な、なんで?」
:07/04/15 00:47
:SO903i
:xam6cI0Q
#17 [向日葵]
できるだけ平静を装って睦月君とのことをバレないようにした。
栄「んー。なんとなく。ま、アンタはずっと幸せそうだけどねー。」
話が終わって私は胸を撫でおろした。
でも内心では少し浮かれていた。
睦月[カワイイ…]
嬉しかった。初めてカワイイと男の子から言われた。
:07/04/15 00:50
:SO903i
:xam6cI0Q
#18 [向日葵]
:07/04/15 00:51
:SO903i
:xam6cI0Q
#19 [向日葵]
<次の日>
栄「留衣ー!早くしてよー!!朝ごはん早く行かないと席取られるんだからっ」
留衣「ちょ、待ってっ。髪の毛が結べないのっ!」
栄「もー(怒)先行くかんねっ!!」
そう言って栄ちゃんは先に部屋を出て行ってしまった。
仕方なく私も出来るだけ早く髪の毛を結んだ。
カチャ
部屋を出ると辺りはシーンとしていた。みんな早くに朝ごはんに行ったらしい。
:07/04/15 17:13
:SO903i
:xam6cI0Q
#20 [向日葵]
「おはよう。」
留衣「わっ!!ぁ、睦月君。」
睦月「ゴ、ゴメン!驚いた?」
留衣「うぅん!大丈夫!」
睦月君はそれを聞くとホッとしたのかニコッと笑った。
留衣「今日行くとこ楽しみだねー!!縁結びで有名な神社だよ!!」
睦月「へーそうなんだ。俺は最終日の生命の湖が気になるけどなぁ。」
:07/04/15 17:18
:SO903i
:xam6cI0Q
#21 [向日葵]
その湖は成仏出来ない霊が集まって天に昇ると言う言い伝えがあるらしい。
留衣「あー…。あそこってでも立ち入り禁止だから見るしか出来ないでしょ?」
睦月「そこがまたスリルありそうじゃん?!なんか曰くつきなのかなぁとか…例えばそこに踏み入ると一緒に連れて行かれるとか……」
怖い話をするように睦月君が喋るので私はゾーッとした。
もともとこの手は苦手なのだ。
留衣「やぁーだぁー」
聞こえないように耳を叩くようにした。
:07/04/15 17:23
:SO903i
:xam6cI0Q
#22 [向日葵]
すると
睦月「クスクスクス。冗談冗談。そんなのあるわけないよ。」
留衣「あ……あは……だよね……」
顔が赤くなる。
恥ずかしい。過剰反応しすぎた。
睦月「ホント留衣おもしろいね…。」
優しく笑って名前を呼ばれたので、なんだか胸が苦しくなった。
『あ…そういえば』
:07/04/15 17:26
:SO903i
:xam6cI0Q
#23 [向日葵]
留衣「なんで階段のこと……。」
私は誰かに一言も痛いなんて言った覚えない。
なのになんで……それがわかったんだろう……。
睦月「いやあの高さで痛くないわけないし。」
いやまぁそうだけどね…。
睦月「それに……」
睦月君は全てを見透かすように私を見た。
睦月「我慢したんでしょ?あの子達の為に……。」
:07/04/15 17:30
:SO903i
:xam6cI0Q
#24 [向日葵]
私はハッとした。
実は階段の件は私が自発的に落ちたのではない。
1年生の子がわざとではないが私にぶつかったのだ。
そしてバランスを崩した私は落下。
はっきし言って頭やら足は物凄く痛かった。
でも上を見てみるとその子は遠くでもわかるぐらい蒼白していた。とても反省していた。
だから、その場は私のドジで話をまとめたのだ。
睦月「無理矢理笑ってたから。俺は分かったよ。」
:07/04/15 17:34
:SO903i
:xam6cI0Q
#25 [向日葵]
すると睦月君はちょうどその時私の頭にたんこぶが出来た辺りを撫でてくれた。
睦月「偉かったね。」
その暖かさが私の体に広がる。
奥から人の声が複数聞こえた。朝ごはんを終えた人達が帰って来たようだ。
睦月「あ、俺も帰らなきゃ。じゃあね。」
そう言って睦月君は声がする方とは逆の方に歩いて行った。
:07/04/15 17:38
:SO903i
:xam6cI0Q
#26 [向日葵]
栄「あ!ちょっと留衣!!アンタなんで朝ごはんに……留衣?」
いつの間にか私の目からは涙が流れていた。
誰もが私のドジだと信じていたのに
[偉かったね。]
見てくれている人がちゃんといた。
留衣「あ、顔洗ってたら軽い目潰ししちゃったぁ☆」
そう言って涙を拭く。
栄「ハァッ?!気をつけなさいよー?!」
私はヘヘッと笑った。
分かってくれる人がいる。それだけで充分だと思った。
:07/04/15 17:45
:SO903i
:xam6cI0Q
#27 [向日葵]
―――……
パンパンッ
乾いた音が境内に響く。今日の見学場所、縁結びの神社に来ているのだ。
留衣「ぃよしっ!!ちゃんとお祈りしたっ!!ちゃんといい人が見つかるようと、幸せでいれますようにと、好きな人と結婚できますようにとー……」
栄「アンタお賽銭いくらいれたの……」
留衣「10円!」
栄「10円じゃ全部は聞いてくれないわね……。」
留衣「じゃあ1000入れて来る!!」
その足を止められ、お守り売り場まで引きずっていかれた。
カワイイピンク色の縁結びのお守りがあった。一目でこれにすると決定。
:07/04/15 17:53
:SO903i
:xam6cI0Q
#28 [向日葵]
そして、「あっ」と思い、もう1つ同じのを買った。
栄「?なんで同じの買うの?」
留衣「ドキッ!ぇっ?!いっ妹に!!」
栄「ふーん。」
実はこれは睦月君用にだ。今朝、私に元気をくれたお礼。
お守りを握り締めながら、私はほっこりとして笑みが溢れた。
『喜んでくれるかなぁ……。』
:07/04/15 17:57
:SO903i
:xam6cI0Q
#29 [向日葵]
栄ちゃんは行きたい所があると言ったが、私はトイレに行きたいと嘘をついた。後でトイレ近くのベンチで待ち合わすことにして、私達は別れた。
私が嘘をついた理由。それは睦月君を探しに行くからだ。
ジャリジャリジャリ……
砂利を踏みながら探すこと5分。
みんながいる所とは離れたところとは別の場所に少し小さめの境内があった。
留衣「なんだろうコレ。」
ポンポン
肩を叩かれたので振り向く。
ブニッ
人差し指でホッペを刺される。
:07/04/15 18:04
:SO903i
:xam6cI0Q
#30 [向日葵]
睦月「アハハハ!!ひっかかったー!!」
留衣「睦月君!」
つつかれたホッペを押さえながらイタズラの本人を見る。
睦月「ゴメンゴメン。なんでこんなトコにいるの?」
留衣「あ、あのね!コレ!!」
私はカバンからさっき買ったお守りを渡した。
留衣「今朝、元気もらったからお返し!睦月君にもいい人が現れますように!!」
睦月君はお守りをじっと見つめる。
『あ、ピンクって言うのがダメだったかなっ』
私は焦った。
でも焦ったのはつかの間だった。
:07/04/15 18:10
:SO903i
:xam6cI0Q
#31 [向日葵]
睦月君はお守りを両手で持って胸にあて、これ以上ないほどに笑った。
睦月「ありがとうっ。すごく嬉しいっ!」
その笑顔に私はみとれた。そして胸が高鳴っていくのを全身で感じた。
私は照れ隠しで境内の方を見て尋ねた。
留衣「ねっ…ねぇ!この境内は何?」
睦月「あぁそれはお稲荷さん。商売の神様だよ。」
留衣「ふーん。よく知ってるんだねぇ。」
ニコニコする私を睦月君は見つめた。
留衣「?」
睦月「お守りのご利益、あったかもね…。」
:07/04/15 18:16
:SO903i
:xam6cI0Q
#32 [向日葵]
:07/04/15 18:18
:SO903i
:xam6cI0Q
#33 [向日葵]
ザアァ…と風が吹く。
睦月「―――――……」
睦月君が何か言ったが風のせいで聞こえなかった。
留衣「え?なんて?」
風がやむ。
睦月君はニコッと笑った。
睦月「秘密。じゃあ、俺、そろそろ行くね?」
そう言って睦月君は謎と胸の鼓動を置いていってしまった。
:07/04/15 20:10
:SO903i
:xam6cI0Q
#34 [向日葵]
私は待ち合わせ場所のベンチに行った。
すると栄ちゃんがもう来ていた。
栄「留衣!ドコ行ってたんだよー!」
留衣「そ、そこのお稲荷さんに!」
栄「まぁいいや。行こうー。」
進みながら私はさっき居た場所を振り向いた。
『睦月君、何て言ったんだろー……』
:07/04/15 20:40
:SO903i
:xam6cI0Q
#35 [向日葵]
―――……
夕食時。
私はキョロキョロした。
『そーいえば何組か聞くの忘れてたなー。』
その時、遠くで睦月君の姿を発見。
『あっ!』
栄「あ、いい席発見!留衣行こう!」
留衣「あ、ウン!」
また同じ場所を見てみると既に睦月君の姿はなかった。
『……どっか行っちゃった……。』
:07/04/15 20:45
:SO903i
:xam6cI0Q
#36 [向日葵]
<次の日>
今日は市内観光の日。
みんなお土産屋でわいわいとはしゃいでいる。
そんな中でも私は睦月君を探した。
『この辺はいないのかなぁ……』
栄「ねぇ留衣?」
留衣「ぁ、何?!」
栄「アンタ最近おかしいよ?妙に挙動不振って言うか……。」
:07/04/15 20:49
:SO903i
:xam6cI0Q
#37 [向日葵]
ここまでせっかく隠し通したのに、知られる訳にはいかない……。
留衣「ま、街並みを目に焼き付けておこうと思って!ホラ、ここら辺地元より都会じゃない?!」
栄「好きな人でも出来た?」
唐突なその質問に私は固まった。
好きな人……?
私の好きな人…。私は……
しばらくすると私の頭からプスプスと煙が出てきた。
:07/04/15 20:54
:SO903i
:xam6cI0Q
#38 [向日葵]
栄「わぁわぁ!!ゴメン!!混乱さしてゴメン!!」
そして顔の温度上昇。
カアァァァァァッ
『そんなっ私っ……』
睦月君のこと……
結局市内観光中、睦月君と会うことはなかった。
―――……
ホテルに帰って、もうすぐ寝るって言う時私は飲み物を買いに売店に行った。
何人か売店でお菓子などを買いに来ていた。
:07/04/15 20:59
:SO903i
:xam6cI0Q
#39 [向日葵]
ミネラルウォーターを買って帰っていると、庭っぽいところに出る所があった。
何気なく外に出てみる。
夏独特の匂いがした。
「何してんの?」
留衣「へ?」
横を見ると小さい池の近くに睦月君がいた。
留衣「あっ。睦月君!睦月君こそ何してたの?」
睦月「明日でいよいよ最後だなぁって……。」
:07/04/15 21:15
:SO903i
:xam6cI0Q
#40 [向日葵]
あぁ、修学旅行最終日かぁ……。
留衣「早かったねー。よいしょ。」
睦月君の隣まで行き、私は座った。
留衣「楽しかったぁ!」
睦月「ウン俺も。」
その横顔を見ていて、昼間の栄ちゃんの言葉を思い出した。
すると睦月君はこちらを見た。
ドキッ
留衣「そっそろそろ中に入ろっか!!」
:07/04/15 21:49
:SO903i
:xam6cI0Q
#41 [向日葵]
勢いよく立ったせいで足をくじいてしまった。
留衣「危ない!」
睦月君は転びそうになる私を抱きとめた。
ドキ……
そう思ったのも束の間……
バシャァァァァァァン……
睦月君も支えきれず池に落下。
幸い池の水はキレイだったし、魚とかの生き物もいなかった。
:07/04/15 22:03
:SO903i
:xam6cI0Q
#42 [向日葵]
睦月「ぷはっ!大丈夫?!」
留衣「ゴホゴホッ!だっじょっ…ぶっ」
すると睦月君は顔にくっついてる髪の毛を取ってくれた。
彼の指が私の頬に触れる。彼の手は夏なのに驚くほど冷たかった。
だけど私はドキドキした。
留衣「好き……。」
とっさに出た言葉だった。
:07/04/15 22:13
:SO903i
:xam6cI0Q
#43 [向日葵]
私は自分でもびっくりした。だって今、しかもこんな状態で言うなんて。
留衣「あ、あの!違うの!!いや、違うことはないんだけどその……っ!」
わたわたしていると、彼の冷たい手が私の顔を包んだ……と思うと。
留衣「……っ」
睦月君の唇が、私の唇に触れた。
しばらくして離れると、先に睦月君は池からあがって私に手を差し伸ばしてくれた。
私はつかまり、ようやく池から出た。
:07/04/15 22:23
:SO903i
:xam6cI0Q
#44 [向日葵]
:07/04/15 22:24
:SO903i
:xam6cI0Q
#45 [向日葵]
栄「留衣?!ちょ、アンタなんでびしょ濡れなんだよー!」
留衣「池に落ちた…。シャワー浴びてくる……。」
栄「え?ちょっと留衣!!」
バタン
私はドアにもたれてズルズルと崩れた。
まだドキドキしてる。
初めてのキスは池の中。
もっとロマンチックなシチュエーションを考えていたけど……。
:07/04/16 20:56
:SO903i
:nxf9zRwU
#46 [向日葵]
『充分だよ……。』
今日は眠れないかもしれない……。
―――……
留衣「はくしょん!」
栄「やだアンタ風邪ひいた?」
留衣「大丈夫。くしゃみしただけだから!」
今日は最終日。
睦月君ご期待の湖を見に行く日なのです!
:07/04/16 20:59
:SO903i
:nxf9zRwU
#47 [向日葵]
生徒「ここかー幽霊が出る泉ー!」
湖の近くでは立ち入り禁止の立て札があった。
留衣「違うよ!天国に行ける湖!」
生徒「えーホントー?」
生徒「あ、ねぇねぇ!!あっちなんかあるよー」
バタバタバタ……
栄「何ムキになってんの?」
留衣「だって睦月君……」
ハッ!
言ってしまったっ!!
栄「え?睦月ってアンタ……」
留衣「違う!そんなこと言ってない!!……あ、なんか天国に手紙が書けるんだって!ぃっ行こう!」
栄「ちょっとる……」
私は栄ちゃんから逃げるようにその場を去った。
:07/04/16 21:11
:SO903i
:nxf9zRwU
#48 [向日葵]
留衣『あの…南 睦月のこと……?』
・・・・・・・・・・・
留衣「これで…よし!!」
天国に手紙を書くコーナーで、私は小さい頃に亡くなったおじいちゃんに手紙を書いた。
留衣「これを、水に浸して溶かす……っと。」
睦月「おじいちゃんに?」
留衣「わ!む、むむむむ睦月君!!!!」
昨日の今日なので目が合わせられない。
なんとか話題をと、この手紙の事を聞いた。
:07/04/16 21:16
:SO903i
:nxf9zRwU
#49 [向日葵]
訂正
一番上
留衣『』×
栄『』○
############
留衣「む、睦月君は誰かに書いた?」
睦月「ううん。死んだ人いないから…。」
寂しそうに言う睦月君に疑問を感じたので「どうしたの?」と聞こうとした時。
栄「留衣!!」
『!!ヤバイ!!バレちゃった!!』
:07/04/16 21:20
:SO903i
:nxf9zRwU
#50 [向日葵]
幸い周りには人がいなくて、気づいていたのは栄ちゃんだけだった。
留衣「あ、あのね栄ちゃん!こちらはっ」
栄「こちら?」
栄ちゃんは眉を寄せていぶかしんだ。
留衣「栄ちゃん?」
栄「留衣……アンタ……
誰のこと言ってんの?」
:07/04/16 21:42
:SO903i
:nxf9zRwU
#51 [向日葵]
私は頭が真っ白になった。
え?だって誰って……
私は睦月君の方を見た。
睦月君は無表情に栄ちゃんを見ていた。
留衣「睦月君……」
栄「留衣聞いて?南睦月は、ついこの間電車事故で死んじゃったじゃない!!」
栄ちゃんは私の肩を持って体を揺する。
その瞬間色々なことのつじつまが合ってきた。
:07/04/16 21:46
:SO903i
:nxf9zRwU
#52 [向日葵]
睦月君と会うのは人が居ない時で、しかも睦月君は自分とのことは内緒だと言った。
しかも睦月君が友達と一緒にいるとこだって見たこと無い。
そして何故か、例の湖のことを詳しかった。
栄「だから南がここにいるのはおかしいのよ?!アンタは、誰と話しているの?!」
留衣「だっ……て……」
ここにホラ……いるじゃ……
:07/04/16 21:50
:SO903i
:nxf9zRwU
#53 [向日葵]
すると睦月君は悲しそうな顔をして笑った。
睦月「あぁあ…バレちゃったね……。」
すると睦月君はスゥッと消えてしまった。
留衣「やだ!!睦月君!!」
私は走った。後ろで栄ちゃんが叫んでいたけど、それより睦月君を追い掛けた。
湖にいると私は直感した。
立ち入り禁止の立て札なんか無視して、私は湖のほとりにたった。
:07/04/16 21:53
:SO903i
:nxf9zRwU
#54 [向日葵]
留衣「やだっ!睦月君!!どこに行っちゃったの?!」
泣き崩れると、なんだか気配がするので顔をあげると睦月君が宙に浮いていた。
睦月「留衣。ありがとう。俺、留衣がずっと好きだった。階段の、あの時から頑張り屋の留衣が大好きだったよ。」
私は涙を流して睦月君を見ることしか出来ず、手が届きそうなので服を掴もうとすると、空を掻いた。
:07/04/16 22:00
:SO903i
:nxf9zRwU
#55 [向日葵]
留衣「なん……で……やだ!!行かないでぇっ!!」
チリン
鈴の音がなった。
気付くと睦月君はあのお守りを持っていた。それには鈴がついていたのだ。
睦月「お揃い!」
するとさっきよりも睦月君は薄くなっていく。
留衣「! っ嫌!!私睦月君が大好きなの!!離れちゃやだ!!」
すると睦月君は空けた体で私を抱き締めた。
:07/04/16 22:04
:SO903i
:nxf9zRwU
#56 [向日葵]
昨日みたいな温かみはもうないし、向こうが見える。
あぁ……ホントにもう、ここにはいないのね。
昨日手が冷たかったのは、死んでるからだったのね。
睦月「いつも、留衣の幸せを祈ってる。だから、俺の分まで生きてね……。」
その言葉を最後に睦月君は天へと旅立って行った。
:07/04/16 22:07
:SO903i
:nxf9zRwU
#57 [向日葵]
留衣「――――っ!!」
私はしゃがみこんでほとりの草を掴んで、声を押し殺し泣いた。
――――……
あれから数年。
私はまたこの地を訪れた。
まったく変わらない景色。そして、あのコーナーに足を運ぶ。
留衣「……書けた…。」
チャプン
:07/04/16 22:09
:SO903i
:nxf9zRwU
#58 [向日葵]
「貴方は、天国で幸せに暮らしてますか?」
そしてやがて紙は溶けていった。
ずっとずっと、忘れないよ。
大好きな私の初恋の人……。
:07/04/16 22:11
:SO903i
:nxf9zRwU
#59 [向日葵]
:07/04/16 22:13
:SO903i
:nxf9zRwU
#60 [向日葵]
【空へ手紙】>>2-59
:07/04/16 23:06
:SO903i
:nxf9zRwU
#61 [向日葵]
:07/04/16 23:07
:SO903i
:nxf9zRwU
#62 [向日葵]
マスター「今日は暖かいですねぇ。暖かいと言えば久しぶりに会いたくはなりませんか?」
************
春になりました。
進級して私達も3年生に!
【きらきら〜番外編〜】
:07/04/17 09:25
:SO903i
:WpwLL5hk
#63 [向日葵]
友姫「え?!みんな同じクラス!!」
クラス表を指差しながら私は声をあげた。
そのせいで何人か私に視線を向けた。
律「あ、いたいた。ゆーきー!!」
後ろで秋帆と律が立っていた。
友姫「すごいね!!私達だけじゃなく佳苗ちゃんとか白月君とかも一緒!!」
「ついでに俺もな。」
後ろを振り向くと私の大好きな人が。
友姫「珊瑚君!!」
:07/04/17 09:29
:SO903i
:WpwLL5hk
#64 [向日葵]
珊瑚「ここまで揃うと驚く。」
珊瑚君は私の大切な人で、現在はお付き合いをしています。(詳しくは「きらきら」まで!)
ガバッ
千歳「律ー!うぃっすー!!」
律の背後から千歳君登場。そして律にくっつく。
律「あっつ苦しいからやめて!!」
千歳「相変わらずつれないねぇー。で、デートの場所決まった?」
一同「デートォォォ?!」
:07/04/17 09:33
:SO903i
:WpwLL5hk
#65 [向日葵]
ことを返せば約2日前のことだったらしい。
千歳「付き合うことになったんだし、どっか行こうってなったんだよ。」
白月君と佳苗ちゃんも合流して、私達は千歳君の話に耳を傾けていた。
千歳「そしたら俺が選ぶとこ全部嫌って言うんだよ。」
律「水族館やら遊園地やらんな寒いとこ行けるか!!」
『いや結構定番だと思うけど……。』
:07/04/17 09:37
:SO903i
:WpwLL5hk
#66 [向日葵]
珊瑚「じゃあ石垣はどこがいいんだよ。」
律は珊瑚君の質問を受け、うーんと頭をひねりだした。
律「雑貨屋巡りとか?まぁ買い物でいい。」
佳苗「初デートなら遊園地とか盛り上がるとこ行こうよ!」
みんな佳苗ちゃんの意見に賛成。「うんうん」と首を縦に振った。
律「そーゆーあからさまにデートスポットみたいなトコは嫌いなんだよー……」
:07/04/17 09:42
:SO903i
:WpwLL5hk
#67 [向日葵]
暁「じゃあ皆で行くのは?!」
白月君の唐突な答えに皆目が点。
暁「だってクラスだってせっかく一緒になったんだからさー!!ちょっとした親睦会も兼ねてどうよ!!」
秋帆「じゃあ私の彼氏も誘っていぃ?!?!」
と秋帆と白月君意気投合。佳苗ちゃんも賛成した。
珊瑚「友姫は?どうする?」
友姫「え?別にいいけどー…。」
:07/04/17 09:47
:SO903i
:WpwLL5hk
#68 [向日葵]
視線を千歳君に向けると、千歳君はニカッと笑った。
千歳「俺は別にいいから。」
その声が若干へこんでいたのは気のせいではないだろう。
『ホントは2人でお出かけしたかったんだろうなぁ……。』
・・・・・・・・・・・・
校長「―――なのでー皆さんにはー…」
名前の順に並んでみんな整列…が普通ですが、3年にもなると皆友達と喋るために席移動。(もちろん出席確認が済んでから。)
:07/04/17 09:52
:SO903i
:WpwLL5hk
#69 [向日葵]
なので、私達は固まって出掛ける場所を小声で決めていた。
白月「で、遊園地or水族館どっち?」
律「え?いつの間に私の嫌いな2つになったの?」
千歳「律がどっちも拒否するから逆に?みたいな。」
律「分かんない。逆にの意味が分かんない。」
とりあえず抗議する律を半ば無視して、私達は話を進める。
:07/04/17 09:56
:SO903i
:WpwLL5hk
#70 [向日葵]
:07/04/17 09:56
:SO903i
:WpwLL5hk
#71 [奈津歩]
きらきらを読みたいんですがどこにあるか分からなくて教えてもらえませんか??。・゚(p'д`。@[涙]q
:07/04/17 15:43
:D902iS
:☆☆☆
#72 [向日葵]
:07/04/17 19:23
:SO903i
:WpwLL5hk
#73 [向日葵]
佳苗「私遊園地がいいなぁ!!コーヒーカップぐるんぐるん回したい!!」
秋帆「私は水族館がいいなぁ〜。イルカのショーみたいし♪」
ここで二手に別れる。多分白月君は佳苗ちゃんの方に回るだろうし、秋帆の彼氏も然りだろう。
律に至っては両方拒否。
千歳君は律に従うから迷ってる。
私と珊瑚君は皆に合わせようと思ってる。
というわけで、公平にじゃんけんで。
:07/04/17 20:12
:SO903i
:WpwLL5hk
#74 [向日葵]
秋帆・佳苗「じゃーんけーんぽんっ!あーいこーで……」
結果。
秋帆「やったぁー!水族館☆!!」
となりました。
暁「じゃあ明日の土曜日10時に水族館前なぁ!」
一同「はーい!!」
――…
友姫「でも水族館って何年ぶりだろー。小さい頃行ったまんまだぁ。」
:07/04/17 20:16
:SO903i
:WpwLL5hk
#75 [向日葵]
いつものように図書室の秘密の場所でのんびりしている。最近は温かいので窓からの風が心地良かった。
珊瑚「水族館は結構好きだから弟連れてよく行ってたな。」
古い本を見ながら珊瑚君の後ろ姿を座って見ながら私は話を聞いた。
私も近くの本棚に手を伸ばしてパラパラと本を見た。
珊瑚「そういえば、母さんが一度家に来いって言ってたぞ。」
友姫「え?なんで?」
珊瑚「まぁ、俺の一部になったお礼がしたいんじゃないか?」
:07/04/17 20:22
:SO903i
:WpwLL5hk
#76 [向日葵]
友姫「ハハ!変な言い方!」
珊瑚君は本を選び終わったらしく、本を持って私の隣に座った。
珊瑚君は一度命を落としかけて、血が足りなかった時、同じ血液型の私が輸血をしたのです。
友姫「明日楽しみだね!」
珊瑚「……そうだな。」
そう言って、珊瑚君は私の肩を抱きよせた。
珊瑚君にはずっとドキドキしっぱなしだな…。
:07/04/17 20:26
:SO903i
:WpwLL5hk
#77 [向日葵]
次の日
秋帆「おっはよーぅ!!」
?「ども…。」
秋帆の隣には彼氏と思われる男の子。
なんだか穏やかでやさしそうな人だ。
秋帆「三浦 恵都(みうらけいと)君。A組なんだ!」
恵都「よろしく。」
その時フワッと笑った顔が、秋帆が好きになった理由の一つだと分かった。
すごく可愛かった。
:07/04/17 20:31
:SO903i
:WpwLL5hk
#78 [向日葵]
佳苗「とりあえず中に入ろうっか?!」
私達は入場券を買ってから中に入った。
・・・・・・・・・・・・
友姫「うっわー……。」
中に入るとエスカレーターで上がる所が水中トンネルになっていた。
秋帆「手が真っ青に見えるー!」
佳苗「りっちゃん!楽しくない?!」
律「ぇっ……ウンまぁ……。」
:07/04/17 20:34
:SO903i
:WpwLL5hk
#79 [向日葵]
やはり律は乗り気ではない。
千歳「律ー!もーちょっと楽しもうよ!せっかく皆で来てんだから!!」
律「わーかってるから黙ってて!!」
早くも2人の間に暗雲が垂れこむ……
それをハラハラしながら見守る私達……。
とりあえず最初のゾーンに到達。
暁「おーラッコだってよー!カメラカメラ!!」
と、一斉に携帯を取り出す一同。
:07/04/17 20:39
:SO903i
:WpwLL5hk
#80 [向日葵]
みんな、人混みの中必死にラッコの姿を写そうとする皆の後ろで、私と珊瑚君と律は待機。
友姫「珊瑚君ラッコ撮らなくていいの?」
珊瑚「俺がそんな愛らしいもんを必死に撮るガラだと思うか……?」
律「撮ってたら撮ってたらで腹抱えて笑ってるけどね…。」
『あれ?元気になったかな?』
:07/04/17 20:44
:SO903i
:WpwLL5hk
#81 [向日葵]
私はとりあえず元気が無い理由を聞いてみた。
律「だからいかにもカップルが来るトコが嫌なの。」
友姫「ホントにそれだけ?」
そこで、ぐっとなった律は、はぁー…と息を吐いて理由を語りだした。
律「小さい頃から、何かとアトラクションに乗ったら乗るたんびに止まるのよ……。」
聞いていくと、ジェットコースターは回ってる途中で止まる。しかもあの観覧車でさえ一番上に来た時点で止まったらしい。
:07/04/17 20:49
:SO903i
:WpwLL5hk
#82 [奈津歩]
ありがとございます!!!!そちらの方を読んでカラ改めて続編を読みたいと思います☆〃
頑張ってください♪
:07/04/17 20:50
:D902iS
:☆☆☆
#83 [向日葵]
律「だからあーゆー系に乗るのは怖いのよ……」
珊瑚「じゃあココは?」
律は水槽の方を見て一瞬見て、また喋りだした。
律「一回、落ちたの……。」
友姫「は?ドコに?」
さっきみたいな水中トンネルで足元が水槽みたいになってる奴があるトコがあるらしい。
当時訪れたそこの床には「ゆっくりと歩いてください。水槽を調整中です」と紙が貼られていたらしい。
:07/04/17 20:54
:SO903i
:WpwLL5hk
#84 [向日葵]
奈津歩さん

ありがとうございます

############
律の父、母、と順番に行き、最後に律が渡った時……ズボッといったらしい……。
律「それ以来、どんなトコでもいつか水槽が割れるかと思うと……」
初めて聞く律の体験にただただ唖然とする私と珊瑚君。
律「だから両方嫌いなのよ。」
とげっそりしながら言う律。
ウンそりゃ嫌いになると思うよ!
:07/04/17 21:02
:SO903i
:WpwLL5hk
#85 [向日葵]
:07/04/17 21:04
:SO903i
:WpwLL5hk
#86 [向日葵]
だからさっきエスカレーターで機嫌が悪かったのかもしれない。
友姫「でもさっ!今日はそれを克服するつもりで楽しもうよ!!千歳君も心配してるしさ……」
律はラッコを必死に写してる千歳君を見た。
するとその千歳君がこっちへ来た。
千歳「律律ー!!ラッコ撮れたぞー!カワイイだろー!」
と嬉しそうに写メを見せる千歳君。
律を元気づけたかったらしい。
:07/04/19 10:19
:SO903i
:V3sKYLxs
#87 [向日葵]
すると律はプッと吹き出して笑った。
律「ハハハそうね…カワイイ。」
そんな笑う律を見て、千歳君はホッとしたのか嬉しそうに笑った。
そんな2人を見て、私と珊瑚君も安心した。
・・・・・・・・・・・
とりあえず大きい水槽を見ても律はあんまり怖がらなくなった。
律なりに怖がらないよう努力しているらしい。
カシャ
私も水族館を楽しむ為に魚を撮影。
:07/04/19 10:23
:SO903i
:V3sKYLxs
#88 [向日葵]
珊瑚「何撮ったんだ?」
友姫「ん?クマノミ!映画であったでしょ?」
珊瑚「あぁ。」
すると珊瑚君も携帯を取り出してカシャリと撮った。
友姫「そーゆーガラじゃなかったんじゃないの〜?」
と少し悪びれて言ってみる。珊瑚君はとりあえず撮った写真を保存。
珊瑚「弟にだよ。帰ったら見せてやるんだよ。」
:07/04/19 10:28
:SO903i
:V3sKYLxs
#89 [向日葵]
『あぁなるほど。』
それにしても土曜日のせいもあって人が大勢いる。
迷子になってしまったら会うのが困難だ。
秋帆「ゆーきー!次行くよー!」
少し遠くで叫ぶ秋帆に手を高くあげて答える。
人混みを掻き分けて次の場所まで移動。
珊瑚「はぐれるぞ。」
そう言って珊瑚君は手を繋いだ。
『修学旅行思い出すなぁ……』
:07/04/19 10:34
:SO903i
:V3sKYLxs
#90 [向日葵]
ついこの間のことなのに、とても懐かしい気がした。
律「うぇ゛っ!!」
律のなんとも言えない叫びに気付き、私達はその場所を見た。
次はなっが――――い水槽トンネル。しかも律が嫌いな足元も水槽のタイプだ。
『なっがいなぁ……』
これはさすがに私でも怖くなる。
:07/04/19 10:39
:SO903i
:V3sKYLxs
#91 [向日葵]
友姫「律、みんな通ってるし大丈夫よ!行こう!」
千歳「律!」
律が青い顔で千歳君を見ると、千歳君は律に手を差しのべていた。
律「…。」
律は恐る恐る手を出して千歳君の手を握る。
そしてゆっくりと歩いて行った。
渡りきったとこで律はフーッと息を吐き、後ろを向いた。
律「友姫!渡れた………寛和。友姫は?」
:07/04/19 16:05
:SO903i
:V3sKYLxs
#92 [向日葵]
珊瑚「は?隣に……―――っ?!友姫!!」
後ろを振り向いても、私はそこにはいなかった。
―――……
『あ、どーしよ…。』
人に流されて全然知らないとこに来てしまった。
律を励ましている時、珊瑚君の手を離してしまったから、次々とくる人の波に呑み込まれてしまったのだ。
『あ!そーだ!!携帯!!文明の力だねぇ』
ゴソゴソ
パカ
<圏外>
『使えねぇ――っ!!!』
:07/04/19 16:12
:SO903i
:V3sKYLxs
#93 [向日葵]
とりあえず目の前に泳いでるペンギンを見ながら、近くにある椅子に座ることにした。
友姫「とりあえず現在地調べといて、圏外じゃなくなったら電話しよ。」
入場の時に貰ったパンフレットを見て何処かを調べる。
友姫「さっきここにいたからー…あ、ここだ。結構進んじゃったなぁ……。」
引き返すにももし行き違いになってしまったらまたややこしくなる為、大人しくここで待つことにした。
:07/04/19 16:16
:SO903i
:V3sKYLxs
#94 [向日葵]
『手離さなかったらよかったなぁ。』
手を見つめながら考える。
迷惑かけちゃったなぁ…
私って結構みんなに迷惑かけっぱなしだよねぇ。
あーみんなゴメンナサイ……。
パカ
<圏外>
未だ電波は私の携帯に入ってこない。
しかしボーッと眺めてるといきなり3本になった!
『あ!やった!!これで連絡出来る!!!』
:07/04/19 16:22
:SO903i
:V3sKYLxs
#95 [向日葵]
そう思った瞬間だった。
ピリリリリ
ピリリリリ
いきなりの着信に携帯を落としそうになってしまった。
友姫「わっ…とと!!あ」
ピッ
友姫「もしもし?珊瑚君?」
珊瑚{友姫?!お前今どこにいる?!}
友姫「えっと…」
:07/04/19 16:26
:SO903i
:V3sKYLxs
#96 [向日葵]
場所を告げようとした時、目の前を珊瑚君が通った。
友姫・珊瑚「{あっ!!!}」
私は椅子から立ち上がり、少し通り過ぎてしまった珊瑚君の元へ行こうとした、が、人が後から後から押し寄せてくる。
珊瑚「友姫!!」
珊瑚君が私の腕を捕えて、引き寄せた。
そして壁際に行き、人混みを避ける。
友姫「ゴメンナサイ!携帯圏外だったから連ら…っ!」
:07/04/19 16:30
:SO903i
:V3sKYLxs
#97 [向日葵]
珊瑚君が、私を抱き締める。びっくりして、言葉の先が言えなくなった。
珊瑚「はぁ…よかった……。」
友姫「……迷惑かけてゴメンナサイ。」
すると珊瑚君は力をさっきよりも入れて抱き締めた。
珊瑚「迷惑じゃなくて、心配したんだ……。」
友姫「…っ。フフ…大袈裟だよ……。」
こんなに心配してくれて、嬉しくなった。
:07/04/19 16:35
:SO903i
:V3sKYLxs
#98 [向日葵]
:07/04/19 16:36
:SO903i
:V3sKYLxs
#99 [向日葵]
すると珊瑚君が肩に頭を乗せてきた。
ドキ……
友姫「さっ珊瑚君……?」
珊瑚「友姫……俺………………吐きそう……」
友姫「……!!!!わー!!!待って待って!!トイレー!!」
珊瑚君。人混みに酔ったらしい……。
:07/04/20 16:38
:SO903i
:a5Fg/s1U
#100 [向日葵]
・・・・・・・・・・・
しばらくして、私の連絡を受けた皆が駆け付けて来た。
佳苗「友姫ちゃん!!良かったー!いたんだぁっ」
友姫「ゴメンナサイ。迷わ…心配かけて……。」
いつもなら迷惑かけてって言ってしまうけど、珊瑚君の言葉を思い出して、心配かけてに直した。
秋帆「あれ?寛和君は?」
友姫「ちょっと人に酔っちゃったみたいで……」
:07/04/20 16:47
:SO903i
:a5Fg/s1U
#101 [向日葵]
するとトイレから青い顔をした珊瑚君が出てきた。
珊瑚「ごめ……悪い……。」
千歳「ナイト様ファイトー(笑)」
珊瑚君は私が買っておいたジュースを貰った後、千歳君に蹴りをかます。
暁「じゃあ昼飯でも食うかぁ!」
近くにファミレスがあったので私達はそこに入ることにした。
:07/04/20 19:50
:SO903i
:a5Fg/s1U
#102 [向日葵]
いまさっきリバースしてしまった珊瑚君はドリンクバーで済ました。
―――……
秋帆「じゃあ、そろそろお開きにしますかぁ!」
佳苗「そぅねぇ!じゃあまた月曜日にぃっ」
一同「バァイバァ――イ!!」
散らばって帰る時、ちらっと後ろを向くと、手を繋いで楽しそうに帰る律と千歳君を見て嬉しくなった。
:07/04/20 20:17
:SO903i
:a5Fg/s1U
#103 [向日葵]
すると珊瑚君が手を握ってきた。
珊瑚「俺達も帰るか。」
友姫「うんっ!」
私達も足を進めた。
目の前に広がる夕日で赤く染まる空が、とっても愛しく、そして切なくなった。
友姫「わー綺麗…今日は楽しかったねー……」
また皆で騒いで、それを何回も繰り返して、何年後かに懐かしいなって思い出すんだろうなぁ……。
:07/04/20 20:22
:SO903i
:a5Fg/s1U
#104 [向日葵]
すると珊瑚君が急に頬に唇を当ててきた。
友姫「っえ!!!!」
頬に手を当てながらズザッと離れる。
友姫「え?!え?!?!えぇっ!!!!!」
珊瑚「ゴメン。綺麗だと思ったからつい……。」
やっぱりこの人には、いつまでも敵わない。
私はドキドキしっぱなし。
:07/04/20 20:26
:SO903i
:a5Fg/s1U
#105 [向日葵]
私は珊瑚君の隣に戻って言った。
友姫「もっと思い出作ろうね。」
珊瑚「そうだな……。」
珊瑚君の手を握り、肩に頭を乗せた。
友姫「みんなとも……珊瑚君ともっ」
珊瑚君は私の頭に自分の頭を乗せて「そうだな」と呟いた。
そして私は微笑みあい、明日、そして未来へまた進みだす。
:07/04/20 20:31
:SO903i
:a5Fg/s1U
#106 [向日葵]
:07/04/20 20:32
:SO903i
:a5Fg/s1U
#107 [向日葵]
:07/04/20 20:34
:SO903i
:a5Fg/s1U
#108 [奈津歩]
:07/04/21 07:56
:D902iS
:☆☆☆
#109 [向日葵]
バンッ! カランコロンカラン
「マスターさん!私付き合うことになりました!」
マスター「おや良かったですねぇ」
いらっしゃいませ。
ここは恋愛喫茶店。
様々な恋にまつわる話を、僭越ながらここのマスターの私がさせていただきます。
今いらっしゃった大人しいこの方はお店の常連の方です。ようやく想いが通じた模様です。
:07/04/21 07:58
:SO903i
:41Sa6sCQ
#110 [向日葵]
マスター「では、この方の話を少し……。」
・・・・・・・・・・・・・・
身分とか歳とかで引き裂かれる恋がある。
きっと私もそーゆーのと同じ部類。
本当だったら好きになってはいけない人なのに……
【背伸び】
:07/04/21 08:00
:SO903i
:41Sa6sCQ
#111 [向日葵]
キャハハハ……
パタパタパタ……
廊下では楽しそうに女の子が走っている。
私は、仕事の日誌を書きながらその声を聞いていた。
「今日誰が遅刻してたっけ……」
申し遅れました。私の名前は綴 沙希(つづり さき)。
まぁ言っちゃあなんだけどこれは押し付けられた仕事なのです。
私は頼まれたら断れないのだ。
:07/04/21 08:09
:SO903i
:41Sa6sCQ
#112 [向日葵]
『こんな性格嫌いなのに……。』
ガラガラ
「あれ?綴じゃないか。どうした?」
入ってきたのはこの学校でも人気の体育の先生。
まだ23歳と若くて、カッコイイ。
沙希「あ、芦名先生。」
名前は芦名 幸人(あしな さいと)。私のクラスの担任。
芦名「お前今日日直じゃないだろ?」
:07/04/21 08:15
:SO903i
:41Sa6sCQ
#113 [向日葵]
奈津歩さん

あげててくれたんですね

ありがとうございます

############
私は書きながら答える。
沙希「クラスの子が急用が出来たらしいんで、私がやってるんです。」
芦名「お前それ何日目だ……。」
……実は4日目…。
クラスは私がこーゆー性格だって知って頼んでくる。
利用されてることぐらい承知だ。
:07/04/21 08:19
:SO903i
:41Sa6sCQ
#114 [向日葵]
私は握り拳を作って先生に熱弁した。
沙希「大丈夫です!皆の役に立つならこれぐらい平気です!!」
こんなこと言わなきゃ先生は心配するだろう。
まぁ思ってもないけどね……。
『あ。』
沙希「先生。ちょっと失礼します。」
そう言って、私は先生の流れている汗をハンカチで拭いた。
:07/04/21 08:33
:SO903i
:41Sa6sCQ
#115 [向日葵]
沙希「部活途中に会議でもあったんですか?汗、ちゃんと拭かないと風邪ひきますよ?」
私は笑いながら先生の汗を拭く。
先生は拭かれながらムスッとした。
芦名「俺はガキじゃねーんだぞ。」
沙希「5歳しか変わらないじゃないですか。」
すると先生は私のおでこにデコピンをした。
軽く退けぞって私はおでこを押さえなか抗議の目を向けた。
:07/04/21 09:02
:SO903i
:41Sa6sCQ
#116 [向日葵]
沙希「なぁにすんですかぁ…。」
芦名「大人からかった罰。」
私はムーッとして、再びペンを持って日誌を書き始めようとしたらペンを取られた。
芦名「今日はもういいから帰れ。」
沙希「これぐらいどってことないですよー!ペンかうしてくださいっ。」
ペンを奪おうとするものの、あちらこちらに手を振り回すので手は空をかいた。
:07/04/21 09:06
:SO903i
:41Sa6sCQ
#117 [向日葵]
:07/04/21 09:07
:SO903i
:41Sa6sCQ
#118 [向日葵]
芦名「帰るっていうまで返してやらん。」
沙希「横暴ですよ!!……――あーわかりました!!帰りますよ!」
そう言うとちゃんとペンを返してくれた。
私は荷物を持って椅子を机に入れた。
沙希「先生も早く部活戻ってください!ハンド部のみんなすねちゃいますよ!」
芦名「まぁ俺人気だからね(笑)じゃ、気を付けて帰れよ。」
沙希「さようなら。」
ガラガラガラ……
芦名「さてと……あ。」
芦名は沙希が忘れたハンカチを見つけた。
それを手に取り、クスッと笑ってからズボンのポケットに入れた。
:07/04/21 12:49
:SO903i
:41Sa6sCQ
#119 [向日葵]
<次の日>
「つーづーりーさん♪」
お姉さまグループのリーダー。山瀬さんだ。
山瀬「今日、ちょっと予定が入っててー早く帰らなきゃいかないんだよねー。」
『あぁ……まただ。』
この4日間、このお姉さまグループの人達の代わりをしてきてラスボスがきた……。
でもやっぱりラスボスはラスボス。
威圧感があるせいで普段断れない私に更に畳み掛けて断れなくする。
:07/04/21 15:14
:SO903i
:41Sa6sCQ
#120 [向日葵]
沙希「…うんいい」
芦名「綴ぃー。」
呼ばれたのでドアの方を見ると、先生が手をおいでおいでと振っている。
とりあえず「ちょっと…」と言って山瀬さんから離れた。
沙希「…なんですか?」
芦名「コレ。」
差し出されたのは、昨日汗を拭いてくれた時に使ったハンカチだ。
沙希「あ!どーして…」
芦名「お前昨日忘れたんだよ。」
手に取り気付いた。
:07/04/21 15:21
:SO903i
:41Sa6sCQ
#121 [向日葵]
沙希「もしかして、アイロン……」
芦名「アイロンだけじゃなくて洗濯もしてドライヤーで速攻で乾かしたぞ!」
そこまでしてくれるなんて。人気者の理由はこーゆートコなんだろうなぁ。
ドライヤーで一生懸命乾かしている先生を思うと、微笑ましくて優しい気分になって、自然と笑う。
沙希「ありがとうございます…。」
笑う私を見て、キョトンとした先生は少し意地悪そうな顔をして笑った。
:07/04/21 15:27
:SO903i
:41Sa6sCQ
#122 [向日葵]
芦名「普段からそうやって自然に笑ってたら可愛いのに。」
と耳もとで言った。
沙希「ひゃっ…な!何を!!」
また意地悪そうに笑うと、先生はヒラヒラと手を振りながら次の授業に向かった。
私はまだ熱が残る耳に手を当てて、先生の背中を見ていた。すると背後から声が。
「禁断……か。」
沙希「えぇっ?!あ、照ちゃん。」
照「おっす!おはよー。」
沙希「遅刻だけどね…。」
:07/04/21 15:36
:SO903i
:41Sa6sCQ
#123 [向日葵]
この子は池脇 照(いけわき てる)ちゃん。
姉御肌の私の大親友!
…………って
沙希「禁断って何?!?!」
照「え?違うの?」
沙希「違うって言うかそんなんじゃないし…。」
照「向こうはアンタを愛でてる感じがしたけどねぇ。」
と、もういない方を手をかざして見る照ちゃん。
見る方は先生が行った方向だ。
沙希「ペットみたいなもんでしょ。」
『そんなことあるわけがない…。』
:07/04/21 15:43
:SO903i
:41Sa6sCQ
#124 [向日葵]
自分で思ってがっかりしてる自分に気がつく。
『…っえ?!私なんでがっかりしてるの?!』
―――――……
山瀬[じゃあよろしくね♪]
と先程ご機嫌良く帰りなさった山瀬さん。
やっぱり今日も(仮)日直。
5日目突入。
『わーいおめでとうー…って何もめでたくないわ――っ!!!』
:07/04/21 15:49
:SO903i
:41Sa6sCQ
#125 [向日葵]
思わず軽くペンを日誌に叩き付ける。
プチコント終了。
とりあえず日誌を書く。
『今日何日だっけー。』
黒板を見ると同じにドアが開いた。
芦名「はー…。やっぱりお前か……。」
先生は入口でもたれかかって腕組みしながら私を見た。
沙希「あ……アハハハ。やっぱり私です。」
先生はトコトコ歩いてきて私が座ってる前の席の椅子に座った。
:07/04/21 15:59
:SO903i
:41Sa6sCQ
#126 [向日葵]
沙希「先生?部活に行かないんですか?」
すると先生は私のペンを奪って日誌を書き始めた。
沙希「……先生?」
芦名「何?早く済ませるよ。」
沙希「は、はぁ……。」
カリカリと書いてる先生の手元を見ていた。
『わー男の人の手だぁ…。ゴッツゴツだなぁ……。』
[禁断]
照ちゃんが言った言葉を思い出し、急激に意識しだしてしまった。
:07/04/21 16:08
:SO903i
:41Sa6sCQ
#127 [我輩は匿名である]
おもしろーいっ


:07/04/21 17:41
:SH702iD
:t9VNk/ZU
#128 [向日葵]
我輩さん

ありがとうございます

もしかして「きらきら」の時にもコメしてくれた方でしょうか



###############
ブニッ
先生は私のホッペをつねった。
沙希「@◇*%★■□○?!」
芦名「なぁーに見つめてんのー??」
沙希「べ……べべべべ別に何も……っ!!!!」
:07/04/21 20:58
:SO903i
:41Sa6sCQ
#129 [向日葵]
芦名「それとも……」
カタン……
先生は私に顔を近付けて囁いた。
芦名「なんかして欲しいの……?」
ガァァァァァァァ
顔の温度が一気に上がる。
そんな目で見つめないで。引き込まれてしまう。
芦名「……プッ」
プッ?
芦名「アハハハ!!やっぱりガキだな!こんなんで赤くなるなよっ!」
『―――っ!!からかわれたっっ!!』
:07/04/21 21:03
:SO903i
:41Sa6sCQ
#130 [向日葵]
でも顔は熱いままだし、胸の奥では鼓動がうるさい。
――――コノ気持チヲナンテ呼ブ?
ザァァァァ……
沙希「へ?」
いきなり大雨。
しかも雷が光っている。
沙希「え……えぇぇぇぇ?!天気予報で雨なんて言わなかったじゃない!!!」
芦名「まぁそーゆーこともあるわな」
:07/04/21 21:17
:SO903i
:41Sa6sCQ
#131 [向日葵]
もちろん傘なんて持ってない。
これはたぶん通り雨だろうからしばらく待っておけば治まるかもしれない。
『とりあえず日誌でも書きながらのんびりと……』
チャリ
私の目の前に複数の鍵が垂れている。
それを少しずらして先生が顔を覗かせる。
芦名「今なら彼女しか乗せない車に乗せてやってもいいよ。」
沙希「あ、いいです。きっといつか止みますし。」
:07/04/21 21:32
:SO903i
:41Sa6sCQ
#132 [向日葵]
すると鍵を持ち直して先生は席を立った。
芦名「長引いてもしらねぇよ?」
沙希「先生にお世話になるわけにはいきませんよ!先生だってお仕事が…」
芦名「日直押し付けられる時もそれくらい即答で答えてみろよ。」
先生はなんだか怒っていた。
沙希「先生…?」
芦名「歳上の申し出を即拒否するなんて失礼なやつだな……」
:07/04/21 21:46
:SO903i
:41Sa6sCQ
#133 [奈津歩]
:07/04/21 22:08
:D902iS
:☆☆☆
#134 [向日葵]
奈津歩さん

ありがとうございます

############
『あ……』
沙希「ゴメンナサイッ!!そんなつもりっ……」
芦名「もういい…。」
ガラガラ……バンッ!!
大きな音でドアを閉められ身がすくんだ。
『失礼だったかなぁ……』
でもあんなに怒るなんて……。
胸がキューッとして、悲しくなった。
:07/04/21 23:28
:SO903i
:41Sa6sCQ
#135 [向日葵]
雨は止むことなく、ザァザァと降り続ける。
窓の外ではみんな走って帰っていた。
『私もあーやって帰らなきゃいけないかなぁ……。』
・・・・・・・・・・・
沙希「失礼しました。」
日誌を書き終えたので、さっきの事があったから気まずかったけど勇気を振り絞って先生に渡しに来た。
しかし当の先生はいなかった。仕方なく、副担任の先生に預けて帰ることにした。
:07/04/21 23:39
:SO903i
:41Sa6sCQ
#136 [向日葵]
外は相変わらず雨が降っている。
しかも夜に近づいているため薄暗くなってきた。
校舎内も、なんだか不気味だ……。
『ちょっと怖いかも……』
「おい。」
沙希「ひぃっ!!」
後ろを振り向くと
沙希「あ、あれ……?芦名先生…。」
:07/04/21 23:43
:SO903i
:41Sa6sCQ
#137 [向日葵]
いない芦名先生がそこにはいた。
沙希「どーして……」
芦名「教官室で用事済ましてたんだよ。お前こそこんな時間までどうしたよ。」
沙希「あ、雨止むかなとかって。…でも無理でした。」
頭をポリポリかきながら笑って言う。
するとまたあの音。
チャリ
『……あ。』
芦名「限定1名。人気先生のく・る・ま。」
:07/04/21 23:48
:SO903i
:41Sa6sCQ
#138 [向日葵]
私は考えた。
でも……
沙希「お……お願いします……」
頼むことに慣れてない私は、少し照れながら先生に頼んだ。
すると芦名先生はニヤッと笑った。
暗闇の中、限られている光の中で浮き上がる先生の顔は、若いハズなのにずっと大人びて見えて、色気さえ感じた。
そんな先生に、私の心臓は早鐘のごとく鳴り響いた。
芦名「こっち。おいで。」
先生は優しく誘導してくれた。
:07/04/21 23:57
:SO903i
:41Sa6sCQ
#139 [向日葵]
沙希「あ、ハイ……。」
バタン
芦名「シートベルト締めたかぁ?」
沙希「あ、ハイ。オッケィです。」
先生の車は結構小さめの青い車。
中もやはり少し狭いので、助手席と運転席の距離が短い。
中では先生のコロンのいい匂いでいっぱいだった。
:07/04/22 00:02
:SO903i
:FqjmvV.I
#140 [向日葵]
私は色んなことにドキドキだった。
芦名「さてと…向かいますか。」
ドキドキしたまま、車は出発した。
信号待ちになる度、沈黙が苦しかった。
すると先生が口を開いた。
芦名「綴。お前どうして断れないんだ?」
沙希「……恐いんです。」
芦名「え?」
:07/04/22 00:05
:SO903i
:FqjmvV.I
#141 [向日葵]
私は中学生の時、ちょっとした事をクラスの子に頼まれた。
それを色々聞いていく内にみんな私を今のように利用していった。
さすがにいっぱいのことをこなす事が出来なかった私は、ある子の頼みを断った。
次の日には、私はクラスでイジメの的となった。
[アンタは言いなりになっておけばいいのよ。]
心ない言葉。あざけ笑うみんな
これが、人間…?
私だって人間なのに……。
:07/04/22 00:10
:SO903i
:FqjmvV.I
#142 [向日葵]
ううん違う。
私はあの人達にとって、都合のいいロボットだったんだ。
勘違いしてた。みんな自分を慕ってくれてるんだって、図に乗ってた。
芦名「ふーん……」
キキィー
芦名「ここか?」
ハッ!
『やだっ!!なんでこんな話っ!!』
沙希「ハイッ!!お世話になりました!!」
:07/04/22 00:14
:SO903i
:FqjmvV.I
#143 [向日葵]
シートベルトを外して出ようとドアに手をかくた。
芦名「俺は無理して笑うお前より、自然に笑うお前が好きだよ。」
沙希「……へっ」
すっすすすす好きって。
すすすすす好きって!!!
『あ、違う違う。そんなんじゃ無い無い!!』
芦名「恐いかもしれないけど、断る勇気も大切だぞ。」
先生は私の頭を撫でた。
芦名「頑張れよ。」
:07/04/22 00:19
:SO903i
:FqjmvV.I
#144 [向日葵]
訂正
手をかくた×
手をかくた○
#############
『頑張れ』
そんなこと初めて言われて、先生の手は温かくて、
芦名「…オイ。泣くな。」
嬉しかった。涙か後から後から溢れて止まらなかった。
『先生……好きです……。』
これがきっと恋なんだ。
私、ずっと先生の側にいたいよ……。
:07/04/22 00:24
:SO903i
:FqjmvV.I
#145 [向日葵]
訂正。
また間違えてる

手をかくて×
手をかけて○
#############
<次の日>
「つーづーりーさぁ〜ん♪」
来たっ!!
お姉さまグループおねだりの時間。
「今日日直代わってくれない?」
沙希「ゴメンナサイ!」
:07/04/22 00:34
:SO903i
:FqjmvV.I
#146 [向日葵]
「えぇーそう?わかったー。ねー誰かぁー」
『……っや、やったぁ……。』
先生……私、頑張れたよっ……!!!!
ガラガラ
芦名「ホームルームやっぞー。」
『後で先生に報告しよー…。』
そしてホームルームが終わり、教室から出ていく先生を追いかけた。
:07/04/22 00:46
:SO903i
:FqjmvV.I
#147 [向日葵]
沙希「せっ先生!」
芦名「ん?なんだ綴。」
沙希「ちゃんと、断ること、出来ましたよっ!」
と半ばはしゃいで報告した。
芦名「なぁ。そんな事、いちいた報告するのか?」
『え?』
昨日の態度とは打って変わって、先生は冷たかった。
沙希「あの……」
芦名「そんな事でいちいち呼び止めるなよ。」
:07/04/22 00:50
:SO903i
:FqjmvV.I
#148 [向日葵]
―――ドクン…
そんな……事……
芦名「俺、授業あるから。」
そっけなく、先生は授業へ行ってしまった。
なんで……?だって昨日まであんなに優しかったじゃない。
私何かした?
気に入らないこと言った?
ウザかった?
照「うぃーっす沙希!!」
:07/04/22 00:55
:SO903i
:FqjmvV.I
#149 [向日葵]
休憩します

:07/04/22 00:55
:SO903i
:FqjmvV.I
#150 [向日葵]
沙希「あ、……おはよう…。」
先生。私……
迷惑だった?
――……
放課後。
何もないけど私は教室にいた。
もしかしたら先生が来てくれるんじゃないかと言う有り得ない期待をして。
:07/04/22 01:52
:SO903i
:FqjmvV.I
#151 [向日葵]
『私が何をしたって言うのよー……』
窓の外をボンヤリ眺めながら思う。
断れるようになったし、日誌を書くことはもう無い。
先生との接点だってなくなった。
所詮は先生と生徒。
私は……
ポタポタポタ
:07/04/22 02:21
:SO903i
:FqjmvV.I
#152 [向日葵]
先生……私は、貴方の生徒になりたいんじゃなくて、特別になりたいっ……!!
ガラガラガラ
ハッ!
私は急いで涙を拭いた。
山瀬「やっほー!綴さん!!」
ドアにお姉さまグループがズラリ。
沙希「えっ……?あの……。」
山瀬「今日聞いちゃったー。幸ちゃんのおかげで断れたのねー。私達からのも・う・し・で。」
:07/04/22 02:36
:SO903i
:FqjmvV.I
#153 [向日葵]
!!!
山瀬「ったく、うっとおしー。幸ちゃんとこの頃べったりだってー?」
「はぁーい!私昨日車で送られてるとこ見ましたー!」
山瀬「アンタは日直やってりゃーいーのよ!目障り!!明日からまた日直しなさいよね。」
まただ。
また無理だった。
目の前が真っ暗。
私はロボットじゃないのに……。
:07/04/22 02:51
:SO903i
:FqjmvV.I
#154 [向日葵]
「おーやだやだ。」
「「?!?!」」
沙希「せっ……せんせ……」
いつの間にか先生がドアの所に立ってた。
山瀬「幸ちゃん!!」
芦名「そんな嫌がらせし
てると彼氏から嫌われちゃうよー。綴。おいで。」
昨日、あの薄気味悪い校舎の中で手招きしてくれた時と同じくらい優しく呼んでくれた。
山瀬「ありえないんですけど!!なんでそんな子かばってんのー!!」
パタパタと先生のトコまで行き、私は横に立った。
この状況をどうすればいいか、私は先生と山瀬さん達を交互に見た。
:07/04/22 03:01
:SO903i
:FqjmvV.I
#155 [向日葵]
すると先生はクッと笑って私を抱き寄せた。
沙希「?!」
芦名「こーゆーことだよ。」
山瀬さん達は驚いていた。
芦名「言いたかったら言ったら?誰も信じないと思うけどね。」
そう言って、私達は教室をあとにした。
:07/04/22 03:05
:SO903i
:FqjmvV.I
#156 [向日葵]
:07/04/22 03:06
:SO903i
:FqjmvV.I
#157 [奈津歩]
:07/04/22 08:04
:D902iS
:☆☆☆
#158 [向日葵]
奈津歩さん

ありがとうございます

############
私達が向かった先は、空き教室だった。
念のため、先生は鍵をかけた。
沙希「先生っ!!意味がわかりませんよ!」
肩を抱いていた先生を私は引き離した。
沙希「なんで……あんな真似っ…!からかうのもいい加減にしてくださいっ!!」
芦名「……からかう?」
:07/04/22 11:12
:SO903i
:FqjmvV.I
#159 [向日葵]
先生は私の手をぐっと握って、引き離れた私を戻した。私はちょっと怖くなった。
沙希「ひっ…!だってそうじゃないですか!!」
芦名「誰がいつそんなこと言ったよ。」
先生は更に私を引き寄せ、力一杯私を抱き締めた。
『……っ!』
沙希「せんせっ……やめてっ!!」
これ以上傷つきたくないのにっ!!
先生の力は強くて、離れたくてもビクともしなかった。
:07/04/22 11:23
:SO903i
:FqjmvV.I
#160 [奈津歩]
いつでもあげにきます

:07/04/22 12:38
:D902iS
:☆☆☆
#161 [向日葵]
奈津歩さん
ありがとうございます

################
先生はそんな私の気持ちとは裏腹に、更にキツク抱き締めた。
沙希「せっんせっ…!苦しっ……」
芦名「我慢してたんだ…。」
『ぇ……?』
私は抵抗するのを止めて、先生の話に耳を傾けた。
芦名「俺は先生である前に一人の男なんでな。無邪気に笑いかけてくるお前が可愛かった。」
:07/04/22 16:22
:SO903i
:FqjmvV.I
#162 [向日葵]
先生の体温を感じる。
耳には私の鼓動か先生の鼓動かわからないけど音が聞こえる。
芦名「だから本気になる前に離そうとしたら傷ついた顔して泣きそうになってるし。ほっとけないから放課後行ったらあんなんなってるし…。」
先生のコロンと汗の匂いがする。
『それって……』
沙希「先生も私のこと好きなんですか……?」
目を輝かせて問う私に、先生はニヤッと笑って
芦名「も、ってことはお前俺が好きなんだろ?」
カアァァァァ
墓穴……
:07/04/22 16:29
:SO903i
:FqjmvV.I
#163 [向日葵]
沙希「でも…みんなにっ……」
芦名「少数意見なんか当てになんねぇーよ。まぁ、俺の側にいるのが不安なら、離れてもいいんだぞ?」
とニコニコ笑いながら言う。私は悔しかった。
だって先生の気持ちまだ聞いてないのに、私が先生の側にいるのが当然みたいに言うから……。
でも……
沙希「絶対離れないですっ」
私は強く先生を抱き締めた。
:07/04/22 16:34
:SO903i
:FqjmvV.I
#164 [向日葵]
好きになった人は内緒の人
でも内緒にするのもまたいいかもしれない。
【背伸び】
Fin
:07/04/22 16:35
:SO903i
:FqjmvV.I
#165 [向日葵]
:07/04/22 16:40
:SO903i
:FqjmvV.I
#166 [向日葵]
おはようございます。
今日もいい天気です。
青空が澄み渡り、太陽は暖かく差しております。
申し遅れました。
私はここのマスターをしております。
今日は天気もよく、喫茶店前を掃除しています。
バタンッ!!
マスター「?」
:07/04/22 16:51
:SO903i
:FqjmvV.I
#167 [向日葵]
後ろを振り返るも誰もいません。
マスター「……はて。」
「んー……」
?足許から人の声。
目線を向けてみますと……
マスター「なんと…。お嬢さん。大丈夫ですか?」
:07/04/22 16:56
:SO903i
:FqjmvV.I
#168 [向日葵]
―――……
パチッ
マスター「お目覚めですか?どうぞ。ダージリンのミルクティーです。」
コトッ
「え?!なんでウチ……!!」
マスター「おや、関西の方ですか。」
「?お兄さん誰っ?!ってかココドコ?!」
:07/04/22 17:02
:SO903i
:FqjmvV.I
#169 [向日葵]
倒れたことを覚えてないようなので、私が一部始終をお話して差し上げました。
「ホンマにぃ〜。おおきになぁー。」
マスター「何かお悩み事でも?」
お嬢さんはミルクティーを一口飲むと、涙を流しだしました。
:07/04/22 17:05
:SO903i
:FqjmvV.I
#170 [向日葵]
「あんなぁ…っ…ウチ好きな人おってんっ……。」
【届かぬ手】
「おはよーさーん!!」
ウチは大河 晴子(16)。バリバリの現役女子高生!
「晴子おっはよー。」
晴子「おっはよー梅ぇ!!」
オトンの仕事の関係で引っ越さなアカンようになって高校から今の学校に来るようになった。
最初はちょい不安やったけど、みんなえぇ奴ばっかりで、ウチはすぐ溶け込めた。
:07/04/22 17:15
:SO903i
:FqjmvV.I
#171 [向日葵]
「相変わらずでっかい声やなぁ。」
晴子「ん?おう笹木!おはよーさん!」
笹木「おはよーさん。」
コイツは笹木 真児(ささきしんじ)。コイツも関西出身でウチとよく気が会う奴。
笹木「昨日の漫才コンテスト見た?」
晴子「見た!あれごっつおもろかったんやけど!!」
笹木「まぁ俺には負けるな!」
晴子「冗談は顔だけにしときー!」
クラス中がウチらの話に笑う。ウチら2組の(ウチのクラス)漫才師とか呼ばれとる!!
:07/04/22 17:21
:SO903i
:FqjmvV.I
#172 [向日葵]
それぐらい息ぴったりなんよ!!
梅「もう付き合ったら?アンタ達。」
晴子・笹木「アカン!!」
晴子「こんなんと四六時中一緒におったら疲れるわぁ!」
笹木「それはこっちの台詞じゃぁ!!それに俺には彼女がおるんや。」
それを聞いて、ウチの胸の下辺りが気持ち悪ぅなった。
………………ウチは笹木が好きなんよ。
:07/04/22 17:27
:SO903i
:FqjmvV.I
#173 [向日葵]
梅「え?!そうなの!知らなかった……。」
乙女の法則。トイレ行く時は必ず友達連れて行く。
只今その真っ最中。
梅が鏡を見ながらリップを付けている。
晴子「別に知らんでもえぇよ。どーせどないもならへんもん。」
梅「そんなの分からないでしょー?強奪しなきゃ!!」
『この子は可愛い顔してよーそんな事言えるわ……。』
代々今の関係でウチは楽や。カレカノなんて、ウチの柄に合わへんし。
:07/04/22 17:35
:SO903i
:FqjmvV.I
#174 [向日葵]
梅が全部済んだとこでウチらはトイレを出た。
梅「いいとか言いながら、あれを見てもなんとも思わないの?!」
ビシィッと梅が指した方向に、笹木と彼女さんがおった。彼女さんはストレートの黒髪が綺麗で清楚な感じの子。
晴子「うっわー。ウチまで胸キュンやわぁっ」
梅「晴子!」
そんな事言うたってしゃあない。どうすることも出来へんねんから。
:07/04/22 17:44
:SO903i
:FqjmvV.I
#175 [向日葵]
:07/04/22 17:45
:SO903i
:FqjmvV.I
#176 [向日葵]
―――……
<掃除中>
笹木「大河ー。」
晴子「何ー?」
笹木は菷に手を乗せて顎をついている。
ウチは適当にその辺をワーッと掃いていた。
笹木「誕生日プレゼント何がえぇー?」
晴子「は?くれるんか?!」
笹木「俺とお前の中やないかい♪」
そう言って笹木は肩を組んだ。
:07/04/22 20:54
:SO903i
:FqjmvV.I
#177 [向日葵]
―――ドキッ
晴子「そ、…そーかぁ!!じゃあ金!!」
笹木「ダァホ!!(ドアホ)んなもんやれるかい!!」
菷の枝で頭を一発叩かれた。ごっつ痛い。
晴子「か弱い乙女に何すんねんアホー!!」
そう言って菷を剣みたいに持って笹木めがけて降り下ろす。が、受け止められる。
ガスッ
笹木「何がか弱い乙女じゃ!!ゴリラ!!」
:07/04/22 20:59
:SO903i
:FqjmvV.I
#178 [向日葵]
晴子「ウチがゴリラならお前はサルじゃぁ!!」
菷同士をせり合わせて言い合い。
これいつもの光景。
クラスの皆は見学中。
梅「じゃれあってる所悪いんだけど……」
晴子・笹木「「じゃれおーてへんわぁっ!!」」
梅「笹木。彼女来てるよ。」
ドアの入口を見ると、彼女さんが立ってて微笑みながら笹木に手を振った。
笹木「笑(えみ)!ちょー待ってなぁ!!」
:07/04/22 21:05
:SO903i
:FqjmvV.I
#179 [向日葵]
『笑言うんや……。名前まで可愛らしいこっちゃなぁ……。』
笹木「このアホ片付けたら帰るさかい!」
晴子「誰がアホじゃチンチクリン!!笑ちゃんごめんなぁ!!」
ウチがニカッと笑ちゃんの方を見ると、ウチには出来へんような柔らかい笑顔でにっこり笑った。
『名は体を表すってまさにこーゆーこっちゃなぁ…。』
とりあえず、笑ちゃんの為に掃除を早よ終らすことに専念した。
:07/04/22 21:10
:SO903i
:FqjmvV.I
#180 [向日葵]
―――……
梅{晴子ホントにこのままでいいの?}
只今梅と通話中。
さっきから話題はずっと笹木と笑ちゃんのこと。
梅はど――――してもウチと笹木をくっつけたいらしい。
晴子「えぇ言うてるやないのー。笹木とってもたら笑ちゃん泣いてまうで。あんな可愛い子泣かしたらアカンてー。」
梅{恋は戦いなのよ!!弱肉強食!!!強いものが勝つねんで!!}
晴子「梅あ●のり見すぎ(笑)しかも言葉移ってるし!」
:07/04/22 21:15
:SO903i
:FqjmvV.I
#181 [向日葵]
梅{とにかく出来ることあったら言ってね!応援するから!}
「ハイハイ」と言って電話を切った。
気付いたら11時半。
明日の用意して早よ寝なアカン。
そーいえば明日はウチの誕生日。
ってか笹木よう覚えとったなぁ……。
前に誕生日を教えあいっこした。
大分前やから絶対忘れとると思っとったのに。
『嬉しいわぁ…。』
:07/04/22 21:20
:SO903i
:FqjmvV.I
#182 [向日葵]
知らずの内に口がニヤけとって急いで治した。
その時携帯が鳴った。
♪〜♪〜♪〜
晴子「おっ?笹木や。」
ポチッ
<笹木>
ちょっと早いけど誕生日おめでとさーん\(^〇^)/また1個おばはんになったなぁ


ま、とりあえず良かったなぁ

ほたらばまた明日学校でなぁ



ニヤけてた口が更にニヤけた。
晴子「ホンマに早すぎやわ……。」
でもめっちゃめっちゃ嬉しかった。
:07/04/22 21:25
:SO903i
:FqjmvV.I
#183 [向日葵]
ウチはその日、携帯を握り締めて眠りについた。
―――……
<次の日>
晴子「おっっはよぉぉぉさぁぁん!!!!」
梅「わぁっ!今日はいつにも増して元気だねぇっ!!」
晴子「まっあねぇ〜♪」
だって昨日一番にメールくれてんもん!!テンションめっちゃ上がるし!!!
笹木「うぃっすババアー!!」
晴子「おっすガキィー!!」
笹木「そんなん言う子にはプレゼントあげへんよー!!」
:07/04/22 21:30
:SO903i
:FqjmvV.I
#184 [向日葵]
耳を疑った。
晴子「……ホンマにくれるん?」
笹木「ま、俺ジェントルマンやからなぁっ。ホレ。」
と胸を反らしながら、小さいラッピングされた袋をくれた。
ボケることすら忘れて、素で喜んだ。
晴子「うわ…ありがとう。」
ガサガサ
開けて見ると、中からはシャーペンが出てきた。
:07/04/22 21:34
:SO903i
:FqjmvV.I
#185 [向日葵]
笹木「俺からのプレゼントや!三回お辞儀してから使えや!!」
晴子「……っアホか!!普通に使うわ!!」
嬉しすぎて涙が出そうになって声が震えた。
たかがシャーペンやけど、ウチにとっては一番の宝もんや。
大事に……大事に使お……。
―――……
朝からハイハイテンションのウチに悲劇が起きた。
笑「大河さん?」
晴子「ん?あぁ笑ちゃんやない!!笹木ならトイレ」
笑「ううん違うの。」
:07/04/22 21:38
:SO903i
:FqjmvV.I
#186 [向日葵]
笑ちゃんは視線を泳がせて、もじもじしていた。
晴子「あ、あの……何?」
笑「こんなこと言うのは嫌だけど…真児君に、もう近付かないで……。」
晴子「……は?」
笑「2人でいる時、出てくるのは全部貴方の話題!私は……私は真児君の彼女なのに、まるで貴方が彼女みたいで…私、嫌なの……っ。」
笑ちゃんは両手をギュッと握り合わせて、震えてとった。
多分めっちゃ勇気出して言うたんやと思う。
正直腹立った。
:07/04/22 21:44
:SO903i
:FqjmvV.I
#187 [向日葵]
なんでアンタにそんなん言われなアカンの?とか
そんなん笹木に言えや。とか。
でも、ウチと比べて小柄ですぐ壊れそうな笑ちゃんにそんなん言うのは酷やと思ったし、まして彼氏が他の女の事話すのは辛いと思った。やから、ウチは考えとる百万語を何一つ言わんかった。
晴子「ウン!よー分かったよ!気をつけるわっ!」
ニカッと笑って返事した。それしか出来んかった。
笑ちゃんはホッとしたんか、頭を深々と下げて自分の教室に帰って行った。
:07/04/22 21:50
:SO903i
:FqjmvV.I
#188 [向日葵]
・・・・・・・・・
授業中。
ウチは笹木からシャーペンを使わんかった。
使ってもたら決心が揺らいでまうから。
ペソッ
横から小さい紙切れが飛んできた。
犯人が誰かは予想出来る。
カサカサ……
<授業めっさ暇ぁー(-_-#)>
笹木だ。
……でもウチは
カリカリ
:07/04/22 21:54
:SO903i
:FqjmvV.I
#189 [向日葵]
<授業中ですー。邪魔せんといてぇ。>
と返した。
紙切れはまた来たけど無視して、覚える気もない授業内容をボーッと聞いとった。
・・・・・・・・・
キーンコーンカーンコーン……
梅「晴子ー食堂行こー!」
晴子「オッケィ!!ウチ何食べよー♪」
笹木「大河。」
振り返るのが嫌やった。
でも不自然すぎるとアカンから、自然に振る舞う事にした。
:07/04/22 21:59
:SO903i
:FqjmvV.I
#190 [向日葵]
晴子「なんよ。」
笹木「お前ちゃんと返事せぇーや。」
晴子「したやん。授業中ですー言うて。」
笹木「お前いつもそんなん関係ないやんけ。何いきなりガリ勉なっとんねん!」
人の気も知らんで……って当たり前か。
晴子「ウチ次テスト頑張らなヤバイのぉー。アンタもウチの事構っとらんと彼女と仲良うしぃ。ほなねぇ。」
笹木「は?なんやねんお前っ!!」
笹木が怒ってる声を後ろで聞きながら、ウチは無視して心ん中で悲しんだ。
『もう、ウチに構ったらアカンのよ。』
:07/04/22 22:05
:SO903i
:FqjmvV.I
#191 [向日葵]
食堂で並んどる時、異変を察知した梅が質問攻めしてきた。
梅「アンタ達どうしたの?!ってかアンタどうしたの?」
晴子「えー?何もあらへんよー?おばちゃーん唐揚げ定食ー。」
向こうからおばちゃんの声が聞こえたのを確認して、梅も注文した後、また聞いてきた。
梅「晴子いっつも勉強出来んでもえぇんやぁ!!が口癖じゃない。なのにあんな……。」
晴子「心機一転!今の内に頑張らななぁ思ーて!!」
:07/04/22 22:12
:SO903i
:FqjmvV.I
#192 [向日葵]
注文した料理持って空いてる席に移動した。
梅「絶対嘘だね!!他の子達はそれで騙せても、梅は騙せないよ!!」
晴子「ハハハ梅おもろいなぁ!」
梅「晴子。」
真剣な梅に食べようとしてた箸を止めた。
晴子「…………彼女さんに笹木から離れてくれ言われたんや…。」
梅「えっ……!」
ウチは味噌汁をすすった。梅は固まって私を凝視する。
晴子「まあウチらちょっと絡みすぎたからなぁ!彼女さんはえぇ気せんかったやろそりゃ!しゃあないしやあない!!」
:07/04/22 22:17
:SO903i
:FqjmvV.I
#193 [向日葵]
笑ったせいで味噌汁が揺れた。
…………ううん。ちゃう……。ホンマは震えてたんや。涙我慢して。
晴子「ウチはどっちにしろ弱者やったんよ!しゃあないとかいいながらホンマは笹木が……欲しいて欲しいなぁ……」
梅「晴子ぉ……」
堪えきれん涙が味噌汁の中に入った。
晴子「うぅわ!味噌汁に更に塩分足してもた!メタボリックが叫ばれとる時やのに!!」
泣いてても頑張ってボケた。そうでもせな自分が折れそうな気ぃして仕方なかった。
:07/04/22 22:22
:SO903i
:FqjmvV.I
#194 [向日葵]
梅「バカ。そんなん言ってないで泣きなさいよ。ハイ。」
梅のもらったハンカチで、誰にも分からんように涙を拭った。
――――……
<掃除>
いい子ちゃんを演じる為、笹木と関わりを減らす為、掃除を真剣にやった。
ポスッ
頭に何か当たる。
紙で作ったボールやった。
笹木「ストラーイク!!大河!久々に野球やろうや。」
無邪気に笑う笹木を、無機質な目で見返してウチはまた掃除を始めた。
:07/04/22 22:28
:SO903i
:FqjmvV.I
#195 [向日葵]
晴子「そんなんやっとらんと、早よ掃除しろや。」
笹木「なんやねん。ついこの間までやっとったやないかい。」
晴子「ウチ今日用があるから早よ帰りたいねん。」
クラスの皆はまだウチらの異変に気づかへん。
いつも通りや思て掃除してる。
笹木「なんやぁ。デートかぁ!!」
ニヒッと笑う笹木を本気で首絞めたくなった。
アンタが好きやのに……。
でも、それを肯定した方が笹木が離れていくかもしれん。
晴子「ウン。そうやで。」
:07/04/22 22:34
:SO903i
:FqjmvV.I
#196 [向日葵]
クラス内が一気にどよめく。
「マジで?!」
「晴子本当?!」
みんなが質問してくる中、笹木は呆然としてその場に立ち尽くしていた。
………………これでえぇんよね……。
ウチは次の日も、そのまた次の日も笹木を避けた。
クラスの皆は夫婦漫才が聞かれへんって嘆いてた。
アホかっちゅーねん。
夫婦っちゅーのは好いとる同士のこっちゃ。
ウチらは友達。
:07/04/22 22:38
:SO903i
:FqjmvV.I
#197 [向日葵]
梅「晴子ぉ。大丈夫?」
晴子「何言うてんの!!好きな人の幸せの手伝いしてんねんで?!これ以上の至福はないやろぉ!!」
梅「じゃあ晴子の幸せは誰が手伝ってくれるの?」
梅は泣きそうになっていた。いつも、ウチらを身近に見ていたのは梅で、きっと梅も今のウチらを見て寂しいんやと思う。
でもな?梅。
こればっかりはどうしようもないんよ。
晴子「おおきになぁ……梅。」
:07/04/22 22:43
:SO903i
:FqjmvV.I
#198 [向日葵]
ウチかて寂しい。
ずっと一心同体みたいにおった片割れがおらんようなった。
笑い声が恋しい。
馬鹿しよった頃が懐かしい。
先生に怒られたって笑いよったんが愛しい。
窓の外を見れば、笹木と笑ちゃんが手を繋いで仲良う帰っとった。
ウチは頑張ってもその手を握る日は絶対来ん。
そない思う度、視界が揺らぐ。でも泣いたら笑ちゃんが悪者になる。
だから、ウチは泣かへんよ……。
:07/04/22 22:48
:SO903i
:FqjmvV.I
#199 [向日葵]
日に日にウチの元気は削がれて行った。
夜も、どんな時でも寝てた授業も寝れん。
でも元気がないと梅が心配するから、必死に元気やってアピールして、クラスでもいつもみたいに騒いどった。
……もちろんピンで。
―――……
ザァァァァ
晴子「うぅわ雨やんけー。そーいえばお天気お姉さんの吉沢さん言うてたなぁ……。」
やけど傘が無い。
しゃーないから濡れて帰るしかない。
:07/04/22 22:53
:SO903i
:FqjmvV.I
#200 [向日葵]
:07/04/22 22:55
:SO903i
:FqjmvV.I
#201 [我輩は匿名である]
:07/04/22 23:03
:SH702iD
:sc9HJ2v2
#202 [向日葵]
:07/04/22 23:04
:SO903i
:FqjmvV.I
#203 [我輩は匿名である]
続き読みたいです


:07/04/22 23:14
:SH702iD
:sc9HJ2v2
#204 [向日葵]
ありがとうございます

でも今日はもう終了しましたんで、また明日、更新できればするんで、読んで頂ければ嬉しいです


:07/04/22 23:17
:SO903i
:FqjmvV.I
#205 [我輩は匿名である]
おもろイd(d∀`*)
頑張ってな(◎'V`艸
:07/04/23 12:52
:W42S
:ygqvP6Sg
#206 [奈津歩]
:07/04/23 17:53
:D902iS
:☆☆☆
#207 [向日葵]
みなさんありがとうございます


############
土砂降りの中に一歩進もうとしたら、誰かに腕を掴まれた。
そのせいで少し前のめりになって前髪が濡れてもた。
晴子「あぁん?誰じゃっ……さ…さき……。」
笹木がウチの手を掴んで、もう片方の手で持ってる傘を差し出した。
晴子「何や。」
笹木「貸したる言うとんねん。」
晴子「ええわ。家近いねんからいらん。」
:07/04/23 20:38
:SO903i
:iAjde/Es
#208 [向日葵]
それでも笹木はウチの腕を離さん。
その力は強ぉて、普段ウチに突っ込む時いかに手加減しとるかわかった。
晴子「離せや。帰りたいねんけど。」
笹木「お前最近おかしいぞ?俺なんかしたんか?」
晴子「言うたやろ。テスト頑張らなアカン言うて。だからウチはスーパー晴子になるため頑張っとんねん。……それだけや。」
:07/04/23 20:48
:SO903i
:iAjde/Es
#209 [向日葵]
違う。
ホンマは違うんよ。
でもな?
ここでホンマの事言うてもたら、笑ちゃんが
アンタの大好きな笑ちゃんが悪者なるやん。
そんなん……アカンて。
コツ……
笑「真児……君。」
すぐそこに笑ちゃんが立ってた。
アカン!また不安にさせてまう!
:07/04/23 20:53
:SO903i
:iAjde/Es
#210 [向日葵]
笹木「笑。お前傘持ってるか?」
笑「ううん。だって急に降ってきたから……。」
ウチはバレへんように一歩ずつ後ろに進んで逃げようとしてた。
『……今やっ!!』
ダッ!!
笹木「!おい大河待てや!!」
なんと笹木が追い掛けてきた!
全速力で逃げるウチ。
でも笹木はめっちゃ足早い事で有名で、運動神経良かったウチでさえ簡単に捕まった。
:07/04/23 21:00
:SO903i
:iAjde/Es
#211 [向日葵]
しかも最悪なことに足滑ってこけてもた。
ベチョッ!
『最悪や…。カッコ悪……。』
笹木「あ、……ゴメン。立てるか?」
ウチの前に回ってきて、笹木は手を差しのべてくれた。
でもウチはこの手を掴む訳にはいかん。
晴子「アホかお前……。なんで追いかけてくんねん!!」
我慢も限界。
この際言いたい事言ってもて嫌われたろーやないかい!!
:07/04/23 21:09
:SO903i
:iAjde/Es
#212 [向日葵]
笹木「はぁっ?!」
晴子「ウチ追いかけてきてどうするつもりなんよ!!お前には笑ちゃんがおるやろ!!ウチ構っとる場合ちゃうやろ!!早よ2人並んで仲良う帰れや!!もうウチに構うな!!」
一息で全部吐いたった。
涙が出てきたけど雨が降ってるからバレへんやろ……。
足元に落としたカバンを拾って、ウチは少し歩いてまた走りだした。
人が往来する中、ひたすら家に向かって走る。
こけたせいで制服は泥だらけ。
そんなん知らん人々は何事かとウチを振り返った。
:07/04/23 21:24
:SO903i
:iAjde/Es
#213 [向日葵]
ガチャガチャガチャ!
バタンッ!!
家に帰ってもオトンもオカンも働いとるから誰もおらん。
とりあえず洗面所からタオルを持ってきて、体を拭いて、ハンガーに制服を吊した。
まだ息が少しあがってる。それがシーンとした家に響く。
いつもなら、この少し寂しい空間を学校での楽しい時間が埋めてくれた。
:07/04/23 21:28
:SO903i
:iAjde/Es
#214 [向日葵]
明日はどんな話ししよ。
また今日みたいにはしゃいだりして、クラス中を笑かせるかなぁ。
そんなん思っとったのに
……あんだけ言うたら、もう元には戻れん。
晴子「でもすっきりしたわ!これでもうモヤモヤせんわぁ!!ハハハハ…ハ……っぅ……うぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
久々に子供みたいに泣いた。反則やわ。彼女おるとか……。
勝ち目なんか、まったく無いやんか……ー
:07/04/23 21:34
:SO903i
:iAjde/Es
#215 [向日葵]
その日も……やっぱりほとんど寝れんかった。
―――――……
晴子「おっすー……。」
梅「わっ!大丈夫?!晴子!目が真っ赤で目の下真っ黒だよ!!」
つまり泣きすぎによる充血とクマのこと。
昨日は泣いてて寝れんわ涙止まらんわでそりゃ悲惨。
よう涙で枕濡らす言うけど実感したわ。
朝方めさ冷たかったっちゅうねん。
:07/04/23 21:38
:SO903i
:iAjde/Es
#216 [向日葵]
「お!笹木ーうっすー!!」
――ドクン
笹木「おー…。……な、なぁ大河」
晴子「梅!便所行こう!!」
ウチは無理矢理梅の手を引っ張って行った。
笹木はなんか言いたそうにしてたけど、そんなん見んフリした。
梅「晴子保健室行ってきたら?」
晴子「そーするー……」
:07/04/23 21:50
:SO903i
:iAjde/Es
#217 [向日葵]
ちょっと休憩

:07/04/23 21:51
:SO903i
:iAjde/Es
#218 [我輩は匿名である]
がんばって

:07/04/23 21:53
:SH702iD
:8pIeoW62
#219 [奈津歩]
:07/04/23 22:35
:D902iS
:☆☆☆
#220 [向日葵]
我輩さん

奈津歩ちゃん

ありがとうございます

##############
階段を降りようとしたら、皆の騒ぐ声の中に誰かがウチを呼ぶ声が聞こえた。
半分意識が飛んでいながらも、ウチは声の元に目を向けた。
笹木「大河!」
晴子「……っ!」
足が、上手く動かへん。
逃げな。早よ逃げな、笹木が追いついてまうっ!
:07/04/23 22:41
:SO903i
:iAjde/Es
#221 [向日葵]
その時やった。
「オイ待てやー!!」
ドンッ!!
ふざけあってた男子の一人がウチに当たった。
スローモーションみたいに落ちていくのがわかる。
笹木「!っ大河!!」
笹木の声を最後に、ウチは意識が飛んだ。
――――……
「―――だから、あとよろしくねー。」
『……?』
ゆっくり目を開ける。
なんかめっちゃ寝た気分やった。
『……誰?』
誰かが、ウチの傍におる。
笹木「……気ぃ…ついたか?」
:07/04/23 22:47
:SO903i
:iAjde/Es
#222 [向日葵]
晴子「ささ……き?なんで……。」
笹木「俺が運んだんや。感謝せぇや。」
いつもみたいに威張って言うんやなくて、労って優しく言うもんやから、胸が苦しなって布団を頭まで株ってそっぽ向いた。
笹木「あんな…………。笑から全部聞いたんよ。なんか、気ぃ使わしたな…。」
『……っ。』
笹木「俺が笑のことちゃんとせんから悪かってん。俺。大河めっちゃ好きや。だからな、いつもみたいに騒ごうや。大河おらな、俺つまらんねん。」
わかってる。
この好きは、友達としてや。
:07/04/23 22:52
:SO903i
:iAjde/Es
#223 [向日葵]
笹木「笑のこと気にすんなや。またクラスの奴ら俺らで笑かそうや。」
布団の中で涙が出た。
嬉しい。でも悲しい。
やっぱりウチは友達でしかないんや。
ウチは涙を拭って顔を出した。
晴子「上等やんっ!!やるぞ笹木!!」
ウチは手を笹木に出した。
笹木はニカッと笑った。
そしてギュッと握手してくれた。
:07/04/23 22:56
:SO903i
:iAjde/Es
#224 [向日葵]
笹木は嬉しそうにしてた。
でもウチは切ない気持ちでいっぱいやった。
きっともう、この手を握ることはない。
やっぱり届くことはなかったんや。
それでもウチらは、今日も笑いあう。そしてみんなを笑わす。
最高の相方として……。
:07/04/23 22:59
:SO903i
:iAjde/Es
#225 [向日葵]
【届かぬ手】
Fin
:07/04/23 22:59
:SO903i
:iAjde/Es
#226 [向日葵]
:07/04/23 23:03
:SO903i
:iAjde/Es
#227 [向日葵]
今日はキリます

よろしければ感想こちらまで

:07/04/23 23:06
:SO903i
:iAjde/Es
#228 [向日葵]
:07/04/23 23:07
:SO903i
:iAjde/Es
#229 [向日葵]
私は相模原 世津(さがみはら せつ)。
強気で男勝りな17歳。
そんな私は双子の姉。
妹の名前は世衣(せい)。
私とは正反対の子で可愛いらしくて少し天然。
一つ双子で嫌なこと。
それは顔が似てるってことだ。
【双子】
:07/04/24 09:28
:SO903i
:6S9X4Des
#230 [向日葵]
世衣「マスター!こーんにーちわー!!」
マスター「あ、いらっしゃいませ。世衣さん。世津さんも。」
世津「はぁ…。どうも。」
ここは喫茶店。
でも只の喫茶店じゃなくて、このマスターさんが恋愛話を聞かせてくれると言う……正直なんだかうさんくさい喫茶店……。
マスター「ご注文は?」
世衣「じゃあ私とりあえずジャスミンティー☆せっちゃんはぁ?」
:07/04/24 09:33
:SO903i
:6S9X4Des
#231 [向日葵]
世津「コーヒー。ブラック。」
マスター「ハイ。かしこまりました。」
マスターはニコッと笑って飲み物の準備をする。
そんなマスターを世衣はうっとりとして見ていた。
そう。世衣はマスターが好きなのだ。
マスター「お待たせしました。ジャスミンティーです。あと、世津さん。申し訳ないんですが、コーヒーは切れてまして、ミルクティーにしましたが、よろしかったですか?」
:07/04/24 09:37
:SO903i
:6S9X4Des
#232 [向日葵]
一方の私はこの人が苦手。
なんでも見透かしてるようなこの目が嫌なのだ。
ちなみに私がブラックとわざと選んだのを見通して、ミルクティーを運んできた。
実は私は甘いものが大好物。でも柄じゃないからわざと甘くない物を頼んだのに……。
ちらりと視線を動かすと、そこにはコーヒーの粉を入れた缶がちゃんとあった。
気づいたが、私は大人しくこれを飲む。
いつもマスターの入れるミルクティーは美味しかった。
:07/04/24 09:41
:SO903i
:6S9X4Des
#233 [向日葵]
――……
学校登校中。
世衣「今日も素敵だったなぁ……マスター……。」
世津「そぉかぁ……?」
世衣は一人で行くのが恥ずかしいからと言って私をいっつも引っ張って行く。
嫌と断ってもチワワみたいな目で見てくるから、結局は妥協してついていくのだ…。
世衣「大人の色気って言うのかなぁ…。でもあれでまだ23だって〜。」
『?!はぁっ?!』
あれで?!老けてる!あり得ん!!
:07/04/24 09:47
:SO903i
:6S9X4Des
#234 [向日葵]
……ん?待てよ……。
世津「世衣アンタそんなこといつ聞いた?」
世衣は小さい声で「あ」っと言って、やっちゃったーみたいに笑った。
『……まさか…コイツ……。』
世衣「……前に一人で行っちゃった☆」
『ちゃった☆…じゃねぇぇぇ!!!!』
世津「アンタ一人で行けるじゃねぇかよ――っ!!!!」
世衣「ひぃ―ん!ごめんなさぁぁい(泣)!!」
:07/04/24 09:51
:SO903i
:6S9X4Des
#235 [向日葵]
怒りで大きくなる私に反して、世衣は小さくなった。
そこに、ドキッとする声が。
「おはよ!」
世津「あっ……お…おはよっ!!」
爽やかな笑顔で挨拶してくれたこの男の子は、千崎 駆君(せんざき かける)。
今の男子では珍しく、綺麗な黒髪で、少しセットしている。
千崎「ハハハ!朝から元気だな!!じゃあまた教室でなぁ!!」
世津「うっ、うん!!」
:07/04/24 09:58
:SO903i
:6S9X4Des
#236 [向日葵]
みんな平等に扱ってくれる千崎君は人気で、好きになる女の子も多い。
私は好きとまではいってないけど、気になる存在で声をかけられる度ドキドキした。
世衣「せっちゃん。あの人好きなのー?」
世津「はっ?!ブ……バババか!そんな訳ないでしょ!」
世衣にだけは知られたくない。だって知った世衣は、応援するとか言いながら、いつの間にか私の好きな人を好きになって。
世衣[付き合うことになっちゃった☆]
:07/04/24 10:03
:SO903i
:6S9X4Des
#237 [向日葵]
と、なる場合が過去多数……。
しかも世衣は可愛くて評判の為、男の子の方も世衣と接する度に好きになっていく。
その時、必ず男の子に言われる一言がある。
[同じ顔なのに世衣ちゃんは可愛いね。]
傷つく。
自分が嫌いになる。
でもそんな時は必ず私のグーパンチが男の子にヒットする。
世衣も「そんなこと言っちゃダメ!」と言って泣くため、男の子は更に世衣が愛しくなる。
:07/04/24 10:07
:SO903i
:6S9X4Des
#238 [向日葵]
つまり=2人の愛が深まる。
世津「わたしゃ愛のキューピッドか。」
机に頬杖をついて、足を組んで。愚痴を友達の湖穂(みずほ)に聞いてもらう。
湖穂「その愚痴何回目?いい加減割りきりなさいよ!」
湖穂は私の頭をポンポンと叩く。
割りきれっつったって、目の前で好きな人が違う、それも双子の妹を好きになっていく姿をマジマジと見ていく私の身にもなってみろよ……。
:07/04/24 10:12
:SO903i
:6S9X4Des
#239 [向日葵]
千崎「相模原!今日俺と日直だぞ!」
ドアから叫ばれてびっくりした。
…え?日直……?しかも千崎君と……。
………………
世津「えぇぇぇぇ!!」
もちろんこの「えぇぇぇぇ!!」は日直が嫌で「え――!!」じゃなく、千崎君とだから「え―――!!」なのだ。
千崎「先生が日誌取りに来いって!ついでに配るもんあるから2人で来るようにだって!!行こっ!!」
:07/04/24 10:17
:SO903i
:6S9X4Des
#240 [向日葵]
そんな爽やかな笑顔で言われたら……っ
鼻血でそう……。
―――……
とりあえず鼻血を出すのを気合いで抑えて、私達は職員室に向かった。
千崎「相模原日誌持ってね。」
世津「え?大丈夫!これそんなに重くないから。」
千崎「女の子でしょ?重い物は男の役目。」
―――ドキ…
『女の子……』
:07/04/24 10:22
:SO903i
:6S9X4Des
#241 [向日葵]
聞き慣れない言葉を耳にして、私は歯を食いしばって、口の筋肉を緩むのを耐えた。
世衣「あ、いたいた。せっちゃぁぁぁん!!」
『?!?!ゲッ!!!!』
体操服姿で可愛く髪をくくった世衣が走ってくる。
『くっ…来るな!!!そんな花背負ってきらきらしながら走って来るな!!』
私の心の叫びも虚しく、世衣は来てしまった。
世衣「フゥッ!あのね、後で辞書貸してほしいんだけどいぃ?さっき言うの忘れてたから!」
脱力…。勝手にしてくれ……。
:07/04/24 10:29
:SO903i
:6S9X4Des
#242 [向日葵]
すると世衣は気づいてしまった。
世衣「あ、朝の!」
千崎「よろしく。千崎駆って言うんだ!」
世衣「駆君?私は世衣!せっちゃんと名字被るから世衣でいいよ♪」
…………
『はぁぁぁぁぁっ?!?!』
普通逆だろ!アンタ密かに私の好きな人って知ってんだったらせめて私が名前で呼ばせる様にしてよ!
『しかも何気に下の名前で千崎君呼んでるし!!』
:07/04/24 10:33
:SO903i
:6S9X4Des
#243 [向日葵]
世衣「じゃあ、後で取りにいくね!じゃあね!駆君も!」
『やめぃっ!』
他力本願…かも知れんがせめてもうちょい協力…してほしくないがしようとは思わんか……。
世津「千崎君、行こ……。?千……崎君?」
千崎「…!あ、ごめん!!……。」
千崎君は世衣が走って行った方を見つめる。
アレ…もしかしてこれって……
:07/04/24 10:37
:SO903i
:6S9X4Des
#244 [向日葵]
千崎「なぁ相模原……世衣って彼氏いるのかな……。」
チ――――……ン
おじいちゃんの仏壇にある鐘が脳内に鳴り響く。
<帰り道>
世衣と一緒に帰る気分になれなくて、一人でトボトボ帰ってた。
『……やっぱりね。ウン。そんな予感はしたさ。』
ザッザッザッ
音がしたので下にやってた目線を音の方に向けた。
マスター「あ、お帰りなさい。」
丁度喫茶店の前だったらしい。マスターがいた。
:07/04/24 10:43
:SO903i
:6S9X4Des
#245 [向日葵]
箒で葉っぱとかを掃いていた。
世津「……ども…。」
マスター「あれ?世衣さんは?」
『あー…この人も世衣狙いかぁ…。』
マスター「2人揃ってないから不思議に思っただけですよ。」
世津「心の中を読むなぁぁぁ!!!!」
マスターはクスクスと笑って箒とちり取りを片付け始めた。
マスター「お茶でも如何ですか?」
:07/04/24 10:51
:SO903i
:6S9X4Des
#246 [向日葵]
:07/04/24 10:52
:SO903i
:6S9X4Des
#247 [奈津歩]
:07/04/24 19:04
:D902iS
:☆☆☆
#248 [奈津歩]
:07/04/24 20:44
:D902iS
:☆☆☆
#249 [
さや
]
:07/04/24 21:01
:D902iS
:☆☆☆
#250 [
桜んぼ
]
:07/04/24 22:38
:D902iS
:☆☆☆
#251 [向日葵]
奈津歩ちゃん

さやさん

桜んぼさん

あげ&コメありがとうございます

今日は更新出来るよう努力します

:07/04/25 08:15
:SO903i
:zIfejVQs
#252 [向日葵]
マスターは扉を開けて私が入りやすいようにした。
『如何と言うかそこまでされたら入らない訳にはいかないじゃないじゃない……』
世津「……いただきます…。」
一歩一歩ゆっくりと歩きながらいつもの席へと行った。
『あれ?そういえば…』
世津「マスター。よく私が私(世津)だってわかりましたねぇ。」
マスターはお茶の準備をしながらニッコリ笑って答えた。
:07/04/25 18:37
:SO903i
:zIfejVQs
#253 [向日葵]
マスター「世衣さんは髪が茶色いですからね。世津はさんはお黒いですし。」
コポポポ
マスターがカップに紅茶を注ぐ。
結局この人もそれぐらいでしか見分けれないか……。
この人なら別の見分け方が出来るんじゃないかとか期待した私が馬鹿だった。
マスター「あとはそうですねぇ……」
コトッ
香りの良い紅茶が前に置かれた。
:07/04/25 18:53
:SO903i
:zIfejVQs
#254 [向日葵]
マスター「なんとなく……ですよ。」
世津「なんと…なく。」
曖昧な答えに私は眉を寄せた。
でもその時見せたマスターの笑顔には、少しドキッとしてしまった。
世津「あ!ちょっと!!なんでコーヒーじゃないんですか?!」
マスター「本当は、甘い物が好きなんじゃないんですか?」
『う゛っ……』
ホラね。やっぱりそのなんでも見透かす目で見抜いてた。
:07/04/25 18:57
:SO903i
:zIfejVQs
#255 [向日葵]
私はこの人のこーゆートコが嫌。
まるで悪いことした後、お母さんに問われてみたいでソワソワする。
世津「世衣が言った……ハズない。」
だって家族すら知らないもん。私が甘い物大好きなこと…。
マスター「どうして隠すかお聞きしてもよろしいですか?」
カウンターから出てきて、マスターは私の隣に座った。
世津「別に特別な理由なんか無いわ。ただ柄じゃないから嫌なだけ。」
:07/04/25 19:07
:SO903i
:zIfejVQs
#256 [向日葵]
頬杖をついて、半ば諦めたように話した後飲んだ紅茶は甘くて美味しかった。
マスター「好きな物を正直に好きと言うのも勇気ですよね……。」
…………ん?
なんか意味深発言。
マスターもしかして好きな人でもいるのかな……。
世津「マスターでも勇気いるのね。」
マスター「一応人間なんで…。」
と苦笑する。
なんだかマスターのこんな姿初めてみたかもしれない、と少し楽しくなった。
:07/04/25 19:12
:SO903i
:zIfejVQs
#257 [向日葵]
紅茶を飲み終った後、また少し話をしてから私は帰った。
いつも行くのを躊躇する喫茶店が今日はなんだか楽しくて、また行きたい気分にさせた。
―――……
世衣「あ、せっちゃんお帰りなさ〜い!遅かったねー。」
自室に向かいながら私は「まぁね」と答えた。
世衣はその後ろを付いてくる。
世衣「あのね!駆君と放課後喋ったんだぁ♪」
ビキッ!!!
私は固まってしまった。
:07/04/25 19:17
:SO903i
:zIfejVQs
#258 [向日葵]
え?今なんて?
喋った?しかも放課後に。2人で。
私だって両手で充分足りるほどしか喋ったことないのに。
沸々と怒りが込みあげてくる。
世衣「でね!彼女いるか聞いたらいないって!!良かったねせっちゃん!!」
まるで「良いことしたでしょ?褒めて褒めて」という顔をする世衣。
誰が褒めてなんざやるものかぁぁぁぁぁぁ!!!!(怒)
それはアンタが気になるからいないって言っただけじゃぁぁぁぁぁぁ!!
:07/04/25 19:22
:SO903i
:zIfejVQs
#259 [向日葵]
と脳内でちゃぶ台をひっくり返しながら叫ぶ。
世衣「なんか色々話とか合っちゃってねっ。」
世津「……てよ……。」
世衣「また明日も会ったら喋ってみたいなぁ♪その時はせっちゃんも」
世津「やめてよっ!!!」
シー……ン
いい加減にしてよ……。
世衣「……せっちゃん」
世津「もういい……。晩御飯なんていらない。寝るから部屋から出ていって。」
:07/04/25 19:28
:SO903i
:zIfejVQs
#260 [向日葵]
##############
一旦キリます

:07/04/25 19:29
:SO903i
:zIfejVQs
#261 [向日葵]
世衣「……せ、せっちゃ」
世津「早く出ていって!!!!」
世衣は半泣きになって私の部屋から出ていった。
アンタに振り回されて、ビクビク脅える毎日にはもうウンザリだ……。
世津「私は、アンタのキューピッドじゃない……。」
私は、私なんだから……。
:07/04/25 20:45
:SO903i
:zIfejVQs
#262 [向日葵]
しばらくして、当然寝る気もなかったので寝れずぼーっとしていた。
グ〜……
切ないぐらいにお腹減った。
カチャ……
ゆっくり扉を開けて、周りに誰もいないことを確かめる。
『コンビニでも行ってこよう。』
―――……
ピロリロ♪ ピロリロ♪
「いらっしゃいませー。」
:07/04/25 20:57
:SO903i
:zIfejVQs
#263 [向日葵]
何しにきたっけ……
あ、食べ物…。
とりあえずパンコーナーに行ってみた。
仕入れ前らしく、少ししかパンは残っていなかった。
「あれ?相模原?」
聞き覚えのだなぁとかノロノロ思って振りかえってみた。
『!!!!』
:07/04/25 21:01
:SO903i
:zIfejVQs
#264 [向日葵]
世津「千崎君!」
千崎「よっす!どうしたんだ?こんな時間に制服で。」
ハッ!そーいえば着替えてない……
しかも寝転んでたからシワシワになってるっ!
世津「せっ千崎君はバイト?!」
千崎「ウン!そーなんだ!――あ!そうだ!!今日の放課後、世衣と話したんだ!!」
―――ドクン……
また世衣。みんな世衣。
双子の私なんかどうでもいいみたいに
世衣世衣世衣世衣世衣。
:07/04/25 21:05
:SO903i
:zIfejVQs
#265 [向日葵]
千崎君は楽しそうに話をしている。
私の耳は話を受け付けず、ただ素通りしていった。
知らず知らずのうちにコンビニを飛び出し、いつもの学校の帰り道を逆走していた。
私の目は今どこを向いてるのかさえわからない。
目線をあちこちに向ければ、会社帰りなおっさんやら、たむろしてる若者やら、今にも消えそうな街灯やら……。
『私の元気も、電池切れだな……。』
:07/04/25 21:10
:SO903i
:zIfejVQs
#266 [向日葵]
その時、肩をポンポンと叩かれた。
振り向かなくてもわかる。たぶん……
「こんな時間に何してんの〜?」
お酒くさい。
しかも口調が怪しい。
間違いない。
酔っ払いだ。
とりあえずここは……
無視の方向で。
スタスタスタ
「おーいどこに£@*●◇」
『ろれつ回ってないし…。』
:07/04/26 09:47
:SO903i
:2pPw5Sas
#267 [向日葵]
酔っ払いのオッサンはついてくる。
あ゛ーイライラしてる時に更にイライラさせないでよー!!
再び肩を叩かれた。
『あーもー!!!!』
振り向かないまま手をグーにして戦闘態勢にスイッチオン。
世津「うざったいっつーんだ」
「世津さん?」
殴りかかろうとした私はピタッと止まる。
その隙にびびったオッサンは逃げていった。
:07/04/26 09:55
:SO903i
:2pPw5Sas
#268 [向日葵]
横を見ると、そこは喫茶店前でドアを開けたマスターがいた。
世津「マスター…。」
マスター「こんな時間にどうなさったんです?」
グーにしていた手をパッパッと振ってマスターに向き直った。
世津「さ……散歩。ちょっと……。」
マスター「駄目ですよ。女の子が制服で夜出歩いては。」
世津「……女じゃなきゃ良かった。」
:07/04/26 10:00
:SO903i
:2pPw5Sas
#269 [向日葵]
マスター「……え?」
世津「どーせみんな世衣ばっかり!!私のことなんかそっち退けで、口にするのは世衣ばっかり!!世衣なんか嫌い!!大っ嫌い!!」
スカートを握り締めながら下を向いて叫んだ。
昼間と違って夜は静かで、叫んだ声が少し響いた。
世津「ハァッ……ハァッ……。」
違う嫌いじゃない。
羨ましいんだ。
誰からも愛されて、誰にでも必要とされて……。
:07/04/26 10:04
:SO903i
:2pPw5Sas
#270 [向日葵]
するとマスターは私に歩みよって、私の頬に手を添えた。
あんまり優しく触れるから、私はビクッとした。
顔をあげるとマスターの顔が近くにあって、改めて見るマスターの整った顔にドキッとした。
マスター「私は……世津さんが好きですよ?世衣さんだけじゃありません。貴方を…ちゃんと見てます。」
私は少し目を見開いた。
『……マスターは』
いつも一人一人を大切にしてくれる。
:07/04/26 10:09
:SO903i
:2pPw5Sas
#271 [向日葵]
見透かされた思いも、自分を知ってくれてるみたいでどこかでホッとしてた。
私を分かってくれる人が、一人でもいるって。
頬から暖かさが伝わる。
それが嬉し涙に代わる。
世津「…っ。マスターァッ。」
マスターは私の涙を胸ポケットに入っているハンカチで拭ってくれた。
マスター「さぁ。中に入って。世津さんが好きな甘いココアを入れますよ。」
その日2度目の喫茶店は、安らげる空間を広げていて、甘いココアは私の虚しい気持ちを落ち着けてくれた。
:07/04/26 10:15
:SO903i
:2pPw5Sas
#272 [向日葵]
マスターは私を家まで送ってくれた。
内緒で出てきた為、バレないように家に帰り、部屋に戻る。
『お風呂は朝に入ろう……。』
パジャマに着替えてベッドに入る。
そして喫茶店のことを思い返すと、なんだかキュウッと苦しくなった。
少しずつ、私の中でマスターの存在が大きくなってるみたい。
:07/04/26 10:19
:SO903i
:2pPw5Sas
#273 [向日葵]
<そして朝がやって来る。>
世津「おはよー。」
湖穂「?おはよー。」
不思議そうな顔をする湖穂に私は首を傾けた。
世津「何?どうかした?」
湖穂「むしろこっちが知りたい。どうしたの?珍しく機嫌いいじゃない。」
私はいつも世衣のおかげで教室にピリピリしながら入ってくる。
湖穂はだから「珍しい」と言ったのだ。
:07/04/26 10:23
:SO903i
:2pPw5Sas
#274 [向日葵]
世津「今日は世衣ほって来たからじゃない?」
湖穂「ふーん。」
そんなんじゃない。
世衣ほって来たのは確か。でも今日機嫌がいいのは、昨日のマスターのおかげだと思う。
そう考えると、また胸が苦しくなった気がした。
ヴ―ヴ―
ポケットに入れてる携帯が鳴る。
『ん?お母さん?』
:07/04/26 10:28
:SO903i
:2pPw5Sas
#275 [向日葵]
<お母さん>
今日、世衣休むらしいから、何か世衣にプリントとかあったら持って帰ってきてね


『世衣休むんだー。』
半分……いや全部私のせいかな。
でも世衣ばっかりに構ってなんかいられない。
とりあえず休みってことを頭に入れて、後は忘却の彼方へやることにした。
<帰り>
今日は世衣関係で悩まされることもなく、清々しく学校で過ごせた。
:07/04/26 10:33
:SO903i
:2pPw5Sas
#276 [向日葵]
『あれ?』
家の前に誰かいる。
あの恰好って……。
世津「マスター?」
するとマスターはこっちを見て、静かな笑顔で会釈した。
私も頭を下げながらマスターに近づく。
世津「どうかしました?」
マスター「昨日、お忘れものがあったんです。」
チャラ
差し出したのはストラップ。どうやら携帯から取れてしまったらしい。
:07/04/26 10:36
:SO903i
:2pPw5Sas
#277 [向日葵]
世津「すいません!わざわざ!!」
マスター「いえ、では。」
世津「あ、あがってってください!!お茶入れますから」
マスター「いえしかし……。」
私はいつもマスターがしてくれるように家の門を開けた。
世津「昨日のお礼がしたいんです!」
半ば「入りやがれ」的に言う私。
:07/04/26 10:42
:SO903i
:2pPw5Sas
#278 [向日葵]
:07/04/26 10:46
:SO903i
:2pPw5Sas
#279 [向日葵]
マスターは少し悩んでから、「じゃあ」と言って門の中に入って行った。
ガチャ
世津「ただーいまー。世衣ー。……?」
マスター「世衣さんどうかなされたんですか?」
世津「あ、今日学校休んでて。」
でもおかしいな…。
どんな時でも玄関まで出迎えに来る世衣が来ない。
居間を見ても、洗面所を見てもいない。
『部屋で寝てるのかな……?』
:07/04/27 13:21
:SO903i
:4F3JipqE
#280 [向日葵]
ん?
待って!
固まる私にマスターがどうしたのかと尋ねたが、私は門から玄関までの記憶を巻き戻しした。
門…玄関開けて…
!!!
私は玄関まで走る。
そして下を見ると、見慣れない男もんの靴。
『まさか…っ』
考えるよりも足が世衣の部屋へと向かう。
:07/04/27 13:24
:SO903i
:4F3JipqE
#281 [向日葵]
ドタドタドタ!
階段を全力で上がって、ノックも無しに世衣の部屋のドアを開ける。
マスターも後を追って私と一緒に部屋に乗り込んだ。
バンッ!!!
『……っ!!』
世衣と千崎君のキスシーンが目に入ってきた……。
世衣「ぁ……せっちゃ……。」
私は何が今起こってるかわからない。
ただ今の感情を色に表すなら赤だ。
:07/04/27 13:29
:SO903i
:4F3JipqE
#282 [向日葵]
世衣「ち……違うのせっちゃん!あのね……」
違う…違うって何よ……。
世衣はたどたどしく説明している。
でも私は自分の感情が頭の中にガンガン響いて、まるで世衣は口パクしてる様にしか見えない。
アンタはいいよね…その持ち前の可愛いさがあって、誰でも虜に出来る。
それが例え片割れである私の好きな人でさえ……っ!
:07/04/27 13:32
:SO903i
:4F3JipqE
#283 [向日葵]
気づいたら右手を高く上げて世衣に降り下ろしていた。
我慢も限界。
今アンタを殴り倒したい。
しかしその手は、千崎君に止められた。
千崎「ちょ、なんで怒ってんの?俺は世衣が好きだからしたんだ!殴るなら俺だろ……?」
『好き……』
私だって好きだった。高2になって、仲良くなって過ごした時間は私の方がずっと長いのに…っ。
:07/04/27 13:36
:SO903i
:4F3JipqE
#284 [向日葵]
世津「も……いぃ……。」
バカみたい。結局はみんな私を悪者扱いにする。
でも千崎君だけは違うと思ってた。
こんな自分も、皆も、世の中も、もぅ消えたい…。
私はフラフラと家を出ていった。
後ろで世衣が叫んでたけど、悲しみと怒りだらけの醜い私はそんな声すら聞けなかった。
マスター「世津さん……。」
マスターは私の後ろをついてきて、私の名前を時々呼んだ。
:07/04/27 13:41
:SO903i
:4F3JipqE
#285 [向日葵]
歩いて行くと、川があった。
気を付けなければ足をとられて流されるかもしれないくらいの勢い。
からっぽになった頭で、私は川に足を浸けた。
マスター「世津さん!駄目です!上がってください!」
それでも私は深みへと行く。今はふくらはぎくらいの高さ。
ジャバジャバッ
マスター「世津さん!!」
マスターが私の手を引いた。でも私は振り払う。
:07/04/27 13:44
:SO903i
:4F3JipqE
#286 [向日葵]
世津「もういいっ!同じ顔でも皆が愛するのは世衣だけじゃない!!…っなら私なんかいてもいなくても一緒よ!!」
私は泣き叫んだ。
結局言ってるのは昨日と同じ様な内容だ。
出口がせっかく見つかったのに、その出口は崩された。
世津「マスターも追いかけて来ないでよ!!私なんか消えたらいいのよ!!」
パチッ
泣き叫んでいる私をマスターは軽くひっぱたいた。
気付けば、いつの間にかまた流されないように腕を掴まれていた。
:07/04/27 13:49
:SO903i
:4F3JipqE
#287 [向日葵]
マスター「消えて、それで満足ですか?残された私やお友達、世衣さんはどうなりますか?」
世津「知らない。そんなの知ってどうなるの……?」
マスター「……貴方を大好きな人達はどうなるんです。」
世津「そんなの入るわけない。」
マスターは掴んでいる手に少し力を込めた。
マスター「貴方を好きな私は…どうしたらいいんですか……。」
:07/04/27 13:54
:SO903i
:4F3JipqE
#288 [向日葵]
世津「……え…?」
マスターの目を見る。
真剣で私を真っ直ぐ見ている。
私がずっと欲しかった、私を見てくれている目……。
マスター「消えたりしないでください……。」
そう言ってマスターは私を抱きしめる。
初めて男の人に抱きしめられる私は戸惑ったけど、目を瞑ってマスターの胸に顔を埋めて涙を流した。
世津「……マスター……。」
マスター「…ハイ。」
世津「……ありがとう……。」
:07/04/27 13:59
:SO903i
:4F3JipqE
#289 [向日葵]
――――……
帰ってくるなり世衣が飛び付いて大号泣で謝った。
千崎君も謝ってくれた。
私だって悪いトコあったのに。
<翌日>
トコトコトコ……
世津「あ……。」
マスターがまた掃除をしていた。
するとマスターも私に気づき、ニコッと笑って会釈した。
:07/04/27 14:02
:SO903i
:4F3JipqE
#290 [向日葵]
世津「こ……こんにちわ。」
マスター「こんにちわ。」
私は昨日のこともあって、照れ臭い。
でも一応言わなきゃ……。
世津「ぁ……あのぉっ!」
マスター「ハイ。」
世津「へっへへ返事は、まだ待ってください!ちゃんと考えたいんで!!」
:07/04/27 14:04
:SO903i
:4F3JipqE
#291 [向日葵]
するとマスターはニコニコして、喫茶店のドアを開ける。
マスター「とりあえず、ココアはいかがですか?」
世津「……っいただきます!」
私とマスターの恋は、また今度のお話に続くのでした。
誰か一人でも自分を大切に思ってくれる人。
それは無敵で素敵なこと。
ねぇマスター……
私はね…。
:07/04/27 14:08
:SO903i
:4F3JipqE
#292 [向日葵]
【双子】
Fin
:07/04/27 14:09
:SO903i
:4F3JipqE
#293 [向日葵]
:07/04/27 14:14
:SO903i
:4F3JipqE
#294 [向日葵]
すいません

3番目【背伸び】です

:07/04/27 14:15
:SO903i
:4F3JipqE
#295 [向日葵]
先日、幼なじみが結婚しました。
祝福の涙を流す中で
私一人が悲しい涙でした。
【再出発】
:07/04/27 14:18
:SO903i
:4F3JipqE
#296 [向日葵]
カランカラン
「マスターこんにちわぁ!お掃除に来ましたよー♪」
マスター「こんにちわ。お願いします。」
「ハァイ!まっかせてー☆」
私の名前は生田 音子(いくた ねね)。
私はここの恋愛喫茶店ってトコで働いてるの!
週に3回、喫茶店内をキレイにお掃除!!
それが私の仕事。
:07/04/27 14:22
:SO903i
:4F3JipqE
#297 [向日葵]
音子「ゴミ出してきまぁ〜っす!!」
カッコイイマスターさんの近くで働けて幸せ!
でも私はもう好きな人を作らないと決心しました。
それはつい1ヶ月前の出来事なのです。
―――……
音子「け、結婚―――――!!!!!!」
「おぅ。まぁそろそろだと思ってたし。」
私には幼なじみがいました。名前は酒倉 太智(さかくら たいち)。私と同い年の22歳。
:07/04/27 14:27
:SO903i
:4F3JipqE
#298 [向日葵]
音子「22で結婚?!早くない?!」
太智「早い遅いが問題じゃないだろ?俺だって一応就職してるんだし、ウチの親も向こうの親も認めてくるたし。」
ゲームを2人でしながら報告。もうちょっとなんかあんだろ……。
音子「だからっ……て……。」
太智「まぁずっと一緒に居たいしなぁ!結婚してもまた遊びに来るってー!!」
そう言いながら私の背中をバンバン叩く。
『そんな問題じゃない!!……だって私――っ』
:07/04/27 14:32
:SO903i
:4F3JipqE
#299 [向日葵]
太智の事が好きなのにぃぃぃ……っ!!!
なんて今更口が裂けても言えるハズなく、しばらくしたら結婚式は盛大に挙げられた。
涙を流しながら後悔ばっかりしていた。
幼なじみでも側にいられるなら……いつか好きって言えたなら……。
でも太智は私のそんな気持ちなんか知るハズもなく、さっさと彼女を作って、2年後には結婚とな!!!
音子「最悪じゃない……。」
:07/04/27 14:36
:SO903i
:4F3JipqE
#300 [向日葵]
でも後悔するには遅かった。
もう彼は手の届かない所へ行ってしまった。
「おめでとう」なんて、言えなかった。
ただひたすら、感動してるフリして泣いていた。
もうあんな痛い思いするのが嫌な私は、もう恋はしないことにした。
「合コンしよっ!!」
大学。友達の佳寿(かず)が身を乗り出して提案した。
:07/04/27 14:40
:SO903i
:4F3JipqE
#301 [向日葵]
##############
キリます

:07/04/27 14:40
:SO903i
:4F3JipqE
#302 [向日葵]
音子「なんで?」
佳寿「だってアンタいつまでも引きずるんだもん!!新しい恋しなきゃぁ!!」
音子「だからいらないってぇ…。」
私はこの気持ちを大事にして生きていく。
すれ違う幸せそうなカップルには、正直飛び蹴りしたいくらい羨ましいけど、今は次の恋に進もうなんて考えれない。
私の太智を好きだった気持ちはそんな軽いものじゃない。
佳寿「そんなこと言ってないで!さっさと準備していくよ!!」
佳寿はそんなのおかまいなしに私を引きずっていった。
:07/04/28 07:59
:SO903i
:GeKhGg3I
#303 [向日葵]
音子「だから嫌だってばぁぁぁ!」
・・・・・・・・・・
結局合コンに参加。
はっきり言って興味ない。
私は始まってしばらくしてトイレに向かった。
音子「みんな軽いよね…。彼女と別れたばっかとか言ってた奴もいたじゃん……。」
少しは私みたいに一途に誰か思い続けてみろよ。
カチャ……キィ……
:07/04/28 08:05
:SO903i
:GeKhGg3I
#304 [向日葵]
「生田……さん?」
音子「わぁっ!ハイ!!」
出てすぐの壁に男の子がもたれていた。
身長は結構高くて、雰囲気は優しい子だった。
どことなく太智に似てるかもしれない。
「気分悪いの?」
音子「いや別に…ってかあの……誰?」
「え?!さっき自己紹介したじゃん!!真辺 新市(まなべ しんいち)!!」
『…あ。合コンの。』
音子「ごめんなさい。あんまり聞いてなかった……。」
:07/04/28 08:11
:SO903i
:GeKhGg3I
#305 [向日葵]
新市「じゃあ覚えてね。で、どっか悪い?」
音子「いや別に…帰ろっかなって……。」
新市「じゃあ一緒に帰る?」
ニコッて笑って真辺君は言った。
何しに来たんだよ。と思ったがまぁ帰りたいのは同じなので、皆にバレないように店を出ていった。
新市「送るよ。家どこ?」
音子「あーいいよ。帰れるしぃ。」
新市「だーめ!!危ないでしょ?早く!!」
:07/04/28 08:16
:SO903i
:GeKhGg3I
#306 [向日葵]
『強引だなぁ……』
少しうんざりしていた私はとりあえず大体の場所を教えた。
新市「じゃあ途中まで一緒だ!行こう!!」
そう言って手をひかれた。
『なんで手を繋ぐんだろ…。』
そういえばずっと前。
まだ10歳にもなってないころ。
デパートに太智のお母さんと太智とウチのお母さん私とが一緒に買い物に行った時、私が迷子になった。
泣きじゃくっている私のもとに太智が探しに来てくれて、こんな風に手をひいて連れ戻してくれたっけ…。
:07/04/28 08:27
:SO903i
:GeKhGg3I
#307 [向日葵]
真辺君の姿が太智とかぶる。
太智…。私、大好きだったんだよ。
私だけずっと先に進めなくて足踏みしてる。
新市「生田さん?」
ハッ!
思い出に浸ってた!!
気づいたら駅に着いていた。
音子「ごめんなさい。何?」
新市「いや…。定期ある?」
そこで握っていた手を離した。定期を取って改札を通っても、再び手を握ることはなかった。
:07/04/28 08:34
:SO903i
:GeKhGg3I
#308 [向日葵]
違う。
真辺君はそれとなく手を差し出したが、私がそれを拒否したのだ。
彼は太智に似てる。
だから思い出してしまうのだ。
新市「……一つ聞いていい?」
音子「え?」
新市「好きな人…いるの?」
『……。』
音子「いた……かな…。過去形…にしたい。」
結婚してる相手をいつまでも引きずるなんてカッコ悪い。
だから過去形にしたい。
:07/04/28 08:39
:SO903i
:GeKhGg3I
#309 [向日葵]
電車に乗って空いてる席に座る。
新市「そっかぁ…。」
音子「アハ。こんな話真辺君にしても仕方ないのにね!」
恥ずかしい。
会って間もない相手に軽く愚痴るなんて。
音子「バカみたい……。」
一途じゃなきゃ、どんなに楽か。
だって忘れられない。
太智といた22年は大きくて、忘れようにも思い出がいっぱいなの。
新市「バカじゃないよ…。」
真辺君は少し悲しそうに呟いた。
新市「無理に過去にしても、絶対無理だよ。だから少しずつ楽しい思い出として残していったらいいんじゃないかなぁ……。」
:07/04/28 08:47
:SO903i
:GeKhGg3I
#310 [向日葵]
『少し……ずつ……』
そんな簡単にできない。
だって22年だよ?
そんな膨大な年数少しずつだろうが出来ない。
音子「私には無理だよ……」
新市「無理だって決めつけたら駄目だよ。」
音子「アンタに何がわかんのよ!!」
思わず叫んでしまった。
同じ車両に乗ってる人達の目線が私に刺さる。
:07/04/28 10:24
:SO903i
:GeKhGg3I
#311 [向日葵]
丁度駅に着いたので、いたたまれなくなった私は最寄りの駅でもないのに降りた。
新市「ちょ、生田さん!」
ドアが閉まる直前に真辺君は降りてきた。
電車は私達と複数の人を残して出発してしまった。
改札に向かう人達とは違って、私と彼は立たずんでいた。
音子「……小さい頃からずっと一緒だったの。」
でも好きだと気付いたのは丁度2年前。
アイツに彼女が出来た頃。
:07/04/28 10:32
:SO903i
:GeKhGg3I
#312 [向日葵]
音子「結局全部遅かった……」
毎日毎日後悔ばっかり。
泣いて泣いて、その日の分の涙が枯れるまで泣く。
新市「俺もいたんだ……そーゆー人。」
音子「……ぇ?」
次の電車が来た時、真辺君は「死んじゃったけどね」と呟いた。
私達は電車に乗ったけど一言も喋らず、最寄りの駅について私は先に降りる。
別れる時でさえ「バイバイ」とは言わなかった。
:07/04/28 10:40
:SO903i
:GeKhGg3I
#313 [向日葵]
音子「ねぇマスター?失恋ってどう癒したらいいと思う〜?」
窓拭きをしながら色々準備しているマスターに訪ねてみた。
マスターは「そうですねぇ…」と考える。
マスター「自分がもう一度信じてみたいと思った人がいたら癒えるのではないですか?」
音子「信じる…?」
マスターはいつもの整った顔で静かに微笑みうなずいた。
マスター「ハイ。例えば裏切られたとかであれば、この人は裏切らないと信じたいと思える。そんな感じではないでしょうか…。」
:07/04/28 10:57
:SO903i
:GeKhGg3I
#314 [向日葵]
『私は……どうかなぁ……。』
痛い思いするのが怖くて避けてきた。
私の場合は、この人なら私を一番に思ってくれると信じることかなぁ…。
そこで真辺君が浮かんだ。
『真辺君の大事な人…死んじゃったんだよね……。』
マスター「音子さん。失恋したんですか?」
頭を思いっきり窓で打った。ゴンッと派手な音が喫茶店に響く。
音子「マスター…そーゆーのは乙女に聞いちゃいかんてー!」
:07/04/28 11:01
:SO903i
:GeKhGg3I
#315 [向日葵]
マスター「クスクス。失礼しました。」
マスターはカウンターの下で何かゴソゴソやっている。
ガラガラ
音子「マスター?」
ヒョコッと出てきたマスターの手には小さな袋に入った氷。
マスター「私が余計なことを聞いてしまったから、大事なお顔を傷つけてしまいましたね…。」
袋を私のおでこに当てる。
音子「そんな事してー彼女に怒られちゃいますよー♪」
:07/04/28 11:06
:SO903i
:GeKhGg3I
#316 [向日葵]
マスター「彼女?……あぁ世津さんですか?なんでです?」
音子「とぼけないでください!前2人でいるトコ見たんですからね!」
マスター「まだ返事は頂いてないんで……。」
とは言え幸せそうな顔のマスター。
ってか、からかったのにかわされたー!!!
1つしか代わんないくせに!!何この人!!
:07/04/28 11:14
:SO903i
:GeKhGg3I
#317 [向日葵]
・・・・・・・・・
音子「外磨いてきまーす!」
カランカラン
もうすぐ夏が近づく為か、太陽が少し暑い。でも幸い磨くトコは日陰だ。
音子「うーっし!やるべな!!」
持っていたバケツを置いて雑巾を搾る。
中を予め拭いたから水は少し黒くなっている。
『でもあんまり汚れてないんだよねー……。』
:07/04/28 11:23
:SO903i
:GeKhGg3I
#318 [向日葵]
きっとマスターがやっているんだろう。
あの人いつ休んでるんだろ……。
「あっ」
『?』
窓ガラスに、声の発信者を認める。
音子「真辺君!」
新市「生田さん。なんで…。」
音子「ここのバイトなの。真辺君は?」
:07/04/28 11:27
:SO903i
:GeKhGg3I
#319 [向日葵]
新市「マスターに……用があって……。」
いきなり真辺君の声が沈む。どうしたのかと思えばそういえば昨日、あんな別れ方したんだった。
音子「昨日は……ごめんなさい……。」
真辺「いや、俺も無神経だったし……。」
私はフッと笑って着ていたエプロンで手を拭き、その手を差し出した。
真辺「…?」
音子「和解!良かったら友達になろうよ♪」
最初キョトンとしていた真辺君はニコォっと笑って握手した。
:07/04/28 11:34
:SO903i
:GeKhGg3I
#320 [向日葵]
その笑顔は太智なんかとは違って純粋な笑顔だった。
太智は少し意地悪そうに笑っていた。
比べてはいけない。
真辺君は真辺君。太智は太智。
どこかで、真辺君の言う通り楽しい思い出に少しずつだけど代わっていける気がした。
でもまだ全てを代えることは出来ない。
だから……少しずつ……。
:07/04/28 11:40
:SO903i
:GeKhGg3I
#321 [向日葵]
:07/04/28 12:56
:SO903i
:GeKhGg3I
#322 [向日葵]
佳寿「恋だねぇ……」
乙女チックなポーズをして佳寿が私を見た。
音子「は?」
佳寿「気になってんじゃないの?そのー…真辺君?」
音子「真辺君?!は?全然無違うよ!」
佳寿はニマァッとした顔から優しく微笑んだ。
佳寿「でも、代わってみようって思えたんでしょ?」
代わって…
マイナスばっかりは確かにいけないと思った。
:07/04/28 20:36
:SO903i
:GeKhGg3I
#323 [向日葵]
でもそれは、真辺君のせい……?
佳寿「前の音子よりもよくなったよ。今の音子すっきりした顔してる…。」
―――……
喫茶店の窓ガラスに映る自分の顔を眺めた。
『すっきり……ねぇ』
毎日見てるからそんなこと無いような気がするけど。
ちょっとニコーッと笑顔の練習をなんとなくしてみる。
しかし窓の向こうを見ると私は固まった。
音子「ぁ゛……」
:07/04/28 20:49
:SO903i
:GeKhGg3I
#324 [向日葵]
外に真辺君発見。
カランカラン
マスター「いらっしゃいませ。」
新市「こんにちは。生田さんもこんにちは。」
音子「こ、こんにちは。」
恥ずかしいぃぃ!!!
窓ガラス見てニンマリしてるなんて端から見ればナルシストじゃん!!
新市「何か良いことあった?」
近くの席に座った真辺君は話しかけた。
:07/04/28 20:59
:SO903i
:GeKhGg3I
#325 [向日葵]
音子「え?なんで?」
新市「笑ってたから。」
『やっぱり見られてた…。』
雑巾をバケツに放り投げて真辺君の席に座らせてもらった。
音子「友達がね、なんか私が良くなったって言うからそうかなって思ってたの。」
新市「んー…。なんか憂いてる感じがなくなったよね。」
憂いねぇ。
真辺君は喉が渇いていたのか、マスターが持って来ていたオレンジジュースをゴクゴク飲んだ。
:07/04/28 21:19
:SO903i
:GeKhGg3I
#326 [向日葵]
音子「外そんなに暑かったの?」
新市「え?あーいや。ちょっと緊張して……。」
音子「緊張?」
真辺君は小さく「あ」と言い、少し照れながら緊張の理由を話してくれた。
新市「ぃ…生田さんが、また悲しい顔するのは嫌だから…言葉選ぶ……。生田さんは笑った方がカワイイ……し。」
瞬間、私達は耳まで真っ赤になった。
まさにゆでダコの様。
音子「かっ……カワイイっ、と、か……。」
:07/04/29 08:41
:SO903i
:BF66sgT.
#327 [向日葵]
恥ずかしいのと嬉しいのが交じって「そんなことないよ」と否定するのが遅くなった。
そんな赤くなりながら、カワイイとか言われたら……そんなのズルイ…。
真辺君の方がよっぽどカワイイよ。
新市「う、嘘じゃ……ないから。」
それだけ言って残りのオレンジジュースを飲み干した。
:07/04/29 08:46
:SO903i
:BF66sgT.
#328 [向日葵]
―――……
店の奥の使ってるロッカーに行って帰る準備をする。
まだ真辺君の言葉が耳に残ってて、なんだか耳の奥が熱い。
エプロンをロッカーに置いてカバンを持ち、その場をあとにした。
音子「マスター。お疲れ様でしたー!」
マスター「音子さんもお疲れ様でした。2人で気をつけて帰ってくださいね。」
『2人?』
カランカラン
:07/04/29 17:25
:SO903i
:BF66sgT.
#329 [向日葵]
外へ出るとさっき帰ったハズの真辺君がいた。
新市「よっ。お疲れ。」
音子「真辺君!どうしてっ。」
新市「暗くなるし危ないから送ろうかなと思って。」
そんな為にわざわざ戻って来たんだ…。
なんだか胸の奥が熱くなる。
音子「ありがとっ。帰ろっか。」
:07/04/29 18:52
:SO903i
:BF66sgT.
#330 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・
新市「いつからあそこでバイトしてるの?」
音子「去年かなぁ。なんか惹かれて。」
他愛の無い話をしながら私達は私の家へと向かう。
真辺君は一つ一つの反応が子供みたいで、でも発言は大人だった。
音子「真辺君は、どうして前合コン来てたの?」
真辺君は顔をあちこちに向けて何から話そうか考えてた。
ようやく動きが止まって私の方に向く。
:07/04/29 19:03
:SO903i
:BF66sgT.
#331 [向日葵]
新市「言ったよね?確か。幼なじみが死んだって。俺もしばらくは誰も好きになれなかったんだ。」
真辺君の幼なじみは、交通事故で亡くなったらしい。
亡くなった当時はただ何もやる気がなく、大学もほとんど休んで過ごしていたらしい。
そんな時出会ったのが、あのマスターだ。
新市「マスターに言われたんだ。」
マスター[置いていかれる方だけが寂しいんじゃないんです。だからせめて見送る方は笑顔でいましょうよ。]
:07/04/29 19:24
:SO903i
:BF66sgT.
#332 [向日葵]
新市「って。だから俺なりにアイツの分までって……。…!生田さん?!」
いつの間にか私の目からは涙が溢れていた。
なんの涙かよくわからなかった。
色んな感情が入っていた気がする。
マスターの言葉の意味とか、真辺君の前向きさとか、自分の情けなさとか……。
私はまだ会おうと思えば会えるのに、真辺君はもう会えないんだって思うと
切なくて仕方なかった。
:07/04/29 19:39
:SO903i
:BF66sgT.
#333 [向日葵]
音子「ゴメ……なんか、色々混ざっちゃって……」
口許を手で抑えながら、鳴咽が漏れそうになるのを防ぐ。
音子「私、しっかりしなくちゃ…いけないね……。」
涙が止まらなかった。
あとからあとからボロボロ出てきて、最近泣いてないから余計に出てきたのかとかをぼんなり考えていた。
:07/04/29 19:55
:SO903i
:BF66sgT.
#334 [向日葵]
すいません

ミスりました

○ぼんやり
×ぼんなり
############
音子「ゴメンッ……泣きやむからっ……」
必死に手で涙を拭くのに、涙が溢れだす。
それでもなお擦る。
するとその手を真辺君は止めた。
新市「そんなに擦ったら後で目が痛くなるよ。……それに、……泣きたい時は泣いたらいい。」
:07/04/29 20:06
:SO903i
:BF66sgT.
#335 [向日葵]
真辺君はポケットやらカバンからに何かを探していた。
新市「あー…。ゴメン。汗臭かったら言って。」
そう言って服の裾で涙を拭いてくれた。
しかもゴシゴシとするんじゃなくて、水分を透いとるようにトントンと優しく拭いてくれた。
服からは洗剤の良い香りがして、私はそれにすらなんだか泣けてしまった。
:07/04/29 20:18
:SO903i
:BF66sgT.
#336 [向日葵]
しばらくそこで立ち止まって涙が治まるまで真辺君は待ってくれた。
音子「ズビッ!ゴメン。……もぅ大丈夫だから。」
新市「そう?…じゃあ帰ろっか。」
と言ってふんわり私の手を握った。
あの合コンの時とは違う気持ちで私は握られていた。
太智と比べていた自分が情けない。
全然違うじゃない…。
:07/04/29 20:49
:SO903i
:BF66sgT.
#337 [向日葵]
天国にいる幼なじみさん。
私は、真辺 新市君を、好きになってもいいですか……?
―――……
今日は日曜日。
バイトも今日はお休み。
久々に良く寝て、携帯の時計を見れば12時を指していた。
少し目が腫れぼったいのはきっと昨日いっぱい泣いたからだろう。
:07/04/29 20:56
:SO903i
:BF66sgT.
#338 [向日葵]
:07/04/29 20:57
:SO903i
:BF66sgT.
#339 [向日葵]
とりあえず階段を降りる。
カチャ
音子「おかぁーさぁーん。なんか食べ物」
「音子ぇっ!!」
擦っていた目を開いて手をどける。
『え?今の声……』
そこにいたのは紛れもなく太智。
そして奥さんだった。
音子「た、た……ち……!」
:07/04/29 22:56
:SO903i
:BF66sgT.
#340 [向日葵]
母「アンタ何時と思ってるのー?!せっかく太智君と彩音ちゃんが来てるのにー。」
奥さん彩音って言うんだ……。
奥さん「こんにちわ。」
鈴のような声でにこやかに挨拶した奥さん。
一方私は寝起きでしゃがれた声。髪ははねまくり。パジャマ。しかも目は腫れている。
カアァァァ……ッ!!!!
私は恥ずかしくなって挨拶をくれた奥さんに挨拶を返さず自分の部屋に戻った。
『なんで?なんでいるのよっ!!アンタの家はここじゃないじゃない!!』
:07/04/30 00:15
:SO903i
:cSgoZygA
#341 [向日葵]
一刻も早くここから出たい!そう思い私はサッと着替えてまた階段を降りた。
靴を履いてる時、太智が居間から顔を出して話しかけてきた。
太智「あれ?音子。どこ行くの?」
音子「バイト!!」
バンッ!!
私は力任せにドアを閉め、全速力で家から遠ざかった。
マスターのトコに行こう。迷惑かもしれないけどあの家にいるよりはずっと落ち着いていられる!!
:07/04/30 00:21
:SO903i
:cSgoZygA
#342 [向日葵]
日射しが熱いせいで額にじわっと汗をかいた。
それでも足の速度を緩めない。
何がなんでも家からの距離を離したかった。
「―――……ん?」
曲がり角で誰かに呼ばれた。少しずつ速度を落として左を見ると
新市「どうしたの?そんなに急いで。」
音子「ハァハァ…ま……まな……く…ハァハァ……ハァハァ。」
息切れしてるせいで、名前呼ぶのも一苦労だ。
新市「大丈夫?深呼吸深呼吸!!」
言われた通り、私は大きく息を吸って吐いてした。
:07/04/30 00:33
:SO903i
:cSgoZygA
#343 [向日葵]
音子「ハァ……真辺君こそ……ハァどうしたっの……?」
胸に手を当てて心拍が上がっているのを確認しながら息を整える。
新市「喫茶店行こうと思って。あそこ涼しいから勉強捗るし。」
音子「スー…ハー……。私も行くトコなの。一緒に行かない?」
真辺君はニコッと笑ってうなずいた。
それだけでさっきまでの嫌な気分は吹っ飛んでいった。
…………ハズだった。
:07/04/30 00:38
:SO903i
:cSgoZygA
#344 [向日葵]
太智「ね―――ねぇ――――!!!!」
向こうからなんと太智が一人で走って来た。
『!!!!!』
音子「ま、真辺君行こっ!!」
無理矢理真辺君の背中をぐいぐい押して先に進ませようとするが、真辺君は私が呼ばれてることが気になって前に進んでくれない。
新市「いやでも……。」
音子「いぃぃぃからぁぁぁぁぁぁ!!!!」
しかしそうしてる間に太智は追いついてしまった。
:07/04/30 00:42
:SO903i
:cSgoZygA
#345 [向日葵]
太智「ちょ、おま…ハァハァ!!何怒ってんのっ?!」
音子「怒ってないわよ!バイト遅れちゃ困るから早く行くの!!行こう真辺君。」
太智「え?何?彼氏?」
―――ドクン……
音子「ち、違」
太智「嘘つけよー。えーっと真辺君?ウチのじゃじゃ馬よろしくねーホント手がつけられない子で。」
パシー……ン
私は太智に平手をかました。
:07/04/30 00:48
:SO903i
:cSgoZygA
#346 [向日葵]
音子「アンタに私の何がわかるっていうのっ?!自分はさっさと結婚したくせにっ!!私のこと知ったかぶって言わないでよ!!」
ダッ!!
太智「オイね」
追いかけようとした太智は新市によって止められた。
新市「俺が行きますから。」
新市は音子の後を追った。
:07/04/30 00:52
:SO903i
:cSgoZygA
#347 [向日葵]
バカだ……
私バカだ……!!
結局未練タラタラじゃないっ!!
みっともない!
最悪っ……
私はまだ一歩も進めてなかったんだ!!
グッ!
腕を引かれ、走る足を止めた。
新市「ハッ…ハッ…生田さ……ハァ…っ早いね…っ!」
:07/04/30 00:57
:SO903i
:cSgoZygA
#348 [向日葵]
音子「真辺君…私はやっぱりダメな子だよぉ……。進歩してなかっ……。……っっ。」
本人を目の前にするとやっぱり好きで、声を聞くと愛しいかった。
音子「やだ…。もぉやだよぉ……っ!」
私はその場にしゃがみこんで泣いた。
私は今まで何をしてたの?何が少しずつ思い出に……?
出来てないじゃない!!
口ばっかりじゃない!!
その時、真辺君が私の肩にそっと触れた。
:07/04/30 01:03
:SO903i
:cSgoZygA
#349 [向日葵]
新市「そんなにすぐに決着が着くほどにしか彼を思ってなかった?」
伏せていた顔を少しあげ、閉じていた目を見開いた。
新市「俺だってもし今アイツが生きて帰ってきたらもの凄く喜ぶ。ひょっとしたら生田さんを置いて帰るかもしれない。」
私は完全に顔を上げる。
真辺君は同じ様にしてしゃがんでいた。
新市「……それぐらい、大好きだったよ。だから生田さんもゆっくりでも、気持ちの整理がつくまで好きなだけ好きでいたらいいから。」
:07/04/30 01:13
:SO903i
:cSgoZygA
#350 [向日葵]
真辺君はいつだって私の思いを許してくれた。
真剣に耳を傾けてくれた。
好きのまま……いたい……。
でもダメ!!
私は立ち上がって涙を拭う。
音子「私は今度こそ再出発するの!!」
このままじゃきっとこの気持ちに甘えっぱなし。
それじゃダメな気がする!!
だから……っ
ダッ!
:07/04/30 01:19
:SO903i
:cSgoZygA
#351 [向日葵]
私は元来た道に戻った。
曲がり角を曲がると、太智の後ろ姿が見えた。
音子「太智ぃ―――っ!!」
太智は振り向いて、私の元へ来ようとしたが私がそこにいてと言ったので足を止めた。
太智…これが
音子「私アンタがだぁーい好きぃ――!!!!」
私の22年分の思いです。
大声でも恥ずかしくない。それほど貴方が好きでした。
:07/04/30 01:27
:SO903i
:cSgoZygA
#352 [向日葵]
太智は驚いていたけど、照れたように笑って
太智「ありがとぉ――――!!!!!」
と言ってくれた。
また涙が溢れた。
だってね、ゴメンじゃなくてありがとうって言ってくれた。
嬉しい。
とても嬉しい。
22年分のこの思いは、決して無駄じゃなかった。
ありがとう……。
私こそありがとう……。
:07/04/30 01:32
:SO903i
:cSgoZygA
#353 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・
新市「ハイッ。」
近くの公園のベンチに座って、真辺君はハンカチをくれた。
音子「昨日といい今日といいホントすいません……。」
新市「いいえ!」
真辺君は私の隣に座って空を見上げる。
私もそれに習う。
今日も空は青い。
私の心もようやく晴れ晴れとした。
音子「さて!最初は何から新しいことしようかなぁっ!」
:07/04/30 01:44
:SO903i
:cSgoZygA
#354 [向日葵]
ベンチから立って数歩歩く。
新市「また恋するってのは?」
音子「そーだねぇ……。」
新市「俺と。」
ザアァァ……
風が吹いた。
髪を抑えながら振り向くと、優しい笑顔の彼がいた。
そしてしばらくして、私達は手を繋ぎ、新たな旅路。未来へと進む。
:07/04/30 01:52
:SO903i
:cSgoZygA
#355 [向日葵]
【再出発】
Fin
:07/04/30 01:52
:SO903i
:cSgoZygA
#356 [向日葵]
:07/04/30 01:56
:SO903i
:cSgoZygA
#357 [向日葵]
:07/04/30 01:58
:SO903i
:cSgoZygA
#358 [向日葵]
カランカラン
おはようございます。
今日は生憎の雨です。
マスター「今日は無理でしょうねぇ……。あ、いらっしゃいませ。こんな恋の話は如何ですか?」
:07/04/30 11:04
:SO903i
:cSgoZygA
#359 [向日葵]
すべて過去になるなら
今なんて必要ないんじゃないかって思う時がある。
でも今がなければ
君を懐かしむことすら
無理なんだね……。
【Past】
:07/04/30 11:06
:SO903i
:cSgoZygA
#360 [向日葵]
「ちょっと千鶴!」
後ろで私の友人、綾瀬 こなみ(あやせ こなみ) が私を呼ぶ。
私は伊村 千鶴(いみら ちづる)。今年で17。
千鶴「なに?」
こなみ「何じゃないわよ!次体育よ?!アンタドコ行く気?」
千鶴「面倒くさいから屋上に行く。」
口を開けて固まるこなみ。そんなのお構いなしな私は行く。
ちょっとしてから後ろから「千鶴ぅぅぅぅ!!!!!」と怒りの声が聞こえたが、私のベクトルはもう屋上にいってるので耳をすり抜けるだけだった。
:07/04/30 11:17
:SO903i
:cSgoZygA
#361 [向日葵]
私の学校には屋上があって、鍵も空いてる為人がよく出入りする。
私はそんな屋上に足を運ぶ。
カチャ…キィ…
開けると同時に眩しい光が差し込む。
『まっぶしー。』
目を瞑りながらそんな事を思っていると
「千鶴ー!!」
と元気な声が聞こえた。
目を開けて目線を先にやると、金髪の学ランを少し着崩した男の子が座って手を振っていた。
:07/04/30 11:29
:SO903i
:cSgoZygA
#362 [向日葵]
彼の名前は蒲谷 昂(かまたに こう)。同い年である。
私はこの人が好き。
――……
3ヶ月前……
いつものように私は屋上にいた。しかしそこには先客がいた。それが昂だった。
『……特等席が…。』
先客は気持ち良さそうにいびきをかいてお昼寝中。
『とりあえず座ろう。』
その時に私の影が彼の顔に写し出されたのに彼が気づき、彼は目を覚ました。
:07/04/30 11:36
:SO903i
:cSgoZygA
#363 [向日葵]
昂「……ん…。」
起き上がって私の存在に気づく。
私は座る途中だったので、立ち膝のままで止まっていた。
彼は目を擦りながら私に話しかけた。
昂「んー…おはよー。君は何さん?」
千鶴「伊村 千鶴。貴方は?」
昂はピースをしてニカッと笑う。
昂「俺は蒲谷 昂!」
:07/04/30 11:41
:SO903i
:cSgoZygA
#364 [向日葵]
『ふぅん……』
昂「千鶴ってどんな字?俺頭悪くてさぁっ(笑)あ、俺は昂とか蒲とか蒲っちとか呼ばれてるー!!まぁ昂だな昂!!」
いきなり一人でマシンガントーク。
私は少し引き気味だった。
『あ……ダメな人だこの人……。』
昂「千鶴!」
私は心の声を遮断して、昂に神経を集中さした。
昂「俺達の秘密基地な!!ココ!!」
:07/04/30 11:48
:SO903i
:cSgoZygA
#365 [向日葵]
そのナリとは裏腹に少年の様な顔と発言、そして眩しい黄金(こがね)の髪。
無理と言う私の考えは簡単に覆えされ、ただ単純に好きだと思った。
―――……
そして今なのである。
私達は寝そべってどこまでも高く、どこまでも広い青い空を見上げるのが日課である。
この時間がとても好き。
昂「あったかいなぁー…。」
千鶴「そーだね…。」
:07/04/30 11:53
:SO903i
:cSgoZygA
#366 [向日葵]
閑な空気に携帯の着信音が鳴り響く。
昂「あ、ゴメン俺だわ。」
起き上がり昂は電話に出る。電話の相手なら大抵予想がつく。
彼女からだ。
昂「未花?ウン俺。……自習なの?」
私も起き上がり、少し離れたところで昂の横顔を見つめる。
幸せそうな顔。
締め付けられる胸。
近クニイルノニ
ヒドク遠インダ……。
:07/04/30 11:59
:SO903i
:cSgoZygA
#367 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・
こなみ「ラブラブー♪」
『別にそんなのじゃない。』
授業が終わったので私は教室に戻った。
こなみ「ってかアンタ授業大丈夫なの?あんまりサボるとヤバいよ?」
千鶴「大丈夫。こなみとは違って(強調)学年10位内にはいるし。」
こなみ「はっ倒されたいのかアンタは…っ」
そして話はまた昂の方へ。
こなみ「もうフラレるの確定してんなら告った方がスッキリするじゃない。」
『…………。』
:07/04/30 12:06
:SO903i
:cSgoZygA
#368 [向日葵]
千鶴「こなみっておせっかいね…。」
こなみ『ムキィ――!!!!』
・・・・・・・・・・・・・
私はまた屋上にいた。
温かい光に身を包まれてぼんなりと考える。
こなみ[フラレるの確定なら……。]
それって何の意味があるんだろう……。
ただの自己満足なんじゃないの?
そんな事言って関係が壊れてしまうのなら今の関係の方がよっぽど楽だ。
:07/04/30 12:11
:SO903i
:cSgoZygA
#369 [向日葵]
:07/04/30 12:12
:SO903i
:cSgoZygA
#370 [奈津歩]
:07/04/30 19:55
:D902iS
:☆☆☆
#371 [向日葵]
:07/04/30 22:06
:SO903i
:cSgoZygA
#372 [向日葵]
ううん。違う。
ホントは逃げてるだけなの……。
昂「ちーずーるっ!」
昂が私の頭の方から昂が満面の笑みで私を覗き込んだ。
私の胸はそれだけで高鳴る。逆光ぐあいが余計にドキドキした。
:07/04/30 22:18
:SO903i
:cSgoZygA
#373 [向日葵]
そういえば……
私は起き上がり昂に向き直る。
千鶴「最近よく屋上に来るね。」
言った瞬間笑顔の昂は固まり、そして暗い陰を落とした。
昂「ケンカ…してばっかでさ……。彼氏の自信無くなってきちゃって……。」
悲しそうな彼が嫌で、そっと彼の腕に触れた。
すると昂は私の手をギュッと握る。
――――ドキッ
:07/05/01 00:37
:SO903i
:3tapwN/A
#374 [向日葵]
千鶴「こ……」
昂「千鶴が……彼女だったら良かった……。」
その言葉を聞いて、私の見ている世界は色を無くした。
「なろうか?」と言いたい。貴方が望むなら。
貴方が私を欲するなら。
……でも
千鶴「そんなの……嘘でも言わないで……。」
本気じゃないんでしょ?
:07/05/01 00:40
:SO903i
:3tapwN/A
#375 [向日葵]
千鶴「そんな言葉やすやすと口にしないでよっ!」
半ベソをかきながら私は叫んでその場を去った。
走る。走る。
周りの景色があっと言う間に変わり、遂に自分の家にまでたどり着いた。
自分の部屋に行って乱暴にドアを閉める。
バター…ン……
ドアにもたれ、ズリズリと座り込み、体育座りをして腕に顔を埋めた。
千鶴「ハァッハァッ…ハァッハァッ…」
:07/05/01 00:47
:SO903i
:3tapwN/A
#376 [向日葵]
悔しい……悔しい……
どうしてもっと早く出会えなかった……?
私ならあんな顔絶対にさせない。
でもあんな顔をするのは…………それだけ彼女が好きだから……。
―――……
翌日。
先生「じゃあ訳をー……。」
1時間目は古典。
私はダルくていつもサボる。
:07/05/01 00:52
:SO903i
:3tapwN/A
#377 [向日葵]
先生「伊村ー…っているわけないかぁ……。」
千鶴「ハイ。」
先生「おぉうっ!いたのか!!」
だけど私はサボらなかった。だってもう屋上には行けない。
なんで?っと聞かれたら少し困る。
だって足が行こうとしてくれないんだもの。
私は訳を終え、椅子に座る。頬杖をついて外を見る。今日は雨だ。どっちにしろ屋上には行けない。
:07/05/01 00:57
:SO903i
:3tapwN/A
#378 [向日葵]
でも雨の日でも階段の一番上にたまって喋っていた。
笑い声が響いたりして、お互いに「シーッ」と言い合う。
シャーペンを握る力が増す。
あぁ。貴方と過ごす50分はとても早いのに、授業ってこんなにも遅くて
つまらないのね……。
―――……
今日は1日が長かった。
先生達には授業出る度に驚かれて、感涙された。
:07/05/01 01:02
:SO903i
:3tapwN/A
#379 [向日葵]
こなみ「千鶴。今日どっか寄ってく?」
千鶴「うーん……。」
上の空で考えながら、私は靴箱を開ける。
すると靴の上に小さな紙が乗っていた。
『何…?コレ。』
カサッ
中の文字を見て驚く。
昂だ。
<屋上に来て欲しい。待ってる。昂>
千鶴「何を言ってるの…?」
:07/05/01 01:07
:SO903i
:3tapwN/A
#380 [向日葵]
外は土砂降り。
しかも今更会うなんて出来ない。
バンッ
こなみの傘を開く音にびくりとする。
こなみ「千鶴ー?行くよー。」
千鶴「…あっ。……ウン
」
紙をクシャッとして近くのゴミ箱に捨てた。
『いいの。私はもう……会わないから……。』
私は傘をさし、こなみと一緒に灰色の空の下を歩いて行った。
:07/05/01 01:12
:SO903i
:3tapwN/A
#381 [向日葵]
次の日も次の日も、そのまた次の日も、私が屋上に足を運ぶことはなかった。
そしてその間も雨は降り続いた。
でもかわらないことは
毎日入ってある紙切れ。
そしてまた今日も入ってる。内容はやっぱり屋上に来て欲しいとのことだった。
嫌だ。私は絶対……っ
そう思った時だった。
こなみ「キャ――――!!!!」
いきなり叫ぶこなみの元に駆けつけたら、こなみは空を仰いで目を輝かせていた。
:07/05/01 01:18
:SO903i
:3tapwN/A
#382 [向日葵]
千鶴「どうし……。っ!!」
私もこなみと同じ角度に目線をやった。
するとそこには空に大きく虹が現れていた。
その瞬間弾かれた様に私は駆け出した。
こなみ「?!千鶴?!」
昂。ごめんなさい。
私、屋上に行く勇気出せなかった。
だって次会う時は
きっとフラレるんだって思ってたから。
:07/05/01 01:23
:SO903i
:3tapwN/A
#383 [向日葵]
ガチャ!
ドアを開けるとこちらに気づいた昂が振り返る。
千鶴「ハァッハァッ……。」
ドアノブを持ったまま私は息を整えようとした。
昂「千鶴……。あの千鶴」
千鶴「昂」
昂の言葉を遮るように私は名前を呼んだ。
大分息も整ってきた。
昂は私を黙って見つめる。
私は心の中で決意した。
真っ直ぐ昂を見る。
:07/05/01 01:28
:SO903i
:3tapwN/A
#384 [向日葵]
千鶴「私……昂が好き!…………でした。」
過去にしよう。
また来る季節に君を思い出せるように。
千鶴「彼女と仲良くね…。」
にっこり笑ってそれだけを告げ、帰ろうとした。
昂「――っ俺!」
何か言おうとする昂の方を見る。
昂はどこか怪我して痛そうな表情をしていた。
昂「俺、ここで出会って友達になったのが……千鶴で良かった…っ!」
:07/05/01 01:32
:SO903i
:3tapwN/A
#385 [向日葵]
なんで……そんな嬉しいこと……。
千鶴「ホントに……ホントにそう思ってくれる…っ?」
目から熱い雫が次々と伝う。
私は貴方を好きなだけで、本当に幸せだった。
すると昂は優しく私を抱き締めた。
昂「ありがとう…千鶴。……ありがとう。」
千鶴「……っ。私も…。ありがとう……っ!!」
:07/05/01 01:36
:SO903i
:3tapwN/A
#386 [向日葵]
雨の匂いが少しした。
君の腕、君の声、君の笑顔。ずっと忘れない。
この屋上で君と出会い、
君が好き…………
…………でした。
:07/05/01 01:38
:SO903i
:3tapwN/A
#387 [向日葵]
【Past】
Fin
:07/05/01 01:38
:SO903i
:3tapwN/A
#388 [向日葵]
:07/05/01 01:40
:SO903i
:3tapwN/A
#389 [向日葵]
:07/05/01 01:41
:SO903i
:3tapwN/A
#390 [奈津歩]
あげ〜↑
:07/05/02 17:23
:PC
:DSdiu0SA
#391 [向日葵]
カランカラン
音子「マスター!こんにちわー!!」
マスター「こんにちわ。暑いですねぇ。」
私は音子。22才の大学生。ここの喫茶店で働いています。
季節は夏真っ盛り!
【再出発〜隣のあなた〜】
:07/05/02 19:10
:SO903i
:KInqWiN.
#392 [向日葵]
キュキュッ
音子「ぃよしっ。窓はこんなもんかねぇ。さー…つぎぃーはっとー。」
カランカラン
マスター「いらっしゃいませ。」
お客さんを見ると、それはよく知った人だった。
音子「いらっしゃい!新市君!」
新市「お邪魔します。」
こちらは真辺 新市君。私の……彼氏なのです。
―――っ!うわ―――言っちゃったぁぁ!!!(照)
:07/05/02 19:14
:SO903i
:KInqWiN.
#393 [向日葵]
新市「コホッ……」
音子「……?風邪?大丈夫?」
新市「大丈夫。むせただけだから。それより明日どこに行く?」
そうなのです。
明日は付き合って初めての、そして人生初のデートなのです!!
音子「どこでもいいよっ!!どこでも楽しそうっ!」
新市「そっか。じゃあ公園でも行く?」
:07/05/02 19:21
:SO903i
:KInqWiN.
#394 [向日葵]
音子「…っうん!!」
バイトが終わり、いつもみたいに新市君は送ってくれた。
音子「いつもありがとう。じゃあまた後で電話するねっ♪」
新市「うん…。待ってる。」
そう言うと、新市君は私の頬を撫でた。
音子「……ぁ……っ」
心臓は全力で動く。
外まで響きそうなくらい音が鳴ってる。
新市君の顔が徐々に近づいてくる。
私はギュッと目を瞑る。
でも……
新市君の唇はおでこに当たる。
:07/05/02 19:29
:SO903i
:KInqWiN.
#395 [向日葵]
新市「おやすみ……」
新市君は帰って行った。
私はおでこを押さえながら後ろ姿を見届ける。
『おでこ……熱い……。でも……。』
新市君は口にはしない。
そりゃまだ一週間ほどしか経ってないけど……。
音子「私は…キスしたいなぁ……。」
…………ハッ!!!!
私はなんてことを呟いてんの!!
これじゃただのスケベじゃない!!
……とりあえず家に入ろう……。
:07/05/02 21:36
:SO903i
:KInqWiN.
#396 [向日葵]
―――……次の日
ピピピピ
携帯のアラームで目が覚める。
モゾッ
音子「ん〜…朝ぁ……?今何時……。っ?!?!えぇ!!!!!」
時間を見るともう11時半。約束は喫茶店前に11時。
音子「いやぁぁぁ!!!遅刻―――!!!!」
初めてのデートが遅刻…。これは思い出に残りそうな……って言ってる場合じゃない!!!
:07/05/02 23:42
:SO903i
:KInqWiN.
#397 [向日葵]
あ!そーだメール!!いやここは電話か!!
パカッ!
音子「あっ…あれ?」
30分も遅刻してるのに、新市君からのメールや電話がなかった。
センターに問い合わせてみてもメールは無くて、もしかしたら新市君も遅れてるのかな?と考えた。
とりあえず着替えて化粧をして、喫茶店に出ることにした。
『今日は公園で何するのかなぁ〜♪……あ!こーゆー場合って…私、お弁当作るべき……?』
:07/05/03 00:04
:SO903i
:WfkdcBro
#398 [向日葵]
だ、だって起きた時間が時間だし……
ましてやそんなこと考えてもなかったよ……。
とか考えてると喫茶店に到着。
やっぱり新市君は来てない。
『あれ……?』
もう一度携帯を確認。
センターも確認。
やっぱり何も来ていない。
『電話してみようかなぁ。』
ピッ ピッ
プルルルルル プルルルルル プルル…ガチャ
:07/05/03 00:12
:SO903i
:WfkdcBro
#399 [向日葵]
音子「あ!新い」
新市「ゴホッ!!ゲホゲホゲホ!ゥゴホッゴホゴホ!!!!ね……ハァ…音子……ハァハァ」
聞こえてきたのは苦しそうな咳と荒い息遣い。
音子「し、新市君?大丈夫?!」
新市「ゴ…ケホ……ゴメン。ちょっと体だるくて遅刻しちゃった……。今から行くから……。」
そういえば、昨日から少し咳してた…。
間違いない。風邪ひいてたんだ。
音子「今日のデートはやめよう?またいつか出来るんだから…。」
:07/05/03 00:18
:SO903i
:WfkdcBro
#400 [向日葵]
新市「ハァ……ダメ…だよ……。」
音子「ダメじゃない!!その代わり、住所教えて!!」
新市「ケホケホ……。なん、で……ハァハァ…。」
音子「決まってるじゃない。看病しに行くの!」
『じゃなきゃ心配だよ……。』
確か新市君は一人暮らしだって前に言ってた。
それなら尚更辛いハズ。
新市「ハァ…喫茶店……の真ん前の道……を、真っ直ぐ行って…ケホ……。2つ目の角を右……。」
:07/05/03 00:23
:SO903i
:WfkdcBro
#401 [向日葵]
誘導されるがままに私は角まで行く。
曲がると少し行った所に灰色で2階建てのアパートがあった。
新市「灰色のアパート…の…2階。右から3つ目……。ハァ」
ブツッ
音子「え?新市君?新市君?!」
突然電話が途絶えた。
私は急いでアパートに向かい、カンカンカンカン階段を駆け上がった。
音子「……あ。よく考えてみたら……。」
『ドア開けられないじゃん!!』
:07/05/03 00:29
:SO903i
:WfkdcBro
#402 [向日葵]
イチかバチかでドアノブを捻ってみる。
……すると
カチャ…… キィ……
『開いた!嬉しいけど不用心だよっ!』
音子「お邪魔しまーす……。」
中はシーンとしていた。
とりあえず寝室にいるハズ。探してみることにした。
キィ
『違う。』
キィ
『ここも違う。』
:07/05/03 00:33
:SO903i
:WfkdcBro
#403 [向日葵]
音子「し、新市くーん……?」
名前を呼んでも、聞こえるのは床の軋む音のみ。
しかし、一瞬何かが私の耳に入ってきた。
「――…?」
音子「?新市…君?」
聞こえたのは今から調べようとしてたすぐ近くの部屋。
私はゆっくりとドアを開けた。
キィ……
音子「新市君……っ!」
ベッドに横たわり、途中で会話が途切れた携帯は床に落とされていた。
:07/05/03 00:41
:SO903i
:WfkdcBro
#404 [向日葵]
音子「新市君?私だよ?聞こえる?」
すると瞼がピクッと動き、うっすらと目が開いた。
そして首を動かし、私を認める。
新市「ぁ……音子……っゲホゲホゲホ!!」
音子「大丈夫?!」
おでこに手をやると予想以上に熱かった。
熱を出してる。
とりあえず頭を冷やさなきゃ!!
音子「台所借りるね!!」
:07/05/03 00:46
:SO903i
:WfkdcBro
#405 [向日葵]
行こうとした瞬間。
腕を引かれて私は後ろから新市君に抱き締めたられた。
こんな時に不謹慎だけど、もの凄くドキドキしてる。
音子「し……新市君……?」
新市「ハァ…ここに……いて……?」
熱い吐息が耳にかかってゾクッとした。
音子「すぐ、だから…。待ってて?」
すると新市君は一度ギュッと力を入れると、素直に離してくれた。
そしと事切れたようにフーッとベッドに倒れこんだ。
:07/05/03 00:54
:SO903i
:WfkdcBro
#406 [向日葵]
私はそこに布団をかけてから台所に向かった。
とりあえず氷枕とー。濡れタオルとー。あとお粥いるかなぁ……。薬飲まなきゃいけないし。
最初の2つをとりあえず持って行った後、私はお粥作りに励んだ。
音子「あ!蜂蜜すりリンゴとかもいいかもー…だけぇどぉ……無いよね……。」
回りを見渡すが、リンゴらしいものもなければ蜂蜜だってなかった。
音子「まぁ、大丈夫かなぁっ?」
:07/05/03 00:59
:SO903i
:WfkdcBro
#407 [向日葵]
##############
すいません

今日はここまでです

よければ感想ください

:07/05/03 01:00
:SO903i
:WfkdcBro
#408 [向日葵]
:07/05/03 01:16
:SO903i
:WfkdcBro
#409 [奈津歩]
あげ2


:07/05/03 15:40
:D902iS
:☆☆☆
#410 [か]
:07/05/03 16:41
:F902i
:WLuAL4IM
#411 [向日葵]
:07/05/03 23:50
:SO903i
:WfkdcBro
#412 [向日葵]
ご飯がクツクツ煮えてるのを確認しながら薬がありそうな所を物色した。
音子「あ、これかな。」
棚の中にル●発見。
『早く良くなるといいけど……。』
と、考えながらさっき抱きしめられる光景が脳裏に浮かぶ。
それを手でかき消し、薬と水を用意する。
『あれはホラッ!風邪になるとなんだか寂しくなるじゃない?!人肌恋しいって言うか!!!!』
舞い上がって水を並々と入れる。
お粥も良い感じに出来上がったので味見。
:07/05/03 23:59
:SO903i
:WfkdcBro
#413 [向日葵]
音子「ウンオッケィ♪」
見つけてきたお盆に乗せて私は再び寝室に行った。
コンコン
音子「新市くーん。お粥出来たよー。」
新市君はスースーと寝息を立てて眠っていた。
とりあえず床にお盆をおいて、熱くなってしまったタオルを濡らしに行った。
帰ってくると新市君が起きようとしていた。
新市「……ぁ。」
音子「起きた?お粥食べる?」
新市「……鈴」
『……え?鈴(りん)?』
:07/05/04 00:06
:SO903i
:Nr.atdks
#414 [向日葵]
新市君は懐かしそうな顔をして私を見つめる。
そして私の腕を引いて私を抱き締めた。
新市「…鈴……。」
違う私……
“鈴”なんかじゃない。
ドンッ!!
病人の新市君を思わず突き飛ばしてしまった。
新市君はそれでも私を鈴と思っているらしく、私の名前を呼んでくれない。
新市「鈴……?どうした……。」
音子「…………なんか、買ってくるから。」
:07/05/04 00:11
:SO903i
:Nr.atdks
#415 [向日葵]
私は頭に何か重い物を乗せた気分で部屋を出た。
『リンゴと蜂蜜でも買ってこよ……。』
暑い日差し。
私の心は暑さとショックで暗雲が垂れ込んでいた。
音子「誰よ鈴って……。」
重い足取りでスーパーへ向かう。その間も自分が呟いたセリフで頭がいっぱいだった。
・・・・・・・・・
手にリンゴと蜂蜜を入れた袋を持って私は涼しいスーパーから暑い外へ行く。
:07/05/04 00:20
:SO903i
:Nr.atdks
#416 [向日葵]
天国から一気に地獄。
鈴のことも頭にひっついて離れない。
もしかしたら男友達かもしれないじゃん!!!…いやおかしいおかしい。ならなんで抱きしめるんだよ!!っとかさっきからグルグルグルグル頭を巡る。
音子「せっかく幸せ全開だったのに……。」
ジワァっと涙が滲む。
ハァ…と溜め息をついて少し汗ばんでいる手で拭った。
「あれ?音子さん?」
少し遠くでマスターと黒髪美少女が立っていた。
音子「あ、マスター…。」
:07/05/04 00:31
:SO903i
:Nr.atdks
#417 [向日葵]
まだ目に残る涙を全部拭き取ってマスターに近づく。
マスター「こんにちは。今日はデートじゃなかったんですか?」
マスターが挨拶をすると同時に黒髪美少女がペコッと頭を下げた。
私もニコッと笑い軽く下げる。
黒髪美少女「マスター。私中に入ってますね。」
マスター「すいません世津さん。」
『あぁ…。あの子がマスターの……。』
世津「構いませんよ。」
カランカラン
:07/05/04 00:40
:SO903i
:Nr.atdks
#418 [向日葵]
マスターが世津ちゃんを見届けると私の方に向き直った。
マスター「で、どうしたんです?」
音子「マスターもすみには置けませんね〜♪」
聞かれた事とは別の事を答えた。
マスターは一回咳払いすると、もう一回どうしたのかと尋ねた。
音子「ねぇマスター?新市君の知り合いで“鈴”って知ってます?」
マスター「鈴さん?鈴さんは確かお亡くなりになった新市さんの幼なじみですよ。」
:07/05/04 00:47
:SO903i
:Nr.atdks
#419 [向日葵]
頭の中でドンッと言う音が鳴った。
亡くなった?
もしかして前に新市君が話してた……好きな人……。
マスター「それがどぅ……音子さん?」
私はマスターの言葉を最後まで聞かずアパートまで走った。
ゴメンネ新市君。
死んだ人、重ねてたんだ。辛い。本当は重ねて見られるのは辛い。
でも、死んだ人の思い出と一緒に全部ひっくるめて“新市君”だもん。
:07/05/04 00:54
:SO903i
:Nr.atdks
#420 [向日葵]
私は大丈夫。
だから死んだ人を忘れないであげて。
新市君なら分かるよね?
思い出にしてしまう辛さを。
バンッ
勢いよく扉を開けてしまった。
病人がいることを思い出して、ゆっくりと戸を閉める。
そして寝室を開けると同時に新市君は目を覚ました。
新市「……鈴?」
まだ私を鈴さんと勘違いしているらしい。
でもいいの。
:07/05/04 00:57
:SO903i
:Nr.atdks
#421 [向日葵]
音子「大丈夫。ずっと側にいるから……。」
私は新市君の手を両手で握る。すると新市君は涙を流し始めた。
新市「側に……いてやれなくて……っゴメン……っ!!」
私の手をギュッと握り返す。鳴咽を少し漏らしながら新市君は話し続けた。
新市「ずっと…ずっと好きだったよ……。俺……も、鈴のトコっ行こっと…思った。んくっ――でも、守ってあげたい子が出来たんだっ!」
その言葉を聞いて、「えっ」と口パクで言った。
『……それは、私の事…?』
新市「お前の分まで生きるから……っ。だか、ら。俺をその子の側にいさせてっくれ!!」
:07/05/04 01:08
:SO903i
:Nr.atdks
#422 [向日葵]
それはきっと、ずっと鈴さん本人に言いたかった言葉だろう。
生きていたなら……。
鈴さんが生きていたなら私は新市君と出会っていない。
だから鈴さん。
私は貴方の分まで新市君を守らせてください。
そして見守ってあげてください……。
思い出は、懐かしむと同時に切なさがあります。
その切なさを少しでも私が分かち合えるように…。
一緒に思い出を大切に出来るように……。
:07/05/04 01:12
:SO903i
:Nr.atdks
#423 [向日葵]
――……
「――…ね。音子。」
ハッと目を覚ますと、目の前に新市君の顔。
音子「おあっ!!!びっくりしたぁっ!!あれ?もういいの?」
新市君はケロッとした顔でウンと頷いた。
そして座ったまま背伸びをして、所々ポキポキと鳴らす。
音子「…あれ?私いつの間にベッドに寝てるの?」
新市「あぁ。一回目覚めた時に座って寝てたから俺の隣で寝かした。」
:07/05/04 01:21
:SO903i
:Nr.atdks
#424 [向日葵]
『と、となり?!隣って貴方!!!』
顔が赤くなるのを自覚しながら床に置いてあったお粥と薬と水が空っぽな事に気づく。
音子「全部食べたんだ……。」
新市「ウン!腹減ってたし!!薬飲んでまた寝たから結構スッキリしたよ」
そっか……っと言ってお盆を片付ける。
器を洗おうと水を出した瞬間。
音子「…っ!」
新市君がまた後ろから抱きしめてきた。
:07/05/04 01:27
:SO903i
:Nr.atdks
#425 [向日葵]
その時思った。
新市君は私を抱き締めた瞬間から私を鈴さんだと思ったのかも知れない。
今度はなんだか落ち着いて新市君の少し熱がある体温を感じれた。
音子「どうしたの……。」
食器を洗う手を止めて新市君に聞く。
新市君の力が少し強くなった。
新市「夢…。見たんだ。幼なじみの。」
『ウン……知ってるよ。』
でも私は黙って話を聞く。新市君も話を続けた。
:07/05/04 01:34
:SO903i
:Nr.atdks
#426 [向日葵]
新市「長い夢でさ…。名前呼んだら辛そうな顔してどっか行っちゃったんだ。」
それはきっと鈴さんの名前を初めて呟かれた時だろう。
新市「抱き締めたら、ちゃんと感触があって。……でもまた現れた時、思ったんだ。――――あぁ…。これは夢だって……。」
だって現実に考えてアイツはもういないんだもんなぁと、笑いながら話すその声は寂しそうだった。
私は何も言えなかった。
そして話は、新市君が泣いた時に行った。
:07/05/04 01:40
:SO903i
:Nr.atdks
#427 [向日葵]
新市「謝ったんだ。側にいてやれなくて……って。そしたらアイツ、……笑って言うんだ。『新市が幸せなら私は幸せよ…』って。」
そこで私は「え?!」っと思った。だって私は何も言ってない。ただ耳を傾けていただけなのに…。
『鈴さんっ…。』
新市「それで言ったんだ。『守ってあげたい子がいる』って。」
そう言うと、私を新市君の方へ向かせた。
音子「……鈴さ…その人はそしたらなんて?」
:07/05/04 01:49
:SO903i
:Nr.atdks
#428 [向日葵]
新市君はニコッと柔らかく笑って言った。
新市「『しっかり守ってあげなさい』って。」
その言葉を聞くと同時に私は抱きついた。
涙が出た。
私の声が鈴さんに届いて、新市君が私を大事にしてくれて……。
これ以上の幸せはきっとない。
新市君は私を少し話して涙を拭いた。
新市「なぁんで音子が泣くのー?」
音子「いや……あのっ…。」
:07/05/04 01:57
:SO903i
:Nr.atdks
#429 [向日葵]
すると新市君は私の目元をキスした。
まるで涙を舐めるように。
音子「…。ねぇ」
新市「ん?」
音子「なんで口にはしてくれないの?」
少し拗ね気味で新市君を睨む。
新市君はそれを聞いてまた熱が上がるんじゃないかってくらい赤くなった。
新市「深い意味はないよっ!!」
音子「じゃあしてくれてもいいじゃない!!」
わたしゃ痴女か……。
:07/05/04 02:01
:SO903i
:Nr.atdks
#430 [向日葵]
新市「だ……大事にしたかったから……。俺だってちゃんと……。」
真剣な顔をして顔を両手で包まれた。新市君の目を見る。吸い込まれそうなくらいキレイ。
私も彼の頬に軽く手を添えた。
そしてゆっくりと唇を重ねる。
初めてのキスは一瞬だったけど、新市君をもっと好きになった。
:07/05/04 02:07
:SO903i
:Nr.atdks
#431 [向日葵]
そしてまたギュッと抱き締め合う。
今日は抱き締められることが多いなぁ(笑)
新市「デート出来なかったね……。」
音子「ウン…。でもいいの。一緒にいれるから……。」
―――……
「ちょっと鈴ー!!」
鈴「あ、天使さん。」
天使は雲の上で座ってる鈴を発見した。
天使「貴方また地上に行ったでしょー!」
鈴「へへへっ。ごめんなさいっ!」
:07/05/04 02:12
:SO903i
:Nr.atdks
#432 [向日葵]
ペロッと舌を出しながら笑う鈴に天使は呆れながら笑った。
鈴『2人共。幸せにね……。』
鈴「私2人の子供に生まれたいなぁっ」
地上を見つめながら言う鈴に天使は手を差し延べる。
天使「きっとなれるわ。」
天使の手を取りながら鈴は笑う。
その背中には小さな白い羽根が生えていた。
:07/05/04 02:16
:SO903i
:Nr.atdks
#433 [向日葵]
そんな会話が繰り広げていられることなんて露知らず。
私と新市君は笑い合う。
何年後かに生まれるその子を夢みて……。
:07/05/04 02:18
:SO903i
:Nr.atdks
#434 [向日葵]
【再出発〜隣のあなた〜】
Fin
:07/05/04 02:19
:SO903i
:Nr.atdks
#435 [向日葵]
:07/05/04 02:20
:SO903i
:Nr.atdks
#436 [向日葵]
:07/05/04 02:21
:SO903i
:Nr.atdks
#437 [奈津歩]
:07/05/04 15:22
:D902iS
:☆☆☆
#438 [向日葵]
マスター「さて……そろそろお話も尽きてきましたねぇ…。」
カランカラン
世津「マスター。こんにちわ。」
※―――今回で恋愛喫茶店は最終回です。
最後のお話は……
【双子〜行方〜】
:07/05/04 19:56
:SO903i
:Nr.atdks
#439 [向日葵]
私は世津。
17歳の双子の姉。
先日、マスターに双子の妹・世衣のせいで(ダジャレじゃない)元気を無くしていた私を励ましてくれた。
…………しかも…。
告白までされたっ!!!!!
実は私はまだその答えを待ってもらっている。
改めて言うとなるとすんごい恥ずかしいのだ。
マスター「今日はなんにしますか?」
世津「冷たいカフェオレ!もう暑くって……。」
:07/05/04 20:05
:SO903i
:Nr.atdks
#440 [向日葵]
マスター「はい。」
マスターは何も言わない私を待ってくれている。
マスターの為にも私は早く答えを言わなきゃいけない。
世津「マ、マスター!!!」
マスター「ハイ?」
穏やかな笑みで振り向くから決心が揺らぐ。
世津「ぅ、わ、わた、しっ…。―――んの高校で文化祭があるんですけど来ませんか?!」
『じゃなーくーてぇぇぇ……。』
私は心の中で泣いた。
:07/05/04 20:09
:SO903i
:Nr.atdks
#441 [向日葵]
マスター「あぁ。もうそんな時期ですか。世津さんは何をなさるんですか?」
どっちにしろ文化祭には誘うつもりだったんで、パンフレットを持って来ていた。
私達は展示部門のバルーンアートをやるのだ。
世津「だから…その……一緒に回りませんか?!」
パンフレットに目をやっていたマスターは私に目を向けた。
世津「……ダメなら…いいんです……。」
マスター「いいえ。行きますよ。」
:07/05/04 20:23
:SO903i
:Nr.atdks
#442 [向日葵]
マスターは嬉しそうに笑っていた。
その言葉を聞いて私もパアァァっと嬉しくなった。
世津「日時は、そこに書いてるんで!!……ではっ!あ、お金!!」
財布を出そうとする私の手をマスターの大きなキレイな手が上に被さる。
『え…』
――ドキン
手が触れただけで私の心臓は、はち切れそうだった。
マスター「今日はいいですよ。文化祭に誘って頂きましたし……。」
:07/05/04 20:29
:SO903i
:Nr.atdks
#443 [向日葵]
世津「でも、そんだけじゃダメですよ!」
そう答えると、マスターは顎に手を当てて考え出した。そして何か思い出したのか、カウンターから出てきた。
そしてドアを開けて、私を手招きした。
マスター「では、私に送らせて下さい。」
世津「え?!いやそんなのでチャラはっ……。」
マスター「私が嬉しいので…送らせて下さい…。」
そこまで言われると弱い。しかもマスターが嬉しいとか……。
そんなのズルイ……。
:07/05/04 20:37
:SO903i
:Nr.atdks
#444 [向日葵]
世津「じゃあ…お願いします……。」
・・・・・・・・・・・・
マスターに送ってもらうのはすごく嬉しい。
一緒にいる時間が長くなるから。
……緊張するけど……。
マスター「バルーンアートは何を作るんですか?」
世津「あ、えっとーいっぱい作るんです。虹とかドラ●もんとか。」
「それとー…」と考えると、この狭い道で結構なスピードで車が走って来た。
『あ、避けなきゃ。』
:07/05/05 10:46
:SO903i
:YakLudVw
#445 [向日葵]
と思った瞬間。
グイッ
世津「!!」
マスターが私を抱き寄せて守ってくれた。
『ひゃぁぁぁっ』
マスター「危ないですねぇ。世津さん。大丈夫ですか?」
世津「だ、だだ大丈夫ですっ…!」
それどころじゃない!!
目の前ではマスター広い胸板があって、大人らしい香水の香りが鼻をくすぐる。
:07/05/05 10:51
:SO903i
:YakLudVw
#446 [向日葵]
しかも自分の左肩には大きな手。
前に一回抱きしめられたことがあるものの、あの時は絶望の淵にいたから何にも気にしていなかった。
マスター「私も女性に道路側を歩かせてしまいました。すいません。」
と言って私の手を取って家側にやってくれた。
世津「あ、ありがとうマス……」
『あれ?そういえば…。』
マスターの名前を私は知らない。聞いたことがない。多分世衣すら知らないかもしれない。
:07/05/05 10:55
:SO903i
:YakLudVw
#447 [向日葵]
世津「ねぇマスター?」
マスター「ハイ?」
世津「マスターの名前は…なんて言うの?」
するとマスターは立ち止まりいつもの優しい笑顔が無くなってスッと表情を真顔になった。
そんな顔初めて見たから私は少し怖くなった。
マスターはゆっくりと元の穏やかな顔に戻って行った。
マスター「またいつか…教えますよ……。」
世津「はっ、……ハイ……。」
:07/05/05 11:02
:SO903i
:YakLudVw
#448 [向日葵]
「なんで」とは言えなかった。「聞かないで」と言われてる様で…。
世津「あ。着きましたんで…。ありがとうございました……。」
マスター「いいえ。ではおやすみなさい。」
マスターは来た道を引き返して行った。
世津「……マスター…。」
私はそのどこか孤独な背中を姿が見えなくなるまで見つめ続けた。
――――……
<文化祭当日>
沢山の人が訪れて、どこもかしこも満員状態。
特に喫茶店とかやってるクラスには人がごったかえしていた。
:07/05/05 11:08
:SO903i
:YakLudVw
#449 [向日葵]
私は見に来た人が悪戯して風船を割らないように湖穂と店番をしていた。
湖穂「すっごい人だねー!!老若男女勢揃い!!」
世津「他校からもいっぱい来てるねぇ。みんな情報が早いなぁ〜。」
とか言いながら私はマスターが来ると言うのでソワソワしていた。
慣れないことに髪の毛を可愛く湖穂に結んでもらった。
湖穂「誰かさんはいいわね〜彼氏が来るんだからぁ〜。」
とわざとらしくため息をつく湖穂。
:07/05/05 11:15
:SO903i
:YakLudVw
#450 [向日葵]
湖穂も年上の彼がいるらしいが、仕事があるからと言われたらしい。
世津「か、彼氏じゃないもん!!…………返事まだしてないし。」
湖穂「はあぁぁぁ?!まだ言ってないわけ?!何してんのアンタ!!いつまでも焦らすと、マスターさんも他の人んトコ行っちゃうよ?!」
世津「わ…わかって」
キャアァァァァ!!
いきなり廊下の向こう側から悲鳴。……と言うよりも歓声……?
:07/05/05 11:20
:SO903i
:YakLudVw
#451 [向日葵]
世津「な、何事?!」
湖穂「さぁ……。」
女子軍団に囲まれて、歓声を浴びている主が歩いてきた。
世津「マ、マスターァァァ!!!!」
私の叫び声を聞いて、マスターは私があげたパンフレットをパタンと閉めた。
マスター「あぁ世津さん。ここでしたか。」
マスターは白いシャツを腕捲りして、ボタンを少し開けていた。開けた所からネックレスがしてあった。
そして黒いズボン。
今日はメガネみたいなのをしていなかった。
:07/05/05 11:27
:SO903i
:YakLudVw
#452 [向日葵]
いたってシンプルな服装なのに色気があって、私も一緒にキャアァァァァ!!と言いたくなった。
湖穂は初めて見るマスターに惚れ惚れしていた。
そして一旦後ろを向いて
湖穂「こんなカッコイイんだったら早く返事しちゃいなさいよ!!」
と小声で言った。
そして元の位置に戻って自己紹介。
湖穂「はじめまして!世津の友達の湖穂です。」
マスター「ご丁寧にありがとうございます。私は喫茶店を営んでいます。マスターです。」
:07/05/05 11:32
:SO903i
:YakLudVw
#453 [向日葵]
『やっぱり名前言わないんだ……。』
とか思ってると丁度交代の時間になったので、湖穂と別れ、私達は一緒に校内を回ることにした。
・・・・・・・・・・
クラスの前を通る度、女の子達がざわめきだす。
世津「世衣の所にいきませんか?クレープやってるんですよ!!」
マスター「では案内お願い出来ますか?」
世津「ハイッ!」
私は女の子の視線が痛かった。なんか呪いの言葉が聞こえる気がするけど気のせいだよね!!
:07/05/05 11:40
:SO903i
:YakLudVw
#454 [向日葵]
外でも人がいっぱいだった。
軽快な音楽が流れていて、皆楽しそうだった。
あとで生徒が歌を歌ったり、ダンスを踊ったり、コントをしたりすり特設ステージもある。
私もそれなりにワクワクしてきた。
世衣「あ、せっちゃん!!マスターも!!」
人混みを掻き分けて、世衣がメイド服に近い恰好でやってきた。
:07/05/05 11:47
:SO903i
:YakLudVw
#455 [向日葵]
マスター「可愛らしい恰好をなさってるんですね。」
世衣「エヘヘ!ありがとっ☆私のトコクレープ作ってるんです!!こっちこっち!!」
私達の手を引いて世衣は自分のクラスへと誘導していった。
その時、聞いてしまった……。
しばらく聞いていなかったから、油断していたんだ。
:07/05/05 11:51
:SO903i
:YakLudVw
#456 [向日葵]
「なぁんだ相模原妹の方だったか。」
「そりゃそうでしょ。姉の方ってなんか可愛げないじゃん?」
「双子なのにまったくタイプ違うよねー。妹の方が断然カワイイもん。」
一瞬足許が崩れそうになった。
あ、まただ…。しかも今度は女子。きっとマスターの事で妬んでいるんだ。
……そぅ妬んでいるのよ……。なら――――ヘコまなくていっか!!
:07/05/05 11:57
:SO903i
:YakLudVw
#457 [向日葵]
考えていてもやっぱりショックがある。
するとマスターがいきなり私の肩を抱いた。
世津「…?マスター?」
マスター「人にぶつかると危ないですから。」
そうにっこり笑って後ろをチラリと見た。
この時、私はマスターが陰口をたたいた女の子達を睨んだことは知らなかった。
・・・・・・・・・・
世衣「ハイ!どれにする?!」
世津「私バナナカスタード。」
マスター「じゃあ私はサラダで。」
:07/05/05 12:01
:SO903i
:YakLudVw
#458 [向日葵]
世衣「はぁい☆ちょっと待っててください♪」
世衣が注文を告げに言ったので店前で待つ。
世津「マスター。甘いものダメなんですか?」
マスター「嫌いではないですが、進んでは食べようと思いませんね。」
『あぁそうなんだ。覚えとこ…。』
とか考えているとクレープが出来上がった。
結構綺麗に作られている。
世衣「また来てねー!!」
とブンブン手を振っている世衣に手を振り返して私達はその場を離れた。
:07/05/05 12:07
:SO903i
:YakLudVw
#459 [向日葵]
さすがに人がいっぱいなので、どこかに避難することにした。
世津「空き教室が北校舎の3階に集中してるんでそこに行きませんか?」
マスター「大丈夫ですよ。この辺りで立ち止まりましょう。」
移動した場所は結構人気がいなくて体育館に続く階段もあったので、そこに座ることにした。
そしてクレープを一口。
世津「あ、美味しい。マスター美味しいですよ!」
マスター「そうですね。あ、世津さん失礼します。」
:07/05/05 12:16
:SO903i
:YakLudVw
#460 [向日葵]
マスターは私の口に手を伸ばし何かを拭き取った。
マスター「クス。カスタード。付いてましたよ。」
カアァァァァ!!!
カレカノ定番技!!(?)
世津「スイマセン!!ハンカチッ!」
急いでマスターの親指を拭く。
いつものマスターじゃないせいか、一緒にいるのがいつも以上にドキドキする。
マスター「そんなに拭かなくていいですよ。」
世津「あ、ハイ。もういいですよね…。」
:07/05/05 12:21
:SO903i
:YakLudVw
#461 [向日葵]
:07/05/05 12:22
:SO903i
:YakLudVw
#462 [るぅ
]
頑張ってください


:07/05/05 12:49
:SH703i
:2dIz3qGw
#463 [
]
:07/05/05 23:03
:N902i
:☆☆☆
#464 [向日葵]
:07/05/06 00:01
:SO903i
:dyICY6Qg
#465 [奈津歩]
:07/05/06 00:13
:D902iS
:☆☆☆
#466 [なっつ
]
:07/05/06 00:35
:P902i
:bkEcsKzI
#467 [向日葵]
奈津歩ちゃん

ありがとう

なっつさん

ありがとうございます

頑張ります

:07/05/06 01:22
:SO903i
:dyICY6Qg
#468 [向日葵]
少しほのぼの空気が流れたところで、私はやっぱり名前のことが気になった。
なのでもう一度聞いてみることにした。
……が。
「あー!いたいたぁ☆」
女の子が1人。私達の前に現れた。
「みんなぁ!こっちこっちぃ!!」
『え?みんな??』
すると複数の女子が一斉にやってきた。
説明しなくても分かると思うがみんなマスター狙いだ。
:07/05/06 01:26
:SO903i
:dyICY6Qg
#469 [向日葵]
「みんないくよー。せーのっ「「お名前なんて言うんですかー?」」
おー揃った揃ったー。
……じゃなくて!
マスターは名前言わないんだから。
第一アンタ達マスターにばっかり集中しすぎ!
マスター「私はマスターです。」
「しっかり本名教えてくださいー。」
「じゃないとここ動きませんよー!」
迷惑極まりない。
だから女子の塊って嫌。
:07/05/06 01:30
:SO903i
:dyICY6Qg
#470 [向日葵]
世津「あ、あのね。マスターは」
マスター「健輔です。」
………………え。
「健輔さんだってー!」
「わかりましたー!ありがとうございます☆」
女子軍団は約束通り名前を教えたら帰って行った。
しかし今はそんなことが問題じゃない。
『どーして……?』
私は教えてもらえなかった。今からだって断られるの覚悟で聞こうとした。―――なのに…。
:07/05/06 01:33
:SO903i
:dyICY6Qg
#471 [向日葵]
世津「マスター。意味分からないんですけど……。」
マスター「え?……あ、あれは」
世津「なんであの子達なんかに教えて私には教えてくれないんですか?!」
あんな恐い顔するからあんまり聞きたくなかった。
でも私はマスターを名前で呼びたかった。
だってみんなマスターって呼ぶ中で私にだけ教えてもらって、私だけがそれを呼んだらなんだか私は特別の様な気がして……。
でも違う。
思い上がってたんだ。
:07/05/06 01:38
:SO903i
:dyICY6Qg
#472 [向日葵]
世津「私もうマスターがわかんないよ!!」
私はその場を走り去った。
湖穂[取られちゃうわよ?!]
そうだね湖穂。
もしかしたらマスターはもう私のことが好きじゃないかもしれない。
だから特別にしか教えないから私は教えてもらえないのかもしれない。
世津「自分で考えといて…悲しいなぁ……。」
泣きそうになった。
こんなことなら早く返事すればよかった。
私も好きですって……。
:07/05/06 01:42
:SO903i
:dyICY6Qg
#473 [向日葵]
:07/05/06 01:43
:SO903i
:dyICY6Qg
#474 [
]
またAコメしましたぁ


続き気になる

主サン更新頑張ってね


あげ↑↑(^-^)
:07/05/06 22:56
:N902i
:☆☆☆
#475 [向日葵]

さん

ありがとうございます


明日早いんで今日も少ししか更新できませんがご了承くださいm(__)m
:07/05/06 23:57
:SO903i
:dyICY6Qg
#476 [向日葵]
「ちょっとアンタ。」
世津「え?ちょ、何よ!!」
私はさっきの女子軍団に囲まれて、どこかへ引きずられていった……。
――――……
一方。
見事に置いてけぼりをくらったマスターは、まだ階段のところに座りこんでいた。
:07/05/07 00:00
:SO903i
:ig2tmRBQ
#477 [向日葵]
世津[何で私には教えてくれないんですか?!][もうマスターが分からない!!]
実は世津は誤解をしていた。その誤解をマスターは解かなければならない。
マスターは立ち上がり、世津を探しに行くことにした。お昼を少し過ぎたので大分人混みがマシになってきた。
世依「あ!マスター!!」
制服に戻った世依が駆け寄って来た。
マスター「世依さん。どうなされたんですか?」
世依「な、なんか、せっちゃんが大勢の女の子に連れて行かれてたの!!あれ一体何?!」
それだけでマスターはさっきの人達だと言うことが分かった。
マスター「早く探しに行かないと……」
:07/05/07 00:06
:SO903i
:ig2tmRBQ
#478 [向日葵]
世依「で、でもどこに…。」
それはマスターもわからなかった。
とりあえず落ち着いて考え様と試みた。
マスター「…………そういえば…」
世津[空き教室が北館の3階に集中してて……]
マスター「……!世依さん。北館はどちらですか?」
世依「北館?それならあっち……え?!マスター?!」
マスターは世依が指差した方に疾風がごとく走って行った。
:07/05/07 00:11
:SO903i
:ig2tmRBQ
#479 [向日葵]
―――……
ダァァァ……ン
私は女子軍団に囲まれて壁に追い詰められていた。
その内の1人が私の顔の横に手を勢いよく置いた。
世津「何なのよアンタ達。陰湿じゃない。」
「はぁ?うっとおしいわねぇ。双子の影の分際で。」
「アンタなんか妹がいなきゃ存在感ないもんねぇ?」
ここで女子軍団が高らかに笑った。
まったくもって何が面白いのか全然分からん。
:07/05/07 00:20
:SO903i
:ig2tmRBQ
#480 [向日葵]
世津「アンタらに構ってる暇ないんだけど。」
化粧だけ濃いくて外を飾っても所詮中身は腐ってるなコイツら。
私が睨むと、私の左にいた奴が私の髪を掴んだ。
「なんだよその目。文句ある?」
世津「大有り。私アンタらに何もしてないじゃん。」
「影の存在があんないい男連れて目立ってんじゃねぇよ!」
パシッ
平手を喰らった。
いきなりだったんで口の中を噛んでしまった。
:07/05/07 00:24
:SO903i
:ig2tmRBQ
#481 [向日葵]
世津「いったいなー。噛んだじゃんか。アンタらだって彼氏ぐらいいるでしょーが。」
「うっとおしい奴見ると嫌気さすじゃない?」
『自己中も甚だしいな。』
私はとりあえず負ける気はしなかった。
気は強い方なので、ここにいる奴全員を蹴散らす元気ぐらいはある。
世津「知ってる?そーゆーのヒガミって言うの。」
笑いながら言ってやったら、図星を突かれた何人かが私を蹴ってきた。
:07/05/07 00:29
:SO903i
:ig2tmRBQ
#482 [向日葵]
「アンタみたいな奴、あんなカッコイイ人が本気で相手してると思ってんのかよ!!」
『……』
そんなの私にはわからない。でもマスターがくれた暖かさとか、優しさとか、抱きしめてくれた力強さとか……
それはきっと嘘なんかじゃない。
マスターのことなんて、まだ3分の1以下くらいしかきっと知らない。
でも私は知っていきたい。
だって……
大好きなんだもん!!
:07/05/07 00:33
:SO903i
:ig2tmRBQ
#483 [向日葵]
世津「私が相手されてないんなら、アンタらなんか眼中にも無いよ!!」
女子軍団の怒りに触れた。
「超ウゼェ!!ふざけてんじゃねぇよ!!」
複数の女子が殴りかかってきた。
仕方ない。我慢してたけど……反撃開始!!
――――と思ったら。
ガラッ!!!
マスター「おや。皆様お揃いのご様子で。」
世津「マ、マスター!!」
:07/05/07 00:38
:SO903i
:ig2tmRBQ
#484 [向日葵]
女子軍団はバツが悪そうに少し身を引く。
マスター「綺麗どころがお集まりになりまして…。大変失礼します。」
執事さんがやるような礼をして、マスターは私に目を向ける。
私はと言うと蹴られたせいで制服に足跡が付いてたり、髪の毛を掴まれたりしたせいでグシャグシャになっていた。
その姿を見たマスターは、笑顔なのにどこか怒っていて周りには冷たい空気が流れていた。
マスター「世津さん。行きましょうか。」
世津「え?あ、ハイ…。」
:07/05/07 00:46
:SO903i
:ig2tmRBQ
#485 [向日葵]
差し延べられた手を半ば呆然として握る。
そして教室を出て行く時にマスターが一言。
マスター「名前。健輔なんて嘘ですよ。」
ピシャン
…………
「「エェェェェェ!!!!」」
中に入る女子は大騒ぎ。
一方の私もびっくり。
世津「え?マスター…?」
マスター「……どこか、空いてる教室はありませんか?」
そう言ったマスターはいつもの優しいマスターに戻っていた。
:07/05/07 00:53
:SO903i
:ig2tmRBQ
#486 [向日葵]
――――……
階の一番端にある空き教室に私達は入った。
女子軍団が乗り込んできてはダメなので、一応鍵を閉める。
ガチャン
『…ちょっと待って……。』
男女が密室に2人…。それってかなりヤバくない?!
マスター「世津さん」
世津「はいぃぃぃぃっ!!」
意識しすぎて突然のマスターの呼びかけに飛び上がる私。
マスター「どうぞこちらへ。制服をキレイにします。」
:07/05/07 00:58
:SO903i
:ig2tmRBQ
#487 [向日葵]
マスターはズボンのポケットからハンカチを取り出し、パッパッと足跡を払ってくれた。
少し汚れているけれど、大分マシになった。
そしてグシャグシャになった髪の毛をほどく。
世津「あ、マスターいいです!そのままで!!」
マスター「じゃあ。手櫛で失礼します。」
マスターの細くて長い指が私の髪の間を通る。
なんだかドキドキして、ゾクッとした。
マスター「キレイな髪をなさってますね……。」
:07/05/07 01:03
:SO903i
:ig2tmRBQ
#488 [向日葵]
世津「や、あの…っ」
マスター「私の母もそうでした。」
『えっ……』
髪の毛をキレイにし終ったマスターは私の後ろに立ったまま話始めた。
マスター「私は、両親に捨てられたんです。9つの時に……」
世津「……っ!」
マスターはそれから弧児院で育てられ、喫茶店の元マスターに育てられたんだと言う。元マスターは2年前に亡くなり、今はマスターが継いでいる。
:07/05/07 01:10
:SO903i
:ig2tmRBQ
#489 [向日葵]
マスター「私を育ててくれた父は、それは優しく、愛情を持って接してくれました。……でも名前で呼ばれることはありませんでした。」
世津「どー…して?」
私は振り向いた。
するとマスターは穏やかな、だけど寂しそうな顔をしていた。
マスター「私が、名前を教えなかったんです。いえ知っていたでしょう。でも私は自分の名前が嫌いで偽りの名前を言いました。それが……健輔なんです。」
世津「口からでまかせじゃなかったんですね……。」
私はクスッと笑った。
マスターも少し笑顔になった。
:07/05/07 01:16
:SO903i
:ig2tmRBQ
#490 [向日葵]
マスター「世津さん。私の名前を呼んでくれませんか?」
世津「え……?」
マスター「貴方に呼ばれたら好きになれそうなんです。」
私は少し考えた。
それはマスターが私に心を預けてる様な気がした。
ならば私もマスターに心を渡そう。
世津「マスター。私は貴方が好きです。お名前を聞いてもいいですか…?」
マスターは少し目を見開いて、直ぐに暖かい笑みを溢した。
:07/05/07 01:20
:SO903i
:ig2tmRBQ
#491 [向日葵]
マスター「な…つきです。五十嵐 那月。」
世津「いが…らし……那月……。」
私は知らず知らずにマスターの頬に手を添えた。
世津「那月さん…那月さん……」
マスターは目を閉じて私の手に手を添える。
世津「那月…。」
マスターは少し目を開けて幸せそうに笑う。
マスター「世津さん。唇切れてますよ。大丈夫ですか?」
世津「あぁ。多分さっきの……」
:07/05/07 01:27
:SO903i
:ig2tmRBQ
#492 [向日葵]
「さっきの時ついた傷です。」そう言う前にマスターの唇が私の唇に重なった。
外では、みんながその一瞬を楽しむように騒いでいる……。
―――……
マスター「これが最後のお話です。如何でしたか?」
世津「ちょっと那月さん!ミルクティー注文出てますよー!」
マスター「ハイ。只今。」
:07/05/07 01:33
:SO903i
:ig2tmRBQ
#493 [向日葵]
ここは恋愛喫茶店。
様々な恋愛話を、ここのマスターと……奥さんが話してくれる不思議な喫茶店。
次また貴方が必要な時に、扉が開くでしょう。
では
またのご来店を心よりお待ちしています……。
カラン…カラン……
:07/05/07 01:35
:SO903i
:ig2tmRBQ
#494 [向日葵]
:07/05/07 01:37
:SO903i
:ig2tmRBQ
#495 [向日葵]
:07/05/07 01:38
:SO903i
:ig2tmRBQ
#496 [向日葵]

あとがき

長らくの間「恋愛喫茶店」をご愛読&応援していただき、ホントにありがとうございました

なんとか書き上げることができました

次回作は「きらきら」の続編を書くことを予定しています。よろしければ手にお取りください

ありがとうございました

感想よければ
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/
:07/05/07 01:41
:SO903i
:ig2tmRBQ
#497 [奈津歩]
:07/05/08 19:38
:D902iS
:☆☆☆
#498 [奈津歩]
:07/05/10 19:27
:D902iS
:☆☆☆
#499 [
]
:07/05/12 15:12
:P903iTV
:☆☆☆
#500 [向日葵]
:07/05/12 15:17
:SO903i
:eR9ub5EA
#501 [
]
あげてみました


この話めっちゃおもしろいですよ


みなさんも

度は読んでみてください

:07/05/27 12:00
:N902i
:☆☆☆
#502 [向日葵]
:07/05/27 12:48
:SO903i
:QEnEIV0g
#503 [なな]
:07/06/18 20:49
:W41SH
:YSgVwRkg
#504 [なな]
:07/06/18 20:49
:W41SH
:YSgVwRkg
#505 [向日葵]
ななさん

安価ありがとうございます

:07/06/19 09:36
:SO903i
:5frOdJT.
#506 [向日葵]
:07/06/19 09:45
:SO903i
:5frOdJT.
#507 [向日葵]
すいません案の定間違えてました……順番は背伸びまであってるんですがそれ以降が『届かぬ手』→『双子』→『再出発』です

すいませんでした

:07/06/19 09:48
:SO903i
:5frOdJT.
#508 [も]
すごくよかったです

:07/09/09 02:06
:P902iS
:r/qIabcA
#509 [ゆか
]
良かったよ


!
:07/09/09 06:52
:SH901iC
:eKiOaXvU
#510 [T]
:07/09/09 09:31
:W43H
:TkDto3/s
#511 [有沙(^ω^)]
:07/09/09 16:32
:W51P
:☆☆☆
#512 [向日葵]
いつの間にか上がってたんでびっくりしました


皆さんありがとうございます

:07/09/09 17:12
:SO903i
:7H/AWLK.
#513 [小説案内人]
あげときます


:07/11/20 19:51
:N703iD
:8HAFsWz6
#514 [向日葵]
小説案内人さん

あげありがとうございます

:07/11/21 09:15
:SO903i
:CrLXPhr2
#515 [うーな]
あげです
:07/12/12 21:59
:P902iS
:☆☆☆
#516 [アリス◆alice//tW2]
あげます(o>_<o)
:07/12/18 10:54
:P902iS
:☆☆☆
#517 [向日葵]
:07/12/18 17:38
:SO903i
:1VOUxxEQ
#518 [(ゝω
)]
向日葵様
新しい小説わ
もぅ書いてるんですか?
:07/12/18 21:41
:SH903i
:ICDdVTEQ
#519 [向日葵]
:07/12/18 22:19
:SO903i
:1VOUxxEQ
#520 [(ゝω
)]
教えてください

:07/12/18 22:42
:SH903i
:ICDdVTEQ
#521 [向日葵]
:07/12/19 00:54
:SO903i
:e3ZSxgWs
#522 [.]
:07/12/19 14:37
:SH903i
:zfJqGfRk
#523 [我輩は匿名である]
:08/04/13 16:11
:F705i
:☆☆☆
#524 [向日葵]
我輩さん

アンカーありがとうございます

:08/04/13 18:16
:SO903i
:dbxAHGnY
#525 [我輩は匿名である]
:08/08/09 18:26
:W51P
:vhR.oEAw
#526 [向日葵]
:08/08/09 21:01
:SO906i
:8zRrun2o
#527 [りく]
名作あげ(*´ー`*)
:08/08/31 02:50
:D705i
:aKRu1tKw
#528 [向日葵]
:08/08/31 03:18
:SO906i
:cHrPUkOc
#529 [ツチノコ]
あなたまじすごいです。
文才超ありますよ。
:08/08/31 09:29
:W61SH
:9R1lAlp2
#530 [ゆか]
ちょーすきぃ

:08/10/06 00:23
:D705i
:.9Gd13vY
#531 [向日葵]
ツチノコさん

ゆかさん

ありがとうございます


今他の話を更新中なので、よければ見てくださいね


:08/10/06 01:48
:SO906i
:mEv58gN.
#532 [ゆか]
みたーい

:08/11/24 20:36
:D705i
:1NZiNVaw
#533 [楓]
あげ


:09/01/25 20:55
:D705i
:T48vtLtI
#534 [サリー]
:09/01/28 00:11
:D905i
:UwK53qkA
#535 [我輩は匿名である]
あーげ
:09/07/29 14:19
:F904i
:☆☆☆
#536 [我輩は匿名である]
:09/07/29 14:23
:W61SH
:0KyzFyqY
#537 [ひな]
あげる\(^O^)/
:10/01/24 15:08
:N905i
:ciB9QWT2
#538 [我輩は匿名である]
あげます

:10/05/30 00:37
:SH904i
:r6sn5dd6
#539 [りんご]
:10/08/07 18:21
:W61T
:yX82Mh8Q
#540 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/01 21:49
:Android
:rYsbLV12
#541 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/07 12:19
:Android
:GR1soPvw
#542 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/07 12:19
:Android
:GR1soPvw
#543 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/07 12:21
:Android
:GR1soPvw
#544 [○○&◆.x/9qDRof2]
「二十年前、この星を調べに来たあなたの本当の両親は、あなたを実験台に使ったのです。地球人に育てられた者は、一体どう育つのか。そして、あなたの目を通して地球人の暮らしや、文明の水準を探ろうとしたのだ。しかしあなたは、我々にも、地球人にも成れなかったのです。あなたは明らかに、パワーがありませんから」
:22/10/18 14:11
:Android
:h3l12Mig
#545 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)↑
:22/10/20 09:23
:Android
:nvDpRiyU
#546 [わをん◇◇]
「‥状況がわからないか。無理もないがな…」
まだ完全に覚醒してない頭を精一杯働かせた。
でも何故自分が生きているのか分からない。
父は嘲笑しながら話した。
「生かしてやったんだよ。その心臓はお前のものじゃない。ただの機械だ」
:22/11/03 18:38
:Android
:DPKzmpdw
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