恋愛喫茶店
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#351 [向日葵]
私は元来た道に戻った。
曲がり角を曲がると、太智の後ろ姿が見えた。
音子「太智ぃ―――っ!!」
太智は振り向いて、私の元へ来ようとしたが私がそこにいてと言ったので足を止めた。
太智…これが
音子「私アンタがだぁーい好きぃ――!!!!」
私の22年分の思いです。
大声でも恥ずかしくない。それほど貴方が好きでした。
:07/04/30 01:27
:SO903i
:cSgoZygA
#352 [向日葵]
太智は驚いていたけど、照れたように笑って
太智「ありがとぉ――――!!!!!」
と言ってくれた。
また涙が溢れた。
だってね、ゴメンじゃなくてありがとうって言ってくれた。
嬉しい。
とても嬉しい。
22年分のこの思いは、決して無駄じゃなかった。
ありがとう……。
私こそありがとう……。
:07/04/30 01:32
:SO903i
:cSgoZygA
#353 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・
新市「ハイッ。」
近くの公園のベンチに座って、真辺君はハンカチをくれた。
音子「昨日といい今日といいホントすいません……。」
新市「いいえ!」
真辺君は私の隣に座って空を見上げる。
私もそれに習う。
今日も空は青い。
私の心もようやく晴れ晴れとした。
音子「さて!最初は何から新しいことしようかなぁっ!」
:07/04/30 01:44
:SO903i
:cSgoZygA
#354 [向日葵]
ベンチから立って数歩歩く。
新市「また恋するってのは?」
音子「そーだねぇ……。」
新市「俺と。」
ザアァァ……
風が吹いた。
髪を抑えながら振り向くと、優しい笑顔の彼がいた。
そしてしばらくして、私達は手を繋ぎ、新たな旅路。未来へと進む。
:07/04/30 01:52
:SO903i
:cSgoZygA
#355 [向日葵]
【再出発】
Fin
:07/04/30 01:52
:SO903i
:cSgoZygA
#356 [向日葵]
:07/04/30 01:56
:SO903i
:cSgoZygA
#357 [向日葵]
:07/04/30 01:58
:SO903i
:cSgoZygA
#358 [向日葵]
カランカラン
おはようございます。
今日は生憎の雨です。
マスター「今日は無理でしょうねぇ……。あ、いらっしゃいませ。こんな恋の話は如何ですか?」
:07/04/30 11:04
:SO903i
:cSgoZygA
#359 [向日葵]
すべて過去になるなら
今なんて必要ないんじゃないかって思う時がある。
でも今がなければ
君を懐かしむことすら
無理なんだね……。
【Past】
:07/04/30 11:06
:SO903i
:cSgoZygA
#360 [向日葵]
「ちょっと千鶴!」
後ろで私の友人、綾瀬 こなみ(あやせ こなみ) が私を呼ぶ。
私は伊村 千鶴(いみら ちづる)。今年で17。
千鶴「なに?」
こなみ「何じゃないわよ!次体育よ?!アンタドコ行く気?」
千鶴「面倒くさいから屋上に行く。」
口を開けて固まるこなみ。そんなのお構いなしな私は行く。
ちょっとしてから後ろから「千鶴ぅぅぅぅ!!!!!」と怒りの声が聞こえたが、私のベクトルはもう屋上にいってるので耳をすり抜けるだけだった。
:07/04/30 11:17
:SO903i
:cSgoZygA
#361 [向日葵]
私の学校には屋上があって、鍵も空いてる為人がよく出入りする。
私はそんな屋上に足を運ぶ。
カチャ…キィ…
開けると同時に眩しい光が差し込む。
『まっぶしー。』
目を瞑りながらそんな事を思っていると
「千鶴ー!!」
と元気な声が聞こえた。
目を開けて目線を先にやると、金髪の学ランを少し着崩した男の子が座って手を振っていた。
:07/04/30 11:29
:SO903i
:cSgoZygA
#362 [向日葵]
彼の名前は蒲谷 昂(かまたに こう)。同い年である。
私はこの人が好き。
――……
3ヶ月前……
いつものように私は屋上にいた。しかしそこには先客がいた。それが昂だった。
『……特等席が…。』
先客は気持ち良さそうにいびきをかいてお昼寝中。
『とりあえず座ろう。』
その時に私の影が彼の顔に写し出されたのに彼が気づき、彼は目を覚ました。
:07/04/30 11:36
:SO903i
:cSgoZygA
#363 [向日葵]
昂「……ん…。」
起き上がって私の存在に気づく。
私は座る途中だったので、立ち膝のままで止まっていた。
彼は目を擦りながら私に話しかけた。
昂「んー…おはよー。君は何さん?」
千鶴「伊村 千鶴。貴方は?」
昂はピースをしてニカッと笑う。
昂「俺は蒲谷 昂!」
:07/04/30 11:41
:SO903i
:cSgoZygA
#364 [向日葵]
『ふぅん……』
昂「千鶴ってどんな字?俺頭悪くてさぁっ(笑)あ、俺は昂とか蒲とか蒲っちとか呼ばれてるー!!まぁ昂だな昂!!」
いきなり一人でマシンガントーク。
私は少し引き気味だった。
『あ……ダメな人だこの人……。』
昂「千鶴!」
私は心の声を遮断して、昂に神経を集中さした。
昂「俺達の秘密基地な!!ココ!!」
:07/04/30 11:48
:SO903i
:cSgoZygA
#365 [向日葵]
そのナリとは裏腹に少年の様な顔と発言、そして眩しい黄金(こがね)の髪。
無理と言う私の考えは簡単に覆えされ、ただ単純に好きだと思った。
―――……
そして今なのである。
私達は寝そべってどこまでも高く、どこまでも広い青い空を見上げるのが日課である。
この時間がとても好き。
昂「あったかいなぁー…。」
千鶴「そーだね…。」
:07/04/30 11:53
:SO903i
:cSgoZygA
#366 [向日葵]
閑な空気に携帯の着信音が鳴り響く。
昂「あ、ゴメン俺だわ。」
起き上がり昂は電話に出る。電話の相手なら大抵予想がつく。
彼女からだ。
昂「未花?ウン俺。……自習なの?」
私も起き上がり、少し離れたところで昂の横顔を見つめる。
幸せそうな顔。
締め付けられる胸。
近クニイルノニ
ヒドク遠インダ……。
:07/04/30 11:59
:SO903i
:cSgoZygA
#367 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・
こなみ「ラブラブー♪」
『別にそんなのじゃない。』
授業が終わったので私は教室に戻った。
こなみ「ってかアンタ授業大丈夫なの?あんまりサボるとヤバいよ?」
千鶴「大丈夫。こなみとは違って(強調)学年10位内にはいるし。」
こなみ「はっ倒されたいのかアンタは…っ」
そして話はまた昂の方へ。
こなみ「もうフラレるの確定してんなら告った方がスッキリするじゃない。」
『…………。』
:07/04/30 12:06
:SO903i
:cSgoZygA
#368 [向日葵]
千鶴「こなみっておせっかいね…。」
こなみ『ムキィ――!!!!』
・・・・・・・・・・・・・
私はまた屋上にいた。
温かい光に身を包まれてぼんなりと考える。
こなみ[フラレるの確定なら……。]
それって何の意味があるんだろう……。
ただの自己満足なんじゃないの?
そんな事言って関係が壊れてしまうのなら今の関係の方がよっぽど楽だ。
:07/04/30 12:11
:SO903i
:cSgoZygA
#369 [向日葵]
:07/04/30 12:12
:SO903i
:cSgoZygA
#370 [奈津歩]
:07/04/30 19:55
:D902iS
:☆☆☆
#371 [向日葵]
:07/04/30 22:06
:SO903i
:cSgoZygA
#372 [向日葵]
ううん。違う。
ホントは逃げてるだけなの……。
昂「ちーずーるっ!」
昂が私の頭の方から昂が満面の笑みで私を覗き込んだ。
私の胸はそれだけで高鳴る。逆光ぐあいが余計にドキドキした。
:07/04/30 22:18
:SO903i
:cSgoZygA
#373 [向日葵]
そういえば……
私は起き上がり昂に向き直る。
千鶴「最近よく屋上に来るね。」
言った瞬間笑顔の昂は固まり、そして暗い陰を落とした。
昂「ケンカ…してばっかでさ……。彼氏の自信無くなってきちゃって……。」
悲しそうな彼が嫌で、そっと彼の腕に触れた。
すると昂は私の手をギュッと握る。
――――ドキッ
:07/05/01 00:37
:SO903i
:3tapwN/A
#374 [向日葵]
千鶴「こ……」
昂「千鶴が……彼女だったら良かった……。」
その言葉を聞いて、私の見ている世界は色を無くした。
「なろうか?」と言いたい。貴方が望むなら。
貴方が私を欲するなら。
……でも
千鶴「そんなの……嘘でも言わないで……。」
本気じゃないんでしょ?
:07/05/01 00:40
:SO903i
:3tapwN/A
#375 [向日葵]
千鶴「そんな言葉やすやすと口にしないでよっ!」
半ベソをかきながら私は叫んでその場を去った。
走る。走る。
周りの景色があっと言う間に変わり、遂に自分の家にまでたどり着いた。
自分の部屋に行って乱暴にドアを閉める。
バター…ン……
ドアにもたれ、ズリズリと座り込み、体育座りをして腕に顔を埋めた。
千鶴「ハァッハァッ…ハァッハァッ…」
:07/05/01 00:47
:SO903i
:3tapwN/A
#376 [向日葵]
悔しい……悔しい……
どうしてもっと早く出会えなかった……?
私ならあんな顔絶対にさせない。
でもあんな顔をするのは…………それだけ彼女が好きだから……。
―――……
翌日。
先生「じゃあ訳をー……。」
1時間目は古典。
私はダルくていつもサボる。
:07/05/01 00:52
:SO903i
:3tapwN/A
#377 [向日葵]
先生「伊村ー…っているわけないかぁ……。」
千鶴「ハイ。」
先生「おぉうっ!いたのか!!」
だけど私はサボらなかった。だってもう屋上には行けない。
なんで?っと聞かれたら少し困る。
だって足が行こうとしてくれないんだもの。
私は訳を終え、椅子に座る。頬杖をついて外を見る。今日は雨だ。どっちにしろ屋上には行けない。
:07/05/01 00:57
:SO903i
:3tapwN/A
#378 [向日葵]
でも雨の日でも階段の一番上にたまって喋っていた。
笑い声が響いたりして、お互いに「シーッ」と言い合う。
シャーペンを握る力が増す。
あぁ。貴方と過ごす50分はとても早いのに、授業ってこんなにも遅くて
つまらないのね……。
―――……
今日は1日が長かった。
先生達には授業出る度に驚かれて、感涙された。
:07/05/01 01:02
:SO903i
:3tapwN/A
#379 [向日葵]
こなみ「千鶴。今日どっか寄ってく?」
千鶴「うーん……。」
上の空で考えながら、私は靴箱を開ける。
すると靴の上に小さな紙が乗っていた。
『何…?コレ。』
カサッ
中の文字を見て驚く。
昂だ。
<屋上に来て欲しい。待ってる。昂>
千鶴「何を言ってるの…?」
:07/05/01 01:07
:SO903i
:3tapwN/A
#380 [向日葵]
外は土砂降り。
しかも今更会うなんて出来ない。
バンッ
こなみの傘を開く音にびくりとする。
こなみ「千鶴ー?行くよー。」
千鶴「…あっ。……ウン
」
紙をクシャッとして近くのゴミ箱に捨てた。
『いいの。私はもう……会わないから……。』
私は傘をさし、こなみと一緒に灰色の空の下を歩いて行った。
:07/05/01 01:12
:SO903i
:3tapwN/A
#381 [向日葵]
次の日も次の日も、そのまた次の日も、私が屋上に足を運ぶことはなかった。
そしてその間も雨は降り続いた。
でもかわらないことは
毎日入ってある紙切れ。
そしてまた今日も入ってる。内容はやっぱり屋上に来て欲しいとのことだった。
嫌だ。私は絶対……っ
そう思った時だった。
こなみ「キャ――――!!!!」
いきなり叫ぶこなみの元に駆けつけたら、こなみは空を仰いで目を輝かせていた。
:07/05/01 01:18
:SO903i
:3tapwN/A
#382 [向日葵]
千鶴「どうし……。っ!!」
私もこなみと同じ角度に目線をやった。
するとそこには空に大きく虹が現れていた。
その瞬間弾かれた様に私は駆け出した。
こなみ「?!千鶴?!」
昂。ごめんなさい。
私、屋上に行く勇気出せなかった。
だって次会う時は
きっとフラレるんだって思ってたから。
:07/05/01 01:23
:SO903i
:3tapwN/A
#383 [向日葵]
ガチャ!
ドアを開けるとこちらに気づいた昂が振り返る。
千鶴「ハァッハァッ……。」
ドアノブを持ったまま私は息を整えようとした。
昂「千鶴……。あの千鶴」
千鶴「昂」
昂の言葉を遮るように私は名前を呼んだ。
大分息も整ってきた。
昂は私を黙って見つめる。
私は心の中で決意した。
真っ直ぐ昂を見る。
:07/05/01 01:28
:SO903i
:3tapwN/A
#384 [向日葵]
千鶴「私……昂が好き!…………でした。」
過去にしよう。
また来る季節に君を思い出せるように。
千鶴「彼女と仲良くね…。」
にっこり笑ってそれだけを告げ、帰ろうとした。
昂「――っ俺!」
何か言おうとする昂の方を見る。
昂はどこか怪我して痛そうな表情をしていた。
昂「俺、ここで出会って友達になったのが……千鶴で良かった…っ!」
:07/05/01 01:32
:SO903i
:3tapwN/A
#385 [向日葵]
なんで……そんな嬉しいこと……。
千鶴「ホントに……ホントにそう思ってくれる…っ?」
目から熱い雫が次々と伝う。
私は貴方を好きなだけで、本当に幸せだった。
すると昂は優しく私を抱き締めた。
昂「ありがとう…千鶴。……ありがとう。」
千鶴「……っ。私も…。ありがとう……っ!!」
:07/05/01 01:36
:SO903i
:3tapwN/A
#386 [向日葵]
雨の匂いが少しした。
君の腕、君の声、君の笑顔。ずっと忘れない。
この屋上で君と出会い、
君が好き…………
…………でした。
:07/05/01 01:38
:SO903i
:3tapwN/A
#387 [向日葵]
【Past】
Fin
:07/05/01 01:38
:SO903i
:3tapwN/A
#388 [向日葵]
:07/05/01 01:40
:SO903i
:3tapwN/A
#389 [向日葵]
:07/05/01 01:41
:SO903i
:3tapwN/A
#390 [奈津歩]
あげ〜↑
:07/05/02 17:23
:PC
:DSdiu0SA
#391 [向日葵]
カランカラン
音子「マスター!こんにちわー!!」
マスター「こんにちわ。暑いですねぇ。」
私は音子。22才の大学生。ここの喫茶店で働いています。
季節は夏真っ盛り!
【再出発〜隣のあなた〜】
:07/05/02 19:10
:SO903i
:KInqWiN.
#392 [向日葵]
キュキュッ
音子「ぃよしっ。窓はこんなもんかねぇ。さー…つぎぃーはっとー。」
カランカラン
マスター「いらっしゃいませ。」
お客さんを見ると、それはよく知った人だった。
音子「いらっしゃい!新市君!」
新市「お邪魔します。」
こちらは真辺 新市君。私の……彼氏なのです。
―――っ!うわ―――言っちゃったぁぁ!!!(照)
:07/05/02 19:14
:SO903i
:KInqWiN.
#393 [向日葵]
新市「コホッ……」
音子「……?風邪?大丈夫?」
新市「大丈夫。むせただけだから。それより明日どこに行く?」
そうなのです。
明日は付き合って初めての、そして人生初のデートなのです!!
音子「どこでもいいよっ!!どこでも楽しそうっ!」
新市「そっか。じゃあ公園でも行く?」
:07/05/02 19:21
:SO903i
:KInqWiN.
#394 [向日葵]
音子「…っうん!!」
バイトが終わり、いつもみたいに新市君は送ってくれた。
音子「いつもありがとう。じゃあまた後で電話するねっ♪」
新市「うん…。待ってる。」
そう言うと、新市君は私の頬を撫でた。
音子「……ぁ……っ」
心臓は全力で動く。
外まで響きそうなくらい音が鳴ってる。
新市君の顔が徐々に近づいてくる。
私はギュッと目を瞑る。
でも……
新市君の唇はおでこに当たる。
:07/05/02 19:29
:SO903i
:KInqWiN.
#395 [向日葵]
新市「おやすみ……」
新市君は帰って行った。
私はおでこを押さえながら後ろ姿を見届ける。
『おでこ……熱い……。でも……。』
新市君は口にはしない。
そりゃまだ一週間ほどしか経ってないけど……。
音子「私は…キスしたいなぁ……。」
…………ハッ!!!!
私はなんてことを呟いてんの!!
これじゃただのスケベじゃない!!
……とりあえず家に入ろう……。
:07/05/02 21:36
:SO903i
:KInqWiN.
#396 [向日葵]
―――……次の日
ピピピピ
携帯のアラームで目が覚める。
モゾッ
音子「ん〜…朝ぁ……?今何時……。っ?!?!えぇ!!!!!」
時間を見るともう11時半。約束は喫茶店前に11時。
音子「いやぁぁぁ!!!遅刻―――!!!!」
初めてのデートが遅刻…。これは思い出に残りそうな……って言ってる場合じゃない!!!
:07/05/02 23:42
:SO903i
:KInqWiN.
#397 [向日葵]
あ!そーだメール!!いやここは電話か!!
パカッ!
音子「あっ…あれ?」
30分も遅刻してるのに、新市君からのメールや電話がなかった。
センターに問い合わせてみてもメールは無くて、もしかしたら新市君も遅れてるのかな?と考えた。
とりあえず着替えて化粧をして、喫茶店に出ることにした。
『今日は公園で何するのかなぁ〜♪……あ!こーゆー場合って…私、お弁当作るべき……?』
:07/05/03 00:04
:SO903i
:WfkdcBro
#398 [向日葵]
だ、だって起きた時間が時間だし……
ましてやそんなこと考えてもなかったよ……。
とか考えてると喫茶店に到着。
やっぱり新市君は来てない。
『あれ……?』
もう一度携帯を確認。
センターも確認。
やっぱり何も来ていない。
『電話してみようかなぁ。』
ピッ ピッ
プルルルルル プルルルルル プルル…ガチャ
:07/05/03 00:12
:SO903i
:WfkdcBro
#399 [向日葵]
音子「あ!新い」
新市「ゴホッ!!ゲホゲホゲホ!ゥゴホッゴホゴホ!!!!ね……ハァ…音子……ハァハァ」
聞こえてきたのは苦しそうな咳と荒い息遣い。
音子「し、新市君?大丈夫?!」
新市「ゴ…ケホ……ゴメン。ちょっと体だるくて遅刻しちゃった……。今から行くから……。」
そういえば、昨日から少し咳してた…。
間違いない。風邪ひいてたんだ。
音子「今日のデートはやめよう?またいつか出来るんだから…。」
:07/05/03 00:18
:SO903i
:WfkdcBro
#400 [向日葵]
新市「ハァ……ダメ…だよ……。」
音子「ダメじゃない!!その代わり、住所教えて!!」
新市「ケホケホ……。なん、で……ハァハァ…。」
音子「決まってるじゃない。看病しに行くの!」
『じゃなきゃ心配だよ……。』
確か新市君は一人暮らしだって前に言ってた。
それなら尚更辛いハズ。
新市「ハァ…喫茶店……の真ん前の道……を、真っ直ぐ行って…ケホ……。2つ目の角を右……。」
:07/05/03 00:23
:SO903i
:WfkdcBro
#401 [向日葵]
誘導されるがままに私は角まで行く。
曲がると少し行った所に灰色で2階建てのアパートがあった。
新市「灰色のアパート…の…2階。右から3つ目……。ハァ」
ブツッ
音子「え?新市君?新市君?!」
突然電話が途絶えた。
私は急いでアパートに向かい、カンカンカンカン階段を駆け上がった。
音子「……あ。よく考えてみたら……。」
『ドア開けられないじゃん!!』
:07/05/03 00:29
:SO903i
:WfkdcBro
#402 [向日葵]
イチかバチかでドアノブを捻ってみる。
……すると
カチャ…… キィ……
『開いた!嬉しいけど不用心だよっ!』
音子「お邪魔しまーす……。」
中はシーンとしていた。
とりあえず寝室にいるハズ。探してみることにした。
キィ
『違う。』
キィ
『ここも違う。』
:07/05/03 00:33
:SO903i
:WfkdcBro
#403 [向日葵]
音子「し、新市くーん……?」
名前を呼んでも、聞こえるのは床の軋む音のみ。
しかし、一瞬何かが私の耳に入ってきた。
「――…?」
音子「?新市…君?」
聞こえたのは今から調べようとしてたすぐ近くの部屋。
私はゆっくりとドアを開けた。
キィ……
音子「新市君……っ!」
ベッドに横たわり、途中で会話が途切れた携帯は床に落とされていた。
:07/05/03 00:41
:SO903i
:WfkdcBro
#404 [向日葵]
音子「新市君?私だよ?聞こえる?」
すると瞼がピクッと動き、うっすらと目が開いた。
そして首を動かし、私を認める。
新市「ぁ……音子……っゲホゲホゲホ!!」
音子「大丈夫?!」
おでこに手をやると予想以上に熱かった。
熱を出してる。
とりあえず頭を冷やさなきゃ!!
音子「台所借りるね!!」
:07/05/03 00:46
:SO903i
:WfkdcBro
#405 [向日葵]
行こうとした瞬間。
腕を引かれて私は後ろから新市君に抱き締めたられた。
こんな時に不謹慎だけど、もの凄くドキドキしてる。
音子「し……新市君……?」
新市「ハァ…ここに……いて……?」
熱い吐息が耳にかかってゾクッとした。
音子「すぐ、だから…。待ってて?」
すると新市君は一度ギュッと力を入れると、素直に離してくれた。
そしと事切れたようにフーッとベッドに倒れこんだ。
:07/05/03 00:54
:SO903i
:WfkdcBro
#406 [向日葵]
私はそこに布団をかけてから台所に向かった。
とりあえず氷枕とー。濡れタオルとー。あとお粥いるかなぁ……。薬飲まなきゃいけないし。
最初の2つをとりあえず持って行った後、私はお粥作りに励んだ。
音子「あ!蜂蜜すりリンゴとかもいいかもー…だけぇどぉ……無いよね……。」
回りを見渡すが、リンゴらしいものもなければ蜂蜜だってなかった。
音子「まぁ、大丈夫かなぁっ?」
:07/05/03 00:59
:SO903i
:WfkdcBro
#407 [向日葵]
##############
すいません

今日はここまでです

よければ感想ください

:07/05/03 01:00
:SO903i
:WfkdcBro
#408 [向日葵]
:07/05/03 01:16
:SO903i
:WfkdcBro
#409 [奈津歩]
あげ2


:07/05/03 15:40
:D902iS
:☆☆☆
#410 [か]
:07/05/03 16:41
:F902i
:WLuAL4IM
#411 [向日葵]
:07/05/03 23:50
:SO903i
:WfkdcBro
#412 [向日葵]
ご飯がクツクツ煮えてるのを確認しながら薬がありそうな所を物色した。
音子「あ、これかな。」
棚の中にル●発見。
『早く良くなるといいけど……。』
と、考えながらさっき抱きしめられる光景が脳裏に浮かぶ。
それを手でかき消し、薬と水を用意する。
『あれはホラッ!風邪になるとなんだか寂しくなるじゃない?!人肌恋しいって言うか!!!!』
舞い上がって水を並々と入れる。
お粥も良い感じに出来上がったので味見。
:07/05/03 23:59
:SO903i
:WfkdcBro
#413 [向日葵]
音子「ウンオッケィ♪」
見つけてきたお盆に乗せて私は再び寝室に行った。
コンコン
音子「新市くーん。お粥出来たよー。」
新市君はスースーと寝息を立てて眠っていた。
とりあえず床にお盆をおいて、熱くなってしまったタオルを濡らしに行った。
帰ってくると新市君が起きようとしていた。
新市「……ぁ。」
音子「起きた?お粥食べる?」
新市「……鈴」
『……え?鈴(りん)?』
:07/05/04 00:06
:SO903i
:Nr.atdks
#414 [向日葵]
新市君は懐かしそうな顔をして私を見つめる。
そして私の腕を引いて私を抱き締めた。
新市「…鈴……。」
違う私……
“鈴”なんかじゃない。
ドンッ!!
病人の新市君を思わず突き飛ばしてしまった。
新市君はそれでも私を鈴と思っているらしく、私の名前を呼んでくれない。
新市「鈴……?どうした……。」
音子「…………なんか、買ってくるから。」
:07/05/04 00:11
:SO903i
:Nr.atdks
#415 [向日葵]
私は頭に何か重い物を乗せた気分で部屋を出た。
『リンゴと蜂蜜でも買ってこよ……。』
暑い日差し。
私の心は暑さとショックで暗雲が垂れ込んでいた。
音子「誰よ鈴って……。」
重い足取りでスーパーへ向かう。その間も自分が呟いたセリフで頭がいっぱいだった。
・・・・・・・・・
手にリンゴと蜂蜜を入れた袋を持って私は涼しいスーパーから暑い外へ行く。
:07/05/04 00:20
:SO903i
:Nr.atdks
#416 [向日葵]
天国から一気に地獄。
鈴のことも頭にひっついて離れない。
もしかしたら男友達かもしれないじゃん!!!…いやおかしいおかしい。ならなんで抱きしめるんだよ!!っとかさっきからグルグルグルグル頭を巡る。
音子「せっかく幸せ全開だったのに……。」
ジワァっと涙が滲む。
ハァ…と溜め息をついて少し汗ばんでいる手で拭った。
「あれ?音子さん?」
少し遠くでマスターと黒髪美少女が立っていた。
音子「あ、マスター…。」
:07/05/04 00:31
:SO903i
:Nr.atdks
#417 [向日葵]
まだ目に残る涙を全部拭き取ってマスターに近づく。
マスター「こんにちは。今日はデートじゃなかったんですか?」
マスターが挨拶をすると同時に黒髪美少女がペコッと頭を下げた。
私もニコッと笑い軽く下げる。
黒髪美少女「マスター。私中に入ってますね。」
マスター「すいません世津さん。」
『あぁ…。あの子がマスターの……。』
世津「構いませんよ。」
カランカラン
:07/05/04 00:40
:SO903i
:Nr.atdks
#418 [向日葵]
マスターが世津ちゃんを見届けると私の方に向き直った。
マスター「で、どうしたんです?」
音子「マスターもすみには置けませんね〜♪」
聞かれた事とは別の事を答えた。
マスターは一回咳払いすると、もう一回どうしたのかと尋ねた。
音子「ねぇマスター?新市君の知り合いで“鈴”って知ってます?」
マスター「鈴さん?鈴さんは確かお亡くなりになった新市さんの幼なじみですよ。」
:07/05/04 00:47
:SO903i
:Nr.atdks
#419 [向日葵]
頭の中でドンッと言う音が鳴った。
亡くなった?
もしかして前に新市君が話してた……好きな人……。
マスター「それがどぅ……音子さん?」
私はマスターの言葉を最後まで聞かずアパートまで走った。
ゴメンネ新市君。
死んだ人、重ねてたんだ。辛い。本当は重ねて見られるのは辛い。
でも、死んだ人の思い出と一緒に全部ひっくるめて“新市君”だもん。
:07/05/04 00:54
:SO903i
:Nr.atdks
#420 [向日葵]
私は大丈夫。
だから死んだ人を忘れないであげて。
新市君なら分かるよね?
思い出にしてしまう辛さを。
バンッ
勢いよく扉を開けてしまった。
病人がいることを思い出して、ゆっくりと戸を閉める。
そして寝室を開けると同時に新市君は目を覚ました。
新市「……鈴?」
まだ私を鈴さんと勘違いしているらしい。
でもいいの。
:07/05/04 00:57
:SO903i
:Nr.atdks
#421 [向日葵]
音子「大丈夫。ずっと側にいるから……。」
私は新市君の手を両手で握る。すると新市君は涙を流し始めた。
新市「側に……いてやれなくて……っゴメン……っ!!」
私の手をギュッと握り返す。鳴咽を少し漏らしながら新市君は話し続けた。
新市「ずっと…ずっと好きだったよ……。俺……も、鈴のトコっ行こっと…思った。んくっ――でも、守ってあげたい子が出来たんだっ!」
その言葉を聞いて、「えっ」と口パクで言った。
『……それは、私の事…?』
新市「お前の分まで生きるから……っ。だか、ら。俺をその子の側にいさせてっくれ!!」
:07/05/04 01:08
:SO903i
:Nr.atdks
#422 [向日葵]
それはきっと、ずっと鈴さん本人に言いたかった言葉だろう。
生きていたなら……。
鈴さんが生きていたなら私は新市君と出会っていない。
だから鈴さん。
私は貴方の分まで新市君を守らせてください。
そして見守ってあげてください……。
思い出は、懐かしむと同時に切なさがあります。
その切なさを少しでも私が分かち合えるように…。
一緒に思い出を大切に出来るように……。
:07/05/04 01:12
:SO903i
:Nr.atdks
#423 [向日葵]
――……
「――…ね。音子。」
ハッと目を覚ますと、目の前に新市君の顔。
音子「おあっ!!!びっくりしたぁっ!!あれ?もういいの?」
新市君はケロッとした顔でウンと頷いた。
そして座ったまま背伸びをして、所々ポキポキと鳴らす。
音子「…あれ?私いつの間にベッドに寝てるの?」
新市「あぁ。一回目覚めた時に座って寝てたから俺の隣で寝かした。」
:07/05/04 01:21
:SO903i
:Nr.atdks
#424 [向日葵]
『と、となり?!隣って貴方!!!』
顔が赤くなるのを自覚しながら床に置いてあったお粥と薬と水が空っぽな事に気づく。
音子「全部食べたんだ……。」
新市「ウン!腹減ってたし!!薬飲んでまた寝たから結構スッキリしたよ」
そっか……っと言ってお盆を片付ける。
器を洗おうと水を出した瞬間。
音子「…っ!」
新市君がまた後ろから抱きしめてきた。
:07/05/04 01:27
:SO903i
:Nr.atdks
#425 [向日葵]
その時思った。
新市君は私を抱き締めた瞬間から私を鈴さんだと思ったのかも知れない。
今度はなんだか落ち着いて新市君の少し熱がある体温を感じれた。
音子「どうしたの……。」
食器を洗う手を止めて新市君に聞く。
新市君の力が少し強くなった。
新市「夢…。見たんだ。幼なじみの。」
『ウン……知ってるよ。』
でも私は黙って話を聞く。新市君も話を続けた。
:07/05/04 01:34
:SO903i
:Nr.atdks
#426 [向日葵]
新市「長い夢でさ…。名前呼んだら辛そうな顔してどっか行っちゃったんだ。」
それはきっと鈴さんの名前を初めて呟かれた時だろう。
新市「抱き締めたら、ちゃんと感触があって。……でもまた現れた時、思ったんだ。――――あぁ…。これは夢だって……。」
だって現実に考えてアイツはもういないんだもんなぁと、笑いながら話すその声は寂しそうだった。
私は何も言えなかった。
そして話は、新市君が泣いた時に行った。
:07/05/04 01:40
:SO903i
:Nr.atdks
#427 [向日葵]
新市「謝ったんだ。側にいてやれなくて……って。そしたらアイツ、……笑って言うんだ。『新市が幸せなら私は幸せよ…』って。」
そこで私は「え?!」っと思った。だって私は何も言ってない。ただ耳を傾けていただけなのに…。
『鈴さんっ…。』
新市「それで言ったんだ。『守ってあげたい子がいる』って。」
そう言うと、私を新市君の方へ向かせた。
音子「……鈴さ…その人はそしたらなんて?」
:07/05/04 01:49
:SO903i
:Nr.atdks
#428 [向日葵]
新市君はニコッと柔らかく笑って言った。
新市「『しっかり守ってあげなさい』って。」
その言葉を聞くと同時に私は抱きついた。
涙が出た。
私の声が鈴さんに届いて、新市君が私を大事にしてくれて……。
これ以上の幸せはきっとない。
新市君は私を少し話して涙を拭いた。
新市「なぁんで音子が泣くのー?」
音子「いや……あのっ…。」
:07/05/04 01:57
:SO903i
:Nr.atdks
#429 [向日葵]
すると新市君は私の目元をキスした。
まるで涙を舐めるように。
音子「…。ねぇ」
新市「ん?」
音子「なんで口にはしてくれないの?」
少し拗ね気味で新市君を睨む。
新市君はそれを聞いてまた熱が上がるんじゃないかってくらい赤くなった。
新市「深い意味はないよっ!!」
音子「じゃあしてくれてもいいじゃない!!」
わたしゃ痴女か……。
:07/05/04 02:01
:SO903i
:Nr.atdks
#430 [向日葵]
新市「だ……大事にしたかったから……。俺だってちゃんと……。」
真剣な顔をして顔を両手で包まれた。新市君の目を見る。吸い込まれそうなくらいキレイ。
私も彼の頬に軽く手を添えた。
そしてゆっくりと唇を重ねる。
初めてのキスは一瞬だったけど、新市君をもっと好きになった。
:07/05/04 02:07
:SO903i
:Nr.atdks
#431 [向日葵]
そしてまたギュッと抱き締め合う。
今日は抱き締められることが多いなぁ(笑)
新市「デート出来なかったね……。」
音子「ウン…。でもいいの。一緒にいれるから……。」
―――……
「ちょっと鈴ー!!」
鈴「あ、天使さん。」
天使は雲の上で座ってる鈴を発見した。
天使「貴方また地上に行ったでしょー!」
鈴「へへへっ。ごめんなさいっ!」
:07/05/04 02:12
:SO903i
:Nr.atdks
#432 [向日葵]
ペロッと舌を出しながら笑う鈴に天使は呆れながら笑った。
鈴『2人共。幸せにね……。』
鈴「私2人の子供に生まれたいなぁっ」
地上を見つめながら言う鈴に天使は手を差し延べる。
天使「きっとなれるわ。」
天使の手を取りながら鈴は笑う。
その背中には小さな白い羽根が生えていた。
:07/05/04 02:16
:SO903i
:Nr.atdks
#433 [向日葵]
そんな会話が繰り広げていられることなんて露知らず。
私と新市君は笑い合う。
何年後かに生まれるその子を夢みて……。
:07/05/04 02:18
:SO903i
:Nr.atdks
#434 [向日葵]
【再出発〜隣のあなた〜】
Fin
:07/05/04 02:19
:SO903i
:Nr.atdks
#435 [向日葵]
:07/05/04 02:20
:SO903i
:Nr.atdks
#436 [向日葵]
:07/05/04 02:21
:SO903i
:Nr.atdks
#437 [奈津歩]
:07/05/04 15:22
:D902iS
:☆☆☆
#438 [向日葵]
マスター「さて……そろそろお話も尽きてきましたねぇ…。」
カランカラン
世津「マスター。こんにちわ。」
※―――今回で恋愛喫茶店は最終回です。
最後のお話は……
【双子〜行方〜】
:07/05/04 19:56
:SO903i
:Nr.atdks
#439 [向日葵]
私は世津。
17歳の双子の姉。
先日、マスターに双子の妹・世衣のせいで(ダジャレじゃない)元気を無くしていた私を励ましてくれた。
…………しかも…。
告白までされたっ!!!!!
実は私はまだその答えを待ってもらっている。
改めて言うとなるとすんごい恥ずかしいのだ。
マスター「今日はなんにしますか?」
世津「冷たいカフェオレ!もう暑くって……。」
:07/05/04 20:05
:SO903i
:Nr.atdks
#440 [向日葵]
マスター「はい。」
マスターは何も言わない私を待ってくれている。
マスターの為にも私は早く答えを言わなきゃいけない。
世津「マ、マスター!!!」
マスター「ハイ?」
穏やかな笑みで振り向くから決心が揺らぐ。
世津「ぅ、わ、わた、しっ…。―――んの高校で文化祭があるんですけど来ませんか?!」
『じゃなーくーてぇぇぇ……。』
私は心の中で泣いた。
:07/05/04 20:09
:SO903i
:Nr.atdks
#441 [向日葵]
マスター「あぁ。もうそんな時期ですか。世津さんは何をなさるんですか?」
どっちにしろ文化祭には誘うつもりだったんで、パンフレットを持って来ていた。
私達は展示部門のバルーンアートをやるのだ。
世津「だから…その……一緒に回りませんか?!」
パンフレットに目をやっていたマスターは私に目を向けた。
世津「……ダメなら…いいんです……。」
マスター「いいえ。行きますよ。」
:07/05/04 20:23
:SO903i
:Nr.atdks
#442 [向日葵]
マスターは嬉しそうに笑っていた。
その言葉を聞いて私もパアァァっと嬉しくなった。
世津「日時は、そこに書いてるんで!!……ではっ!あ、お金!!」
財布を出そうとする私の手をマスターの大きなキレイな手が上に被さる。
『え…』
――ドキン
手が触れただけで私の心臓は、はち切れそうだった。
マスター「今日はいいですよ。文化祭に誘って頂きましたし……。」
:07/05/04 20:29
:SO903i
:Nr.atdks
#443 [向日葵]
世津「でも、そんだけじゃダメですよ!」
そう答えると、マスターは顎に手を当てて考え出した。そして何か思い出したのか、カウンターから出てきた。
そしてドアを開けて、私を手招きした。
マスター「では、私に送らせて下さい。」
世津「え?!いやそんなのでチャラはっ……。」
マスター「私が嬉しいので…送らせて下さい…。」
そこまで言われると弱い。しかもマスターが嬉しいとか……。
そんなのズルイ……。
:07/05/04 20:37
:SO903i
:Nr.atdks
#444 [向日葵]
世津「じゃあ…お願いします……。」
・・・・・・・・・・・・
マスターに送ってもらうのはすごく嬉しい。
一緒にいる時間が長くなるから。
……緊張するけど……。
マスター「バルーンアートは何を作るんですか?」
世津「あ、えっとーいっぱい作るんです。虹とかドラ●もんとか。」
「それとー…」と考えると、この狭い道で結構なスピードで車が走って来た。
『あ、避けなきゃ。』
:07/05/05 10:46
:SO903i
:YakLudVw
#445 [向日葵]
と思った瞬間。
グイッ
世津「!!」
マスターが私を抱き寄せて守ってくれた。
『ひゃぁぁぁっ』
マスター「危ないですねぇ。世津さん。大丈夫ですか?」
世津「だ、だだ大丈夫ですっ…!」
それどころじゃない!!
目の前ではマスター広い胸板があって、大人らしい香水の香りが鼻をくすぐる。
:07/05/05 10:51
:SO903i
:YakLudVw
#446 [向日葵]
しかも自分の左肩には大きな手。
前に一回抱きしめられたことがあるものの、あの時は絶望の淵にいたから何にも気にしていなかった。
マスター「私も女性に道路側を歩かせてしまいました。すいません。」
と言って私の手を取って家側にやってくれた。
世津「あ、ありがとうマス……」
『あれ?そういえば…。』
マスターの名前を私は知らない。聞いたことがない。多分世衣すら知らないかもしれない。
:07/05/05 10:55
:SO903i
:YakLudVw
#447 [向日葵]
世津「ねぇマスター?」
マスター「ハイ?」
世津「マスターの名前は…なんて言うの?」
するとマスターは立ち止まりいつもの優しい笑顔が無くなってスッと表情を真顔になった。
そんな顔初めて見たから私は少し怖くなった。
マスターはゆっくりと元の穏やかな顔に戻って行った。
マスター「またいつか…教えますよ……。」
世津「はっ、……ハイ……。」
:07/05/05 11:02
:SO903i
:YakLudVw
#448 [向日葵]
「なんで」とは言えなかった。「聞かないで」と言われてる様で…。
世津「あ。着きましたんで…。ありがとうございました……。」
マスター「いいえ。ではおやすみなさい。」
マスターは来た道を引き返して行った。
世津「……マスター…。」
私はそのどこか孤独な背中を姿が見えなくなるまで見つめ続けた。
――――……
<文化祭当日>
沢山の人が訪れて、どこもかしこも満員状態。
特に喫茶店とかやってるクラスには人がごったかえしていた。
:07/05/05 11:08
:SO903i
:YakLudVw
#449 [向日葵]
私は見に来た人が悪戯して風船を割らないように湖穂と店番をしていた。
湖穂「すっごい人だねー!!老若男女勢揃い!!」
世津「他校からもいっぱい来てるねぇ。みんな情報が早いなぁ〜。」
とか言いながら私はマスターが来ると言うのでソワソワしていた。
慣れないことに髪の毛を可愛く湖穂に結んでもらった。
湖穂「誰かさんはいいわね〜彼氏が来るんだからぁ〜。」
とわざとらしくため息をつく湖穂。
:07/05/05 11:15
:SO903i
:YakLudVw
#450 [向日葵]
湖穂も年上の彼がいるらしいが、仕事があるからと言われたらしい。
世津「か、彼氏じゃないもん!!…………返事まだしてないし。」
湖穂「はあぁぁぁ?!まだ言ってないわけ?!何してんのアンタ!!いつまでも焦らすと、マスターさんも他の人んトコ行っちゃうよ?!」
世津「わ…わかって」
キャアァァァァ!!
いきなり廊下の向こう側から悲鳴。……と言うよりも歓声……?
:07/05/05 11:20
:SO903i
:YakLudVw
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