恋愛喫茶店
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#250 [桜んぼ]
あげ〜
ファイト

⏰:07/04/24 22:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#251 [向日葵]
奈津歩ちゃんさやさん桜んぼさん

あげ&コメありがとうございます
今日は更新出来るよう努力します

⏰:07/04/25 08:15 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#252 [向日葵]
マスターは扉を開けて私が入りやすいようにした。

『如何と言うかそこまでされたら入らない訳にはいかないじゃないじゃない……』

世津「……いただきます…。」

一歩一歩ゆっくりと歩きながらいつもの席へと行った。

『あれ?そういえば…』

世津「マスター。よく私が私(世津)だってわかりましたねぇ。」

マスターはお茶の準備をしながらニッコリ笑って答えた。

⏰:07/04/25 18:37 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#253 [向日葵]
マスター「世衣さんは髪が茶色いですからね。世津はさんはお黒いですし。」

コポポポ

マスターがカップに紅茶を注ぐ。

結局この人もそれぐらいでしか見分けれないか……。

この人なら別の見分け方が出来るんじゃないかとか期待した私が馬鹿だった。

マスター「あとはそうですねぇ……」

コトッ

香りの良い紅茶が前に置かれた。

⏰:07/04/25 18:53 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#254 [向日葵]
マスター「なんとなく……ですよ。」

世津「なんと…なく。」

曖昧な答えに私は眉を寄せた。
でもその時見せたマスターの笑顔には、少しドキッとしてしまった。

世津「あ!ちょっと!!なんでコーヒーじゃないんですか?!」

マスター「本当は、甘い物が好きなんじゃないんですか?」

『う゛っ……』

ホラね。やっぱりそのなんでも見透かす目で見抜いてた。

⏰:07/04/25 18:57 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#255 [向日葵]
私はこの人のこーゆートコが嫌。

まるで悪いことした後、お母さんに問われてみたいでソワソワする。

世津「世衣が言った……ハズない。」

だって家族すら知らないもん。私が甘い物大好きなこと…。

マスター「どうして隠すかお聞きしてもよろしいですか?」

カウンターから出てきて、マスターは私の隣に座った。

世津「別に特別な理由なんか無いわ。ただ柄じゃないから嫌なだけ。」

⏰:07/04/25 19:07 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#256 [向日葵]
頬杖をついて、半ば諦めたように話した後飲んだ紅茶は甘くて美味しかった。

マスター「好きな物を正直に好きと言うのも勇気ですよね……。」

…………ん?
なんか意味深発言。

マスターもしかして好きな人でもいるのかな……。

世津「マスターでも勇気いるのね。」

マスター「一応人間なんで…。」

と苦笑する。
なんだかマスターのこんな姿初めてみたかもしれない、と少し楽しくなった。

⏰:07/04/25 19:12 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#257 [向日葵]
紅茶を飲み終った後、また少し話をしてから私は帰った。

いつも行くのを躊躇する喫茶店が今日はなんだか楽しくて、また行きたい気分にさせた。

―――……

世衣「あ、せっちゃんお帰りなさ〜い!遅かったねー。」

自室に向かいながら私は「まぁね」と答えた。
世衣はその後ろを付いてくる。

世衣「あのね!駆君と放課後喋ったんだぁ♪」

ビキッ!!!

私は固まってしまった。

⏰:07/04/25 19:17 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#258 [向日葵]
え?今なんて?

喋った?しかも放課後に。2人で。

私だって両手で充分足りるほどしか喋ったことないのに。

沸々と怒りが込みあげてくる。

世衣「でね!彼女いるか聞いたらいないって!!良かったねせっちゃん!!」

まるで「良いことしたでしょ?褒めて褒めて」という顔をする世衣。

誰が褒めてなんざやるものかぁぁぁぁぁぁ!!!!(怒)

それはアンタが気になるからいないって言っただけじゃぁぁぁぁぁぁ!!

⏰:07/04/25 19:22 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#259 [向日葵]
と脳内でちゃぶ台をひっくり返しながら叫ぶ。

世衣「なんか色々話とか合っちゃってねっ。」

世津「……てよ……。」

世衣「また明日も会ったら喋ってみたいなぁ♪その時はせっちゃんも」

世津「やめてよっ!!!」

シー……ン

いい加減にしてよ……。

世衣「……せっちゃん」

世津「もういい……。晩御飯なんていらない。寝るから部屋から出ていって。」

⏰:07/04/25 19:28 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#260 [向日葵]
##############

一旦キリます

⏰:07/04/25 19:29 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#261 [向日葵]
世衣「……せ、せっちゃ」

世津「早く出ていって!!!!」

世衣は半泣きになって私の部屋から出ていった。

アンタに振り回されて、ビクビク脅える毎日にはもうウンザリだ……。

世津「私は、アンタのキューピッドじゃない……。」

私は、私なんだから……。

⏰:07/04/25 20:45 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#262 [向日葵]
しばらくして、当然寝る気もなかったので寝れずぼーっとしていた。

グ〜……

切ないぐらいにお腹減った。

カチャ……

ゆっくり扉を開けて、周りに誰もいないことを確かめる。

『コンビニでも行ってこよう。』

―――……

ピロリロ♪ ピロリロ♪

「いらっしゃいませー。」

⏰:07/04/25 20:57 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#263 [向日葵]
何しにきたっけ……

あ、食べ物…。

とりあえずパンコーナーに行ってみた。
仕入れ前らしく、少ししかパンは残っていなかった。
「あれ?相模原?」

聞き覚えのだなぁとかノロノロ思って振りかえってみた。

『!!!!』

⏰:07/04/25 21:01 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#264 [向日葵]
世津「千崎君!」

千崎「よっす!どうしたんだ?こんな時間に制服で。」

ハッ!そーいえば着替えてない……
しかも寝転んでたからシワシワになってるっ!

世津「せっ千崎君はバイト?!」

千崎「ウン!そーなんだ!――あ!そうだ!!今日の放課後、世衣と話したんだ!!」

―――ドクン……

また世衣。みんな世衣。
双子の私なんかどうでもいいみたいに

世衣世衣世衣世衣世衣。

⏰:07/04/25 21:05 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#265 [向日葵]
千崎君は楽しそうに話をしている。

私の耳は話を受け付けず、ただ素通りしていった。

知らず知らずのうちにコンビニを飛び出し、いつもの学校の帰り道を逆走していた。

私の目は今どこを向いてるのかさえわからない。
目線をあちこちに向ければ、会社帰りなおっさんやら、たむろしてる若者やら、今にも消えそうな街灯やら……。

『私の元気も、電池切れだな……。』

⏰:07/04/25 21:10 📱:SO903i 🆔:zIfejVQs


#266 [向日葵]
その時、肩をポンポンと叩かれた。

振り向かなくてもわかる。たぶん……

「こんな時間に何してんの〜?」

お酒くさい。
しかも口調が怪しい。

間違いない。
酔っ払いだ。

とりあえずここは……

無視の方向で。

スタスタスタ

「おーいどこに£@*●◇」

『ろれつ回ってないし…。』

⏰:07/04/26 09:47 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#267 [向日葵]
酔っ払いのオッサンはついてくる。

あ゛ーイライラしてる時に更にイライラさせないでよー!!

再び肩を叩かれた。

『あーもー!!!!』

振り向かないまま手をグーにして戦闘態勢にスイッチオン。

世津「うざったいっつーんだ」

「世津さん?」

殴りかかろうとした私はピタッと止まる。
その隙にびびったオッサンは逃げていった。

⏰:07/04/26 09:55 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#268 [向日葵]
横を見ると、そこは喫茶店前でドアを開けたマスターがいた。

世津「マスター…。」

マスター「こんな時間にどうなさったんです?」

グーにしていた手をパッパッと振ってマスターに向き直った。

世津「さ……散歩。ちょっと……。」

マスター「駄目ですよ。女の子が制服で夜出歩いては。」

世津「……女じゃなきゃ良かった。」

⏰:07/04/26 10:00 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#269 [向日葵]
マスター「……え?」

世津「どーせみんな世衣ばっかり!!私のことなんかそっち退けで、口にするのは世衣ばっかり!!世衣なんか嫌い!!大っ嫌い!!」

スカートを握り締めながら下を向いて叫んだ。

昼間と違って夜は静かで、叫んだ声が少し響いた。

世津「ハァッ……ハァッ……。」

違う嫌いじゃない。
羨ましいんだ。
誰からも愛されて、誰にでも必要とされて……。

⏰:07/04/26 10:04 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#270 [向日葵]
するとマスターは私に歩みよって、私の頬に手を添えた。

あんまり優しく触れるから、私はビクッとした。

顔をあげるとマスターの顔が近くにあって、改めて見るマスターの整った顔にドキッとした。

マスター「私は……世津さんが好きですよ?世衣さんだけじゃありません。貴方を…ちゃんと見てます。」

私は少し目を見開いた。

『……マスターは』

いつも一人一人を大切にしてくれる。

⏰:07/04/26 10:09 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#271 [向日葵]
見透かされた思いも、自分を知ってくれてるみたいでどこかでホッとしてた。

私を分かってくれる人が、一人でもいるって。

頬から暖かさが伝わる。
それが嬉し涙に代わる。

世津「…っ。マスターァッ。」

マスターは私の涙を胸ポケットに入っているハンカチで拭ってくれた。

マスター「さぁ。中に入って。世津さんが好きな甘いココアを入れますよ。」

その日2度目の喫茶店は、安らげる空間を広げていて、甘いココアは私の虚しい気持ちを落ち着けてくれた。

⏰:07/04/26 10:15 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#272 [向日葵]
マスターは私を家まで送ってくれた。
内緒で出てきた為、バレないように家に帰り、部屋に戻る。

『お風呂は朝に入ろう……。』

パジャマに着替えてベッドに入る。

そして喫茶店のことを思い返すと、なんだかキュウッと苦しくなった。

少しずつ、私の中でマスターの存在が大きくなってるみたい。

⏰:07/04/26 10:19 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#273 [向日葵]
<そして朝がやって来る。>

世津「おはよー。」

湖穂「?おはよー。」

不思議そうな顔をする湖穂に私は首を傾けた。

世津「何?どうかした?」

湖穂「むしろこっちが知りたい。どうしたの?珍しく機嫌いいじゃない。」

私はいつも世衣のおかげで教室にピリピリしながら入ってくる。
湖穂はだから「珍しい」と言ったのだ。

⏰:07/04/26 10:23 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#274 [向日葵]
世津「今日は世衣ほって来たからじゃない?」

湖穂「ふーん。」

そんなんじゃない。
世衣ほって来たのは確か。でも今日機嫌がいいのは、昨日のマスターのおかげだと思う。

そう考えると、また胸が苦しくなった気がした。

ヴ―ヴ―

ポケットに入れてる携帯が鳴る。

『ん?お母さん?』

⏰:07/04/26 10:28 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#275 [向日葵]
<お母さん>
今日、世衣休むらしいから、何か世衣にプリントとかあったら持って帰ってきてね

『世衣休むんだー。』

半分……いや全部私のせいかな。
でも世衣ばっかりに構ってなんかいられない。
とりあえず休みってことを頭に入れて、後は忘却の彼方へやることにした。

<帰り>

今日は世衣関係で悩まされることもなく、清々しく学校で過ごせた。

⏰:07/04/26 10:33 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#276 [向日葵]
『あれ?』

家の前に誰かいる。

あの恰好って……。

世津「マスター?」

するとマスターはこっちを見て、静かな笑顔で会釈した。

私も頭を下げながらマスターに近づく。

世津「どうかしました?」

マスター「昨日、お忘れものがあったんです。」

チャラ

差し出したのはストラップ。どうやら携帯から取れてしまったらしい。

⏰:07/04/26 10:36 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#277 [向日葵]
世津「すいません!わざわざ!!」

マスター「いえ、では。」

世津「あ、あがってってください!!お茶入れますから」

マスター「いえしかし……。」

私はいつもマスターがしてくれるように家の門を開けた。

世津「昨日のお礼がしたいんです!」

半ば「入りやがれ」的に言う私。

⏰:07/04/26 10:42 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#278 [向日葵]
############
キリます

感想、アドバイスなどよければ

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/04/26 10:46 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#279 [向日葵]
マスターは少し悩んでから、「じゃあ」と言って門の中に入って行った。

ガチャ

世津「ただーいまー。世衣ー。……?」

マスター「世衣さんどうかなされたんですか?」

世津「あ、今日学校休んでて。」

でもおかしいな…。
どんな時でも玄関まで出迎えに来る世衣が来ない。

居間を見ても、洗面所を見てもいない。

『部屋で寝てるのかな……?』

⏰:07/04/27 13:21 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#280 [向日葵]
ん?

待って!

固まる私にマスターがどうしたのかと尋ねたが、私は門から玄関までの記憶を巻き戻しした。

門…玄関開けて…

!!!

私は玄関まで走る。
そして下を見ると、見慣れない男もんの靴。

『まさか…っ』

考えるよりも足が世衣の部屋へと向かう。

⏰:07/04/27 13:24 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#281 [向日葵]
ドタドタドタ!

階段を全力で上がって、ノックも無しに世衣の部屋のドアを開ける。
マスターも後を追って私と一緒に部屋に乗り込んだ。

バンッ!!!

『……っ!!』

世衣と千崎君のキスシーンが目に入ってきた……。

世衣「ぁ……せっちゃ……。」

私は何が今起こってるかわからない。
ただ今の感情を色に表すなら赤だ。

⏰:07/04/27 13:29 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#282 [向日葵]
世衣「ち……違うのせっちゃん!あのね……」

違う…違うって何よ……。
世衣はたどたどしく説明している。
でも私は自分の感情が頭の中にガンガン響いて、まるで世衣は口パクしてる様にしか見えない。

アンタはいいよね…その持ち前の可愛いさがあって、誰でも虜に出来る。



それが例え片割れである私の好きな人でさえ……っ!

⏰:07/04/27 13:32 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#283 [向日葵]
気づいたら右手を高く上げて世衣に降り下ろしていた。

我慢も限界。
今アンタを殴り倒したい。

しかしその手は、千崎君に止められた。

千崎「ちょ、なんで怒ってんの?俺は世衣が好きだからしたんだ!殴るなら俺だろ……?」

『好き……』

私だって好きだった。高2になって、仲良くなって過ごした時間は私の方がずっと長いのに…っ。

⏰:07/04/27 13:36 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#284 [向日葵]
世津「も……いぃ……。」

バカみたい。結局はみんな私を悪者扱いにする。
でも千崎君だけは違うと思ってた。


こんな自分も、皆も、世の中も、もぅ消えたい…。

私はフラフラと家を出ていった。
後ろで世衣が叫んでたけど、悲しみと怒りだらけの醜い私はそんな声すら聞けなかった。

マスター「世津さん……。」

マスターは私の後ろをついてきて、私の名前を時々呼んだ。

⏰:07/04/27 13:41 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#285 [向日葵]
歩いて行くと、川があった。
気を付けなければ足をとられて流されるかもしれないくらいの勢い。

からっぽになった頭で、私は川に足を浸けた。

マスター「世津さん!駄目です!上がってください!」

それでも私は深みへと行く。今はふくらはぎくらいの高さ。

ジャバジャバッ

マスター「世津さん!!」

マスターが私の手を引いた。でも私は振り払う。

⏰:07/04/27 13:44 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#286 [向日葵]
世津「もういいっ!同じ顔でも皆が愛するのは世衣だけじゃない!!…っなら私なんかいてもいなくても一緒よ!!」

私は泣き叫んだ。
結局言ってるのは昨日と同じ様な内容だ。

出口がせっかく見つかったのに、その出口は崩された。

世津「マスターも追いかけて来ないでよ!!私なんか消えたらいいのよ!!」

パチッ

泣き叫んでいる私をマスターは軽くひっぱたいた。
気付けば、いつの間にかまた流されないように腕を掴まれていた。

⏰:07/04/27 13:49 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#287 [向日葵]
マスター「消えて、それで満足ですか?残された私やお友達、世衣さんはどうなりますか?」

世津「知らない。そんなの知ってどうなるの……?」

マスター「……貴方を大好きな人達はどうなるんです。」

世津「そんなの入るわけない。」

マスターは掴んでいる手に少し力を込めた。

マスター「貴方を好きな私は…どうしたらいいんですか……。」

⏰:07/04/27 13:54 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#288 [向日葵]
世津「……え…?」

マスターの目を見る。
真剣で私を真っ直ぐ見ている。

私がずっと欲しかった、私を見てくれている目……。

マスター「消えたりしないでください……。」

そう言ってマスターは私を抱きしめる。
初めて男の人に抱きしめられる私は戸惑ったけど、目を瞑ってマスターの胸に顔を埋めて涙を流した。

世津「……マスター……。」

マスター「…ハイ。」

世津「……ありがとう……。」

⏰:07/04/27 13:59 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#289 [向日葵]
――――……

帰ってくるなり世衣が飛び付いて大号泣で謝った。
千崎君も謝ってくれた。

私だって悪いトコあったのに。

<翌日>

トコトコトコ……

世津「あ……。」

マスターがまた掃除をしていた。
するとマスターも私に気づき、ニコッと笑って会釈した。

⏰:07/04/27 14:02 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#290 [向日葵]
世津「こ……こんにちわ。」

マスター「こんにちわ。」

私は昨日のこともあって、照れ臭い。
でも一応言わなきゃ……。

世津「ぁ……あのぉっ!」

マスター「ハイ。」

世津「へっへへ返事は、まだ待ってください!ちゃんと考えたいんで!!」

⏰:07/04/27 14:04 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#291 [向日葵]
するとマスターはニコニコして、喫茶店のドアを開ける。

マスター「とりあえず、ココアはいかがですか?」

世津「……っいただきます!」

私とマスターの恋は、また今度のお話に続くのでした。

誰か一人でも自分を大切に思ってくれる人。
それは無敵で素敵なこと。
ねぇマスター……
私はね…。

⏰:07/04/27 14:08 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#292 [向日葵]
【双子】
Fin

⏰:07/04/27 14:09 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#293 [向日葵]
【空へ手紙】
>>2-59

【きらきら〜番外編〜】
>>62-105

【】
>>109-164

【届かぬ手】
>>166-225

【双子】
>>229-292

⏰:07/04/27 14:14 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#294 [向日葵]
すいません3番目【背伸び】です

⏰:07/04/27 14:15 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#295 [向日葵]
先日、幼なじみが結婚しました。

祝福の涙を流す中で

私一人が悲しい涙でした。




【再出発】

⏰:07/04/27 14:18 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#296 [向日葵]
カランカラン

「マスターこんにちわぁ!お掃除に来ましたよー♪」

マスター「こんにちわ。お願いします。」

「ハァイ!まっかせてー☆」

私の名前は生田 音子(いくた ねね)。

私はここの恋愛喫茶店ってトコで働いてるの!
週に3回、喫茶店内をキレイにお掃除!!
それが私の仕事。

⏰:07/04/27 14:22 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#297 [向日葵]
音子「ゴミ出してきまぁ〜っす!!」

カッコイイマスターさんの近くで働けて幸せ!

でも私はもう好きな人を作らないと決心しました。

それはつい1ヶ月前の出来事なのです。

―――……

音子「け、結婚―――――!!!!!!」

「おぅ。まぁそろそろだと思ってたし。」

私には幼なじみがいました。名前は酒倉 太智(さかくら たいち)。私と同い年の22歳。

⏰:07/04/27 14:27 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#298 [向日葵]
音子「22で結婚?!早くない?!」

太智「早い遅いが問題じゃないだろ?俺だって一応就職してるんだし、ウチの親も向こうの親も認めてくるたし。」

ゲームを2人でしながら報告。もうちょっとなんかあんだろ……。

音子「だからっ……て……。」

太智「まぁずっと一緒に居たいしなぁ!結婚してもまた遊びに来るってー!!」

そう言いながら私の背中をバンバン叩く。

『そんな問題じゃない!!……だって私――っ』

⏰:07/04/27 14:32 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#299 [向日葵]
太智の事が好きなのにぃぃぃ……っ!!!

なんて今更口が裂けても言えるハズなく、しばらくしたら結婚式は盛大に挙げられた。

涙を流しながら後悔ばっかりしていた。
幼なじみでも側にいられるなら……いつか好きって言えたなら……。

でも太智は私のそんな気持ちなんか知るハズもなく、さっさと彼女を作って、2年後には結婚とな!!!

音子「最悪じゃない……。」

⏰:07/04/27 14:36 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#300 [向日葵]
でも後悔するには遅かった。

もう彼は手の届かない所へ行ってしまった。
「おめでとう」なんて、言えなかった。
ただひたすら、感動してるフリして泣いていた。

もうあんな痛い思いするのが嫌な私は、もう恋はしないことにした。

「合コンしよっ!!」

大学。友達の佳寿(かず)が身を乗り出して提案した。

⏰:07/04/27 14:40 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#301 [向日葵]
##############
キリます

⏰:07/04/27 14:40 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#302 [向日葵]
音子「なんで?」

佳寿「だってアンタいつまでも引きずるんだもん!!新しい恋しなきゃぁ!!」

音子「だからいらないってぇ…。」

私はこの気持ちを大事にして生きていく。

すれ違う幸せそうなカップルには、正直飛び蹴りしたいくらい羨ましいけど、今は次の恋に進もうなんて考えれない。

私の太智を好きだった気持ちはそんな軽いものじゃない。

佳寿「そんなこと言ってないで!さっさと準備していくよ!!」

佳寿はそんなのおかまいなしに私を引きずっていった。

⏰:07/04/28 07:59 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#303 [向日葵]
音子「だから嫌だってばぁぁぁ!」

・・・・・・・・・・

結局合コンに参加。
はっきり言って興味ない。

私は始まってしばらくしてトイレに向かった。

音子「みんな軽いよね…。彼女と別れたばっかとか言ってた奴もいたじゃん……。」

少しは私みたいに一途に誰か思い続けてみろよ。

カチャ……キィ……

⏰:07/04/28 08:05 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#304 [向日葵]
「生田……さん?」

音子「わぁっ!ハイ!!」

出てすぐの壁に男の子がもたれていた。
身長は結構高くて、雰囲気は優しい子だった。
どことなく太智に似てるかもしれない。

「気分悪いの?」

音子「いや別に…ってかあの……誰?」

「え?!さっき自己紹介したじゃん!!真辺 新市(まなべ しんいち)!!」

『…あ。合コンの。』

音子「ごめんなさい。あんまり聞いてなかった……。」

⏰:07/04/28 08:11 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#305 [向日葵]
新市「じゃあ覚えてね。で、どっか悪い?」

音子「いや別に…帰ろっかなって……。」

新市「じゃあ一緒に帰る?」

ニコッて笑って真辺君は言った。

何しに来たんだよ。と思ったがまぁ帰りたいのは同じなので、皆にバレないように店を出ていった。

新市「送るよ。家どこ?」

音子「あーいいよ。帰れるしぃ。」

新市「だーめ!!危ないでしょ?早く!!」

⏰:07/04/28 08:16 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#306 [向日葵]
『強引だなぁ……』

少しうんざりしていた私はとりあえず大体の場所を教えた。

新市「じゃあ途中まで一緒だ!行こう!!」

そう言って手をひかれた。

『なんで手を繋ぐんだろ…。』

そういえばずっと前。
まだ10歳にもなってないころ。

デパートに太智のお母さんと太智とウチのお母さん私とが一緒に買い物に行った時、私が迷子になった。

泣きじゃくっている私のもとに太智が探しに来てくれて、こんな風に手をひいて連れ戻してくれたっけ…。

⏰:07/04/28 08:27 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#307 [向日葵]
真辺君の姿が太智とかぶる。
太智…。私、大好きだったんだよ。
私だけずっと先に進めなくて足踏みしてる。

新市「生田さん?」

ハッ!
思い出に浸ってた!!
気づいたら駅に着いていた。

音子「ごめんなさい。何?」

新市「いや…。定期ある?」

そこで握っていた手を離した。定期を取って改札を通っても、再び手を握ることはなかった。

⏰:07/04/28 08:34 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#308 [向日葵]
違う。

真辺君はそれとなく手を差し出したが、私がそれを拒否したのだ。

彼は太智に似てる。
だから思い出してしまうのだ。

新市「……一つ聞いていい?」

音子「え?」

新市「好きな人…いるの?」

『……。』

音子「いた……かな…。過去形…にしたい。」

結婚してる相手をいつまでも引きずるなんてカッコ悪い。

だから過去形にしたい。

⏰:07/04/28 08:39 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#309 [向日葵]
電車に乗って空いてる席に座る。

新市「そっかぁ…。」

音子「アハ。こんな話真辺君にしても仕方ないのにね!」

恥ずかしい。
会って間もない相手に軽く愚痴るなんて。

音子「バカみたい……。」

一途じゃなきゃ、どんなに楽か。
だって忘れられない。
太智といた22年は大きくて、忘れようにも思い出がいっぱいなの。

新市「バカじゃないよ…。」

真辺君は少し悲しそうに呟いた。

新市「無理に過去にしても、絶対無理だよ。だから少しずつ楽しい思い出として残していったらいいんじゃないかなぁ……。」

⏰:07/04/28 08:47 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#310 [向日葵]
『少し……ずつ……』

そんな簡単にできない。
だって22年だよ?
そんな膨大な年数少しずつだろうが出来ない。

音子「私には無理だよ……」

新市「無理だって決めつけたら駄目だよ。」


音子「アンタに何がわかんのよ!!」

思わず叫んでしまった。
同じ車両に乗ってる人達の目線が私に刺さる。

⏰:07/04/28 10:24 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#311 [向日葵]
丁度駅に着いたので、いたたまれなくなった私は最寄りの駅でもないのに降りた。

新市「ちょ、生田さん!」

ドアが閉まる直前に真辺君は降りてきた。

電車は私達と複数の人を残して出発してしまった。

改札に向かう人達とは違って、私と彼は立たずんでいた。

音子「……小さい頃からずっと一緒だったの。」

でも好きだと気付いたのは丁度2年前。
アイツに彼女が出来た頃。

⏰:07/04/28 10:32 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#312 [向日葵]
音子「結局全部遅かった……」

毎日毎日後悔ばっかり。

泣いて泣いて、その日の分の涙が枯れるまで泣く。

新市「俺もいたんだ……そーゆー人。」

音子「……ぇ?」

次の電車が来た時、真辺君は「死んじゃったけどね」と呟いた。

私達は電車に乗ったけど一言も喋らず、最寄りの駅について私は先に降りる。

別れる時でさえ「バイバイ」とは言わなかった。

⏰:07/04/28 10:40 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#313 [向日葵]
音子「ねぇマスター?失恋ってどう癒したらいいと思う〜?」

窓拭きをしながら色々準備しているマスターに訪ねてみた。

マスターは「そうですねぇ…」と考える。

マスター「自分がもう一度信じてみたいと思った人がいたら癒えるのではないですか?」

音子「信じる…?」

マスターはいつもの整った顔で静かに微笑みうなずいた。

マスター「ハイ。例えば裏切られたとかであれば、この人は裏切らないと信じたいと思える。そんな感じではないでしょうか…。」

⏰:07/04/28 10:57 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#314 [向日葵]
『私は……どうかなぁ……。』

痛い思いするのが怖くて避けてきた。
私の場合は、この人なら私を一番に思ってくれると信じることかなぁ…。

そこで真辺君が浮かんだ。

『真辺君の大事な人…死んじゃったんだよね……。』

マスター「音子さん。失恋したんですか?」

頭を思いっきり窓で打った。ゴンッと派手な音が喫茶店に響く。

音子「マスター…そーゆーのは乙女に聞いちゃいかんてー!」

⏰:07/04/28 11:01 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#315 [向日葵]
マスター「クスクス。失礼しました。」

マスターはカウンターの下で何かゴソゴソやっている。

ガラガラ

音子「マスター?」

ヒョコッと出てきたマスターの手には小さな袋に入った氷。

マスター「私が余計なことを聞いてしまったから、大事なお顔を傷つけてしまいましたね…。」

袋を私のおでこに当てる。

音子「そんな事してー彼女に怒られちゃいますよー♪」

⏰:07/04/28 11:06 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#316 [向日葵]
マスター「彼女?……あぁ世津さんですか?なんでです?」

音子「とぼけないでください!前2人でいるトコ見たんですからね!」

マスター「まだ返事は頂いてないんで……。」

とは言え幸せそうな顔のマスター。
ってか、からかったのにかわされたー!!!
1つしか代わんないくせに!!何この人!!

⏰:07/04/28 11:14 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#317 [向日葵]
・・・・・・・・・

音子「外磨いてきまーす!」

カランカラン

もうすぐ夏が近づく為か、太陽が少し暑い。でも幸い磨くトコは日陰だ。

音子「うーっし!やるべな!!」

持っていたバケツを置いて雑巾を搾る。
中を予め拭いたから水は少し黒くなっている。

『でもあんまり汚れてないんだよねー……。』

⏰:07/04/28 11:23 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#318 [向日葵]
きっとマスターがやっているんだろう。

あの人いつ休んでるんだろ……。

「あっ」

『?』

窓ガラスに、声の発信者を認める。

音子「真辺君!」

新市「生田さん。なんで…。」

音子「ここのバイトなの。真辺君は?」

⏰:07/04/28 11:27 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#319 [向日葵]
新市「マスターに……用があって……。」

いきなり真辺君の声が沈む。どうしたのかと思えばそういえば昨日、あんな別れ方したんだった。

音子「昨日は……ごめんなさい……。」

真辺「いや、俺も無神経だったし……。」

私はフッと笑って着ていたエプロンで手を拭き、その手を差し出した。

真辺「…?」

音子「和解!良かったら友達になろうよ♪」

最初キョトンとしていた真辺君はニコォっと笑って握手した。

⏰:07/04/28 11:34 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#320 [向日葵]
その笑顔は太智なんかとは違って純粋な笑顔だった。

太智は少し意地悪そうに笑っていた。

比べてはいけない。
真辺君は真辺君。太智は太智。

どこかで、真辺君の言う通り楽しい思い出に少しずつだけど代わっていける気がした。

でもまだ全てを代えることは出来ない。


だから……少しずつ……。

⏰:07/04/28 11:40 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#321 [向日葵]
##########
キリますんでよければ感想ください
アドバイスでも嬉しいです

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/04/28 12:56 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#322 [向日葵]
佳寿「恋だねぇ……」

乙女チックなポーズをして佳寿が私を見た。

音子「は?」

佳寿「気になってんじゃないの?そのー…真辺君?」

音子「真辺君?!は?全然無違うよ!」

佳寿はニマァッとした顔から優しく微笑んだ。

佳寿「でも、代わってみようって思えたんでしょ?」
代わって…

マイナスばっかりは確かにいけないと思った。

⏰:07/04/28 20:36 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#323 [向日葵]
でもそれは、真辺君のせい……?

佳寿「前の音子よりもよくなったよ。今の音子すっきりした顔してる…。」

―――……

喫茶店の窓ガラスに映る自分の顔を眺めた。

『すっきり……ねぇ』

毎日見てるからそんなこと無いような気がするけど。
ちょっとニコーッと笑顔の練習をなんとなくしてみる。

しかし窓の向こうを見ると私は固まった。

音子「ぁ゛……」

⏰:07/04/28 20:49 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#324 [向日葵]
外に真辺君発見。

カランカラン

マスター「いらっしゃいませ。」

新市「こんにちは。生田さんもこんにちは。」

音子「こ、こんにちは。」

恥ずかしいぃぃ!!!
窓ガラス見てニンマリしてるなんて端から見ればナルシストじゃん!!

新市「何か良いことあった?」

近くの席に座った真辺君は話しかけた。

⏰:07/04/28 20:59 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#325 [向日葵]
音子「え?なんで?」

新市「笑ってたから。」

『やっぱり見られてた…。』

雑巾をバケツに放り投げて真辺君の席に座らせてもらった。

音子「友達がね、なんか私が良くなったって言うからそうかなって思ってたの。」

新市「んー…。なんか憂いてる感じがなくなったよね。」

憂いねぇ。

真辺君は喉が渇いていたのか、マスターが持って来ていたオレンジジュースをゴクゴク飲んだ。

⏰:07/04/28 21:19 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#326 [向日葵]
音子「外そんなに暑かったの?」

新市「え?あーいや。ちょっと緊張して……。」

音子「緊張?」

真辺君は小さく「あ」と言い、少し照れながら緊張の理由を話してくれた。

新市「ぃ…生田さんが、また悲しい顔するのは嫌だから…言葉選ぶ……。生田さんは笑った方がカワイイ……し。」

瞬間、私達は耳まで真っ赤になった。
まさにゆでダコの様。

音子「かっ……カワイイっ、と、か……。」

⏰:07/04/29 08:41 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#327 [向日葵]
恥ずかしいのと嬉しいのが交じって「そんなことないよ」と否定するのが遅くなった。

そんな赤くなりながら、カワイイとか言われたら……そんなのズルイ…。
真辺君の方がよっぽどカワイイよ。

新市「う、嘘じゃ……ないから。」

それだけ言って残りのオレンジジュースを飲み干した。

⏰:07/04/29 08:46 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#328 [向日葵]
―――……

店の奥の使ってるロッカーに行って帰る準備をする。
まだ真辺君の言葉が耳に残ってて、なんだか耳の奥が熱い。


エプロンをロッカーに置いてカバンを持ち、その場をあとにした。

音子「マスター。お疲れ様でしたー!」

マスター「音子さんもお疲れ様でした。2人で気をつけて帰ってくださいね。」

『2人?』

カランカラン

⏰:07/04/29 17:25 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#329 [向日葵]
外へ出るとさっき帰ったハズの真辺君がいた。

新市「よっ。お疲れ。」

音子「真辺君!どうしてっ。」

新市「暗くなるし危ないから送ろうかなと思って。」
そんな為にわざわざ戻って来たんだ…。
なんだか胸の奥が熱くなる。

音子「ありがとっ。帰ろっか。」

⏰:07/04/29 18:52 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#330 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・

新市「いつからあそこでバイトしてるの?」

音子「去年かなぁ。なんか惹かれて。」

他愛の無い話をしながら私達は私の家へと向かう。

真辺君は一つ一つの反応が子供みたいで、でも発言は大人だった。

音子「真辺君は、どうして前合コン来てたの?」

真辺君は顔をあちこちに向けて何から話そうか考えてた。
ようやく動きが止まって私の方に向く。

⏰:07/04/29 19:03 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#331 [向日葵]
新市「言ったよね?確か。幼なじみが死んだって。俺もしばらくは誰も好きになれなかったんだ。」

真辺君の幼なじみは、交通事故で亡くなったらしい。
亡くなった当時はただ何もやる気がなく、大学もほとんど休んで過ごしていたらしい。

そんな時出会ったのが、あのマスターだ。

新市「マスターに言われたんだ。」

マスター[置いていかれる方だけが寂しいんじゃないんです。だからせめて見送る方は笑顔でいましょうよ。]

⏰:07/04/29 19:24 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#332 [向日葵]
新市「って。だから俺なりにアイツの分までって……。…!生田さん?!」

いつの間にか私の目からは涙が溢れていた。
なんの涙かよくわからなかった。

色んな感情が入っていた気がする。

マスターの言葉の意味とか、真辺君の前向きさとか、自分の情けなさとか……。

私はまだ会おうと思えば会えるのに、真辺君はもう会えないんだって思うと


切なくて仕方なかった。

⏰:07/04/29 19:39 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#333 [向日葵]
音子「ゴメ……なんか、色々混ざっちゃって……」

口許を手で抑えながら、鳴咽が漏れそうになるのを防ぐ。

音子「私、しっかりしなくちゃ…いけないね……。」

涙が止まらなかった。
あとからあとからボロボロ出てきて、最近泣いてないから余計に出てきたのかとかをぼんなり考えていた。

⏰:07/04/29 19:55 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#334 [向日葵]
すいませんミスりました

○ぼんやり
×ぼんなり

############

音子「ゴメンッ……泣きやむからっ……」

必死に手で涙を拭くのに、涙が溢れだす。

それでもなお擦る。
するとその手を真辺君は止めた。

新市「そんなに擦ったら後で目が痛くなるよ。……それに、……泣きたい時は泣いたらいい。」

⏰:07/04/29 20:06 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#335 [向日葵]
真辺君はポケットやらカバンからに何かを探していた。

新市「あー…。ゴメン。汗臭かったら言って。」

そう言って服の裾で涙を拭いてくれた。
しかもゴシゴシとするんじゃなくて、水分を透いとるようにトントンと優しく拭いてくれた。

服からは洗剤の良い香りがして、私はそれにすらなんだか泣けてしまった。

⏰:07/04/29 20:18 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#336 [向日葵]
しばらくそこで立ち止まって涙が治まるまで真辺君は待ってくれた。

音子「ズビッ!ゴメン。……もぅ大丈夫だから。」

新市「そう?…じゃあ帰ろっか。」

と言ってふんわり私の手を握った。
あの合コンの時とは違う気持ちで私は握られていた。

太智と比べていた自分が情けない。
全然違うじゃない…。

⏰:07/04/29 20:49 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#337 [向日葵]
天国にいる幼なじみさん。

私は、真辺 新市君を、好きになってもいいですか……?

―――……

今日は日曜日。

バイトも今日はお休み。

久々に良く寝て、携帯の時計を見れば12時を指していた。

少し目が腫れぼったいのはきっと昨日いっぱい泣いたからだろう。

⏰:07/04/29 20:56 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#338 [向日葵]
#############
電池がヤバいんで一旦キリます
感想板ですよければお願いします
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/04/29 20:57 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#339 [向日葵]
とりあえず階段を降りる。

カチャ

音子「おかぁーさぁーん。なんか食べ物」

「音子ぇっ!!」

擦っていた目を開いて手をどける。

『え?今の声……』

そこにいたのは紛れもなく太智。
そして奥さんだった。

音子「た、た……ち……!」

⏰:07/04/29 22:56 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#340 [向日葵]
母「アンタ何時と思ってるのー?!せっかく太智君と彩音ちゃんが来てるのにー。」

奥さん彩音って言うんだ……。

奥さん「こんにちわ。」

鈴のような声でにこやかに挨拶した奥さん。

一方私は寝起きでしゃがれた声。髪ははねまくり。パジャマ。しかも目は腫れている。

カアァァァ……ッ!!!!

私は恥ずかしくなって挨拶をくれた奥さんに挨拶を返さず自分の部屋に戻った。

『なんで?なんでいるのよっ!!アンタの家はここじゃないじゃない!!』

⏰:07/04/30 00:15 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#341 [向日葵]
一刻も早くここから出たい!そう思い私はサッと着替えてまた階段を降りた。

靴を履いてる時、太智が居間から顔を出して話しかけてきた。

太智「あれ?音子。どこ行くの?」

音子「バイト!!」

バンッ!!

私は力任せにドアを閉め、全速力で家から遠ざかった。

マスターのトコに行こう。迷惑かもしれないけどあの家にいるよりはずっと落ち着いていられる!!

⏰:07/04/30 00:21 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#342 [向日葵]
日射しが熱いせいで額にじわっと汗をかいた。

それでも足の速度を緩めない。
何がなんでも家からの距離を離したかった。

「―――……ん?」

曲がり角で誰かに呼ばれた。少しずつ速度を落として左を見ると

新市「どうしたの?そんなに急いで。」

音子「ハァハァ…ま……まな……く…ハァハァ……ハァハァ。」

息切れしてるせいで、名前呼ぶのも一苦労だ。

新市「大丈夫?深呼吸深呼吸!!」

言われた通り、私は大きく息を吸って吐いてした。

⏰:07/04/30 00:33 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#343 [向日葵]
音子「ハァ……真辺君こそ……ハァどうしたっの……?」

胸に手を当てて心拍が上がっているのを確認しながら息を整える。

新市「喫茶店行こうと思って。あそこ涼しいから勉強捗るし。」

音子「スー…ハー……。私も行くトコなの。一緒に行かない?」

真辺君はニコッと笑ってうなずいた。
それだけでさっきまでの嫌な気分は吹っ飛んでいった。




…………ハズだった。

⏰:07/04/30 00:38 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#344 [向日葵]
太智「ね―――ねぇ――――!!!!」

向こうからなんと太智が一人で走って来た。

『!!!!!』

音子「ま、真辺君行こっ!!」

無理矢理真辺君の背中をぐいぐい押して先に進ませようとするが、真辺君は私が呼ばれてることが気になって前に進んでくれない。

新市「いやでも……。」

音子「いぃぃぃからぁぁぁぁぁぁ!!!!」

しかしそうしてる間に太智は追いついてしまった。

⏰:07/04/30 00:42 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#345 [向日葵]
太智「ちょ、おま…ハァハァ!!何怒ってんのっ?!」

音子「怒ってないわよ!バイト遅れちゃ困るから早く行くの!!行こう真辺君。」

太智「え?何?彼氏?」

―――ドクン……

音子「ち、違」

太智「嘘つけよー。えーっと真辺君?ウチのじゃじゃ馬よろしくねーホント手がつけられない子で。」

パシー……ン

私は太智に平手をかました。

⏰:07/04/30 00:48 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#346 [向日葵]
音子「アンタに私の何がわかるっていうのっ?!自分はさっさと結婚したくせにっ!!私のこと知ったかぶって言わないでよ!!」

ダッ!!

太智「オイね」

追いかけようとした太智は新市によって止められた。

新市「俺が行きますから。」

新市は音子の後を追った。

⏰:07/04/30 00:52 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#347 [向日葵]
バカだ……

私バカだ……!!

結局未練タラタラじゃないっ!!

みっともない!

最悪っ……

私はまだ一歩も進めてなかったんだ!!

グッ!

腕を引かれ、走る足を止めた。

新市「ハッ…ハッ…生田さ……ハァ…っ早いね…っ!」

⏰:07/04/30 00:57 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#348 [向日葵]
音子「真辺君…私はやっぱりダメな子だよぉ……。進歩してなかっ……。……っっ。」

本人を目の前にするとやっぱり好きで、声を聞くと愛しいかった。

音子「やだ…。もぉやだよぉ……っ!」

私はその場にしゃがみこんで泣いた。

私は今まで何をしてたの?何が少しずつ思い出に……?

出来てないじゃない!!
口ばっかりじゃない!!

その時、真辺君が私の肩にそっと触れた。

⏰:07/04/30 01:03 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#349 [向日葵]
新市「そんなにすぐに決着が着くほどにしか彼を思ってなかった?」

伏せていた顔を少しあげ、閉じていた目を見開いた。

新市「俺だってもし今アイツが生きて帰ってきたらもの凄く喜ぶ。ひょっとしたら生田さんを置いて帰るかもしれない。」

私は完全に顔を上げる。
真辺君は同じ様にしてしゃがんでいた。

新市「……それぐらい、大好きだったよ。だから生田さんもゆっくりでも、気持ちの整理がつくまで好きなだけ好きでいたらいいから。」

⏰:07/04/30 01:13 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#350 [向日葵]
真辺君はいつだって私の思いを許してくれた。
真剣に耳を傾けてくれた。

好きのまま……いたい……。

でもダメ!!

私は立ち上がって涙を拭う。

音子「私は今度こそ再出発するの!!」

このままじゃきっとこの気持ちに甘えっぱなし。
それじゃダメな気がする!!

だから……っ


ダッ!

⏰:07/04/30 01:19 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


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