恋愛喫茶店
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#438 [向日葵]
マスター「さて……そろそろお話も尽きてきましたねぇ…。」

カランカラン

世津「マスター。こんにちわ。」



※―――今回で恋愛喫茶店は最終回です。
最後のお話は……


【双子〜行方〜】

⏰:07/05/04 19:56 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#439 [向日葵]
私は世津。

17歳の双子の姉。

先日、マスターに双子の妹・世衣のせいで(ダジャレじゃない)元気を無くしていた私を励ましてくれた。


…………しかも…。


告白までされたっ!!!!!

実は私はまだその答えを待ってもらっている。
改めて言うとなるとすんごい恥ずかしいのだ。

マスター「今日はなんにしますか?」

世津「冷たいカフェオレ!もう暑くって……。」

⏰:07/05/04 20:05 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#440 [向日葵]
マスター「はい。」

マスターは何も言わない私を待ってくれている。

マスターの為にも私は早く答えを言わなきゃいけない。

世津「マ、マスター!!!」

マスター「ハイ?」

穏やかな笑みで振り向くから決心が揺らぐ。

世津「ぅ、わ、わた、しっ…。―――んの高校で文化祭があるんですけど来ませんか?!」

『じゃなーくーてぇぇぇ……。』

私は心の中で泣いた。

⏰:07/05/04 20:09 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#441 [向日葵]
マスター「あぁ。もうそんな時期ですか。世津さんは何をなさるんですか?」

どっちにしろ文化祭には誘うつもりだったんで、パンフレットを持って来ていた。

私達は展示部門のバルーンアートをやるのだ。

世津「だから…その……一緒に回りませんか?!」

パンフレットに目をやっていたマスターは私に目を向けた。

世津「……ダメなら…いいんです……。」

マスター「いいえ。行きますよ。」

⏰:07/05/04 20:23 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#442 [向日葵]
マスターは嬉しそうに笑っていた。
その言葉を聞いて私もパアァァっと嬉しくなった。

世津「日時は、そこに書いてるんで!!……ではっ!あ、お金!!」

財布を出そうとする私の手をマスターの大きなキレイな手が上に被さる。

『え…』

――ドキン

手が触れただけで私の心臓は、はち切れそうだった。

マスター「今日はいいですよ。文化祭に誘って頂きましたし……。」

⏰:07/05/04 20:29 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#443 [向日葵]
世津「でも、そんだけじゃダメですよ!」

そう答えると、マスターは顎に手を当てて考え出した。そして何か思い出したのか、カウンターから出てきた。
そしてドアを開けて、私を手招きした。

マスター「では、私に送らせて下さい。」

世津「え?!いやそんなのでチャラはっ……。」

マスター「私が嬉しいので…送らせて下さい…。」

そこまで言われると弱い。しかもマスターが嬉しいとか……。

そんなのズルイ……。

⏰:07/05/04 20:37 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#444 [向日葵]
世津「じゃあ…お願いします……。」

・・・・・・・・・・・・

マスターに送ってもらうのはすごく嬉しい。
一緒にいる時間が長くなるから。

……緊張するけど……。

マスター「バルーンアートは何を作るんですか?」

世津「あ、えっとーいっぱい作るんです。虹とかドラ●もんとか。」

「それとー…」と考えると、この狭い道で結構なスピードで車が走って来た。

『あ、避けなきゃ。』

⏰:07/05/05 10:46 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#445 [向日葵]
と思った瞬間。

グイッ

世津「!!」

マスターが私を抱き寄せて守ってくれた。

『ひゃぁぁぁっ』

マスター「危ないですねぇ。世津さん。大丈夫ですか?」

世津「だ、だだ大丈夫ですっ…!」

それどころじゃない!!
目の前ではマスター広い胸板があって、大人らしい香水の香りが鼻をくすぐる。

⏰:07/05/05 10:51 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#446 [向日葵]
しかも自分の左肩には大きな手。

前に一回抱きしめられたことがあるものの、あの時は絶望の淵にいたから何にも気にしていなかった。

マスター「私も女性に道路側を歩かせてしまいました。すいません。」

と言って私の手を取って家側にやってくれた。

世津「あ、ありがとうマス……」

『あれ?そういえば…。』
マスターの名前を私は知らない。聞いたことがない。多分世衣すら知らないかもしれない。

⏰:07/05/05 10:55 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#447 [向日葵]
世津「ねぇマスター?」

マスター「ハイ?」

世津「マスターの名前は…なんて言うの?」

するとマスターは立ち止まりいつもの優しい笑顔が無くなってスッと表情を真顔になった。
そんな顔初めて見たから私は少し怖くなった。


マスターはゆっくりと元の穏やかな顔に戻って行った。

マスター「またいつか…教えますよ……。」

世津「はっ、……ハイ……。」

⏰:07/05/05 11:02 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#448 [向日葵]
「なんで」とは言えなかった。「聞かないで」と言われてる様で…。

世津「あ。着きましたんで…。ありがとうございました……。」

マスター「いいえ。ではおやすみなさい。」

マスターは来た道を引き返して行った。

世津「……マスター…。」

私はそのどこか孤独な背中を姿が見えなくなるまで見つめ続けた。

――――……

<文化祭当日>

沢山の人が訪れて、どこもかしこも満員状態。
特に喫茶店とかやってるクラスには人がごったかえしていた。

⏰:07/05/05 11:08 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#449 [向日葵]
私は見に来た人が悪戯して風船を割らないように湖穂と店番をしていた。

湖穂「すっごい人だねー!!老若男女勢揃い!!」

世津「他校からもいっぱい来てるねぇ。みんな情報が早いなぁ〜。」

とか言いながら私はマスターが来ると言うのでソワソワしていた。

慣れないことに髪の毛を可愛く湖穂に結んでもらった。

湖穂「誰かさんはいいわね〜彼氏が来るんだからぁ〜。」

とわざとらしくため息をつく湖穂。

⏰:07/05/05 11:15 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#450 [向日葵]
湖穂も年上の彼がいるらしいが、仕事があるからと言われたらしい。

世津「か、彼氏じゃないもん!!…………返事まだしてないし。」

湖穂「はあぁぁぁ?!まだ言ってないわけ?!何してんのアンタ!!いつまでも焦らすと、マスターさんも他の人んトコ行っちゃうよ?!」

世津「わ…わかって」

キャアァァァァ!!

いきなり廊下の向こう側から悲鳴。……と言うよりも歓声……?

⏰:07/05/05 11:20 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#451 [向日葵]
世津「な、何事?!」

湖穂「さぁ……。」

女子軍団に囲まれて、歓声を浴びている主が歩いてきた。

世津「マ、マスターァァァ!!!!」

私の叫び声を聞いて、マスターは私があげたパンフレットをパタンと閉めた。

マスター「あぁ世津さん。ここでしたか。」

マスターは白いシャツを腕捲りして、ボタンを少し開けていた。開けた所からネックレスがしてあった。
そして黒いズボン。
今日はメガネみたいなのをしていなかった。

⏰:07/05/05 11:27 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#452 [向日葵]
いたってシンプルな服装なのに色気があって、私も一緒にキャアァァァァ!!と言いたくなった。

湖穂は初めて見るマスターに惚れ惚れしていた。
そして一旦後ろを向いて

湖穂「こんなカッコイイんだったら早く返事しちゃいなさいよ!!」

と小声で言った。

そして元の位置に戻って自己紹介。

湖穂「はじめまして!世津の友達の湖穂です。」

マスター「ご丁寧にありがとうございます。私は喫茶店を営んでいます。マスターです。」

⏰:07/05/05 11:32 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#453 [向日葵]
『やっぱり名前言わないんだ……。』

とか思ってると丁度交代の時間になったので、湖穂と別れ、私達は一緒に校内を回ることにした。

・・・・・・・・・・

クラスの前を通る度、女の子達がざわめきだす。

世津「世衣の所にいきませんか?クレープやってるんですよ!!」

マスター「では案内お願い出来ますか?」

世津「ハイッ!」

私は女の子の視線が痛かった。なんか呪いの言葉が聞こえる気がするけど気のせいだよね!!

⏰:07/05/05 11:40 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#454 [向日葵]
 


外でも人がいっぱいだった。
軽快な音楽が流れていて、皆楽しそうだった。

あとで生徒が歌を歌ったり、ダンスを踊ったり、コントをしたりすり特設ステージもある。

私もそれなりにワクワクしてきた。

世衣「あ、せっちゃん!!マスターも!!」

人混みを掻き分けて、世衣がメイド服に近い恰好でやってきた。

⏰:07/05/05 11:47 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#455 [向日葵]
マスター「可愛らしい恰好をなさってるんですね。」

世衣「エヘヘ!ありがとっ☆私のトコクレープ作ってるんです!!こっちこっち!!」

私達の手を引いて世衣は自分のクラスへと誘導していった。

その時、聞いてしまった……。

しばらく聞いていなかったから、油断していたんだ。

⏰:07/05/05 11:51 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#456 [向日葵]
「なぁんだ相模原妹の方だったか。」

「そりゃそうでしょ。姉の方ってなんか可愛げないじゃん?」

「双子なのにまったくタイプ違うよねー。妹の方が断然カワイイもん。」

一瞬足許が崩れそうになった。
あ、まただ…。しかも今度は女子。きっとマスターの事で妬んでいるんだ。

……そぅ妬んでいるのよ……。なら――――ヘコまなくていっか!!

⏰:07/05/05 11:57 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#457 [向日葵]
考えていてもやっぱりショックがある。

するとマスターがいきなり私の肩を抱いた。

世津「…?マスター?」

マスター「人にぶつかると危ないですから。」

そうにっこり笑って後ろをチラリと見た。

この時、私はマスターが陰口をたたいた女の子達を睨んだことは知らなかった。
・・・・・・・・・・

世衣「ハイ!どれにする?!」

世津「私バナナカスタード。」

マスター「じゃあ私はサラダで。」

⏰:07/05/05 12:01 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#458 [向日葵]
世衣「はぁい☆ちょっと待っててください♪」

世衣が注文を告げに言ったので店前で待つ。

世津「マスター。甘いものダメなんですか?」

マスター「嫌いではないですが、進んでは食べようと思いませんね。」

『あぁそうなんだ。覚えとこ…。』

とか考えているとクレープが出来上がった。
結構綺麗に作られている。

世衣「また来てねー!!」

とブンブン手を振っている世衣に手を振り返して私達はその場を離れた。

⏰:07/05/05 12:07 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#459 [向日葵]
さすがに人がいっぱいなので、どこかに避難することにした。

世津「空き教室が北校舎の3階に集中してるんでそこに行きませんか?」

マスター「大丈夫ですよ。この辺りで立ち止まりましょう。」

移動した場所は結構人気がいなくて体育館に続く階段もあったので、そこに座ることにした。

そしてクレープを一口。

世津「あ、美味しい。マスター美味しいですよ!」

マスター「そうですね。あ、世津さん失礼します。」

⏰:07/05/05 12:16 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#460 [向日葵]
マスターは私の口に手を伸ばし何かを拭き取った。

マスター「クス。カスタード。付いてましたよ。」

カアァァァァ!!!

カレカノ定番技!!(?)

世津「スイマセン!!ハンカチッ!」

急いでマスターの親指を拭く。
いつものマスターじゃないせいか、一緒にいるのがいつも以上にドキドキする。

マスター「そんなに拭かなくていいですよ。」

世津「あ、ハイ。もういいですよね…。」

⏰:07/05/05 12:21 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#461 [向日葵]
#############
休憩します

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/05/05 12:22 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#462 [るぅ]
頑張ってください

⏰:07/05/05 12:49 📱:SH703i 🆔:2dIz3qGw


#463 []
あげ
更新楽しみにしています主サンのペースで頑張ってサイ応援しています

⏰:07/05/05 23:03 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#464 [向日葵]
るぅさん
さん
ありがとうございます更新もうちょっとしたらしますんで、待ってくださいただ今日はちょっとしかできませんけど

⏰:07/05/06 00:01 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#465 [奈津歩]
ファイトー

⏰:07/05/06 00:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#466 [なっつ]
ずっと読んできました更新待ってます頑張れ

⏰:07/05/06 00:35 📱:P902i 🆔:bkEcsKzI


#467 [向日葵]
奈津歩ちゃん
ありがとう

なっつさん
ありがとうございます頑張ります

⏰:07/05/06 01:22 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#468 [向日葵]
少しほのぼの空気が流れたところで、私はやっぱり名前のことが気になった。

なのでもう一度聞いてみることにした。

……が。

「あー!いたいたぁ☆」

女の子が1人。私達の前に現れた。

「みんなぁ!こっちこっちぃ!!」

『え?みんな??』

すると複数の女子が一斉にやってきた。
説明しなくても分かると思うがみんなマスター狙いだ。

⏰:07/05/06 01:26 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#469 [向日葵]
「みんないくよー。せーのっ「「お名前なんて言うんですかー?」」

おー揃った揃ったー。
……じゃなくて!

マスターは名前言わないんだから。
第一アンタ達マスターにばっかり集中しすぎ!

マスター「私はマスターです。」

「しっかり本名教えてくださいー。」

「じゃないとここ動きませんよー!」

迷惑極まりない。
だから女子の塊って嫌。

⏰:07/05/06 01:30 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#470 [向日葵]
世津「あ、あのね。マスターは」

マスター「健輔です。」

………………え。

「健輔さんだってー!」

「わかりましたー!ありがとうございます☆」

女子軍団は約束通り名前を教えたら帰って行った。
しかし今はそんなことが問題じゃない。

『どーして……?』

私は教えてもらえなかった。今からだって断られるの覚悟で聞こうとした。―――なのに…。

⏰:07/05/06 01:33 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#471 [向日葵]
世津「マスター。意味分からないんですけど……。」

マスター「え?……あ、あれは」

世津「なんであの子達なんかに教えて私には教えてくれないんですか?!」

あんな恐い顔するからあんまり聞きたくなかった。

でも私はマスターを名前で呼びたかった。

だってみんなマスターって呼ぶ中で私にだけ教えてもらって、私だけがそれを呼んだらなんだか私は特別の様な気がして……。

でも違う。
思い上がってたんだ。

⏰:07/05/06 01:38 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#472 [向日葵]
世津「私もうマスターがわかんないよ!!」

私はその場を走り去った。

湖穂[取られちゃうわよ?!]

そうだね湖穂。
もしかしたらマスターはもう私のことが好きじゃないかもしれない。

だから特別にしか教えないから私は教えてもらえないのかもしれない。

世津「自分で考えといて…悲しいなぁ……。」

泣きそうになった。
こんなことなら早く返事すればよかった。

私も好きですって……。

⏰:07/05/06 01:42 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#473 [向日葵]
#############
すいませんホントに少しですが今日は終らせていただきます
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/05/06 01:43 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#474 []
またAコメしましたぁ続き気になる主サン更新頑張ってねあげ↑↑(^-^)

⏰:07/05/06 22:56 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#475 [向日葵]
さん
ありがとうございます
明日早いんで今日も少ししか更新できませんがご了承くださいm(__)m

⏰:07/05/06 23:57 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#476 [向日葵]
「ちょっとアンタ。」

世津「え?ちょ、何よ!!」

私はさっきの女子軍団に囲まれて、どこかへ引きずられていった……。

――――……

一方。

見事に置いてけぼりをくらったマスターは、まだ階段のところに座りこんでいた。

⏰:07/05/07 00:00 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#477 [向日葵]
世津[何で私には教えてくれないんですか?!][もうマスターが分からない!!]

実は世津は誤解をしていた。その誤解をマスターは解かなければならない。

マスターは立ち上がり、世津を探しに行くことにした。お昼を少し過ぎたので大分人混みがマシになってきた。

世依「あ!マスター!!」

制服に戻った世依が駆け寄って来た。

マスター「世依さん。どうなされたんですか?」

世依「な、なんか、せっちゃんが大勢の女の子に連れて行かれてたの!!あれ一体何?!」

それだけでマスターはさっきの人達だと言うことが分かった。

マスター「早く探しに行かないと……」

⏰:07/05/07 00:06 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#478 [向日葵]
世依「で、でもどこに…。」

それはマスターもわからなかった。

とりあえず落ち着いて考え様と試みた。

マスター「…………そういえば…」

世津[空き教室が北館の3階に集中してて……]

マスター「……!世依さん。北館はどちらですか?」

世依「北館?それならあっち……え?!マスター?!」

マスターは世依が指差した方に疾風がごとく走って行った。

⏰:07/05/07 00:11 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#479 [向日葵]
―――……

ダァァァ……ン

私は女子軍団に囲まれて壁に追い詰められていた。
その内の1人が私の顔の横に手を勢いよく置いた。

世津「何なのよアンタ達。陰湿じゃない。」

「はぁ?うっとおしいわねぇ。双子の影の分際で。」

「アンタなんか妹がいなきゃ存在感ないもんねぇ?」

ここで女子軍団が高らかに笑った。

まったくもって何が面白いのか全然分からん。

⏰:07/05/07 00:20 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#480 [向日葵]
世津「アンタらに構ってる暇ないんだけど。」

化粧だけ濃いくて外を飾っても所詮中身は腐ってるなコイツら。

私が睨むと、私の左にいた奴が私の髪を掴んだ。

「なんだよその目。文句ある?」

世津「大有り。私アンタらに何もしてないじゃん。」

「影の存在があんないい男連れて目立ってんじゃねぇよ!」

パシッ

平手を喰らった。
いきなりだったんで口の中を噛んでしまった。

⏰:07/05/07 00:24 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#481 [向日葵]
世津「いったいなー。噛んだじゃんか。アンタらだって彼氏ぐらいいるでしょーが。」

「うっとおしい奴見ると嫌気さすじゃない?」

『自己中も甚だしいな。』

私はとりあえず負ける気はしなかった。
気は強い方なので、ここにいる奴全員を蹴散らす元気ぐらいはある。

世津「知ってる?そーゆーのヒガミって言うの。」

笑いながら言ってやったら、図星を突かれた何人かが私を蹴ってきた。

⏰:07/05/07 00:29 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#482 [向日葵]
「アンタみたいな奴、あんなカッコイイ人が本気で相手してると思ってんのかよ!!」

『……』

そんなの私にはわからない。でもマスターがくれた暖かさとか、優しさとか、抱きしめてくれた力強さとか……

それはきっと嘘なんかじゃない。

マスターのことなんて、まだ3分の1以下くらいしかきっと知らない。

でも私は知っていきたい。
だって……

大好きなんだもん!!

⏰:07/05/07 00:33 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#483 [向日葵]
世津「私が相手されてないんなら、アンタらなんか眼中にも無いよ!!」

女子軍団の怒りに触れた。

「超ウゼェ!!ふざけてんじゃねぇよ!!」

複数の女子が殴りかかってきた。
仕方ない。我慢してたけど……反撃開始!!



――――と思ったら。

ガラッ!!!

マスター「おや。皆様お揃いのご様子で。」

世津「マ、マスター!!」

⏰:07/05/07 00:38 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#484 [向日葵]
女子軍団はバツが悪そうに少し身を引く。

マスター「綺麗どころがお集まりになりまして…。大変失礼します。」

執事さんがやるような礼をして、マスターは私に目を向ける。

私はと言うと蹴られたせいで制服に足跡が付いてたり、髪の毛を掴まれたりしたせいでグシャグシャになっていた。

その姿を見たマスターは、笑顔なのにどこか怒っていて周りには冷たい空気が流れていた。

マスター「世津さん。行きましょうか。」

世津「え?あ、ハイ…。」

⏰:07/05/07 00:46 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#485 [向日葵]
差し延べられた手を半ば呆然として握る。

そして教室を出て行く時にマスターが一言。

マスター「名前。健輔なんて嘘ですよ。」

ピシャン

…………

「「エェェェェェ!!!!」」

中に入る女子は大騒ぎ。
一方の私もびっくり。

世津「え?マスター…?」
マスター「……どこか、空いてる教室はありませんか?」

そう言ったマスターはいつもの優しいマスターに戻っていた。

⏰:07/05/07 00:53 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#486 [向日葵]
――――……

階の一番端にある空き教室に私達は入った。

女子軍団が乗り込んできてはダメなので、一応鍵を閉める。

ガチャン

『…ちょっと待って……。』

男女が密室に2人…。それってかなりヤバくない?!

マスター「世津さん」

世津「はいぃぃぃぃっ!!」

意識しすぎて突然のマスターの呼びかけに飛び上がる私。

マスター「どうぞこちらへ。制服をキレイにします。」

⏰:07/05/07 00:58 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#487 [向日葵]
マスターはズボンのポケットからハンカチを取り出し、パッパッと足跡を払ってくれた。

少し汚れているけれど、大分マシになった。

そしてグシャグシャになった髪の毛をほどく。

世津「あ、マスターいいです!そのままで!!」

マスター「じゃあ。手櫛で失礼します。」

マスターの細くて長い指が私の髪の間を通る。
なんだかドキドキして、ゾクッとした。

マスター「キレイな髪をなさってますね……。」

⏰:07/05/07 01:03 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#488 [向日葵]
世津「や、あの…っ」

マスター「私の母もそうでした。」

『えっ……』

髪の毛をキレイにし終ったマスターは私の後ろに立ったまま話始めた。

マスター「私は、両親に捨てられたんです。9つの時に……」

世津「……っ!」

マスターはそれから弧児院で育てられ、喫茶店の元マスターに育てられたんだと言う。元マスターは2年前に亡くなり、今はマスターが継いでいる。

⏰:07/05/07 01:10 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#489 [向日葵]
マスター「私を育ててくれた父は、それは優しく、愛情を持って接してくれました。……でも名前で呼ばれることはありませんでした。」

世津「どー…して?」

私は振り向いた。
するとマスターは穏やかな、だけど寂しそうな顔をしていた。

マスター「私が、名前を教えなかったんです。いえ知っていたでしょう。でも私は自分の名前が嫌いで偽りの名前を言いました。それが……健輔なんです。」

世津「口からでまかせじゃなかったんですね……。」

私はクスッと笑った。
マスターも少し笑顔になった。

⏰:07/05/07 01:16 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#490 [向日葵]
マスター「世津さん。私の名前を呼んでくれませんか?」

世津「え……?」

マスター「貴方に呼ばれたら好きになれそうなんです。」

私は少し考えた。
それはマスターが私に心を預けてる様な気がした。

ならば私もマスターに心を渡そう。

世津「マスター。私は貴方が好きです。お名前を聞いてもいいですか…?」

マスターは少し目を見開いて、直ぐに暖かい笑みを溢した。

⏰:07/05/07 01:20 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#491 [向日葵]
マスター「な…つきです。五十嵐 那月。」

世津「いが…らし……那月……。」

私は知らず知らずにマスターの頬に手を添えた。

世津「那月さん…那月さん……」

マスターは目を閉じて私の手に手を添える。

世津「那月…。」

マスターは少し目を開けて幸せそうに笑う。

マスター「世津さん。唇切れてますよ。大丈夫ですか?」

世津「あぁ。多分さっきの……」

⏰:07/05/07 01:27 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#492 [向日葵]
「さっきの時ついた傷です。」そう言う前にマスターの唇が私の唇に重なった。

外では、みんながその一瞬を楽しむように騒いでいる……。


―――……

マスター「これが最後のお話です。如何でしたか?」

世津「ちょっと那月さん!ミルクティー注文出てますよー!」

マスター「ハイ。只今。」

⏰:07/05/07 01:33 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#493 [向日葵]
ここは恋愛喫茶店。

様々な恋愛話を、ここのマスターと……奥さんが話してくれる不思議な喫茶店。

次また貴方が必要な時に、扉が開くでしょう。

では
またのご来店を心よりお待ちしています……。

カラン…カラン……

⏰:07/05/07 01:35 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


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