恋愛喫茶店
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#266 [向日葵]
その時、肩をポンポンと叩かれた。

振り向かなくてもわかる。たぶん……

「こんな時間に何してんの〜?」

お酒くさい。
しかも口調が怪しい。

間違いない。
酔っ払いだ。

とりあえずここは……

無視の方向で。

スタスタスタ

「おーいどこに£@*●◇」

『ろれつ回ってないし…。』

⏰:07/04/26 09:47 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#267 [向日葵]
酔っ払いのオッサンはついてくる。

あ゛ーイライラしてる時に更にイライラさせないでよー!!

再び肩を叩かれた。

『あーもー!!!!』

振り向かないまま手をグーにして戦闘態勢にスイッチオン。

世津「うざったいっつーんだ」

「世津さん?」

殴りかかろうとした私はピタッと止まる。
その隙にびびったオッサンは逃げていった。

⏰:07/04/26 09:55 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#268 [向日葵]
横を見ると、そこは喫茶店前でドアを開けたマスターがいた。

世津「マスター…。」

マスター「こんな時間にどうなさったんです?」

グーにしていた手をパッパッと振ってマスターに向き直った。

世津「さ……散歩。ちょっと……。」

マスター「駄目ですよ。女の子が制服で夜出歩いては。」

世津「……女じゃなきゃ良かった。」

⏰:07/04/26 10:00 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#269 [向日葵]
マスター「……え?」

世津「どーせみんな世衣ばっかり!!私のことなんかそっち退けで、口にするのは世衣ばっかり!!世衣なんか嫌い!!大っ嫌い!!」

スカートを握り締めながら下を向いて叫んだ。

昼間と違って夜は静かで、叫んだ声が少し響いた。

世津「ハァッ……ハァッ……。」

違う嫌いじゃない。
羨ましいんだ。
誰からも愛されて、誰にでも必要とされて……。

⏰:07/04/26 10:04 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#270 [向日葵]
するとマスターは私に歩みよって、私の頬に手を添えた。

あんまり優しく触れるから、私はビクッとした。

顔をあげるとマスターの顔が近くにあって、改めて見るマスターの整った顔にドキッとした。

マスター「私は……世津さんが好きですよ?世衣さんだけじゃありません。貴方を…ちゃんと見てます。」

私は少し目を見開いた。

『……マスターは』

いつも一人一人を大切にしてくれる。

⏰:07/04/26 10:09 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#271 [向日葵]
見透かされた思いも、自分を知ってくれてるみたいでどこかでホッとしてた。

私を分かってくれる人が、一人でもいるって。

頬から暖かさが伝わる。
それが嬉し涙に代わる。

世津「…っ。マスターァッ。」

マスターは私の涙を胸ポケットに入っているハンカチで拭ってくれた。

マスター「さぁ。中に入って。世津さんが好きな甘いココアを入れますよ。」

その日2度目の喫茶店は、安らげる空間を広げていて、甘いココアは私の虚しい気持ちを落ち着けてくれた。

⏰:07/04/26 10:15 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#272 [向日葵]
マスターは私を家まで送ってくれた。
内緒で出てきた為、バレないように家に帰り、部屋に戻る。

『お風呂は朝に入ろう……。』

パジャマに着替えてベッドに入る。

そして喫茶店のことを思い返すと、なんだかキュウッと苦しくなった。

少しずつ、私の中でマスターの存在が大きくなってるみたい。

⏰:07/04/26 10:19 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#273 [向日葵]
<そして朝がやって来る。>

世津「おはよー。」

湖穂「?おはよー。」

不思議そうな顔をする湖穂に私は首を傾けた。

世津「何?どうかした?」

湖穂「むしろこっちが知りたい。どうしたの?珍しく機嫌いいじゃない。」

私はいつも世衣のおかげで教室にピリピリしながら入ってくる。
湖穂はだから「珍しい」と言ったのだ。

⏰:07/04/26 10:23 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#274 [向日葵]
世津「今日は世衣ほって来たからじゃない?」

湖穂「ふーん。」

そんなんじゃない。
世衣ほって来たのは確か。でも今日機嫌がいいのは、昨日のマスターのおかげだと思う。

そう考えると、また胸が苦しくなった気がした。

ヴ―ヴ―

ポケットに入れてる携帯が鳴る。

『ん?お母さん?』

⏰:07/04/26 10:28 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#275 [向日葵]
<お母さん>
今日、世衣休むらしいから、何か世衣にプリントとかあったら持って帰ってきてね

『世衣休むんだー。』

半分……いや全部私のせいかな。
でも世衣ばっかりに構ってなんかいられない。
とりあえず休みってことを頭に入れて、後は忘却の彼方へやることにした。

<帰り>

今日は世衣関係で悩まされることもなく、清々しく学校で過ごせた。

⏰:07/04/26 10:33 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#276 [向日葵]
『あれ?』

家の前に誰かいる。

あの恰好って……。

世津「マスター?」

するとマスターはこっちを見て、静かな笑顔で会釈した。

私も頭を下げながらマスターに近づく。

世津「どうかしました?」

マスター「昨日、お忘れものがあったんです。」

チャラ

差し出したのはストラップ。どうやら携帯から取れてしまったらしい。

⏰:07/04/26 10:36 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#277 [向日葵]
世津「すいません!わざわざ!!」

マスター「いえ、では。」

世津「あ、あがってってください!!お茶入れますから」

マスター「いえしかし……。」

私はいつもマスターがしてくれるように家の門を開けた。

世津「昨日のお礼がしたいんです!」

半ば「入りやがれ」的に言う私。

⏰:07/04/26 10:42 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#278 [向日葵]
############
キリます

感想、アドバイスなどよければ

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/04/26 10:46 📱:SO903i 🆔:2pPw5Sas


#279 [向日葵]
マスターは少し悩んでから、「じゃあ」と言って門の中に入って行った。

ガチャ

世津「ただーいまー。世衣ー。……?」

マスター「世衣さんどうかなされたんですか?」

世津「あ、今日学校休んでて。」

でもおかしいな…。
どんな時でも玄関まで出迎えに来る世衣が来ない。

居間を見ても、洗面所を見てもいない。

『部屋で寝てるのかな……?』

⏰:07/04/27 13:21 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#280 [向日葵]
ん?

待って!

固まる私にマスターがどうしたのかと尋ねたが、私は門から玄関までの記憶を巻き戻しした。

門…玄関開けて…

!!!

私は玄関まで走る。
そして下を見ると、見慣れない男もんの靴。

『まさか…っ』

考えるよりも足が世衣の部屋へと向かう。

⏰:07/04/27 13:24 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#281 [向日葵]
ドタドタドタ!

階段を全力で上がって、ノックも無しに世衣の部屋のドアを開ける。
マスターも後を追って私と一緒に部屋に乗り込んだ。

バンッ!!!

『……っ!!』

世衣と千崎君のキスシーンが目に入ってきた……。

世衣「ぁ……せっちゃ……。」

私は何が今起こってるかわからない。
ただ今の感情を色に表すなら赤だ。

⏰:07/04/27 13:29 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#282 [向日葵]
世衣「ち……違うのせっちゃん!あのね……」

違う…違うって何よ……。
世衣はたどたどしく説明している。
でも私は自分の感情が頭の中にガンガン響いて、まるで世衣は口パクしてる様にしか見えない。

アンタはいいよね…その持ち前の可愛いさがあって、誰でも虜に出来る。



それが例え片割れである私の好きな人でさえ……っ!

⏰:07/04/27 13:32 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#283 [向日葵]
気づいたら右手を高く上げて世衣に降り下ろしていた。

我慢も限界。
今アンタを殴り倒したい。

しかしその手は、千崎君に止められた。

千崎「ちょ、なんで怒ってんの?俺は世衣が好きだからしたんだ!殴るなら俺だろ……?」

『好き……』

私だって好きだった。高2になって、仲良くなって過ごした時間は私の方がずっと長いのに…っ。

⏰:07/04/27 13:36 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#284 [向日葵]
世津「も……いぃ……。」

バカみたい。結局はみんな私を悪者扱いにする。
でも千崎君だけは違うと思ってた。


こんな自分も、皆も、世の中も、もぅ消えたい…。

私はフラフラと家を出ていった。
後ろで世衣が叫んでたけど、悲しみと怒りだらけの醜い私はそんな声すら聞けなかった。

マスター「世津さん……。」

マスターは私の後ろをついてきて、私の名前を時々呼んだ。

⏰:07/04/27 13:41 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#285 [向日葵]
歩いて行くと、川があった。
気を付けなければ足をとられて流されるかもしれないくらいの勢い。

からっぽになった頭で、私は川に足を浸けた。

マスター「世津さん!駄目です!上がってください!」

それでも私は深みへと行く。今はふくらはぎくらいの高さ。

ジャバジャバッ

マスター「世津さん!!」

マスターが私の手を引いた。でも私は振り払う。

⏰:07/04/27 13:44 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#286 [向日葵]
世津「もういいっ!同じ顔でも皆が愛するのは世衣だけじゃない!!…っなら私なんかいてもいなくても一緒よ!!」

私は泣き叫んだ。
結局言ってるのは昨日と同じ様な内容だ。

出口がせっかく見つかったのに、その出口は崩された。

世津「マスターも追いかけて来ないでよ!!私なんか消えたらいいのよ!!」

パチッ

泣き叫んでいる私をマスターは軽くひっぱたいた。
気付けば、いつの間にかまた流されないように腕を掴まれていた。

⏰:07/04/27 13:49 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#287 [向日葵]
マスター「消えて、それで満足ですか?残された私やお友達、世衣さんはどうなりますか?」

世津「知らない。そんなの知ってどうなるの……?」

マスター「……貴方を大好きな人達はどうなるんです。」

世津「そんなの入るわけない。」

マスターは掴んでいる手に少し力を込めた。

マスター「貴方を好きな私は…どうしたらいいんですか……。」

⏰:07/04/27 13:54 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#288 [向日葵]
世津「……え…?」

マスターの目を見る。
真剣で私を真っ直ぐ見ている。

私がずっと欲しかった、私を見てくれている目……。

マスター「消えたりしないでください……。」

そう言ってマスターは私を抱きしめる。
初めて男の人に抱きしめられる私は戸惑ったけど、目を瞑ってマスターの胸に顔を埋めて涙を流した。

世津「……マスター……。」

マスター「…ハイ。」

世津「……ありがとう……。」

⏰:07/04/27 13:59 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#289 [向日葵]
――――……

帰ってくるなり世衣が飛び付いて大号泣で謝った。
千崎君も謝ってくれた。

私だって悪いトコあったのに。

<翌日>

トコトコトコ……

世津「あ……。」

マスターがまた掃除をしていた。
するとマスターも私に気づき、ニコッと笑って会釈した。

⏰:07/04/27 14:02 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#290 [向日葵]
世津「こ……こんにちわ。」

マスター「こんにちわ。」

私は昨日のこともあって、照れ臭い。
でも一応言わなきゃ……。

世津「ぁ……あのぉっ!」

マスター「ハイ。」

世津「へっへへ返事は、まだ待ってください!ちゃんと考えたいんで!!」

⏰:07/04/27 14:04 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#291 [向日葵]
するとマスターはニコニコして、喫茶店のドアを開ける。

マスター「とりあえず、ココアはいかがですか?」

世津「……っいただきます!」

私とマスターの恋は、また今度のお話に続くのでした。

誰か一人でも自分を大切に思ってくれる人。
それは無敵で素敵なこと。
ねぇマスター……
私はね…。

⏰:07/04/27 14:08 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#292 [向日葵]
【双子】
Fin

⏰:07/04/27 14:09 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#293 [向日葵]
【空へ手紙】
>>2-59

【きらきら〜番外編〜】
>>62-105

【】
>>109-164

【届かぬ手】
>>166-225

【双子】
>>229-292

⏰:07/04/27 14:14 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#294 [向日葵]
すいません3番目【背伸び】です

⏰:07/04/27 14:15 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#295 [向日葵]
先日、幼なじみが結婚しました。

祝福の涙を流す中で

私一人が悲しい涙でした。




【再出発】

⏰:07/04/27 14:18 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#296 [向日葵]
カランカラン

「マスターこんにちわぁ!お掃除に来ましたよー♪」

マスター「こんにちわ。お願いします。」

「ハァイ!まっかせてー☆」

私の名前は生田 音子(いくた ねね)。

私はここの恋愛喫茶店ってトコで働いてるの!
週に3回、喫茶店内をキレイにお掃除!!
それが私の仕事。

⏰:07/04/27 14:22 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#297 [向日葵]
音子「ゴミ出してきまぁ〜っす!!」

カッコイイマスターさんの近くで働けて幸せ!

でも私はもう好きな人を作らないと決心しました。

それはつい1ヶ月前の出来事なのです。

―――……

音子「け、結婚―――――!!!!!!」

「おぅ。まぁそろそろだと思ってたし。」

私には幼なじみがいました。名前は酒倉 太智(さかくら たいち)。私と同い年の22歳。

⏰:07/04/27 14:27 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#298 [向日葵]
音子「22で結婚?!早くない?!」

太智「早い遅いが問題じゃないだろ?俺だって一応就職してるんだし、ウチの親も向こうの親も認めてくるたし。」

ゲームを2人でしながら報告。もうちょっとなんかあんだろ……。

音子「だからっ……て……。」

太智「まぁずっと一緒に居たいしなぁ!結婚してもまた遊びに来るってー!!」

そう言いながら私の背中をバンバン叩く。

『そんな問題じゃない!!……だって私――っ』

⏰:07/04/27 14:32 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#299 [向日葵]
太智の事が好きなのにぃぃぃ……っ!!!

なんて今更口が裂けても言えるハズなく、しばらくしたら結婚式は盛大に挙げられた。

涙を流しながら後悔ばっかりしていた。
幼なじみでも側にいられるなら……いつか好きって言えたなら……。

でも太智は私のそんな気持ちなんか知るハズもなく、さっさと彼女を作って、2年後には結婚とな!!!

音子「最悪じゃない……。」

⏰:07/04/27 14:36 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#300 [向日葵]
でも後悔するには遅かった。

もう彼は手の届かない所へ行ってしまった。
「おめでとう」なんて、言えなかった。
ただひたすら、感動してるフリして泣いていた。

もうあんな痛い思いするのが嫌な私は、もう恋はしないことにした。

「合コンしよっ!!」

大学。友達の佳寿(かず)が身を乗り出して提案した。

⏰:07/04/27 14:40 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#301 [向日葵]
##############
キリます

⏰:07/04/27 14:40 📱:SO903i 🆔:4F3JipqE


#302 [向日葵]
音子「なんで?」

佳寿「だってアンタいつまでも引きずるんだもん!!新しい恋しなきゃぁ!!」

音子「だからいらないってぇ…。」

私はこの気持ちを大事にして生きていく。

すれ違う幸せそうなカップルには、正直飛び蹴りしたいくらい羨ましいけど、今は次の恋に進もうなんて考えれない。

私の太智を好きだった気持ちはそんな軽いものじゃない。

佳寿「そんなこと言ってないで!さっさと準備していくよ!!」

佳寿はそんなのおかまいなしに私を引きずっていった。

⏰:07/04/28 07:59 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#303 [向日葵]
音子「だから嫌だってばぁぁぁ!」

・・・・・・・・・・

結局合コンに参加。
はっきり言って興味ない。

私は始まってしばらくしてトイレに向かった。

音子「みんな軽いよね…。彼女と別れたばっかとか言ってた奴もいたじゃん……。」

少しは私みたいに一途に誰か思い続けてみろよ。

カチャ……キィ……

⏰:07/04/28 08:05 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#304 [向日葵]
「生田……さん?」

音子「わぁっ!ハイ!!」

出てすぐの壁に男の子がもたれていた。
身長は結構高くて、雰囲気は優しい子だった。
どことなく太智に似てるかもしれない。

「気分悪いの?」

音子「いや別に…ってかあの……誰?」

「え?!さっき自己紹介したじゃん!!真辺 新市(まなべ しんいち)!!」

『…あ。合コンの。』

音子「ごめんなさい。あんまり聞いてなかった……。」

⏰:07/04/28 08:11 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#305 [向日葵]
新市「じゃあ覚えてね。で、どっか悪い?」

音子「いや別に…帰ろっかなって……。」

新市「じゃあ一緒に帰る?」

ニコッて笑って真辺君は言った。

何しに来たんだよ。と思ったがまぁ帰りたいのは同じなので、皆にバレないように店を出ていった。

新市「送るよ。家どこ?」

音子「あーいいよ。帰れるしぃ。」

新市「だーめ!!危ないでしょ?早く!!」

⏰:07/04/28 08:16 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#306 [向日葵]
『強引だなぁ……』

少しうんざりしていた私はとりあえず大体の場所を教えた。

新市「じゃあ途中まで一緒だ!行こう!!」

そう言って手をひかれた。

『なんで手を繋ぐんだろ…。』

そういえばずっと前。
まだ10歳にもなってないころ。

デパートに太智のお母さんと太智とウチのお母さん私とが一緒に買い物に行った時、私が迷子になった。

泣きじゃくっている私のもとに太智が探しに来てくれて、こんな風に手をひいて連れ戻してくれたっけ…。

⏰:07/04/28 08:27 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#307 [向日葵]
真辺君の姿が太智とかぶる。
太智…。私、大好きだったんだよ。
私だけずっと先に進めなくて足踏みしてる。

新市「生田さん?」

ハッ!
思い出に浸ってた!!
気づいたら駅に着いていた。

音子「ごめんなさい。何?」

新市「いや…。定期ある?」

そこで握っていた手を離した。定期を取って改札を通っても、再び手を握ることはなかった。

⏰:07/04/28 08:34 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#308 [向日葵]
違う。

真辺君はそれとなく手を差し出したが、私がそれを拒否したのだ。

彼は太智に似てる。
だから思い出してしまうのだ。

新市「……一つ聞いていい?」

音子「え?」

新市「好きな人…いるの?」

『……。』

音子「いた……かな…。過去形…にしたい。」

結婚してる相手をいつまでも引きずるなんてカッコ悪い。

だから過去形にしたい。

⏰:07/04/28 08:39 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#309 [向日葵]
電車に乗って空いてる席に座る。

新市「そっかぁ…。」

音子「アハ。こんな話真辺君にしても仕方ないのにね!」

恥ずかしい。
会って間もない相手に軽く愚痴るなんて。

音子「バカみたい……。」

一途じゃなきゃ、どんなに楽か。
だって忘れられない。
太智といた22年は大きくて、忘れようにも思い出がいっぱいなの。

新市「バカじゃないよ…。」

真辺君は少し悲しそうに呟いた。

新市「無理に過去にしても、絶対無理だよ。だから少しずつ楽しい思い出として残していったらいいんじゃないかなぁ……。」

⏰:07/04/28 08:47 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#310 [向日葵]
『少し……ずつ……』

そんな簡単にできない。
だって22年だよ?
そんな膨大な年数少しずつだろうが出来ない。

音子「私には無理だよ……」

新市「無理だって決めつけたら駄目だよ。」


音子「アンタに何がわかんのよ!!」

思わず叫んでしまった。
同じ車両に乗ってる人達の目線が私に刺さる。

⏰:07/04/28 10:24 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#311 [向日葵]
丁度駅に着いたので、いたたまれなくなった私は最寄りの駅でもないのに降りた。

新市「ちょ、生田さん!」

ドアが閉まる直前に真辺君は降りてきた。

電車は私達と複数の人を残して出発してしまった。

改札に向かう人達とは違って、私と彼は立たずんでいた。

音子「……小さい頃からずっと一緒だったの。」

でも好きだと気付いたのは丁度2年前。
アイツに彼女が出来た頃。

⏰:07/04/28 10:32 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#312 [向日葵]
音子「結局全部遅かった……」

毎日毎日後悔ばっかり。

泣いて泣いて、その日の分の涙が枯れるまで泣く。

新市「俺もいたんだ……そーゆー人。」

音子「……ぇ?」

次の電車が来た時、真辺君は「死んじゃったけどね」と呟いた。

私達は電車に乗ったけど一言も喋らず、最寄りの駅について私は先に降りる。

別れる時でさえ「バイバイ」とは言わなかった。

⏰:07/04/28 10:40 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#313 [向日葵]
音子「ねぇマスター?失恋ってどう癒したらいいと思う〜?」

窓拭きをしながら色々準備しているマスターに訪ねてみた。

マスターは「そうですねぇ…」と考える。

マスター「自分がもう一度信じてみたいと思った人がいたら癒えるのではないですか?」

音子「信じる…?」

マスターはいつもの整った顔で静かに微笑みうなずいた。

マスター「ハイ。例えば裏切られたとかであれば、この人は裏切らないと信じたいと思える。そんな感じではないでしょうか…。」

⏰:07/04/28 10:57 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#314 [向日葵]
『私は……どうかなぁ……。』

痛い思いするのが怖くて避けてきた。
私の場合は、この人なら私を一番に思ってくれると信じることかなぁ…。

そこで真辺君が浮かんだ。

『真辺君の大事な人…死んじゃったんだよね……。』

マスター「音子さん。失恋したんですか?」

頭を思いっきり窓で打った。ゴンッと派手な音が喫茶店に響く。

音子「マスター…そーゆーのは乙女に聞いちゃいかんてー!」

⏰:07/04/28 11:01 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#315 [向日葵]
マスター「クスクス。失礼しました。」

マスターはカウンターの下で何かゴソゴソやっている。

ガラガラ

音子「マスター?」

ヒョコッと出てきたマスターの手には小さな袋に入った氷。

マスター「私が余計なことを聞いてしまったから、大事なお顔を傷つけてしまいましたね…。」

袋を私のおでこに当てる。

音子「そんな事してー彼女に怒られちゃいますよー♪」

⏰:07/04/28 11:06 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#316 [向日葵]
マスター「彼女?……あぁ世津さんですか?なんでです?」

音子「とぼけないでください!前2人でいるトコ見たんですからね!」

マスター「まだ返事は頂いてないんで……。」

とは言え幸せそうな顔のマスター。
ってか、からかったのにかわされたー!!!
1つしか代わんないくせに!!何この人!!

⏰:07/04/28 11:14 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#317 [向日葵]
・・・・・・・・・

音子「外磨いてきまーす!」

カランカラン

もうすぐ夏が近づく為か、太陽が少し暑い。でも幸い磨くトコは日陰だ。

音子「うーっし!やるべな!!」

持っていたバケツを置いて雑巾を搾る。
中を予め拭いたから水は少し黒くなっている。

『でもあんまり汚れてないんだよねー……。』

⏰:07/04/28 11:23 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#318 [向日葵]
きっとマスターがやっているんだろう。

あの人いつ休んでるんだろ……。

「あっ」

『?』

窓ガラスに、声の発信者を認める。

音子「真辺君!」

新市「生田さん。なんで…。」

音子「ここのバイトなの。真辺君は?」

⏰:07/04/28 11:27 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#319 [向日葵]
新市「マスターに……用があって……。」

いきなり真辺君の声が沈む。どうしたのかと思えばそういえば昨日、あんな別れ方したんだった。

音子「昨日は……ごめんなさい……。」

真辺「いや、俺も無神経だったし……。」

私はフッと笑って着ていたエプロンで手を拭き、その手を差し出した。

真辺「…?」

音子「和解!良かったら友達になろうよ♪」

最初キョトンとしていた真辺君はニコォっと笑って握手した。

⏰:07/04/28 11:34 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#320 [向日葵]
その笑顔は太智なんかとは違って純粋な笑顔だった。

太智は少し意地悪そうに笑っていた。

比べてはいけない。
真辺君は真辺君。太智は太智。

どこかで、真辺君の言う通り楽しい思い出に少しずつだけど代わっていける気がした。

でもまだ全てを代えることは出来ない。


だから……少しずつ……。

⏰:07/04/28 11:40 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#321 [向日葵]
##########
キリますんでよければ感想ください
アドバイスでも嬉しいです

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/04/28 12:56 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#322 [向日葵]
佳寿「恋だねぇ……」

乙女チックなポーズをして佳寿が私を見た。

音子「は?」

佳寿「気になってんじゃないの?そのー…真辺君?」

音子「真辺君?!は?全然無違うよ!」

佳寿はニマァッとした顔から優しく微笑んだ。

佳寿「でも、代わってみようって思えたんでしょ?」
代わって…

マイナスばっかりは確かにいけないと思った。

⏰:07/04/28 20:36 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#323 [向日葵]
でもそれは、真辺君のせい……?

佳寿「前の音子よりもよくなったよ。今の音子すっきりした顔してる…。」

―――……

喫茶店の窓ガラスに映る自分の顔を眺めた。

『すっきり……ねぇ』

毎日見てるからそんなこと無いような気がするけど。
ちょっとニコーッと笑顔の練習をなんとなくしてみる。

しかし窓の向こうを見ると私は固まった。

音子「ぁ゛……」

⏰:07/04/28 20:49 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#324 [向日葵]
外に真辺君発見。

カランカラン

マスター「いらっしゃいませ。」

新市「こんにちは。生田さんもこんにちは。」

音子「こ、こんにちは。」

恥ずかしいぃぃ!!!
窓ガラス見てニンマリしてるなんて端から見ればナルシストじゃん!!

新市「何か良いことあった?」

近くの席に座った真辺君は話しかけた。

⏰:07/04/28 20:59 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#325 [向日葵]
音子「え?なんで?」

新市「笑ってたから。」

『やっぱり見られてた…。』

雑巾をバケツに放り投げて真辺君の席に座らせてもらった。

音子「友達がね、なんか私が良くなったって言うからそうかなって思ってたの。」

新市「んー…。なんか憂いてる感じがなくなったよね。」

憂いねぇ。

真辺君は喉が渇いていたのか、マスターが持って来ていたオレンジジュースをゴクゴク飲んだ。

⏰:07/04/28 21:19 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#326 [向日葵]
音子「外そんなに暑かったの?」

新市「え?あーいや。ちょっと緊張して……。」

音子「緊張?」

真辺君は小さく「あ」と言い、少し照れながら緊張の理由を話してくれた。

新市「ぃ…生田さんが、また悲しい顔するのは嫌だから…言葉選ぶ……。生田さんは笑った方がカワイイ……し。」

瞬間、私達は耳まで真っ赤になった。
まさにゆでダコの様。

音子「かっ……カワイイっ、と、か……。」

⏰:07/04/29 08:41 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#327 [向日葵]
恥ずかしいのと嬉しいのが交じって「そんなことないよ」と否定するのが遅くなった。

そんな赤くなりながら、カワイイとか言われたら……そんなのズルイ…。
真辺君の方がよっぽどカワイイよ。

新市「う、嘘じゃ……ないから。」

それだけ言って残りのオレンジジュースを飲み干した。

⏰:07/04/29 08:46 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#328 [向日葵]
―――……

店の奥の使ってるロッカーに行って帰る準備をする。
まだ真辺君の言葉が耳に残ってて、なんだか耳の奥が熱い。


エプロンをロッカーに置いてカバンを持ち、その場をあとにした。

音子「マスター。お疲れ様でしたー!」

マスター「音子さんもお疲れ様でした。2人で気をつけて帰ってくださいね。」

『2人?』

カランカラン

⏰:07/04/29 17:25 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#329 [向日葵]
外へ出るとさっき帰ったハズの真辺君がいた。

新市「よっ。お疲れ。」

音子「真辺君!どうしてっ。」

新市「暗くなるし危ないから送ろうかなと思って。」
そんな為にわざわざ戻って来たんだ…。
なんだか胸の奥が熱くなる。

音子「ありがとっ。帰ろっか。」

⏰:07/04/29 18:52 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#330 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・

新市「いつからあそこでバイトしてるの?」

音子「去年かなぁ。なんか惹かれて。」

他愛の無い話をしながら私達は私の家へと向かう。

真辺君は一つ一つの反応が子供みたいで、でも発言は大人だった。

音子「真辺君は、どうして前合コン来てたの?」

真辺君は顔をあちこちに向けて何から話そうか考えてた。
ようやく動きが止まって私の方に向く。

⏰:07/04/29 19:03 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#331 [向日葵]
新市「言ったよね?確か。幼なじみが死んだって。俺もしばらくは誰も好きになれなかったんだ。」

真辺君の幼なじみは、交通事故で亡くなったらしい。
亡くなった当時はただ何もやる気がなく、大学もほとんど休んで過ごしていたらしい。

そんな時出会ったのが、あのマスターだ。

新市「マスターに言われたんだ。」

マスター[置いていかれる方だけが寂しいんじゃないんです。だからせめて見送る方は笑顔でいましょうよ。]

⏰:07/04/29 19:24 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#332 [向日葵]
新市「って。だから俺なりにアイツの分までって……。…!生田さん?!」

いつの間にか私の目からは涙が溢れていた。
なんの涙かよくわからなかった。

色んな感情が入っていた気がする。

マスターの言葉の意味とか、真辺君の前向きさとか、自分の情けなさとか……。

私はまだ会おうと思えば会えるのに、真辺君はもう会えないんだって思うと


切なくて仕方なかった。

⏰:07/04/29 19:39 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#333 [向日葵]
音子「ゴメ……なんか、色々混ざっちゃって……」

口許を手で抑えながら、鳴咽が漏れそうになるのを防ぐ。

音子「私、しっかりしなくちゃ…いけないね……。」

涙が止まらなかった。
あとからあとからボロボロ出てきて、最近泣いてないから余計に出てきたのかとかをぼんなり考えていた。

⏰:07/04/29 19:55 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#334 [向日葵]
すいませんミスりました

○ぼんやり
×ぼんなり

############

音子「ゴメンッ……泣きやむからっ……」

必死に手で涙を拭くのに、涙が溢れだす。

それでもなお擦る。
するとその手を真辺君は止めた。

新市「そんなに擦ったら後で目が痛くなるよ。……それに、……泣きたい時は泣いたらいい。」

⏰:07/04/29 20:06 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#335 [向日葵]
真辺君はポケットやらカバンからに何かを探していた。

新市「あー…。ゴメン。汗臭かったら言って。」

そう言って服の裾で涙を拭いてくれた。
しかもゴシゴシとするんじゃなくて、水分を透いとるようにトントンと優しく拭いてくれた。

服からは洗剤の良い香りがして、私はそれにすらなんだか泣けてしまった。

⏰:07/04/29 20:18 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#336 [向日葵]
しばらくそこで立ち止まって涙が治まるまで真辺君は待ってくれた。

音子「ズビッ!ゴメン。……もぅ大丈夫だから。」

新市「そう?…じゃあ帰ろっか。」

と言ってふんわり私の手を握った。
あの合コンの時とは違う気持ちで私は握られていた。

太智と比べていた自分が情けない。
全然違うじゃない…。

⏰:07/04/29 20:49 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#337 [向日葵]
天国にいる幼なじみさん。

私は、真辺 新市君を、好きになってもいいですか……?

―――……

今日は日曜日。

バイトも今日はお休み。

久々に良く寝て、携帯の時計を見れば12時を指していた。

少し目が腫れぼったいのはきっと昨日いっぱい泣いたからだろう。

⏰:07/04/29 20:56 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#338 [向日葵]
#############
電池がヤバいんで一旦キリます
感想板ですよければお願いします
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⏰:07/04/29 20:57 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#339 [向日葵]
とりあえず階段を降りる。

カチャ

音子「おかぁーさぁーん。なんか食べ物」

「音子ぇっ!!」

擦っていた目を開いて手をどける。

『え?今の声……』

そこにいたのは紛れもなく太智。
そして奥さんだった。

音子「た、た……ち……!」

⏰:07/04/29 22:56 📱:SO903i 🆔:BF66sgT.


#340 [向日葵]
母「アンタ何時と思ってるのー?!せっかく太智君と彩音ちゃんが来てるのにー。」

奥さん彩音って言うんだ……。

奥さん「こんにちわ。」

鈴のような声でにこやかに挨拶した奥さん。

一方私は寝起きでしゃがれた声。髪ははねまくり。パジャマ。しかも目は腫れている。

カアァァァ……ッ!!!!

私は恥ずかしくなって挨拶をくれた奥さんに挨拶を返さず自分の部屋に戻った。

『なんで?なんでいるのよっ!!アンタの家はここじゃないじゃない!!』

⏰:07/04/30 00:15 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#341 [向日葵]
一刻も早くここから出たい!そう思い私はサッと着替えてまた階段を降りた。

靴を履いてる時、太智が居間から顔を出して話しかけてきた。

太智「あれ?音子。どこ行くの?」

音子「バイト!!」

バンッ!!

私は力任せにドアを閉め、全速力で家から遠ざかった。

マスターのトコに行こう。迷惑かもしれないけどあの家にいるよりはずっと落ち着いていられる!!

⏰:07/04/30 00:21 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#342 [向日葵]
日射しが熱いせいで額にじわっと汗をかいた。

それでも足の速度を緩めない。
何がなんでも家からの距離を離したかった。

「―――……ん?」

曲がり角で誰かに呼ばれた。少しずつ速度を落として左を見ると

新市「どうしたの?そんなに急いで。」

音子「ハァハァ…ま……まな……く…ハァハァ……ハァハァ。」

息切れしてるせいで、名前呼ぶのも一苦労だ。

新市「大丈夫?深呼吸深呼吸!!」

言われた通り、私は大きく息を吸って吐いてした。

⏰:07/04/30 00:33 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#343 [向日葵]
音子「ハァ……真辺君こそ……ハァどうしたっの……?」

胸に手を当てて心拍が上がっているのを確認しながら息を整える。

新市「喫茶店行こうと思って。あそこ涼しいから勉強捗るし。」

音子「スー…ハー……。私も行くトコなの。一緒に行かない?」

真辺君はニコッと笑ってうなずいた。
それだけでさっきまでの嫌な気分は吹っ飛んでいった。




…………ハズだった。

⏰:07/04/30 00:38 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#344 [向日葵]
太智「ね―――ねぇ――――!!!!」

向こうからなんと太智が一人で走って来た。

『!!!!!』

音子「ま、真辺君行こっ!!」

無理矢理真辺君の背中をぐいぐい押して先に進ませようとするが、真辺君は私が呼ばれてることが気になって前に進んでくれない。

新市「いやでも……。」

音子「いぃぃぃからぁぁぁぁぁぁ!!!!」

しかしそうしてる間に太智は追いついてしまった。

⏰:07/04/30 00:42 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#345 [向日葵]
太智「ちょ、おま…ハァハァ!!何怒ってんのっ?!」

音子「怒ってないわよ!バイト遅れちゃ困るから早く行くの!!行こう真辺君。」

太智「え?何?彼氏?」

―――ドクン……

音子「ち、違」

太智「嘘つけよー。えーっと真辺君?ウチのじゃじゃ馬よろしくねーホント手がつけられない子で。」

パシー……ン

私は太智に平手をかました。

⏰:07/04/30 00:48 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#346 [向日葵]
音子「アンタに私の何がわかるっていうのっ?!自分はさっさと結婚したくせにっ!!私のこと知ったかぶって言わないでよ!!」

ダッ!!

太智「オイね」

追いかけようとした太智は新市によって止められた。

新市「俺が行きますから。」

新市は音子の後を追った。

⏰:07/04/30 00:52 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#347 [向日葵]
バカだ……

私バカだ……!!

結局未練タラタラじゃないっ!!

みっともない!

最悪っ……

私はまだ一歩も進めてなかったんだ!!

グッ!

腕を引かれ、走る足を止めた。

新市「ハッ…ハッ…生田さ……ハァ…っ早いね…っ!」

⏰:07/04/30 00:57 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#348 [向日葵]
音子「真辺君…私はやっぱりダメな子だよぉ……。進歩してなかっ……。……っっ。」

本人を目の前にするとやっぱり好きで、声を聞くと愛しいかった。

音子「やだ…。もぉやだよぉ……っ!」

私はその場にしゃがみこんで泣いた。

私は今まで何をしてたの?何が少しずつ思い出に……?

出来てないじゃない!!
口ばっかりじゃない!!

その時、真辺君が私の肩にそっと触れた。

⏰:07/04/30 01:03 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#349 [向日葵]
新市「そんなにすぐに決着が着くほどにしか彼を思ってなかった?」

伏せていた顔を少しあげ、閉じていた目を見開いた。

新市「俺だってもし今アイツが生きて帰ってきたらもの凄く喜ぶ。ひょっとしたら生田さんを置いて帰るかもしれない。」

私は完全に顔を上げる。
真辺君は同じ様にしてしゃがんでいた。

新市「……それぐらい、大好きだったよ。だから生田さんもゆっくりでも、気持ちの整理がつくまで好きなだけ好きでいたらいいから。」

⏰:07/04/30 01:13 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#350 [向日葵]
真辺君はいつだって私の思いを許してくれた。
真剣に耳を傾けてくれた。

好きのまま……いたい……。

でもダメ!!

私は立ち上がって涙を拭う。

音子「私は今度こそ再出発するの!!」

このままじゃきっとこの気持ちに甘えっぱなし。
それじゃダメな気がする!!

だから……っ


ダッ!

⏰:07/04/30 01:19 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#351 [向日葵]
私は元来た道に戻った。

曲がり角を曲がると、太智の後ろ姿が見えた。

音子「太智ぃ―――っ!!」

太智は振り向いて、私の元へ来ようとしたが私がそこにいてと言ったので足を止めた。

太智…これが

音子「私アンタがだぁーい好きぃ――!!!!」

私の22年分の思いです。
大声でも恥ずかしくない。それほど貴方が好きでした。

⏰:07/04/30 01:27 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#352 [向日葵]
太智は驚いていたけど、照れたように笑って

太智「ありがとぉ――――!!!!!」

と言ってくれた。

また涙が溢れた。

だってね、ゴメンじゃなくてありがとうって言ってくれた。

嬉しい。
とても嬉しい。

22年分のこの思いは、決して無駄じゃなかった。

ありがとう……。

私こそありがとう……。

⏰:07/04/30 01:32 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#353 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・

新市「ハイッ。」

近くの公園のベンチに座って、真辺君はハンカチをくれた。

音子「昨日といい今日といいホントすいません……。」

新市「いいえ!」

真辺君は私の隣に座って空を見上げる。
私もそれに習う。

今日も空は青い。
私の心もようやく晴れ晴れとした。

音子「さて!最初は何から新しいことしようかなぁっ!」

⏰:07/04/30 01:44 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#354 [向日葵]
ベンチから立って数歩歩く。

新市「また恋するってのは?」

音子「そーだねぇ……。」

新市「俺と。」

ザアァァ……

風が吹いた。

髪を抑えながら振り向くと、優しい笑顔の彼がいた。

そしてしばらくして、私達は手を繋ぎ、新たな旅路。未来へと進む。

⏰:07/04/30 01:52 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#355 [向日葵]
【再出発】

Fin

⏰:07/04/30 01:52 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#356 [向日葵]
【再出発】

>>295-355

⏰:07/04/30 01:56 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#357 [向日葵]
##########

今日はここまでにします

良ければ感想などください

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/04/30 01:58 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#358 [向日葵]
カランカラン

おはようございます。

今日は生憎の雨です。

マスター「今日は無理でしょうねぇ……。あ、いらっしゃいませ。こんな恋の話は如何ですか?」

⏰:07/04/30 11:04 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#359 [向日葵]
すべて過去になるなら

今なんて必要ないんじゃないかって思う時がある。

でも今がなければ

君を懐かしむことすら

無理なんだね……。


【Past】

⏰:07/04/30 11:06 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#360 [向日葵]
「ちょっと千鶴!」

後ろで私の友人、綾瀬 こなみ(あやせ こなみ) が私を呼ぶ。

私は伊村 千鶴(いみら ちづる)。今年で17。

千鶴「なに?」

こなみ「何じゃないわよ!次体育よ?!アンタドコ行く気?」

千鶴「面倒くさいから屋上に行く。」

口を開けて固まるこなみ。そんなのお構いなしな私は行く。

ちょっとしてから後ろから「千鶴ぅぅぅぅ!!!!!」と怒りの声が聞こえたが、私のベクトルはもう屋上にいってるので耳をすり抜けるだけだった。

⏰:07/04/30 11:17 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#361 [向日葵]
私の学校には屋上があって、鍵も空いてる為人がよく出入りする。

私はそんな屋上に足を運ぶ。

カチャ…キィ…

開けると同時に眩しい光が差し込む。

『まっぶしー。』

目を瞑りながらそんな事を思っていると

「千鶴ー!!」

と元気な声が聞こえた。
目を開けて目線を先にやると、金髪の学ランを少し着崩した男の子が座って手を振っていた。

⏰:07/04/30 11:29 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#362 [向日葵]
彼の名前は蒲谷 昂(かまたに こう)。同い年である。

私はこの人が好き。

――……

3ヶ月前……

いつものように私は屋上にいた。しかしそこには先客がいた。それが昂だった。

『……特等席が…。』

先客は気持ち良さそうにいびきをかいてお昼寝中。

『とりあえず座ろう。』

その時に私の影が彼の顔に写し出されたのに彼が気づき、彼は目を覚ました。

⏰:07/04/30 11:36 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#363 [向日葵]
昂「……ん…。」

起き上がって私の存在に気づく。
私は座る途中だったので、立ち膝のままで止まっていた。

彼は目を擦りながら私に話しかけた。

昂「んー…おはよー。君は何さん?」

千鶴「伊村 千鶴。貴方は?」

昂はピースをしてニカッと笑う。

昂「俺は蒲谷 昂!」

⏰:07/04/30 11:41 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#364 [向日葵]
『ふぅん……』

昂「千鶴ってどんな字?俺頭悪くてさぁっ(笑)あ、俺は昂とか蒲とか蒲っちとか呼ばれてるー!!まぁ昂だな昂!!」

いきなり一人でマシンガントーク。

私は少し引き気味だった。

『あ……ダメな人だこの人……。』

昂「千鶴!」

私は心の声を遮断して、昂に神経を集中さした。

昂「俺達の秘密基地な!!ココ!!」

⏰:07/04/30 11:48 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#365 [向日葵]
そのナリとは裏腹に少年の様な顔と発言、そして眩しい黄金(こがね)の髪。

無理と言う私の考えは簡単に覆えされ、ただ単純に好きだと思った。

―――……

そして今なのである。

私達は寝そべってどこまでも高く、どこまでも広い青い空を見上げるのが日課である。

この時間がとても好き。

昂「あったかいなぁー…。」

千鶴「そーだね…。」

⏰:07/04/30 11:53 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#366 [向日葵]
閑な空気に携帯の着信音が鳴り響く。

昂「あ、ゴメン俺だわ。」

起き上がり昂は電話に出る。電話の相手なら大抵予想がつく。
彼女からだ。

昂「未花?ウン俺。……自習なの?」

私も起き上がり、少し離れたところで昂の横顔を見つめる。

幸せそうな顔。
締め付けられる胸。

近クニイルノニ

ヒドク遠インダ……。

⏰:07/04/30 11:59 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#367 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・

こなみ「ラブラブー♪」

『別にそんなのじゃない。』

授業が終わったので私は教室に戻った。

こなみ「ってかアンタ授業大丈夫なの?あんまりサボるとヤバいよ?」

千鶴「大丈夫。こなみとは違って(強調)学年10位内にはいるし。」

こなみ「はっ倒されたいのかアンタは…っ」

そして話はまた昂の方へ。

こなみ「もうフラレるの確定してんなら告った方がスッキリするじゃない。」

『…………。』

⏰:07/04/30 12:06 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#368 [向日葵]
千鶴「こなみっておせっかいね…。」

こなみ『ムキィ――!!!!』

・・・・・・・・・・・・・

私はまた屋上にいた。
温かい光に身を包まれてぼんなりと考える。

こなみ[フラレるの確定なら……。]

それって何の意味があるんだろう……。
ただの自己満足なんじゃないの?

そんな事言って関係が壊れてしまうのなら今の関係の方がよっぽど楽だ。

⏰:07/04/30 12:11 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#369 [向日葵]
#############
キリます

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/04/30 12:12 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#370 [奈津歩]
あげー

⏰:07/04/30 19:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#371 [向日葵]
奈津歩ちゃん
いつもあげ&コメありがとねー

⏰:07/04/30 22:06 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#372 [向日葵]
ううん。違う。

ホントは逃げてるだけなの……。

昂「ちーずーるっ!」

昂が私の頭の方から昂が満面の笑みで私を覗き込んだ。

私の胸はそれだけで高鳴る。逆光ぐあいが余計にドキドキした。

⏰:07/04/30 22:18 📱:SO903i 🆔:cSgoZygA


#373 [向日葵]
そういえば……

私は起き上がり昂に向き直る。

千鶴「最近よく屋上に来るね。」

言った瞬間笑顔の昂は固まり、そして暗い陰を落とした。

昂「ケンカ…してばっかでさ……。彼氏の自信無くなってきちゃって……。」


悲しそうな彼が嫌で、そっと彼の腕に触れた。

すると昂は私の手をギュッと握る。

――――ドキッ

⏰:07/05/01 00:37 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#374 [向日葵]
千鶴「こ……」

昂「千鶴が……彼女だったら良かった……。」

その言葉を聞いて、私の見ている世界は色を無くした。

「なろうか?」と言いたい。貴方が望むなら。
貴方が私を欲するなら。


……でも

千鶴「そんなの……嘘でも言わないで……。」

本気じゃないんでしょ?

⏰:07/05/01 00:40 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#375 [向日葵]
千鶴「そんな言葉やすやすと口にしないでよっ!」

半ベソをかきながら私は叫んでその場を去った。

走る。走る。

周りの景色があっと言う間に変わり、遂に自分の家にまでたどり着いた。

自分の部屋に行って乱暴にドアを閉める。

バター…ン……

ドアにもたれ、ズリズリと座り込み、体育座りをして腕に顔を埋めた。

千鶴「ハァッハァッ…ハァッハァッ…」

⏰:07/05/01 00:47 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#376 [向日葵]
悔しい……悔しい……

どうしてもっと早く出会えなかった……?

私ならあんな顔絶対にさせない。
でもあんな顔をするのは…………それだけ彼女が好きだから……。

―――……

翌日。

先生「じゃあ訳をー……。」

1時間目は古典。
私はダルくていつもサボる。

⏰:07/05/01 00:52 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#377 [向日葵]
先生「伊村ー…っているわけないかぁ……。」

千鶴「ハイ。」

先生「おぉうっ!いたのか!!」

だけど私はサボらなかった。だってもう屋上には行けない。

なんで?っと聞かれたら少し困る。

だって足が行こうとしてくれないんだもの。

私は訳を終え、椅子に座る。頬杖をついて外を見る。今日は雨だ。どっちにしろ屋上には行けない。

⏰:07/05/01 00:57 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#378 [向日葵]
でも雨の日でも階段の一番上にたまって喋っていた。

笑い声が響いたりして、お互いに「シーッ」と言い合う。

シャーペンを握る力が増す。

あぁ。貴方と過ごす50分はとても早いのに、授業ってこんなにも遅くて




つまらないのね……。

―――……

今日は1日が長かった。
先生達には授業出る度に驚かれて、感涙された。

⏰:07/05/01 01:02 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#379 [向日葵]
こなみ「千鶴。今日どっか寄ってく?」

千鶴「うーん……。」

上の空で考えながら、私は靴箱を開ける。

すると靴の上に小さな紙が乗っていた。

『何…?コレ。』

カサッ

中の文字を見て驚く。

昂だ。

<屋上に来て欲しい。待ってる。昂>

千鶴「何を言ってるの…?」

⏰:07/05/01 01:07 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#380 [向日葵]
外は土砂降り。
しかも今更会うなんて出来ない。

バンッ

こなみの傘を開く音にびくりとする。

こなみ「千鶴ー?行くよー。」

千鶴「…あっ。……ウン


紙をクシャッとして近くのゴミ箱に捨てた。

『いいの。私はもう……会わないから……。』

私は傘をさし、こなみと一緒に灰色の空の下を歩いて行った。

⏰:07/05/01 01:12 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#381 [向日葵]
次の日も次の日も、そのまた次の日も、私が屋上に足を運ぶことはなかった。
そしてその間も雨は降り続いた。

でもかわらないことは
毎日入ってある紙切れ。

そしてまた今日も入ってる。内容はやっぱり屋上に来て欲しいとのことだった。

嫌だ。私は絶対……っ

そう思った時だった。

こなみ「キャ――――!!!!」

いきなり叫ぶこなみの元に駆けつけたら、こなみは空を仰いで目を輝かせていた。

⏰:07/05/01 01:18 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#382 [向日葵]
千鶴「どうし……。っ!!」

私もこなみと同じ角度に目線をやった。

するとそこには空に大きく虹が現れていた。

その瞬間弾かれた様に私は駆け出した。

こなみ「?!千鶴?!」

昂。ごめんなさい。

私、屋上に行く勇気出せなかった。

だって次会う時は




きっとフラレるんだって思ってたから。

⏰:07/05/01 01:23 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#383 [向日葵]
ガチャ!

ドアを開けるとこちらに気づいた昂が振り返る。

千鶴「ハァッハァッ……。」

ドアノブを持ったまま私は息を整えようとした。

昂「千鶴……。あの千鶴」
千鶴「昂」

昂の言葉を遮るように私は名前を呼んだ。
大分息も整ってきた。

昂は私を黙って見つめる。

私は心の中で決意した。

真っ直ぐ昂を見る。

⏰:07/05/01 01:28 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#384 [向日葵]
千鶴「私……昂が好き!…………でした。」

過去にしよう。
また来る季節に君を思い出せるように。

千鶴「彼女と仲良くね…。」

にっこり笑ってそれだけを告げ、帰ろうとした。

昂「――っ俺!」

何か言おうとする昂の方を見る。
昂はどこか怪我して痛そうな表情をしていた。

昂「俺、ここで出会って友達になったのが……千鶴で良かった…っ!」

⏰:07/05/01 01:32 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#385 [向日葵]
なんで……そんな嬉しいこと……。

千鶴「ホントに……ホントにそう思ってくれる…っ?」

目から熱い雫が次々と伝う。

私は貴方を好きなだけで、本当に幸せだった。

すると昂は優しく私を抱き締めた。

昂「ありがとう…千鶴。……ありがとう。」

千鶴「……っ。私も…。ありがとう……っ!!」

⏰:07/05/01 01:36 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#386 [向日葵]
雨の匂いが少しした。

君の腕、君の声、君の笑顔。ずっと忘れない。

この屋上で君と出会い、

君が好き…………







…………でした。

⏰:07/05/01 01:38 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#387 [向日葵]
【Past】

Fin

⏰:07/05/01 01:38 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#388 [向日葵]
【Past】
>>358-387

⏰:07/05/01 01:40 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#389 [向日葵]
#########
今日はここまでにします
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/05/01 01:41 📱:SO903i 🆔:3tapwN/A


#390 [奈津歩]
あげ〜↑

⏰:07/05/02 17:23 📱:PC 🆔:DSdiu0SA


#391 [向日葵]
カランカラン

音子「マスター!こんにちわー!!」

マスター「こんにちわ。暑いですねぇ。」


私は音子。22才の大学生。ここの喫茶店で働いています。

季節は夏真っ盛り!



【再出発〜隣のあなた〜】

⏰:07/05/02 19:10 📱:SO903i 🆔:KInqWiN.


#392 [向日葵]
キュキュッ

音子「ぃよしっ。窓はこんなもんかねぇ。さー…つぎぃーはっとー。」

カランカラン

マスター「いらっしゃいませ。」

お客さんを見ると、それはよく知った人だった。

音子「いらっしゃい!新市君!」

新市「お邪魔します。」


こちらは真辺 新市君。私の……彼氏なのです。
―――っ!うわ―――言っちゃったぁぁ!!!(照)

⏰:07/05/02 19:14 📱:SO903i 🆔:KInqWiN.


#393 [向日葵]
新市「コホッ……」

音子「……?風邪?大丈夫?」

新市「大丈夫。むせただけだから。それより明日どこに行く?」

そうなのです。
明日は付き合って初めての、そして人生初のデートなのです!!

音子「どこでもいいよっ!!どこでも楽しそうっ!」

新市「そっか。じゃあ公園でも行く?」

⏰:07/05/02 19:21 📱:SO903i 🆔:KInqWiN.


#394 [向日葵]
音子「…っうん!!」

バイトが終わり、いつもみたいに新市君は送ってくれた。

音子「いつもありがとう。じゃあまた後で電話するねっ♪」

新市「うん…。待ってる。」

そう言うと、新市君は私の頬を撫でた。

音子「……ぁ……っ」

心臓は全力で動く。
外まで響きそうなくらい音が鳴ってる。

新市君の顔が徐々に近づいてくる。
私はギュッと目を瞑る。

でも……

新市君の唇はおでこに当たる。

⏰:07/05/02 19:29 📱:SO903i 🆔:KInqWiN.


#395 [向日葵]
新市「おやすみ……」

新市君は帰って行った。
私はおでこを押さえながら後ろ姿を見届ける。

『おでこ……熱い……。でも……。』

新市君は口にはしない。
そりゃまだ一週間ほどしか経ってないけど……。

音子「私は…キスしたいなぁ……。」

…………ハッ!!!!

私はなんてことを呟いてんの!!
これじゃただのスケベじゃない!!

……とりあえず家に入ろう……。

⏰:07/05/02 21:36 📱:SO903i 🆔:KInqWiN.


#396 [向日葵]
―――……次の日

ピピピピ

携帯のアラームで目が覚める。

モゾッ

音子「ん〜…朝ぁ……?今何時……。っ?!?!えぇ!!!!!」

時間を見るともう11時半。約束は喫茶店前に11時。

音子「いやぁぁぁ!!!遅刻―――!!!!」

初めてのデートが遅刻…。これは思い出に残りそうな……って言ってる場合じゃない!!!

⏰:07/05/02 23:42 📱:SO903i 🆔:KInqWiN.


#397 [向日葵]
あ!そーだメール!!いやここは電話か!!

パカッ!

音子「あっ…あれ?」

30分も遅刻してるのに、新市君からのメールや電話がなかった。

センターに問い合わせてみてもメールは無くて、もしかしたら新市君も遅れてるのかな?と考えた。

とりあえず着替えて化粧をして、喫茶店に出ることにした。

『今日は公園で何するのかなぁ〜♪……あ!こーゆー場合って…私、お弁当作るべき……?』

⏰:07/05/03 00:04 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#398 [向日葵]
だ、だって起きた時間が時間だし……
ましてやそんなこと考えてもなかったよ……。

とか考えてると喫茶店に到着。
やっぱり新市君は来てない。

『あれ……?』

もう一度携帯を確認。
センターも確認。

やっぱり何も来ていない。

『電話してみようかなぁ。』

ピッ ピッ
プルルルルル プルルルルル プルル…ガチャ

⏰:07/05/03 00:12 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#399 [向日葵]
音子「あ!新い」

新市「ゴホッ!!ゲホゲホゲホ!ゥゴホッゴホゴホ!!!!ね……ハァ…音子……ハァハァ」

聞こえてきたのは苦しそうな咳と荒い息遣い。

音子「し、新市君?大丈夫?!」

新市「ゴ…ケホ……ゴメン。ちょっと体だるくて遅刻しちゃった……。今から行くから……。」

そういえば、昨日から少し咳してた…。
間違いない。風邪ひいてたんだ。

音子「今日のデートはやめよう?またいつか出来るんだから…。」

⏰:07/05/03 00:18 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#400 [向日葵]
新市「ハァ……ダメ…だよ……。」

音子「ダメじゃない!!その代わり、住所教えて!!」

新市「ケホケホ……。なん、で……ハァハァ…。」

音子「決まってるじゃない。看病しに行くの!」

『じゃなきゃ心配だよ……。』

確か新市君は一人暮らしだって前に言ってた。
それなら尚更辛いハズ。

新市「ハァ…喫茶店……の真ん前の道……を、真っ直ぐ行って…ケホ……。2つ目の角を右……。」

⏰:07/05/03 00:23 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#401 [向日葵]
誘導されるがままに私は角まで行く。
曲がると少し行った所に灰色で2階建てのアパートがあった。

新市「灰色のアパート…の…2階。右から3つ目……。ハァ」

ブツッ

音子「え?新市君?新市君?!」

突然電話が途絶えた。
私は急いでアパートに向かい、カンカンカンカン階段を駆け上がった。

音子「……あ。よく考えてみたら……。」

『ドア開けられないじゃん!!』

⏰:07/05/03 00:29 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#402 [向日葵]
イチかバチかでドアノブを捻ってみる。

……すると

カチャ…… キィ……

『開いた!嬉しいけど不用心だよっ!』

音子「お邪魔しまーす……。」

中はシーンとしていた。
とりあえず寝室にいるハズ。探してみることにした。
キィ

『違う。』


キィ

『ここも違う。』

⏰:07/05/03 00:33 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#403 [向日葵]
音子「し、新市くーん……?」

名前を呼んでも、聞こえるのは床の軋む音のみ。
しかし、一瞬何かが私の耳に入ってきた。

「――…?」

音子「?新市…君?」

聞こえたのは今から調べようとしてたすぐ近くの部屋。
私はゆっくりとドアを開けた。

キィ……

音子「新市君……っ!」

ベッドに横たわり、途中で会話が途切れた携帯は床に落とされていた。

⏰:07/05/03 00:41 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#404 [向日葵]
音子「新市君?私だよ?聞こえる?」

すると瞼がピクッと動き、うっすらと目が開いた。
そして首を動かし、私を認める。

新市「ぁ……音子……っゲホゲホゲホ!!」

音子「大丈夫?!」

おでこに手をやると予想以上に熱かった。
熱を出してる。

とりあえず頭を冷やさなきゃ!!

音子「台所借りるね!!」

⏰:07/05/03 00:46 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#405 [向日葵]
行こうとした瞬間。

腕を引かれて私は後ろから新市君に抱き締めたられた。

こんな時に不謹慎だけど、もの凄くドキドキしてる。

音子「し……新市君……?」

新市「ハァ…ここに……いて……?」

熱い吐息が耳にかかってゾクッとした。

音子「すぐ、だから…。待ってて?」

すると新市君は一度ギュッと力を入れると、素直に離してくれた。
そしと事切れたようにフーッとベッドに倒れこんだ。

⏰:07/05/03 00:54 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#406 [向日葵]
私はそこに布団をかけてから台所に向かった。

とりあえず氷枕とー。濡れタオルとー。あとお粥いるかなぁ……。薬飲まなきゃいけないし。

最初の2つをとりあえず持って行った後、私はお粥作りに励んだ。

音子「あ!蜂蜜すりリンゴとかもいいかもー…だけぇどぉ……無いよね……。」

回りを見渡すが、リンゴらしいものもなければ蜂蜜だってなかった。

音子「まぁ、大丈夫かなぁっ?」

⏰:07/05/03 00:59 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#407 [向日葵]
##############

すいません
今日はここまでです

よければ感想ください

⏰:07/05/03 01:00 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#408 [向日葵]
感想板です
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/05/03 01:16 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#409 [奈津歩]
あげ2

⏰:07/05/03 15:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#410 [か]
>>001-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600

⏰:07/05/03 16:41 📱:F902i 🆔:WLuAL4IM


#411 [向日葵]
奈津歩ちゃん
かさん

ありがとうございます

⏰:07/05/03 23:50 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#412 [向日葵]
ご飯がクツクツ煮えてるのを確認しながら薬がありそうな所を物色した。

音子「あ、これかな。」

棚の中にル●発見。

『早く良くなるといいけど……。』

と、考えながらさっき抱きしめられる光景が脳裏に浮かぶ。

それを手でかき消し、薬と水を用意する。

『あれはホラッ!風邪になるとなんだか寂しくなるじゃない?!人肌恋しいって言うか!!!!』

舞い上がって水を並々と入れる。
お粥も良い感じに出来上がったので味見。

⏰:07/05/03 23:59 📱:SO903i 🆔:WfkdcBro


#413 [向日葵]
音子「ウンオッケィ♪」

見つけてきたお盆に乗せて私は再び寝室に行った。

コンコン

音子「新市くーん。お粥出来たよー。」

新市君はスースーと寝息を立てて眠っていた。
とりあえず床にお盆をおいて、熱くなってしまったタオルを濡らしに行った。

帰ってくると新市君が起きようとしていた。

新市「……ぁ。」

音子「起きた?お粥食べる?」

新市「……鈴」

『……え?鈴(りん)?』

⏰:07/05/04 00:06 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#414 [向日葵]
新市君は懐かしそうな顔をして私を見つめる。
そして私の腕を引いて私を抱き締めた。

新市「…鈴……。」

違う私……

“鈴”なんかじゃない。

ドンッ!!

病人の新市君を思わず突き飛ばしてしまった。

新市君はそれでも私を鈴と思っているらしく、私の名前を呼んでくれない。

新市「鈴……?どうした……。」

音子「…………なんか、買ってくるから。」

⏰:07/05/04 00:11 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#415 [向日葵]
私は頭に何か重い物を乗せた気分で部屋を出た。

『リンゴと蜂蜜でも買ってこよ……。』

暑い日差し。
私の心は暑さとショックで暗雲が垂れ込んでいた。

音子「誰よ鈴って……。」

重い足取りでスーパーへ向かう。その間も自分が呟いたセリフで頭がいっぱいだった。

・・・・・・・・・

手にリンゴと蜂蜜を入れた袋を持って私は涼しいスーパーから暑い外へ行く。

⏰:07/05/04 00:20 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#416 [向日葵]
天国から一気に地獄。
鈴のことも頭にひっついて離れない。

もしかしたら男友達かもしれないじゃん!!!…いやおかしいおかしい。ならなんで抱きしめるんだよ!!っとかさっきからグルグルグルグル頭を巡る。

音子「せっかく幸せ全開だったのに……。」

ジワァっと涙が滲む。
ハァ…と溜め息をついて少し汗ばんでいる手で拭った。

「あれ?音子さん?」

少し遠くでマスターと黒髪美少女が立っていた。

音子「あ、マスター…。」

⏰:07/05/04 00:31 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#417 [向日葵]
まだ目に残る涙を全部拭き取ってマスターに近づく。

マスター「こんにちは。今日はデートじゃなかったんですか?」

マスターが挨拶をすると同時に黒髪美少女がペコッと頭を下げた。
私もニコッと笑い軽く下げる。

黒髪美少女「マスター。私中に入ってますね。」

マスター「すいません世津さん。」

『あぁ…。あの子がマスターの……。』

世津「構いませんよ。」

カランカラン

⏰:07/05/04 00:40 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#418 [向日葵]
マスターが世津ちゃんを見届けると私の方に向き直った。

マスター「で、どうしたんです?」

音子「マスターもすみには置けませんね〜♪」

聞かれた事とは別の事を答えた。
マスターは一回咳払いすると、もう一回どうしたのかと尋ねた。

音子「ねぇマスター?新市君の知り合いで“鈴”って知ってます?」

マスター「鈴さん?鈴さんは確かお亡くなりになった新市さんの幼なじみですよ。」

⏰:07/05/04 00:47 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#419 [向日葵]
頭の中でドンッと言う音が鳴った。

亡くなった?
もしかして前に新市君が話してた……好きな人……。

マスター「それがどぅ……音子さん?」

私はマスターの言葉を最後まで聞かずアパートまで走った。

ゴメンネ新市君。
死んだ人、重ねてたんだ。辛い。本当は重ねて見られるのは辛い。


でも、死んだ人の思い出と一緒に全部ひっくるめて“新市君”だもん。

⏰:07/05/04 00:54 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#420 [向日葵]
私は大丈夫。

だから死んだ人を忘れないであげて。

新市君なら分かるよね?

思い出にしてしまう辛さを。


バンッ

勢いよく扉を開けてしまった。
病人がいることを思い出して、ゆっくりと戸を閉める。

そして寝室を開けると同時に新市君は目を覚ました。

新市「……鈴?」

まだ私を鈴さんと勘違いしているらしい。

でもいいの。

⏰:07/05/04 00:57 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#421 [向日葵]
音子「大丈夫。ずっと側にいるから……。」

私は新市君の手を両手で握る。すると新市君は涙を流し始めた。

新市「側に……いてやれなくて……っゴメン……っ!!」

私の手をギュッと握り返す。鳴咽を少し漏らしながら新市君は話し続けた。

新市「ずっと…ずっと好きだったよ……。俺……も、鈴のトコっ行こっと…思った。んくっ――でも、守ってあげたい子が出来たんだっ!」

その言葉を聞いて、「えっ」と口パクで言った。

『……それは、私の事…?』

新市「お前の分まで生きるから……っ。だか、ら。俺をその子の側にいさせてっくれ!!」

⏰:07/05/04 01:08 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#422 [向日葵]
それはきっと、ずっと鈴さん本人に言いたかった言葉だろう。

生きていたなら……。

鈴さんが生きていたなら私は新市君と出会っていない。

だから鈴さん。
私は貴方の分まで新市君を守らせてください。

そして見守ってあげてください……。

思い出は、懐かしむと同時に切なさがあります。

その切なさを少しでも私が分かち合えるように…。
一緒に思い出を大切に出来るように……。

⏰:07/05/04 01:12 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#423 [向日葵]
――……

「――…ね。音子。」

ハッと目を覚ますと、目の前に新市君の顔。

音子「おあっ!!!びっくりしたぁっ!!あれ?もういいの?」

新市君はケロッとした顔でウンと頷いた。
そして座ったまま背伸びをして、所々ポキポキと鳴らす。

音子「…あれ?私いつの間にベッドに寝てるの?」

新市「あぁ。一回目覚めた時に座って寝てたから俺の隣で寝かした。」

⏰:07/05/04 01:21 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#424 [向日葵]
『と、となり?!隣って貴方!!!』

顔が赤くなるのを自覚しながら床に置いてあったお粥と薬と水が空っぽな事に気づく。

音子「全部食べたんだ……。」

新市「ウン!腹減ってたし!!薬飲んでまた寝たから結構スッキリしたよ」

そっか……っと言ってお盆を片付ける。
器を洗おうと水を出した瞬間。

音子「…っ!」

新市君がまた後ろから抱きしめてきた。

⏰:07/05/04 01:27 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#425 [向日葵]
その時思った。

新市君は私を抱き締めた瞬間から私を鈴さんだと思ったのかも知れない。

今度はなんだか落ち着いて新市君の少し熱がある体温を感じれた。

音子「どうしたの……。」

食器を洗う手を止めて新市君に聞く。
新市君の力が少し強くなった。

新市「夢…。見たんだ。幼なじみの。」

『ウン……知ってるよ。』

でも私は黙って話を聞く。新市君も話を続けた。

⏰:07/05/04 01:34 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#426 [向日葵]
新市「長い夢でさ…。名前呼んだら辛そうな顔してどっか行っちゃったんだ。」

それはきっと鈴さんの名前を初めて呟かれた時だろう。

新市「抱き締めたら、ちゃんと感触があって。……でもまた現れた時、思ったんだ。――――あぁ…。これは夢だって……。」

だって現実に考えてアイツはもういないんだもんなぁと、笑いながら話すその声は寂しそうだった。
私は何も言えなかった。

そして話は、新市君が泣いた時に行った。

⏰:07/05/04 01:40 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#427 [向日葵]
新市「謝ったんだ。側にいてやれなくて……って。そしたらアイツ、……笑って言うんだ。『新市が幸せなら私は幸せよ…』って。」

そこで私は「え?!」っと思った。だって私は何も言ってない。ただ耳を傾けていただけなのに…。

『鈴さんっ…。』

新市「それで言ったんだ。『守ってあげたい子がいる』って。」

そう言うと、私を新市君の方へ向かせた。

音子「……鈴さ…その人はそしたらなんて?」

⏰:07/05/04 01:49 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#428 [向日葵]
新市君はニコッと柔らかく笑って言った。

新市「『しっかり守ってあげなさい』って。」

その言葉を聞くと同時に私は抱きついた。
涙が出た。

私の声が鈴さんに届いて、新市君が私を大事にしてくれて……。

これ以上の幸せはきっとない。

新市君は私を少し話して涙を拭いた。

新市「なぁんで音子が泣くのー?」

音子「いや……あのっ…。」

⏰:07/05/04 01:57 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#429 [向日葵]
すると新市君は私の目元をキスした。

まるで涙を舐めるように。

音子「…。ねぇ」

新市「ん?」

音子「なんで口にはしてくれないの?」


少し拗ね気味で新市君を睨む。
新市君はそれを聞いてまた熱が上がるんじゃないかってくらい赤くなった。

新市「深い意味はないよっ!!」

音子「じゃあしてくれてもいいじゃない!!」

わたしゃ痴女か……。

⏰:07/05/04 02:01 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#430 [向日葵]
新市「だ……大事にしたかったから……。俺だってちゃんと……。」

真剣な顔をして顔を両手で包まれた。新市君の目を見る。吸い込まれそうなくらいキレイ。

私も彼の頬に軽く手を添えた。

そしてゆっくりと唇を重ねる。

初めてのキスは一瞬だったけど、新市君をもっと好きになった。

⏰:07/05/04 02:07 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#431 [向日葵]
そしてまたギュッと抱き締め合う。

今日は抱き締められることが多いなぁ(笑)

新市「デート出来なかったね……。」

音子「ウン…。でもいいの。一緒にいれるから……。」

―――……

「ちょっと鈴ー!!」

鈴「あ、天使さん。」

天使は雲の上で座ってる鈴を発見した。

天使「貴方また地上に行ったでしょー!」

鈴「へへへっ。ごめんなさいっ!」

⏰:07/05/04 02:12 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#432 [向日葵]
ペロッと舌を出しながら笑う鈴に天使は呆れながら笑った。

鈴『2人共。幸せにね……。』

鈴「私2人の子供に生まれたいなぁっ」

地上を見つめながら言う鈴に天使は手を差し延べる。

天使「きっとなれるわ。」

天使の手を取りながら鈴は笑う。
その背中には小さな白い羽根が生えていた。

⏰:07/05/04 02:16 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#433 [向日葵]
そんな会話が繰り広げていられることなんて露知らず。

私と新市君は笑い合う。

何年後かに生まれるその子を夢みて……。

⏰:07/05/04 02:18 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#434 [向日葵]
【再出発〜隣のあなた〜】

Fin

⏰:07/05/04 02:19 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#435 [向日葵]
【再出発〜隣のあなた〜】

>>391-434

⏰:07/05/04 02:20 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#436 [向日葵]
今日はここまでにします
感想あればください
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/05/04 02:21 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#437 [奈津歩]
あげ2ー

⏰:07/05/04 15:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#438 [向日葵]
マスター「さて……そろそろお話も尽きてきましたねぇ…。」

カランカラン

世津「マスター。こんにちわ。」



※―――今回で恋愛喫茶店は最終回です。
最後のお話は……


【双子〜行方〜】

⏰:07/05/04 19:56 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#439 [向日葵]
私は世津。

17歳の双子の姉。

先日、マスターに双子の妹・世衣のせいで(ダジャレじゃない)元気を無くしていた私を励ましてくれた。


…………しかも…。


告白までされたっ!!!!!

実は私はまだその答えを待ってもらっている。
改めて言うとなるとすんごい恥ずかしいのだ。

マスター「今日はなんにしますか?」

世津「冷たいカフェオレ!もう暑くって……。」

⏰:07/05/04 20:05 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#440 [向日葵]
マスター「はい。」

マスターは何も言わない私を待ってくれている。

マスターの為にも私は早く答えを言わなきゃいけない。

世津「マ、マスター!!!」

マスター「ハイ?」

穏やかな笑みで振り向くから決心が揺らぐ。

世津「ぅ、わ、わた、しっ…。―――んの高校で文化祭があるんですけど来ませんか?!」

『じゃなーくーてぇぇぇ……。』

私は心の中で泣いた。

⏰:07/05/04 20:09 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#441 [向日葵]
マスター「あぁ。もうそんな時期ですか。世津さんは何をなさるんですか?」

どっちにしろ文化祭には誘うつもりだったんで、パンフレットを持って来ていた。

私達は展示部門のバルーンアートをやるのだ。

世津「だから…その……一緒に回りませんか?!」

パンフレットに目をやっていたマスターは私に目を向けた。

世津「……ダメなら…いいんです……。」

マスター「いいえ。行きますよ。」

⏰:07/05/04 20:23 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#442 [向日葵]
マスターは嬉しそうに笑っていた。
その言葉を聞いて私もパアァァっと嬉しくなった。

世津「日時は、そこに書いてるんで!!……ではっ!あ、お金!!」

財布を出そうとする私の手をマスターの大きなキレイな手が上に被さる。

『え…』

――ドキン

手が触れただけで私の心臓は、はち切れそうだった。

マスター「今日はいいですよ。文化祭に誘って頂きましたし……。」

⏰:07/05/04 20:29 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#443 [向日葵]
世津「でも、そんだけじゃダメですよ!」

そう答えると、マスターは顎に手を当てて考え出した。そして何か思い出したのか、カウンターから出てきた。
そしてドアを開けて、私を手招きした。

マスター「では、私に送らせて下さい。」

世津「え?!いやそんなのでチャラはっ……。」

マスター「私が嬉しいので…送らせて下さい…。」

そこまで言われると弱い。しかもマスターが嬉しいとか……。

そんなのズルイ……。

⏰:07/05/04 20:37 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#444 [向日葵]
世津「じゃあ…お願いします……。」

・・・・・・・・・・・・

マスターに送ってもらうのはすごく嬉しい。
一緒にいる時間が長くなるから。

……緊張するけど……。

マスター「バルーンアートは何を作るんですか?」

世津「あ、えっとーいっぱい作るんです。虹とかドラ●もんとか。」

「それとー…」と考えると、この狭い道で結構なスピードで車が走って来た。

『あ、避けなきゃ。』

⏰:07/05/05 10:46 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#445 [向日葵]
と思った瞬間。

グイッ

世津「!!」

マスターが私を抱き寄せて守ってくれた。

『ひゃぁぁぁっ』

マスター「危ないですねぇ。世津さん。大丈夫ですか?」

世津「だ、だだ大丈夫ですっ…!」

それどころじゃない!!
目の前ではマスター広い胸板があって、大人らしい香水の香りが鼻をくすぐる。

⏰:07/05/05 10:51 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#446 [向日葵]
しかも自分の左肩には大きな手。

前に一回抱きしめられたことがあるものの、あの時は絶望の淵にいたから何にも気にしていなかった。

マスター「私も女性に道路側を歩かせてしまいました。すいません。」

と言って私の手を取って家側にやってくれた。

世津「あ、ありがとうマス……」

『あれ?そういえば…。』
マスターの名前を私は知らない。聞いたことがない。多分世衣すら知らないかもしれない。

⏰:07/05/05 10:55 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#447 [向日葵]
世津「ねぇマスター?」

マスター「ハイ?」

世津「マスターの名前は…なんて言うの?」

するとマスターは立ち止まりいつもの優しい笑顔が無くなってスッと表情を真顔になった。
そんな顔初めて見たから私は少し怖くなった。


マスターはゆっくりと元の穏やかな顔に戻って行った。

マスター「またいつか…教えますよ……。」

世津「はっ、……ハイ……。」

⏰:07/05/05 11:02 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#448 [向日葵]
「なんで」とは言えなかった。「聞かないで」と言われてる様で…。

世津「あ。着きましたんで…。ありがとうございました……。」

マスター「いいえ。ではおやすみなさい。」

マスターは来た道を引き返して行った。

世津「……マスター…。」

私はそのどこか孤独な背中を姿が見えなくなるまで見つめ続けた。

――――……

<文化祭当日>

沢山の人が訪れて、どこもかしこも満員状態。
特に喫茶店とかやってるクラスには人がごったかえしていた。

⏰:07/05/05 11:08 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#449 [向日葵]
私は見に来た人が悪戯して風船を割らないように湖穂と店番をしていた。

湖穂「すっごい人だねー!!老若男女勢揃い!!」

世津「他校からもいっぱい来てるねぇ。みんな情報が早いなぁ〜。」

とか言いながら私はマスターが来ると言うのでソワソワしていた。

慣れないことに髪の毛を可愛く湖穂に結んでもらった。

湖穂「誰かさんはいいわね〜彼氏が来るんだからぁ〜。」

とわざとらしくため息をつく湖穂。

⏰:07/05/05 11:15 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#450 [向日葵]
湖穂も年上の彼がいるらしいが、仕事があるからと言われたらしい。

世津「か、彼氏じゃないもん!!…………返事まだしてないし。」

湖穂「はあぁぁぁ?!まだ言ってないわけ?!何してんのアンタ!!いつまでも焦らすと、マスターさんも他の人んトコ行っちゃうよ?!」

世津「わ…わかって」

キャアァァァァ!!

いきなり廊下の向こう側から悲鳴。……と言うよりも歓声……?

⏰:07/05/05 11:20 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#451 [向日葵]
世津「な、何事?!」

湖穂「さぁ……。」

女子軍団に囲まれて、歓声を浴びている主が歩いてきた。

世津「マ、マスターァァァ!!!!」

私の叫び声を聞いて、マスターは私があげたパンフレットをパタンと閉めた。

マスター「あぁ世津さん。ここでしたか。」

マスターは白いシャツを腕捲りして、ボタンを少し開けていた。開けた所からネックレスがしてあった。
そして黒いズボン。
今日はメガネみたいなのをしていなかった。

⏰:07/05/05 11:27 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#452 [向日葵]
いたってシンプルな服装なのに色気があって、私も一緒にキャアァァァァ!!と言いたくなった。

湖穂は初めて見るマスターに惚れ惚れしていた。
そして一旦後ろを向いて

湖穂「こんなカッコイイんだったら早く返事しちゃいなさいよ!!」

と小声で言った。

そして元の位置に戻って自己紹介。

湖穂「はじめまして!世津の友達の湖穂です。」

マスター「ご丁寧にありがとうございます。私は喫茶店を営んでいます。マスターです。」

⏰:07/05/05 11:32 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#453 [向日葵]
『やっぱり名前言わないんだ……。』

とか思ってると丁度交代の時間になったので、湖穂と別れ、私達は一緒に校内を回ることにした。

・・・・・・・・・・

クラスの前を通る度、女の子達がざわめきだす。

世津「世衣の所にいきませんか?クレープやってるんですよ!!」

マスター「では案内お願い出来ますか?」

世津「ハイッ!」

私は女の子の視線が痛かった。なんか呪いの言葉が聞こえる気がするけど気のせいだよね!!

⏰:07/05/05 11:40 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#454 [向日葵]
 


外でも人がいっぱいだった。
軽快な音楽が流れていて、皆楽しそうだった。

あとで生徒が歌を歌ったり、ダンスを踊ったり、コントをしたりすり特設ステージもある。

私もそれなりにワクワクしてきた。

世衣「あ、せっちゃん!!マスターも!!」

人混みを掻き分けて、世衣がメイド服に近い恰好でやってきた。

⏰:07/05/05 11:47 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#455 [向日葵]
マスター「可愛らしい恰好をなさってるんですね。」

世衣「エヘヘ!ありがとっ☆私のトコクレープ作ってるんです!!こっちこっち!!」

私達の手を引いて世衣は自分のクラスへと誘導していった。

その時、聞いてしまった……。

しばらく聞いていなかったから、油断していたんだ。

⏰:07/05/05 11:51 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#456 [向日葵]
「なぁんだ相模原妹の方だったか。」

「そりゃそうでしょ。姉の方ってなんか可愛げないじゃん?」

「双子なのにまったくタイプ違うよねー。妹の方が断然カワイイもん。」

一瞬足許が崩れそうになった。
あ、まただ…。しかも今度は女子。きっとマスターの事で妬んでいるんだ。

……そぅ妬んでいるのよ……。なら――――ヘコまなくていっか!!

⏰:07/05/05 11:57 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#457 [向日葵]
考えていてもやっぱりショックがある。

するとマスターがいきなり私の肩を抱いた。

世津「…?マスター?」

マスター「人にぶつかると危ないですから。」

そうにっこり笑って後ろをチラリと見た。

この時、私はマスターが陰口をたたいた女の子達を睨んだことは知らなかった。
・・・・・・・・・・

世衣「ハイ!どれにする?!」

世津「私バナナカスタード。」

マスター「じゃあ私はサラダで。」

⏰:07/05/05 12:01 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#458 [向日葵]
世衣「はぁい☆ちょっと待っててください♪」

世衣が注文を告げに言ったので店前で待つ。

世津「マスター。甘いものダメなんですか?」

マスター「嫌いではないですが、進んでは食べようと思いませんね。」

『あぁそうなんだ。覚えとこ…。』

とか考えているとクレープが出来上がった。
結構綺麗に作られている。

世衣「また来てねー!!」

とブンブン手を振っている世衣に手を振り返して私達はその場を離れた。

⏰:07/05/05 12:07 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#459 [向日葵]
さすがに人がいっぱいなので、どこかに避難することにした。

世津「空き教室が北校舎の3階に集中してるんでそこに行きませんか?」

マスター「大丈夫ですよ。この辺りで立ち止まりましょう。」

移動した場所は結構人気がいなくて体育館に続く階段もあったので、そこに座ることにした。

そしてクレープを一口。

世津「あ、美味しい。マスター美味しいですよ!」

マスター「そうですね。あ、世津さん失礼します。」

⏰:07/05/05 12:16 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#460 [向日葵]
マスターは私の口に手を伸ばし何かを拭き取った。

マスター「クス。カスタード。付いてましたよ。」

カアァァァァ!!!

カレカノ定番技!!(?)

世津「スイマセン!!ハンカチッ!」

急いでマスターの親指を拭く。
いつものマスターじゃないせいか、一緒にいるのがいつも以上にドキドキする。

マスター「そんなに拭かなくていいですよ。」

世津「あ、ハイ。もういいですよね…。」

⏰:07/05/05 12:21 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#461 [向日葵]
#############
休憩します

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/05/05 12:22 📱:SO903i 🆔:YakLudVw


#462 [るぅ]
頑張ってください

⏰:07/05/05 12:49 📱:SH703i 🆔:2dIz3qGw


#463 []
あげ
更新楽しみにしています主サンのペースで頑張ってサイ応援しています

⏰:07/05/05 23:03 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#464 [向日葵]
るぅさん
さん
ありがとうございます更新もうちょっとしたらしますんで、待ってくださいただ今日はちょっとしかできませんけど

⏰:07/05/06 00:01 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#465 [奈津歩]
ファイトー

⏰:07/05/06 00:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#466 [なっつ]
ずっと読んできました更新待ってます頑張れ

⏰:07/05/06 00:35 📱:P902i 🆔:bkEcsKzI


#467 [向日葵]
奈津歩ちゃん
ありがとう

なっつさん
ありがとうございます頑張ります

⏰:07/05/06 01:22 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#468 [向日葵]
少しほのぼの空気が流れたところで、私はやっぱり名前のことが気になった。

なのでもう一度聞いてみることにした。

……が。

「あー!いたいたぁ☆」

女の子が1人。私達の前に現れた。

「みんなぁ!こっちこっちぃ!!」

『え?みんな??』

すると複数の女子が一斉にやってきた。
説明しなくても分かると思うがみんなマスター狙いだ。

⏰:07/05/06 01:26 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#469 [向日葵]
「みんないくよー。せーのっ「「お名前なんて言うんですかー?」」

おー揃った揃ったー。
……じゃなくて!

マスターは名前言わないんだから。
第一アンタ達マスターにばっかり集中しすぎ!

マスター「私はマスターです。」

「しっかり本名教えてくださいー。」

「じゃないとここ動きませんよー!」

迷惑極まりない。
だから女子の塊って嫌。

⏰:07/05/06 01:30 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#470 [向日葵]
世津「あ、あのね。マスターは」

マスター「健輔です。」

………………え。

「健輔さんだってー!」

「わかりましたー!ありがとうございます☆」

女子軍団は約束通り名前を教えたら帰って行った。
しかし今はそんなことが問題じゃない。

『どーして……?』

私は教えてもらえなかった。今からだって断られるの覚悟で聞こうとした。―――なのに…。

⏰:07/05/06 01:33 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#471 [向日葵]
世津「マスター。意味分からないんですけど……。」

マスター「え?……あ、あれは」

世津「なんであの子達なんかに教えて私には教えてくれないんですか?!」

あんな恐い顔するからあんまり聞きたくなかった。

でも私はマスターを名前で呼びたかった。

だってみんなマスターって呼ぶ中で私にだけ教えてもらって、私だけがそれを呼んだらなんだか私は特別の様な気がして……。

でも違う。
思い上がってたんだ。

⏰:07/05/06 01:38 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#472 [向日葵]
世津「私もうマスターがわかんないよ!!」

私はその場を走り去った。

湖穂[取られちゃうわよ?!]

そうだね湖穂。
もしかしたらマスターはもう私のことが好きじゃないかもしれない。

だから特別にしか教えないから私は教えてもらえないのかもしれない。

世津「自分で考えといて…悲しいなぁ……。」

泣きそうになった。
こんなことなら早く返事すればよかった。

私も好きですって……。

⏰:07/05/06 01:42 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#473 [向日葵]
#############
すいませんホントに少しですが今日は終らせていただきます
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/05/06 01:43 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#474 []
またAコメしましたぁ続き気になる主サン更新頑張ってねあげ↑↑(^-^)

⏰:07/05/06 22:56 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#475 [向日葵]
さん
ありがとうございます
明日早いんで今日も少ししか更新できませんがご了承くださいm(__)m

⏰:07/05/06 23:57 📱:SO903i 🆔:dyICY6Qg


#476 [向日葵]
「ちょっとアンタ。」

世津「え?ちょ、何よ!!」

私はさっきの女子軍団に囲まれて、どこかへ引きずられていった……。

――――……

一方。

見事に置いてけぼりをくらったマスターは、まだ階段のところに座りこんでいた。

⏰:07/05/07 00:00 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#477 [向日葵]
世津[何で私には教えてくれないんですか?!][もうマスターが分からない!!]

実は世津は誤解をしていた。その誤解をマスターは解かなければならない。

マスターは立ち上がり、世津を探しに行くことにした。お昼を少し過ぎたので大分人混みがマシになってきた。

世依「あ!マスター!!」

制服に戻った世依が駆け寄って来た。

マスター「世依さん。どうなされたんですか?」

世依「な、なんか、せっちゃんが大勢の女の子に連れて行かれてたの!!あれ一体何?!」

それだけでマスターはさっきの人達だと言うことが分かった。

マスター「早く探しに行かないと……」

⏰:07/05/07 00:06 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#478 [向日葵]
世依「で、でもどこに…。」

それはマスターもわからなかった。

とりあえず落ち着いて考え様と試みた。

マスター「…………そういえば…」

世津[空き教室が北館の3階に集中してて……]

マスター「……!世依さん。北館はどちらですか?」

世依「北館?それならあっち……え?!マスター?!」

マスターは世依が指差した方に疾風がごとく走って行った。

⏰:07/05/07 00:11 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#479 [向日葵]
―――……

ダァァァ……ン

私は女子軍団に囲まれて壁に追い詰められていた。
その内の1人が私の顔の横に手を勢いよく置いた。

世津「何なのよアンタ達。陰湿じゃない。」

「はぁ?うっとおしいわねぇ。双子の影の分際で。」

「アンタなんか妹がいなきゃ存在感ないもんねぇ?」

ここで女子軍団が高らかに笑った。

まったくもって何が面白いのか全然分からん。

⏰:07/05/07 00:20 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#480 [向日葵]
世津「アンタらに構ってる暇ないんだけど。」

化粧だけ濃いくて外を飾っても所詮中身は腐ってるなコイツら。

私が睨むと、私の左にいた奴が私の髪を掴んだ。

「なんだよその目。文句ある?」

世津「大有り。私アンタらに何もしてないじゃん。」

「影の存在があんないい男連れて目立ってんじゃねぇよ!」

パシッ

平手を喰らった。
いきなりだったんで口の中を噛んでしまった。

⏰:07/05/07 00:24 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#481 [向日葵]
世津「いったいなー。噛んだじゃんか。アンタらだって彼氏ぐらいいるでしょーが。」

「うっとおしい奴見ると嫌気さすじゃない?」

『自己中も甚だしいな。』

私はとりあえず負ける気はしなかった。
気は強い方なので、ここにいる奴全員を蹴散らす元気ぐらいはある。

世津「知ってる?そーゆーのヒガミって言うの。」

笑いながら言ってやったら、図星を突かれた何人かが私を蹴ってきた。

⏰:07/05/07 00:29 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#482 [向日葵]
「アンタみたいな奴、あんなカッコイイ人が本気で相手してると思ってんのかよ!!」

『……』

そんなの私にはわからない。でもマスターがくれた暖かさとか、優しさとか、抱きしめてくれた力強さとか……

それはきっと嘘なんかじゃない。

マスターのことなんて、まだ3分の1以下くらいしかきっと知らない。

でも私は知っていきたい。
だって……

大好きなんだもん!!

⏰:07/05/07 00:33 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#483 [向日葵]
世津「私が相手されてないんなら、アンタらなんか眼中にも無いよ!!」

女子軍団の怒りに触れた。

「超ウゼェ!!ふざけてんじゃねぇよ!!」

複数の女子が殴りかかってきた。
仕方ない。我慢してたけど……反撃開始!!



――――と思ったら。

ガラッ!!!

マスター「おや。皆様お揃いのご様子で。」

世津「マ、マスター!!」

⏰:07/05/07 00:38 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#484 [向日葵]
女子軍団はバツが悪そうに少し身を引く。

マスター「綺麗どころがお集まりになりまして…。大変失礼します。」

執事さんがやるような礼をして、マスターは私に目を向ける。

私はと言うと蹴られたせいで制服に足跡が付いてたり、髪の毛を掴まれたりしたせいでグシャグシャになっていた。

その姿を見たマスターは、笑顔なのにどこか怒っていて周りには冷たい空気が流れていた。

マスター「世津さん。行きましょうか。」

世津「え?あ、ハイ…。」

⏰:07/05/07 00:46 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#485 [向日葵]
差し延べられた手を半ば呆然として握る。

そして教室を出て行く時にマスターが一言。

マスター「名前。健輔なんて嘘ですよ。」

ピシャン

…………

「「エェェェェェ!!!!」」

中に入る女子は大騒ぎ。
一方の私もびっくり。

世津「え?マスター…?」
マスター「……どこか、空いてる教室はありませんか?」

そう言ったマスターはいつもの優しいマスターに戻っていた。

⏰:07/05/07 00:53 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#486 [向日葵]
――――……

階の一番端にある空き教室に私達は入った。

女子軍団が乗り込んできてはダメなので、一応鍵を閉める。

ガチャン

『…ちょっと待って……。』

男女が密室に2人…。それってかなりヤバくない?!

マスター「世津さん」

世津「はいぃぃぃぃっ!!」

意識しすぎて突然のマスターの呼びかけに飛び上がる私。

マスター「どうぞこちらへ。制服をキレイにします。」

⏰:07/05/07 00:58 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#487 [向日葵]
マスターはズボンのポケットからハンカチを取り出し、パッパッと足跡を払ってくれた。

少し汚れているけれど、大分マシになった。

そしてグシャグシャになった髪の毛をほどく。

世津「あ、マスターいいです!そのままで!!」

マスター「じゃあ。手櫛で失礼します。」

マスターの細くて長い指が私の髪の間を通る。
なんだかドキドキして、ゾクッとした。

マスター「キレイな髪をなさってますね……。」

⏰:07/05/07 01:03 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#488 [向日葵]
世津「や、あの…っ」

マスター「私の母もそうでした。」

『えっ……』

髪の毛をキレイにし終ったマスターは私の後ろに立ったまま話始めた。

マスター「私は、両親に捨てられたんです。9つの時に……」

世津「……っ!」

マスターはそれから弧児院で育てられ、喫茶店の元マスターに育てられたんだと言う。元マスターは2年前に亡くなり、今はマスターが継いでいる。

⏰:07/05/07 01:10 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#489 [向日葵]
マスター「私を育ててくれた父は、それは優しく、愛情を持って接してくれました。……でも名前で呼ばれることはありませんでした。」

世津「どー…して?」

私は振り向いた。
するとマスターは穏やかな、だけど寂しそうな顔をしていた。

マスター「私が、名前を教えなかったんです。いえ知っていたでしょう。でも私は自分の名前が嫌いで偽りの名前を言いました。それが……健輔なんです。」

世津「口からでまかせじゃなかったんですね……。」

私はクスッと笑った。
マスターも少し笑顔になった。

⏰:07/05/07 01:16 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#490 [向日葵]
マスター「世津さん。私の名前を呼んでくれませんか?」

世津「え……?」

マスター「貴方に呼ばれたら好きになれそうなんです。」

私は少し考えた。
それはマスターが私に心を預けてる様な気がした。

ならば私もマスターに心を渡そう。

世津「マスター。私は貴方が好きです。お名前を聞いてもいいですか…?」

マスターは少し目を見開いて、直ぐに暖かい笑みを溢した。

⏰:07/05/07 01:20 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#491 [向日葵]
マスター「な…つきです。五十嵐 那月。」

世津「いが…らし……那月……。」

私は知らず知らずにマスターの頬に手を添えた。

世津「那月さん…那月さん……」

マスターは目を閉じて私の手に手を添える。

世津「那月…。」

マスターは少し目を開けて幸せそうに笑う。

マスター「世津さん。唇切れてますよ。大丈夫ですか?」

世津「あぁ。多分さっきの……」

⏰:07/05/07 01:27 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#492 [向日葵]
「さっきの時ついた傷です。」そう言う前にマスターの唇が私の唇に重なった。

外では、みんながその一瞬を楽しむように騒いでいる……。


―――……

マスター「これが最後のお話です。如何でしたか?」

世津「ちょっと那月さん!ミルクティー注文出てますよー!」

マスター「ハイ。只今。」

⏰:07/05/07 01:33 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#493 [向日葵]
ここは恋愛喫茶店。

様々な恋愛話を、ここのマスターと……奥さんが話してくれる不思議な喫茶店。

次また貴方が必要な時に、扉が開くでしょう。

では
またのご来店を心よりお待ちしています……。

カラン…カラン……

⏰:07/05/07 01:35 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#494 [向日葵]
【双子〜行方〜】

Fin

>>438-492

⏰:07/05/07 01:37 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#495 [向日葵]
間違えました
>>438-493

⏰:07/05/07 01:38 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#496 [向日葵]
あとがき

長らくの間「恋愛喫茶店」をご愛読&応援していただき、ホントにありがとうございました
なんとか書き上げることができました
次回作は「きらきら」の続編を書くことを予定しています。よろしければ手にお取りください
ありがとうございました
感想よければ
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/

⏰:07/05/07 01:41 📱:SO903i 🆔:ig2tmRBQ


#497 [奈津歩]
とても素晴らしいこの小説を読んでない方に読んでほしいのであげにきます
みなさんの心に響いてほしいと思います
恋話を聞く事で傷付いた心,恋したい心に刺激と癒やしをくれると思います
是非みなさん読んでみてください

⏰:07/05/08 19:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#498 [奈津歩]
読んで見てねッ
読む意味あり2だぜぇ!

⏰:07/05/10 19:27 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#499 []
>>1-200
>>200-400
>>400-500

失礼しましたッ

⏰:07/05/12 15:12 📱:P903iTV 🆔:☆☆☆


#500 [向日葵]
さん
アンカーありがとうございます

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