恋愛喫茶店
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#419 [向日葵]
頭の中でドンッと言う音が鳴った。

亡くなった?
もしかして前に新市君が話してた……好きな人……。

マスター「それがどぅ……音子さん?」

私はマスターの言葉を最後まで聞かずアパートまで走った。

ゴメンネ新市君。
死んだ人、重ねてたんだ。辛い。本当は重ねて見られるのは辛い。


でも、死んだ人の思い出と一緒に全部ひっくるめて“新市君”だもん。

⏰:07/05/04 00:54 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#420 [向日葵]
私は大丈夫。

だから死んだ人を忘れないであげて。

新市君なら分かるよね?

思い出にしてしまう辛さを。


バンッ

勢いよく扉を開けてしまった。
病人がいることを思い出して、ゆっくりと戸を閉める。

そして寝室を開けると同時に新市君は目を覚ました。

新市「……鈴?」

まだ私を鈴さんと勘違いしているらしい。

でもいいの。

⏰:07/05/04 00:57 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#421 [向日葵]
音子「大丈夫。ずっと側にいるから……。」

私は新市君の手を両手で握る。すると新市君は涙を流し始めた。

新市「側に……いてやれなくて……っゴメン……っ!!」

私の手をギュッと握り返す。鳴咽を少し漏らしながら新市君は話し続けた。

新市「ずっと…ずっと好きだったよ……。俺……も、鈴のトコっ行こっと…思った。んくっ――でも、守ってあげたい子が出来たんだっ!」

その言葉を聞いて、「えっ」と口パクで言った。

『……それは、私の事…?』

新市「お前の分まで生きるから……っ。だか、ら。俺をその子の側にいさせてっくれ!!」

⏰:07/05/04 01:08 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#422 [向日葵]
それはきっと、ずっと鈴さん本人に言いたかった言葉だろう。

生きていたなら……。

鈴さんが生きていたなら私は新市君と出会っていない。

だから鈴さん。
私は貴方の分まで新市君を守らせてください。

そして見守ってあげてください……。

思い出は、懐かしむと同時に切なさがあります。

その切なさを少しでも私が分かち合えるように…。
一緒に思い出を大切に出来るように……。

⏰:07/05/04 01:12 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#423 [向日葵]
――……

「――…ね。音子。」

ハッと目を覚ますと、目の前に新市君の顔。

音子「おあっ!!!びっくりしたぁっ!!あれ?もういいの?」

新市君はケロッとした顔でウンと頷いた。
そして座ったまま背伸びをして、所々ポキポキと鳴らす。

音子「…あれ?私いつの間にベッドに寝てるの?」

新市「あぁ。一回目覚めた時に座って寝てたから俺の隣で寝かした。」

⏰:07/05/04 01:21 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#424 [向日葵]
『と、となり?!隣って貴方!!!』

顔が赤くなるのを自覚しながら床に置いてあったお粥と薬と水が空っぽな事に気づく。

音子「全部食べたんだ……。」

新市「ウン!腹減ってたし!!薬飲んでまた寝たから結構スッキリしたよ」

そっか……っと言ってお盆を片付ける。
器を洗おうと水を出した瞬間。

音子「…っ!」

新市君がまた後ろから抱きしめてきた。

⏰:07/05/04 01:27 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#425 [向日葵]
その時思った。

新市君は私を抱き締めた瞬間から私を鈴さんだと思ったのかも知れない。

今度はなんだか落ち着いて新市君の少し熱がある体温を感じれた。

音子「どうしたの……。」

食器を洗う手を止めて新市君に聞く。
新市君の力が少し強くなった。

新市「夢…。見たんだ。幼なじみの。」

『ウン……知ってるよ。』

でも私は黙って話を聞く。新市君も話を続けた。

⏰:07/05/04 01:34 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#426 [向日葵]
新市「長い夢でさ…。名前呼んだら辛そうな顔してどっか行っちゃったんだ。」

それはきっと鈴さんの名前を初めて呟かれた時だろう。

新市「抱き締めたら、ちゃんと感触があって。……でもまた現れた時、思ったんだ。――――あぁ…。これは夢だって……。」

だって現実に考えてアイツはもういないんだもんなぁと、笑いながら話すその声は寂しそうだった。
私は何も言えなかった。

そして話は、新市君が泣いた時に行った。

⏰:07/05/04 01:40 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#427 [向日葵]
新市「謝ったんだ。側にいてやれなくて……って。そしたらアイツ、……笑って言うんだ。『新市が幸せなら私は幸せよ…』って。」

そこで私は「え?!」っと思った。だって私は何も言ってない。ただ耳を傾けていただけなのに…。

『鈴さんっ…。』

新市「それで言ったんだ。『守ってあげたい子がいる』って。」

そう言うと、私を新市君の方へ向かせた。

音子「……鈴さ…その人はそしたらなんて?」

⏰:07/05/04 01:49 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#428 [向日葵]
新市君はニコッと柔らかく笑って言った。

新市「『しっかり守ってあげなさい』って。」

その言葉を聞くと同時に私は抱きついた。
涙が出た。

私の声が鈴さんに届いて、新市君が私を大事にしてくれて……。

これ以上の幸せはきっとない。

新市君は私を少し話して涙を拭いた。

新市「なぁんで音子が泣くのー?」

音子「いや……あのっ…。」

⏰:07/05/04 01:57 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


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